海外駐在員の活動レポート(2021年2月・タイ バンコク派遣職員((株)横浜銀行バンコク駐在員事務所))

掲載日:2021年2月22日

新型コロナウイルス第2波が到来したタイの現状

第2波の到来

 タイは新型コロナウイルスの感染拡大の抑え込みに比較的成功しており、主要産業の一つである自動車を中心に経済も回復傾向にあった。しかし、昨年末にバンコク近郊のサムットサコーン県において外国人労働者を中心とした集団感染が発生。これにより感染は全国に拡大し、第2波が到来した。各地で年末年始の様々なイベントが中止となり、自粛ムードが漂う中、タイ政府は対策を発表した。昨年の第1波の際には、全国一律の都市封鎖を実施したが、今回は経済に与える影響も考慮し、感染状況に合わせて各県ごとにレベル分けを実施した。バンコクでは、在宅勤務の推奨、学校の休校、各種施設の閉鎖、飲食店の営業時間短縮やアルコール提供の禁止などの措置が講じられた。飲食業やサービス業への影響は懸念されるものの、第1波の時のような自動車メーカーの工場停止などの大きな影響は聞かれていない。政府の措置により、感染拡大の抑え込みに再び成功すれば、経済に与える影響は限定的と見込まれている。
タイの新型コロナウイルス新規感染者数の推移
【タイの新型コロナウイルス新規感染者数の推移 出所:世界保健機関】

今後の動向

 タイ中央銀行は、昨年12月に2020年のGDP成長率をマイナス6.6%と予測。2021年および2022年の見通しについては、それぞれプラス3.2%、4.8%としている。タイ経済の回復にとっては、短期的には新型コロナウイルスの感染拡大をいかに抑え込むかが、長期的には外国人旅行客の受け入れ再開やワクチンの普及などが影響するとの見方を示した。しかし、年末からの第2波の到来により、再び先行きは不透明となってきている。
タイの実質GDP成長率の推移
【タイの実質GDP成長率の推移 出所:JETROおよびタイ中央銀行】


2020年の外国人旅行客は、前年比83.2%減の670万2,396人となった。政府は、昨年10月に最長270日の滞在が可能となる特別観光ビザ保有者の受け入れを開始したが、利用者は限定的となっており、2021年1月上旬時点で約1,100人程度に留まっている。また、日本を含む56か国・地域を対象として、ビザなしで14日間の隔離を含めた45日間の滞在を可能としているが、入国許可証の取得やPCR検査の陰性証明書の提出といった煩雑な入国手続きや依然として続く隔離措置もあり、旅行者にとってのハードルは高い。ワクチンについては、タイ政府は人口の約半分にあたる計6,300万回分(一人2回接種)の確保を計画し、中国製薬大手シノバック・バイオテックと英アストラゼネカから計2,800万回分のワクチンの調達を決め、さらに追加で3,500万回分の調達を進めている。まずは、2月下旬にシノバック・バイオテック製のワクチンの到着を予定している。また、政府はアストラゼネカから技術移転を受け、ワクチンの国内生産を計画しているが、現時点で全国民に行き渡る目途は立っていない。
暗い話題になりがちだが、明るい兆しも見えつつある。2月に入り、各種行動規制は緩和の方向に向かっている。新規感染者についても、積極的検査による外国人労働者の集団感染判明が中心であり、市中感染が爆発的に増えているわけではない。ワクチン接種者に対する隔離措置なしでの入国許可(ワクチンパスポート)について観光大臣が言及するなど、第2波の収束後に向けて動き出しているといえる。バンコクでは、年末年始に続き、春節を祝うイベントについても中止となったが、今は我慢の時だと捉え、少なくとも4月のタイ正月(ソンクラーン)の時期には状況が改善していることを期待したい。
商業ビルの春節の飾りつけ(筆者撮影)
【商業ビルの春節の飾りつけ(筆者撮影)】

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