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更新日:2022年5月6日

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平成28年度「黒岩知事との“対話の広場”地域版 湘南会場」開催結果

平成28年11月2日平塚商工会議所で開催された黒岩知事との“対話の広場”地域版(湘南会場)開催結果

集会の概要

意見交換

黒岩知事との“対話の広場”地域版 (湘南会場)

日時 平成28年11月2日(水曜日)18時30分から20時00分
会場 平塚商工会議所
テーマ 人生100歳時代の設計図
地域テーマ スポーツと健康長寿社会
内容

1 知事のあいさつ

2 事例発表

【事例発表者】

坂本 雄次氏
(ランニングプロデューサー)

小熊 祐子 氏
(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科准教授 医学博士)

3 知事によるまとめ

参加者数 215名

知事のあいさつ

知事あいさつ

こんばんは。ようこそいらっしゃいました。神奈川県知事の黒岩祐治です。今日は高校生がずらりと並んでいるのは、とても頼もしい感じがいたしますね。

この“対話の広場”は、皆さんと対話をしながら、いろいろな県政の課題を前へ進めていこうということでやっております。地域版ということで、各地域をずっと回って行っている最中であります。

今年のテーマは、「人生100歳時代の設計図」ということですが、その前に、せっかくの機会なので、今日は皆さんにお知らせしたいことがあります。

この夏、神奈川県は非常に辛い厳しい体験をいたしました。相模原の津久井やまゆり園で、障がい者はいなくなった方がいいんだという、大変間違った、でたらめな考えに基づいた凶行が行われました。そして、そういうことを受けて、障がい者の皆さんから、不安だという声がいろいろ寄せられました。

我々は、差別はなくしていこう、ともに生きる社会神奈川をつくっていこうと、これまで着実に進めてきたわけであります。こういった流れを逆行させることは絶対あり得ないんだ、逆にもっとそれを強く進めていくんだ、悲しみを力にしてもっと前へ進めていくんだ、ということを内外にアピールしたいということで、議会の皆さんと議論をし、いろいろな団体などともお話をしながら、ある文章をまとめました。

「ともに生きる社会かながわ憲章」というものであります。その中身をちょっとご紹介したいと思います。

この悲しみを力に、ともに生きる社会を実現します。

一 私たちは、あたたかい心をもって、すべての人のいのちを大切にします

一 私たちは、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します

一 私たちは、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します

一 私たちは、この憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組みます

ということでありまして、この「ともに生きる社会かながわ憲章」というのを神奈川県民に広く深く浸透させて、そしてこれをさらに日本全体に広げていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

超高齢化時代の到来

それではテーマに入りたいと思いますが、まずはこちらのグラフから見ていただきましょうか。

これが実は神奈川県の人口の構成であります。上が1970年の人口の形。きれいなピラミッドですね。実はこれは、一番上のところが85歳以上なんですけれども、1970年当時は、85歳以上の方はこれだけしかいなかったんですね。それが2050年になりますと、見てください、まったく逆の形になります。一番多いところが85歳以上だという時代に劇的に変化していきまして、神奈川県は、実は、この進み方が日本の中でも早いんですね。これが神奈川の大きな課題。これを乗り越えるためにどうすれば良いかということであります。

「未病」というアイデア、これをぜひ覚えてください。未病というのが一番大事なキーワードだと思っています。従来は、健康か病気かという、こういう分け方ですね。白ですか、赤ですか。健康か病気かどちらなんだと言われても、自分で考えてみる限りは、完全な健康だとか、完全な病気だというんじゃないですね。自分の実感としては。

健康の病気グラデーション

だから、未病はこうです。健康から病気というのはグラデーションでだんだん変化するんだということ。「白赤モデル」から「グラデーションモデル」へ、これが未病コンセプトということであります。未病を、グラデーションモデルのどこにいても、少しでも白い方に持って来ようとする努力が大事だということですね。つまり、病気を治すことも当然必要なんですが、病気になってから治すという発想ではなく、グラデーションモデルのどこにいても、少しでも白い方に持って来ようとする努力が大事だということです。

