里山の風景と宮彫りで楽しむ、蓑毛探訪コース

掲載日:2018年9月7日

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※1 秦野駅より【秦20」「蓑毛行き」で約20分、「青年橋」下車
※2 「蓑毛」バス停より、【秦20】【秦26】【秦31】「秦野駅行き」で約4分、「東中学校前」下車。(バスの運行本数が限られていますので、ご注意ください。)

※3 「中庭」バス停より、【秦23】【秦26】【秦27】「秦野駅行き」で約16分、「秦野駅」下車

※4 本モデルコースの内容は、2018(平成30)年7月時点のものです。

ルートマップ

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※ 地図は、コースのポイントをわかりやすく示すための概略図です。そのため縮尺等が正確でないことがあります。

コース案内

小田急小田原線 秦野駅

 ▼ バス 約20分 ▼


1.里山の風景と緑水庵(りょくすいあん)

今回は、里山の風景や貴重な文化財、豊かな自然の残る、秦野市蓑毛地区をめぐるコース。
スタートは、秦野駅です。秦野駅から、蓑毛の緑水庵へは、バスで約20分。

01suisyagoya(自然観察の森 水車)
「青年橋」バス停からほど近いところに、まず見えてくるのが水車小屋。小ぶりで可愛らしい雰囲気です。
秦野市内には、かつて各地に水車が置かれ、お米や麦をついたり、そばの粉(秦野市は県内一の蕎麦の産地)をひいたりと、秦野での暮らしに欠かせないものだったそう。

02ryokusuian(緑水庵)

水車小屋の奥にあるのが、緑水庵。
緑水庵は、1930(昭和5)年に秦野市内の今泉地区に建てられた住宅を、1991(平成3)年に現在地に移築復元したものです。

秦野市は、かつて日本有数のたばこの産地でした。
江戸時代に始まった秦野のたばこ栽培は、明治、大正時代に全盛期を迎え、秦野の街の発展を支える重要な産業となったそうです。
この緑水庵は、かつての一般的なたばこ農家に見られる建築様式を採っているものだそう。
どっしりとした構えの日本家屋は、棚田の広がる周辺の風景とともに、どこか懐かしい気持ちを呼び起こします。
緑水庵の屋内には、農具や日用品が展示され、往時のたばこ農家の暮らしを知ることができます。

 ▼ 徒歩 約13分 ▼


2.大日堂の文化財と「宮彫り」

緑水庵から歩くこと約10分のところにあるのが、蓑毛大日堂です。
大日堂は、奈良県の東大寺大仏造営に尽力した僧・行基(ぎょうき)によって742年(天平14年)に、開かれたと伝えられ、大山の登山口にあることから山岳信仰の拠点として信仰を集めました。
2017(平成29)年10月には、大日堂のほか、同じ敷地内にある不動堂、地藏堂、大日堂仁王門の計4棟が、国の有形文化財に登録されました。

03dainitidounioumon niouzou(大日堂仁王門・仁王像)

通りに面しているのが、大日堂仁王門。仁王門は19世紀前半に建てられたものと言われますが、仁王像は古く、平安後期の12世紀頃の作とされ、鎌倉時代の運慶派の作品の特徴とされる”強面”ではなく、とても穏やかな表情をしています。素朴とも言える柔和な顔は、周辺の静けさとあいまって、気持ちをやさしく癒してくれるよう。

04dainitidouhondou(大日堂本堂)

大日堂は、1729(享保14)年に建築されました。
お堂全体に朱色の彩色が、所々の装飾にも多色の彩色が残っています。

04-1dainitidoumiyaboriryu 04-2dainitidoumiyaborihana(宮彫り)

そして目に付くのが、「金剛王殿」の額の上に施された龍の彫り物。そして、見事に彫られた牡丹の彫刻も。
このような神社仏閣に施された彫刻は「宮彫り」と呼ばれ、彫り師が腕を振るった芸術品でありながら、これまであまり注目されてきませんでした。そんな「宮彫り」の魅力については、コラムでご紹介しています。
今まで見落としがちだった「宮彫り」をじっくり味わったところで、続いては、蓑毛の自然を堪能します!

05dainitidoujyuuou(茶湯殿の十王像:期間限定公開)
なお、大日堂等の堂内に納められた貴重な文化財は、毎月第1日曜日や、毎年11月の文化の日前後の公開時にご覧いただけます。一見の価値あり!

 ▼ 徒歩 約20分 ▼


3.春嶽湧水(はるたけゆうすい)

続いて向かうのは春嶽湧水ですが、道中周辺には、かつて大山道を照らしていた常夜灯や、「元宿(もとじゅく)」があります。元宿とは、関東大震災前にこのあたりにあった集落の跡地です。関東大震災後の大雨による土砂崩れで15軒が流されたと言われ、現在は屋敷の跡が残されています。

06harutakeyusui01 07harutakeyusui02(春嶽湧水)

秦野は「名水の里」として知られ、秦野盆地湧水群は名水百選にも選ばれています。市内にはいくつもの水源がありますが、春嶽湧水もそのひとつ。天然の地下水を取水しており、季節によっては水枯れすることもあるそうですが、この日は勢いよく澄んだ水が噴き出していました。

 ▼ 徒歩 約20分 ▼


4.髭僧(ひげそう)の滝

08higesounotaki01 09higesounotaki02syuhen(髭僧の滝)

春嶽湧水からさらに歩くこと約20分。(山道のため、安全に十分配慮してください。)
髭僧の滝は、金目川の源流付近に位置しており、その名は、昔、近隣の宝蓮寺(ほうれんじ)にいた胸まで伸びた長い髭を持つ僧侶がここで修行したことに由来すると伝えられています。
白く流れ落ちる滝の周りには、瑞々しい苔が生え、目にも肌にも涼やかです。滝は澄んだ流れを作り、ここから秦野の地を潤していきます。

