海外駐在員の活動レポート(2019年8月・北米事務所)
友好都市と交流拡大
メリーランド州は、米国東海岸に位置し、本県と1981年に友好提携を締結して以来、35年以上にわたり、経済、教育、文化など幅広い分野で交流を深めている。
今年7月、同州との交流拡大のため、黒岩祐治知事が州都アナポリスを訪問した。まず、ホーガン知事と面談し、ライフサイエンス分野における相互連携に関する覚書を締結したほか、州内の医療関連企業や経済機関とのラウンドテーブルを開催し、知事自ら本県の「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取り組みや投資環境についてトップセールスを行った。参加した企業からは、未病コンセプトや未病指標などについて積極的な質問が寄せられ、関心の高さがうかがえた。
同州には、米国国立衛生研究所(NIH)やジョンズホプキンス大学付属病院などの米国トップレベルの研究機関や医療機関が立地しており、州政府の政策効果もあって、ベンチャー企業や研究者が世界中から集まるライフサイエンス関連産業が集積する地域となっている。
また、同時期に県内私立学校の中高生30人と教員5人がメリーランド大学ボルティモア・カウンティ校(UMBC)に滞在し、2週間の研修プログラムに参加した。これは、昨年度から県私学協会が実施している国際交流事業の一環で、生徒は英語力を高め、教員は英語指導力を高めるとともにグローバルスキルを身につけることを目的に実施した。
研修の初日には、UMBCにおいて歓迎会が開催され、黒岩知事も激励に訪れたほか、生徒代表による英語でのスピーチが行われた。
メリーランド神奈川姉妹州委員会委員長でUMBCで教鞭をとるフーゲンブーム智子氏によれば、「UMBCは、様々なバックグラウンドの学生が在籍しており、学内には、多様な文化・言語・宗教が共存している。留学を通じて、こうした多様な価値観に触れて、国際感覚を身に付けてほしい」と事業の成果を期待していた。
今年9月には、県内の私立学校がUMBCの学生数人をアシスタントティーチャーとして受け入れることが予定されており、教育分野の相互交流も進んでいる。
友好提携の関係を生かし、幅広い交流が実現するよう、今後も一層力を入れていきたい。
(写真)覚書に署名した黒岩知事とホーガン知事
※令和元年8月23日神奈川新聞より引用