3つの取組み

そのために大事なのは、この3つの取組みですね。

未病を改善するために大事なのは「食」。食生活って非常に大事でありますね。

それから「運動習慣」。運動というのも非常に大事な要素。

そしてもう一つは「社会参加」。社会参加というのも実は非常に重要なキーワードになっておりまして、例えばずっと高齢者の研究をした例があるんです。それによると、フレイルというのがあって、だんだん虚弱になってくる、足腰がちょっと弱ってくることがありますね。足腰が弱ってくると、外に行きたくなくなる。そうすると、こもりっきりになり、社会と接触しなくなる。そうすると、先ほどの未病の状態がぐんと一気に悪くなってくるということなんですね。だから、社会につながっているということがすごく大事だということなんです。

今日は、若い方がたくさんいらっしゃいますが、そういった「食、運動、社会参加」なんて、俺たちにとってはあまり関係のない話じゃないか、と思ったら大間違いで、子どもにとっての未病の改善というのは非常に重要なことなんだなって、すごく思っているんです。

例えば、今、引きこもりの人がたくさんいますよね。引きこもりの人は、社会参加を拒否しているでしょう。

運動についても、運動部ですごく頑張っている人もいますが、単に基礎的運動能力がない子どもたちもずいぶん増えてるということです。小学生でも、しゃがむことができない子がいるんですよね。しゃがむと後ろに転んでしまうんですって。そういう子どもたちもいる。

食はどうですか。皆さんの食生活は大丈夫ですか。きちんとバランスの取れた食事をしていますか。かなり偏食というか、変な食事の取り方をしている人もいるんじゃないですか。

若い頃からこの3つができていないと、未病を改善する要素を持っていないということになってくる。こういうことをしっかりやっていこうという中で、先ほど言ったように、未病を改善しながら、健康な時代を長くしていこう、健康寿命を延ばしていこうとしているわけであります。

その中で、もう人生100歳時代だと。今、全国で100歳以上の方が65,000人以上います。それが2050年になりますと、約70万人になります。142人に1人が100歳以上、こういう時代になってまいります。では、どういうふうにその時に備えていくのかということ、これを今から皆さんとともに議論していこうということなんです。

今まででしたら、例えば人生の設計図というと、60歳定年でした。この中の若い人が社会に出て、会社に入ったとしても、大体60歳定年ですね。今までだったら60歳定年で、仮に5年間くらい退職を延長できたとしても、その後は老後というイメージでしたよね。

ところが、60歳から老後と言っても、人生100歳ならあと40年間もあるんですよ。40年間という長い時間をどう過ごしていくんだ、というようなこともあるから、こういった未病を改善するという問題は、こういう社会のあり方とか、自分の人生の設計図の書き方とか、そういうところから考えていかなければいけないんじゃないのかな、というふうに思ったわけであります。「人生100歳時代の設計図」を書いていきましょうということですね。

やはり若いうちからそれをやっていくべきだろうということで、こういったことは皆さんと議論をしながら前へ進めていきたいと考えたわけでありまして、ずっと一つの共通のテーマとして県内各地域を回っているところであります。

そして、今回、ここ平塚では、敢えて運動に焦点を当てました。2020年には東京オリンピック・パラリンピックがやってまいりますし、江の島ではセーリング競技も行われます。そしてつい先日、リトアニアと協定を結びまして、ここ平塚に事前キャンプがやって来るということにもなりました。こういったスポーツに対する関心が高まってくる流れを受けながら、今日は敢えて運動というところに焦点を当てて、人生100歳時代を考えていきたいと思います。

この“対話の広場”というのは、皆さんとの対話があってこそ前へ進んでまいります。まずはお二人のゲストにお話をしていただいて、それをもとにしながら、皆さんと対話を始めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 

事例発表

司会

はじめに、ランニング・プロデューサーの坂本雄次さんをご紹介します。
坂本さんは、30歳の時、健康のために独自でランニングを始め、その後、在籍していた東京電力の陸上部で監督を15年務め、ランナーを数多く育てられました。1993年に株式会社ランナーズ・ウェルネスを設立され、2007年には湘南国際マラソンの立ち上げに尽力されました。また、湘南国際マラソンや横浜マラソン等の大会プロデューサーなど、日々、マラソンのために奔走していらっしゃいます。
それでは坂本さん、よろしくお願いいたします。

坂本 雄次 氏(ランニングプロデューサー)

坂本氏

皆さん、こんばんは。ご紹介いただきました、坂本と申します。この平塚のすぐ隣の大磯町というところで、ランナーズウェルネスというランニングを中心とした事業をしております。

今日は、今、知事の方からもお話がありましたとおり、未病の改善につながっていくようなことをテーマに、皆さんとディスカッション、対話をしたいという中で事例を紹介する機会をいただきましたので、ちょっと私が取り組んでいることを通じて、お話をさせていただきたいというふうに思います。

坂本氏資料

今、私たちが取り組んでいるマラソン大会の中で、湘南国際マラソンという、国道134号線、海岸線を貫いている道路を中心のコースとしたマラソン大会を2007年に立ち上げました。
マラソン大会は、先ほどお話がありました横浜マラソンであるとか、全国各地でマラソン大会が開催されておりますけれども、湘南国際マラソンというマラソンは、どちらかというと民間発生といいまして、自治体であるとか行政機関の皆さんが中心になってマラソン大会を立ち上げるということではなくて、湘南の海岸線、国道134号線を中心に、全国の皆さんにお集まりいただいてマラソンができたら良いんじゃないかということをきっかけに誕生した大会であります。
大会は11月に開催しておりましたけれども、今年は12月に開催します。全国47都道府県、それから海外を含めて、24,500人くらいの多くのランニング愛好者の皆さんが、この湘南の地に集まって、湘南の明媚な風光、それからランニングを通じた健康の大切さや健康というものを享受するという場面として、皆さんにお使いいただいております。

先ほど紹介にありましたとおり、私はランニングを30歳の時から始めましたが、最初から陸上競技の経験があるとかスポーツ経験があるということではなくて、正に健康のために、30歳になったことをきっかけに、先生が誰もいなかったものですから、自分ひとりで見よう見まねで始めてみました。
これは、後ほどまたちょっとお話をしたいと思うんですが、ランニングというとやはり、箱根駅伝であるとか、福岡国際マラソンであるとか、競技スポーツとしてのマラソンをテレビで、もしくはそれ以外の機会で「観る」ということでもって、長く歴史を刻んできたんですが、昭和の50年代に入りまして一般市民の皆さんが参加する「スポーツ」として、それ以降約40年間、非常に多くの皆さんが「do スポーツ」として親しむように大きく進化をしてきました。「観るスポーツ」から、「するスポーツ」に変わってきたわけですね。
そうすると、各地で行われている現在のマラソン大会を見ますと、やはり道路を通行止めしてコースを作って大会を開催するということで、ある時間の中で、例えばフルマラソンだったら42.195キロを走り切らなければいけないということがあります。今のマラソン大会というのが、大体フルマラソンで6時間から7時間くらいの制限時間の中で、皆さん完走を目指すということでやっております。

これは制限時間を目いっぱい使うと、1キロあたり9分、もしくは8分30秒くらいのスピードで行くと時間内で完走できるというペースになります。9分というスピードはどんなスピードかをイメージしますと、私は先ほどお話の中にもありましたとおり、毎年24時間テレビという夏の番組の中で、タレントさんと一緒に、もしくはタレントさんの指導をして、走っていただいております。そのタレントさんが走るスピードは、信号が赤信号になれば止まるというようなペースで走りますが、走っている時のペースというのが大体8分半から9分くらい。もうちょっと後半になって筋肉が疲れてくると、10分半から11分というペースで走ります。そうすると、画面上で見ているタレントランナーの方の走ってる姿、スピードというものが大体イメージできると思うんですけど、そのくらいのペースでも、止まらないでこつこつ行けば、時間内で完走できるという、そういったようなものであります。

ランニング経験の少ない人にお話をするときに、私は、一番大切なことはまず歩くことだというふうに思っております。実は、私は腰をちょっと痛めておりまして、腰の神経があまり健全ではありません。健全でなくなってすごくよく分かったことなんですが、正しく歩くということが、実は、人間の五体を一番しっかり駆使しないとできない動作。

