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更新日:2024年3月1日

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海外駐在員の活動レポート(2023年2月・東南アジア事務所)

海外駐在員の活動レポート(2023年2月・東南アジア事務所)

中小企業に商機の広がるカンボジア(前編:工業)

 面積約18万平方メートルの国土に約1,600万人の人々が生活するカンボジアでは、2022年に5%程度の経済成長を見込む。外国からの投資を呼び込むことで、港湾・幹線道路などの社会インフラの整備が進み、著しくビジネス環境が改善している。街は活気で満ちており、豊富な若年人口と真面目な国民性、ASEANの中でも上位の親日国と投資先としての魅力を持つ。
 近年の日系企業の大型投資としては、豊田通商がトヨタ車の組立工場をカンボジアの首都プノンペンにある「ロイヤルグループ・プノンペン経済特区」に建設中である。
 同区は総面積360ha、プノンペン市内から西に18キロ、空港からも8キロの好立地で、入居企業のうち日系企業が約4割と多いのが特徴となっている。産業別では、食品・飲料、縫製、電気・電子部品、自動車部品などが多くなっている。
 2022年11月には、プノンペンと国際物流の大拠点である「シハヌークビル」をつなぐ高速道が開通したほか、タイ国境のポイペトのトラック専用国境ゲートや、南部経済回廊を構成する国道5号線、プノンペン都の南部での新空港の建設など、物流インフラの整備が進んでいる。
 特区を運営するプノンペン経済特区の上松裕士CEOは「中国プラスワンということで進出が進んだタイ・ベトナムは大企業が市場をおさえている。一方、カンボジアは中小企業が進出しやすい環境にある。チャイナプラスワン、タイプラスワン、ベトナムプラスワンの進出先として、ぜひカンボジアを検討してほしい。」と日本の中小企業の進出を期待する。
 ジェトロプノンペンの井手靖アドバイザーも「カンボジア人は手先が器用で細かい作業に向いている。彼らの中には職人気質を持った人も多く、人的資源の見地からも特殊な加工技術が必要な日本の中小企業が進出するのにちょうどよい環境。」とのこと。また、「社員とのコミュニケーションをきちんと取れば、長く勤めてくれる。給料よりも安定した仕事を求める傾向が強く、どちらかというと家族的な経営の日系の中小企業との親和性が高い。」と中小企業の進出を勧める。さらに、「カンボジアは投資政策としては外資規制がなく100%外資の法人設立も可能となっている。」と現地法人の設立のメリットも語ってくれた。
 カンボジアに関心を持たれた中小企業の方はぜひ県シンガポール駐在員まで問い合わせいただきたい。

 

プノンペン経済特区の入口ゲート付近

【プノンペン経済特区の入口ゲート付近】

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