海外駐在員の活動レポート(2019年1月・北米事務所)

掲載日:2019年1月17日

未病とプレシジョン・ヘルス

「私たちが、より良い人生を、より長く、楽しめるようにするには、どうすればよいか?」

昨年11月、本県はスタンフォード大学(米国カリフォルニア州)とともに、「ライフサイエンスに関する研究」をテーマとしたシンポジウムを同大学内で開催した。2016年には、黒岩知事が訪米して、県と同大学医学部との間で、ライフサイエンス分野での連携をさらに強化するために、覚書を締結している。今回のシンポジウムは、覚書締結以来、5回目(米国では3回目)の共催シンポジウムである。世界の第一線で活躍する研究者たちが研究成果を発表し、本県からは、首藤健治副知事が、「ヘルスケア・ニューフロンティア」を中心とした県の取組みについて講演した。

人の健康状態は、健康と病気の境界が明確ではなく、健康と病気の間で連続的に変化している。この健康と病気の間の状態を「未病」という。将来にわたり健康で自立した生活を送るためには、「未病」を改善し病気になることを防ぐことが重要であると考え、県では、「未病の改善」と「最先端医療・最新技術の追求」を融合したアプローチで、健康寿命の延伸と新産業創出を目指す「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取組みを進めている。

一方、スタンフォード大学は、「プレシジョン・ヘルス」に取り組んでいる。「プレシジョン・ヘルス」は、ビッグデータを活用した遺伝子的な要因の解析により、個人に合わせたオーダーメイド医療を行うもので、病気の予防や病状が進行する前の診断が可能となる。「プレシジョン・ヘルス」を行うには先行投資が必要だが、最終的にはコスト面でも効率的な質の高い医療が提供できると期待されている。例えば、原因不明のてんかん発作を起していた幼児のDNAを解析したところ、脳細胞を機能させるためのエネルギーが取り込まれないことが原因であると分かり、新たに食事療法を用いることで、それまで服用してきた薬剤の量を減らすことができた事例もある。

「未病」の考え方を用いて人の状態を捉えなおし、「プレシジョン・ヘルス」により、その人の状態に合わせたオーダーメイドの医療を組み立てる。この2つのアプローチにより、予防も含めた適切な働きかけの方法が見つかり、人をより健康な状態へと導くことが可能となるだろう。

県とスタンフォード大学が「未病」と「プレシジョン・ヘルス」に係る知見を持ち寄り、連携、協力しながら取組みを進めることで、現在は有効な治療法が確立されていない病気も、将来は治療可能になることが期待できる。

人生をより長く楽しめる社会を目指すこうした取組みに対し、北米駐在員として、ライフサイエンスの先進地域や機関との連携、協力の推進に貢献していきたい。

スタンフォード大学における首藤副知事による講演風景

(写真)首藤健治神奈川県副知事(スタンフォード大学)

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa