海外駐在員の活動レポート(2019年1月・北米事務所)

掲載日:2019年1月11日

米国政府機関閉鎖の背景と影響

米国で連邦予算の一部が失効し、政府機関の一部閉鎖が続いている。1月11日で21日目に入り、クリントン政権の時(1995年から1996年)と並び過去最長となった。今、米国で何が起こっているのだろうか。

そもそも米国で政府機関の一部が閉鎖されることは珍しいことではなく、今回で21回目となる。

今回は、トランプ政権がメキシコとの国境に壁を建設するための予算57億ドルを求めているのに対して、民主党はそれを認めず、上院100議員のうち必要な60の賛成票を得られなかったため、暫定予算が失効し、政府閉鎖に陥っている。

米国民はこれに対してどのように考えているのだろうか。米国公共ラジオのナショナル・パブリック・ラジオが市場調査会社のイプソス社と連携し実施したアンケート(1月9日から10日に18歳以上の1003人に実施)によると、74%が政府閉鎖は米国にとってよくないと考え、71%が政府を再開したうえで話し合いを継続すべきとしている。

多くの米国民は、協調姿勢をとっているように見えるが、国境の壁に焦点を絞ると違いが垣間見える。壁建設予算が確保されるまで政府閉鎖を続けるべきだと答えた人は、全体では31%だが、政党支持別でみると、民主党支持層が14%、共和党支持層では58%と大きな開きがある。

政府閉鎖により、政府職員約80万人(全体の約15%)が無給で働くか自宅待機となっているほか、多くの観光客を集める国立公園の一部でも業務を縮小するなどの影響が出ている。また、証券取引委員会(SEC)は閉鎖の間、株式発行を承認できないため、新規株式公開(IPO)を予定していた企業が、計画を先延ばしせざるを得ない状況であり、投資家への心理的な影響も懸念される。

一方、米国民にとっては、政府閉鎖による直接の影響は限定的で、給与なしで働くか自宅待機する政府職員を親族にもつ人は10%、閉鎖のため政府サービスが受けられなかった人は15%、国立公園を訪問できなかった人は11%となっており、このことも政府閉鎖を長期化している要因の一つと捉える向きもある。

この状況を打開するため、トランプ大統領は国家非常事態を宣言し、議会を迂回して壁建設費を確保する方策を視野に入れるが、これには憲法が定める議会の予算決定権を侵害するとの指摘もある。

現在のところ、米国進出日系企業への影響が生じているという報道はないが、駐在員ビザの審査に遅れが生じるなど、企業活動等に影響が及ばないか注視していきたい。

 

「政府機関閉鎖に関するアンケート」

(ナショナル・パブリック・ラジオ及びイプソス社による調査結果を抜粋)

アンケート結果政府閉鎖は米国にマイナス

 

アンケート結果政府を再開したうえで話し合いを継続すべき

アンケート結果壁建設予算が確保されるまで政府閉鎖すべき

アンケート結果国民に直接影響が少ないことが閉鎖も長期化の一因

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa