海外駐在員の活動レポート(2020年8月・大連 神奈川経済貿易事務所)

掲載日:2020年8月12日

コロナ禍以降の中国の物流事情

 中国では新型コロナウイルスの影響で、企業の生産活動の停滞や国際航空路線の大幅減便、中国からの医療物資輸出の特需など、物流を取り巻く環境が目まぐるしく変化している。今回は、中国に拠点を置く日系物流企業の声を紹介したい。
 電子部品を主に取り扱う総合物流企業の株式会社アルプス物流(本社:横浜市)大連支店の岡地支店長は、「当社はコロナ禍が顕著になりつつあった春節後の2月上旬に業務を再開した。工場の操業が停滞し電子部品関連の輸送が止まった反面、多くの企業から医療物資の輸送依頼があり、5月ごろまでは通常業務とは違った忙しさがあった。3月末からの日本と中国を結ぶ航空路線の大幅減便による貨物スペースの減少と運賃の高騰や、税関におけるマスクの輸出規制の厳格化があり、時間的猶予がない医療物資の輸送手配はとても大変だった。」と語った。
 県内に事業所を持つ物流会社の山九株式会社大連支店の坂野部長も、「物流業界はメーカーの物量に合わせて変動する為、同じように大打撃を受けた。2月は一部の常例作業を除いて作業が停止したほか、コロナ禍で訪問営業が難しく、客先動向がつかみにくい状態だった。3月から5月にかけてマスクの輸出で何とか作業はあったものの、徐々に日本側もコロナの影響が出始め、日本側の工場が停止するなど、通常作業がますますなくなった。6月からはやっと訪問営業も再開することができた。海上便や国内トラック便等はもともと影響が少なく、航空便も通常に戻ってきたが、世界中でコロナ感染拡大が未だに収束せず、また米中貿易摩擦の激化で、先が見えない状況となっている。」と現状を伝えてくれた。
 このほか、主に引越し業務を扱う日系物流会社の担当者に日系企業駐在員の引っ越しに関する状況を聞いたところ、「新規赴任する駐在員が入国できないため、前任者の帰任が延期またはキャンセルになった例が多数ある。一部企業では、止むを得ず中国国内の都市間での人事異動で対応している企業もある。また引越し時は、防疫管理のため業者が建物に入館できず、顧客が自身で梱包した荷物を建物の入口まで運び出し受渡しするケースもあった。中国国内の他都市への荷物輸送については、一時期、移動制限等で遅延等が発生していたが、現状は概ね以前の状態に回復しつつある。」と話した。
 中国におけるコロナの影響は落ち着きを見せており、物流も平常に近づいている。3月中旬から一部引受けを停止していた中国宛てEMS(国際スピード郵便)も、7月1日より引受けが再開された。
 コロナ禍が多くの企業経営に打撃を与える中、物流業界は社会インフラを支えるために奮闘している。こうした日系企業の声を今後も届けていきたい。

iryoubussi

(コンテナに積まれる医療物資)

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