 ▼ バスと徒歩で約63分 ▼


5.源実朝公御首塚(みしるしづか)

10sanetomokubiduka(源実朝公御首塚)

「源実朝公御首塚」は、鎌倉幕府三代将軍、源実朝の首が葬られたと伝えられている史跡です。
源実朝は、甥の公暁(くぎょう)によって殺され、その首は、公暁を討ち取った三浦氏の家来によって秦野の地に持ちこまれ、手厚く葬られたと伝えられています。
御首塚の近くには、歌人としても有名だった実朝の歌碑(「物いはぬ四方(よも)のけだものすだらにも あはれなるかなや親の子を思ふ」)があります。

▼ 徒歩 約1分 ▼


6.田原ふるさと公園(そば処「東雲(しののめ)」)

11taharahurusatozenkei 12taharahurusatosuisya(田原ふるさと公園)

田原ふるさと公園は秦野の豊かな自然に囲まれた公園で、園内の「ふるさと伝承館」には農産物直売所、そば処「東雲」、そば道場、漬物加工施設が入っています。公園内にはそば粉を製粉するための水車小屋もあり、のどかな農村風景を楽しむことができます。

13sinonomenatugozen(そば処「東雲」天ざるセット)

そば処「東雲」では、そば粉と水にこだわり、「ひきたて、打ちたて、ゆでたて」の二八そば(そば粉8割小麦粉2割)をお召し上がりいただけます。この日いただいたのは、季節限定メニューの「天ざるセット」。季節ごとに、天ぷらやご飯が変わり、旬の食材をお楽しみいただけます。公園内の水車で石臼製粉されたそばは味わい深く、ほっとします。

▼ バスと徒歩で約20分 ▼


小田急小田原線 秦野駅

もっと知りたい!湘南 -モデルコースをもっと楽しむために-

「宮彫り」の魅力を神奈川探龍倶楽部 上田さんにお伺いします!

神奈川探龍倶楽部は、神奈川県内の「寺社の装飾彫り物~宮彫り(MIYABORI)」、特に「宮彫りの龍」を中心に調査、研究、その魅力のPR活動を行っている団体です。

神奈川県全域の寺社(その数、3,000以上だそう。)をめぐり、調査を行われている上田代表に、その魅力などについてお伺いしました!

 20uedasan2(神奈川探龍倶楽部代表 上田さん)

 

「宮彫り」とは、どのようなものですか?

日本全国に建立されている寺社の建築物に精巧に施されている彫刻を「宮彫り」(MIYABORI)と呼びます。「宮彫り」は、安土桃山時代から江戸・幕末にかけて多くの建築物に多用されましたが、明治維新後、政府が神社のモデルとして伊勢神宮の建築様式を推奨して、江戸時代から続く彫刻を用いる寺社建築は衰退していきました。
しかし、ここ数年、海外から注目を浴び始め、仏像の陰に隠れていた寺社の彫刻、「宮彫り」が日本の芸術の呼び名として世界に認められる日は近いのではないかと期待しています。

「宮彫り」の魅力はずばり、どのようなところにあるのでしょうか?

当初の彫り物(宮彫り)は、彫った後、彩色、金箔を施して荘厳さ・絢爛さを前面にだしていましたが、江戸中期には、質素倹約令などで派手な彩色が出来ず、しかしそれがかえって彫師の技術向上になりました。彩色を施さない木本来の木目など生かし、奥行き、立体感を表現し、緻密で繊細な技が確立されたのです。
何百本の鑿などを駆使し、見る人の視線を考えて彫り、欄間などは中国の故事や仏教説話などを題材にしています。
 

神奈川探龍倶楽部の活動について教えてください。

私どもは、4年ほど前からここ神奈川県を拠点として活動、研究をしてきました。宮彫りは、まだ研究が深くされていない分野で、どこに何があるか?誰がいつ頃作ったのか?など基本的な調査も行われていなかったので、まずはそこからのスタートでした。神奈川県内には約3,000の寺社がありますが、4年間で、その中の約2,000の寺社を調査し、現在も継続中です。
まだ調査途中ですが、海外から注目を浴びている「宮彫り」の文化財としての価値を多くの方に再認識していただき、また、日本の観光資源としての価値構築につなげたいと思っています。2018年には、海外向けに「宮彫り」(MIYABORI)を紹介する映像コンテンツを製作し、海外に向けてもその魅力を発信しています。
また、神奈川探龍倶楽部では、参加者がオリジナルのご朱印帳を作る「手作りご朱印帳教室」も各地で開催しています。
私どもの活動は、神奈川県観光協会の後援をいただいており、今後も県内の新しい観光資源発掘及び保護のため活動してまいります。

 

神奈川県内のお薦めの「宮彫り」は?
 

まずは、「龍の利兵衛」と呼ばれた後藤利兵衛義光の作品が、浦賀(横須賀市)の「西叶神社」、横浜市の「春日神社」にあります。
また、「波の伊八」と呼ばれた「初代武志伊八信由」は、当時、関西では「関東で波を彫るな!伊八がいる」と言われたほどの名工ですが、その作品が湯河原町の「素鵞神社」、横須賀市「東福寺」にもあります。
彫師の名前はありませんが、鎌倉の「安国論寺」、藤沢市の「龍口寺」でも、素晴らしい宮彫りを見ることが出来ます。
ここではご紹介しきれないほどありますので、ぜひ神奈川探龍倶楽部のホームページからご覧ください。

神奈川探龍倶楽部関連ホームページ

秦野市のその他の情報はこちらから

今回のモデルコースでご紹介したスポット以外にも、秦野市には見所がたくさん。下記リンクからご覧ください。

本文ここまで
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