海外駐在員の活動レポート(2020年8月・北米事務所)

掲載日:2020年8月25日

コロナ禍でも成長する米国スタートアップ企業の事例紹介

 世界のスタートアップエコシステムの調査を手掛ける米Startup Genome社が2020年5月末に発表したレポート(Global Funding|The Impact of COVID-19 on Global Startup Ecosystems)によると、世界におけるベンチャー・キャピタル(VC)によるスタートアップへの投資件数は2019年12月以降、前年比およそ20%減少している。
 このようにスタートアップ企業を取り巻く環境は厳しさを増しているが、コロナ禍が長引く中、同ウイルスへの対処法を模索しながら、新たなビジネスチャンスを獲得している企業もある。今回は、米国のスタートアップ企業の2つの事例をご紹介したい。

<ミレニアル世代に人気の新たな保険サービス>
携帯アプリを通じて米国で各種保険商品を販売しているLemonade社は、今年7月に新規株式公開を行い、株価の上昇により高い市場評価を得ている。
同社が人気を博している理由は3つある。
 まずは、アプリを通じた手軽で安価(月額5ドルから)な保険加入方法である。ミレニアル世代(1989年~1995年に生まれた世代)の高い関心を引き付けており、同社のアプリのユーザーの約70%が35歳以下とのことである。
 次に、人工知能技術AIを介して問合せに対応する迅速なヘルプデスクにある。MayaやJimと名付けられたAIヘルプデスクは、数秒で保険設定や保険金支払いに対応する能力を備えており、迅速なサービスが好評を得ているようである。
 最後に、同社の保険加入者が、未請求の保険金を任意の慈善団体に寄付できる仕組みにある。保険金を寄付という形で社会貢献につなげる工夫も人気の1つであるようだ。
Lemonado社ホームページ:https://www.lemonade.com/

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<コロナ禍で注文が殺到しているビルの出入り管理技術>
 コロナ禍により、オフィスでは出社比率を抑え、小売店では入店規制を行うなど、建物への人の往来を管理するニーズが急激に高まっている。赤外線センサーを活用した人の往来管理システムを販売しているDensity社では、需要急増に伴い、有力投資家から資金調達も実現させ、生産能力の増強を実現させた。
 同社では、当初、一部の小売店や喫茶店などへの導入を想定していたところ、コロナ禍を受けて、あらゆる企業がオフィスビル、工場、倉庫などを安全に再オープンさせるために、人の往来の管理システム導入を検討し始めている。
 また、同社のセンサーは、戸口の高さの値を測定して何人が通過するかカウントするため、カメラと異なりプライバシー保護にもつながるとのことである。
Density社ホームページ:https://www.density.io/

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 コロナ禍を受けて、特定の業界分野で革新的なソリューションを提供するスタートアップが注目されている。危機に伴う社会的な変化は新たな態度や振る舞い、アイデア、ソリューションを後押しし、社会が真に必要とするプラットフォームの革新が目まぐるしいスピードで進むときでもある。引き続き米国においてこうしたスタートアップ企業の動きに注目したい。

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