私の場合は神経を痛めておりますので、その五体が不満足なんですけれども、そういう身体を動かす時に、正しく歩くということがなかなかできない。歩を進める時にたたらを踏んでしまうとか、またはつまずきやすくなるとか、そういったようなことになりがちです。そうでない、障がい等を持たない健康な五体を持ってる方にとっては、歩くことが何でもないことのように感じるんですが、そうでない方にとっては、とてもたいへんな作業になります。

ランニングのことですけれども、まず正しくきちっとした姿勢で歩くということが自分の身についてきたら、そのテンポを変えることによってジョギングができます。さらにそれが発展するとランニングということになります。

今、ちょっと目が合ったんで紹介しておきたいと思ったんですが、今日は大磯町の中崎町長がお見えになってます。中崎町長は、たぶん毎日10キロくらい走っていらっしゃると思います。最初はそれがもっと短い距離から始まりました。ただ、人間の身体というのは、きちんと動かすことを習慣化していくと、徐々に筋肉、関節、膜、それから循環機能ですね、心臓ですとか肺とか、そういったようなものが徐々に強くなっていきます。 

したがいまして、先ほど未病の説明をされた時に知事が白と赤という表現をされましたけれども、いっぺんに赤から白に行くのは大変ですけれども、今言った未病に相当する部分ですね、その中間のことを順序よくやっていけば、たぶんどなたでもランニングはできることだと思っております。

先ほどの湘南国際マラソンの話に戻りますが、24,500人もの多くの市民ランニング愛好者の皆さんがこの大会に集まって来ますが、その皆さんであっても、今お話をしたとおり、最初から走れるわけではなくて、こつこつとした工夫と積み重ねでフルマラソン完走まで伸びていくわけです。

このマラソン大会は、参加者は24,500人ですが、この大会を支えてくださっている一般ボランティアの方が三千数百名おります。それから、大会に直接もしくは間接的に関わっていらっしゃる方を含めると、さらにプラス2千名くらいの方が関わっております。
こういうランニング大会が湘南の地に根付いて、今まで10回の大会が開催されております。今年の暮れの大会で11回目になりますが、そのマラソン大会を通じて1年間、ランニングができない人、もしくはフルマラソン完走を目指す皆さん向けに、数次にわたってランニングクリニックというものを開催しております。

これは、先ほど食と運動というような図がありましたが、やはり良い睡眠を取っていただいて、バランスが取れた食事をしていただいて、適度な運動をするという、生活にとって一番大切なことですけれども、こういったようなことを上手くやって、それを先ほど言った歩きからランニングに進化させることによって、ランニングが楽しいスポーツとして身近になるわけです。日々の小さなことの積み重ね、つまり、やがてはフルマラソンということですけれども、小さな積み重ね、何の積み重ねかというと、先ほど言いましたように、睡眠と食事と運動、それをこつこつ積み重ねていくことによって、結果的に、それに取り組んだ方は思いがけないくらい健康で丈夫な身体になります。

これは年齢によっても違うんですが、若い人から高齢者に至るまで、そういったようなことを積み重ねることによって、結果的に丈夫な身体ができて、未病の改善につながっていく、こういったようなことになると思います。
私たちは現場の人間なので、事例紹介としてもこういうお話しかできないんですが、ぜひ今、自分で家で取り組めることからお始めになっていただいて、一人でも多く未病改善を達成される方が増えることを願っております。

以上であります。ありがとうございました。

 

司会

続いて、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科准教授、医学博士の小熊祐子先生をご紹介します。
小熊先生は、スポーツ医学、運動疫学、予防医学を専門とされ、社会的活動として日本運動疫学会理事等を務めていらっしゃいます。 現在は、生活習慣病の運動療法の指導や、一般の方への身体活動の普及啓発に注力するとともに、研究面では、身体活動と健康上のアウトカムとの関連を検討する研究を行っていらっしゃいます。
それでは小熊先生、よろしくお願いします。

小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科准教授 医学博士)

