海外駐在員の活動レポート(2019年2月・北米事務所)

掲載日:2019年2月22日

好調続く米国経済とインバウンド需要の取り込み

米国は人口が3億人を超え、この10年間で約8%増と先進国の中では人口増加が著しい。また経済面では、2009年のリーマンショック後からの景気回復、景気拡張が継続しており、これは戦後2番目の長さとなっている。失業率は4.0%(2019年1月)と低水準を維持しており、賃金上昇率も緩やかに上昇し、個人消費支出も堅調に増加している。

こうした経済の好調を背景に、人々に余暇を楽しむ経済的余裕が生まれ、米国人の外国旅行者数は8,770万人(2017年)にのぼり、10年前より約38%増加している。そのうち日本への旅行者数は137.5万人であるが、10年前と比べ79%増と非常に高い増加率となっている。

日本を訪れる米国人は、どのような目的でどのように旅をするのであろうか。
訪問時期は、イースター休暇と日本の桜の見ごろの時期が重なる4月や、米国の学生の夏休みが始まる6月が比較的多い。平均滞在期間は7.5日間であり、他国からの訪日客が5.2日間であることと比べ、長期間の滞在を好む傾向がある。また、観光庁が実施した訪日目的についてのアンケート結果では、「日本食を食べること(84.6%)」、「自然・景勝地への観光(60.9%)」、「日本の歴史・伝統文化体験(52.7%)」など日本の「ホンモノ」との出会いを望む答えが多い。

一方、旅行中に欲しかった情報は何かという問いに対しては、「交通手段(72.3%)」と答えた人が多く、車社会で暮らす米国人にとって、日本の複雑な交通システムを使いこなすことは難しいことが垣間見える。

神奈川県においては、延べ外国人宿泊者数約213万人(2017年)のうち、米国人宿泊者数は約30万人(14%)で、中国人に次ぎ2番目に多い。

箱根、鎌倉・江の島、丹沢大山など県内の主要な観光地への鉄道事業を運営するとともに、ホテル、流通など幅広い事業を展開している小田急グループは、2019年1月25日から27日にかけて行われた米国東部最大規模の「ニューヨーク タイムズ トラベルショー」に初出展した。

同社は、日本政府が「ビジット・ジャパンキャンペーン」を開始した2003年以前から、新宿駅に「外国人旅行センター」を開設するなど、インバウンドビジネスに力を入れており、これまでバンコク(タイ)、パリ(フランス)に駐在員事務所を開設し、アジアや欧州からの誘客を促進してきた。小田急線沿線の県内観光地には、米国人が求める観光資源が豊富にあるため、米国を新たなターゲットととらえ、ブースでは、箱根が新宿から直通で行くことが出来るなどアクセスの良さをPRし、観光客誘致を積極的に行った。

およそ10年にわたりインバウンド事業に携わる、小田急電鉄株式会社旅客営業部課長 野田 健一氏は、米国からの誘客の狙いと今後の展開について、「箱根、鎌倉・江の島など当社沿線を訪れる米国からの訪日旅行者は、年々増加しており、2018年度上期の小田急旅行センターの利用者数は、中国・台湾に次ぐ第3位となっている。旅行者の多くは東京、箱根、富士山、京都などゴールデンルートを周遊する動きが多いことから、今後の世界的イベントを見据え、箱根だけでなく江の島、大山といった沿線観光地への誘客を強化していきたい。」と語る。

2019年秋に、ラグビーワールドカップの決勝戦が行われる横浜や、2020年に東京オリンピック・パラリンピックのセーリング競技会場となる江の島を擁する神奈川県には、世界中から多くの旅行者が見込まれている。イベント終了後も見据え、観光振興による県内の地域活性化のため、北米事務所でも訪日旅行者の誘客に向け取り組んでいきたい。

参考文献
「訪日旅行データハンドブック2018」(JNTO)
「宿泊旅行統計調査2017」(観光庁)
「米国政治経済の現状と日系企業の進出状況」(ジェトロニューヨーク事務所)

 

にぎわう小田急グループのPRブース

(写真)小田急グループPRブース(2019年1月26日ニューヨークタイムズトラベルショー)

本文ここまで
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