小熊先生

皆さん、こんばんは。よろしくお願いします。今、紹介いただきました、小熊と申します。

私は、神奈川県にはいろいろご縁があって、今、紹介いただいたスポーツ医学研究センターは、慶應義塾大学の日吉キャンパス、横浜市の日吉にございます。大学院の健康マネジメント研究科は、藤沢市の湘南藤沢キャンパスにございます。私自身は川崎市の新百合ヶ丘に住んでいます。

今日は「スポーツと健康長寿社会」の事例紹介ということで、大学院がある藤沢市と一緒にやらせていただいている、「ふじさわプラス・テン」という活動について紹介させていただきたいと思います。

さて、皆さん、“プラス・テン”って聞いたことがありますか。聞いたことのある方、ちょっと手を挙げていただけますか。あっ、若い方の中にもいらっしゃるのかな。ありがとうございます。ぜひ皆さん、今日は聞いて覚えて帰っていただけると良いかと思います。

今日のテーマにもございますように、健康長寿と運動とか、先ほど身体活動という言葉が紹介でも出てきましたけれども、身体活動というのは、身体を動かすこと全般を指しています。運動とかスポーツというと、少し意味が狭く感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、身体活動というのはそれをもう少し広くとらえるという意味で、身体を動かすこと全般、お買い物に行く時の移動とか、通学の時の移動とか、家の中でこまごまとすることも含め、もちろん運動やスポーツもそうですけれども、身体活動といいます。

身体を動かすこと全般が健康長寿に良いということが分かっています。それで、スポーツについても、競技スポーツとは区別して、健康スポーツという言い方をしたり、環境面も含めてみんなで身体を動かすことをやっていこうなどという意味で、アクティブリビングという言葉も使います。

疾病予防という点では、いろんなところに運動、身体活動は効果があります。黒岩知事からも先ほどお話があった未病の改善ですよね。認知症を防ぐとか、ロコモを防ぐとか、メタボを防ぐというような、健康から病気につながる、そのいろんな段階で防ぐことができるということが一つ特徴かと思います。

アクティブガイド
 

先ほど皆さんに伺った“プラス・テン”ですけれども、“プラス・テン”というのは、今より10分多く身体を動かすことです。これは私が一人で言っているわけではなくて、厚生労働省が2013年の3月に策定した「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」で、身体活動増加のためのメインのメッセージとして挙げられているものです。こちらのA4を3つに折った小さなリーフレットをつけさせていただきました。これがアクティブガイドです。厚生労働省の方でも、自分たちのバージョンを作ってどんどん活用してください、と言っておられるので、これは私たちのところで藤沢市バージョン(※ふじさわプラステン [PDFファイル/472KB])を作ったものです。今回は、特に高齢の方を意識して作っておりまして、市民の方の声も聞いて、あんまり頑張れ頑張れって言われるのはいやだ、などという声もあって、頑張らなくていいんですとか、あと10分いつもより多く身体を動かしましょうとか、健康寿命を延ばせます、なんていうことを主なメッセージとして届けています。
  実際どれくらいやったらいちばん効果があるのかという意味では、リーフレットにジグソーパズルみたいな図があるんですけれども、プラス・テンのピースを組み合わせて、成人の方だったら1日60分くらい、高齢の方だったら40分くらい、トータルで身体を動かしましょう、なんていうことが目安として示されています。

“プラス・テン”から始めようというのは、どんな方でも、みんながプラス・テンをやると、平均値としてプラス・テン、集団全体がシフトしますよね。それが良いということ。一人が1時間頑張っても、他の100人が全然何もやっていないと、平均値としてはそこまで上がらないんですね。なので、ポピュレーションアプローチと言うんですけれども、みんなでちょっとでもいいからやり始めよう、ということを強調しているものです。

ふじさわプラス・テンというのは、藤沢市で私たち大学院の健康マネジメント研究科と藤沢市の健康増進課と保健医療センターの方でやり始めたものです。背景のところは先ほども申し上げたので、いいでしょうか。身体活動不足、体を動かしていないというのは、世界的に問題なんですね。日本人もその中に含まれています。もちろん、運動大好きでやっている方もいらっしゃるんですが、その一方で全然やっていらっしゃらない方もけっこう多いわけです。

なぜ重要かというと、「改善の余地」があるということが一つポイントになります。皆さんも、全然運動していなかった方が、何かのきっかけで運動をされるようになる。先ほど控え室で黒岩知事からも、前は全然やっていらっしゃらなかったけれども、走るようになられたなんていうことを伺いました。私も走っていました。子どもが生まれてからなかなかできない状態が続いていて、またきっかけを作って再開しようと思っています。そういうことで、誰でもやれる。会場の皆さんは若い人が多くて、部活動とかやっていらっしゃる方も多いと思いますが、それをずっと続けていけるかな。あと、社会人になってからはやらなくなってしまう、なんていうこともあると思いますが、それも変えることができる生活習慣だということも、とても大事なところです。

こちらは研究として、この藤沢市で特に健康上の問題が高いと言われていた4地区で先行的に、このコミュニティワイドキャンペーンというのを始めました。これはいろんなレベルで身体活動促進の取組みを行うものです。プラス・テンから始めようということで、メッセージを出して始めました。

健康教室とかをやってますよ、とお声がけをすると、いつも意識の高い人が集まってこられるんですね。健康教室をやるといつも同じような方々が集まって来る、なんてことがありまして、それじゃあいけないということで、自分たちから出て行くのが私たちのやり方の特徴です。地域にある自治会とかあるいは文化系のサークルですね。運動はあんまり好きじゃないんだけど、というところに出て行って、10分だけでもいいから話を聞いてくださいなということで、身体を実際に動かしてもらったり、プラス10の効用を話したりなんていうところから始めました。

そうすると、まあそれくらいだったらやれるかなとか、やってみようかなと思われる方がけっこう多いということ、身近でできるような場所があればやれるような方たちが、たくさんいらっしゃるということが分かりました。

ふじさわプラステン

そこで、こんな感じで、地域の身近なところで運動するグループを作りましょうよと呼びかけて、比較的高齢の方が多いんですけれども、比較的時間の余裕があって地域密着で生活されているような方たちが中心になりますけれども、こんな形で自分たちの公民館で集まって週1回以上運動しましょう、なんていうことでやり始めました。

ただ、何かやるためのツールがないとできないというのがあって、「プラス・テン体操」というのを作りました。10分でできる体操のDVDやCDを作って、それを使って、指導者がいなくても自分たちでできるような体制を作っています。

さらに、特にどんな効果があるかをしっかり見させていただくために、実際にこういうグループで週1回以上運動する方たちに研究に協力していただいて、運動を開始する前と、半年後と、1年後というようなところで、体力測定とか、身体活動量がどうかとか、そういうことを見させてもらっています。藤沢市の中で10くらいのグループが協力してくださっています。

研究成果グループ

これがその皆さんで体操をしている風景です。実際、自分たちの家の近くの公園で、こんな感じでみんなで体操していたりとか、測定会でこんなふうに集まったり、皆さんすごく生き生きと元気な顔をされているの分かるでしょうか。こういう、みんなで集まって行う運動が、社会活動、さっきも出てきた社会参加の場にもなっている。引きこもりの逆ですね。みんなを引き出すキーポイントにもなっているということで、運動だけでない、プラスアルファの効果が認められてきています。プラス・テンのTシャツを作って、みんなで、一年間続いた方たちにはちょっとプレゼントしたりして、楽しくやっています。

認知機能のチェックもiPadで作ったものがございまして、これを使って公民館等に出ていって測定しているような状況です。
参加者の方々からの声としては、友人が増えた、運動していない人が運動するきっかけになった、楽しくなった、他のグループとの交流も楽しいとか、私たち大学の強みで、学生と話すのが楽しいなというような、いろんな声が出ています。プラス・テンからいろんなスポーツに広がってきたりとか、いろんなつながりが出てきたりなんていうことが、だんだん拡大してきています。

スポーツの楽しみって、3つの間があると言われています。「仲間、空間、時間」、そんなことが大事であります。個人のことだけでなくて、いろんなレベルで対処していくことが大事なんていうこと。一人の中では、毎日しっかり身体を動かすということ、運動不足を解消するということ、スポーツやレクリエーション、あるいはトレーニングみたいなものも含めてやっていけるといいかな、と思って紹介させていただきました。
以上です。

意見交換

意見交換

知事

それではここから“対話の広場”の意見交換に入りたいと思います。

今、マラソンの話も出ました。実は、私も知事になってから走り始めたんですね。私は、知事になる前は、長いことテレビのキャスターをやっていましたが、その時は全然走るなんてことは考えたことがなかったですね。それが知事になって、なんだかちょっと太ってきてしまったんです。これはまずいなと思って、ちょっと走ってみようかと思って。

朝、最初はおそるおそる、歩くのにちょっと毛が生えたくらいですね。ゆっくりゆっくりと走り始めてみたら、ちょっとずつ走れるようになってきて。だったら、だんだん距離も延ばそうかな、となってきて。そして今、それはすっかり習慣づいてしまいました。

毎朝6時に起きて、5キロ走っています。今朝も走ってきました。走るようになってくると、せっかくこれだけ走っているんだったら、なんか大会に出てみたいな、という気持ちが出てきまして、そしてハーフマラソンに出てみました。ハーフマラソンで2時間を切るという目標を立てて頑張った。そうしたら、2時間を切れたんですね。走れたということもあって、これは嬉しいなという満足感があって。ハーフマラソンに2回出て、湘南藤沢市民マラソンの10マイル、16キロですね、あれも出て。

ここまで来たら、いよいよフルマラソンに挑戦しようかなという気持ちにはなったんですが、やはりフルマラソンというのはハードルが高いですね。なんだか怖いなという感じがあって、できるかなと思ったんですけれども、よし挑戦してみようと思ってやりました。

うちはちょうど秘書室にフルマラソンを3時間半くらいで走るランナーがいましてね、彼にいろいろとメニューを書いてもらって、それでトレーニングして、今年の3月の横浜マラソンに初挑戦いたしました。そして、そこで5時間を切るぞとみんなの前で宣言をして走りました。走る前には30キロを超える練習を4回くらいやった方がいいですよと言われて、30キロ超えを4回走って、それで実際にフルマラソンに臨んで、なんとか走りきることができました。4時間49分30秒ということで目標を達成して、本当に嬉しかったですね。その時にゴールに着いたら、坂本さんが出迎えてくれて、感激したということがありました。

だから、まったく走ることなんて考えもしていなかった私でも、フルマラソンを走れるようになったということでありますから、皆さんにチャンスがあるということですね。
さあ、この中でフルマラソンを走ったことがある人は、どれくらいいますか。

やはり、いらっしゃいますね。

今日、来ていらっしゃる方のスポーツや運動の具合いをちょっと聞いてみましょうかね。神奈川県は3033(サンマルサンサン)運動というのをやっているんです。3033運動というのは、1日30分運動してください、それを週3回やってください、そして3ヶ月間続けてくださいというものです。3033、それくらいだったら運動しているという人はいますか。

これくらいしかいませんかね。少ないですね。若い人たちはさすがに多いけれど。

やはり3033くらいの運動もしていない人はずいぶん多いんですよね。しかし、今日、そういう方が来てくださっているということは、非常に意味があります。先ほどの小熊先生の話にあったように、よくあるのは、こういうテーマでやると、こういう問題にすごく関心があって一生懸命やっている人たちが集まって来るんです。本当は、そういうことをやっていない人に来てもらって、ああ、やらなければいけないな、と目覚めていただくことが大事なんですけれど、意識が高い人ばかり集まって、そうだそうだと言って終わってしまうみたいなことがすごくあって、一番の悩みなんですけれども。

さあ、そういうことを踏まえながら、今日は、そういう皆さんのきっかけになるような議論をしてみたいと思います。

この対話の広場にはシナリオがありません。ここから先は、皆さんとともに議論をしながら進んでまいります。質問でもけっこう、意見でもけっこう。私はこんなことをやっているんだというアピールでもけっこう。何でもけっこうです。
それではまいります、どうぞ。

 参加者1(平塚市・女性)

3033運動を推進しているということなんですけど、具体的な活動って何かしていることはありますか。

 知事

具体的な活動は何をしているかな。3033運動をやりましょうと言っているんですよね。まずは、県庁に来てください。県庁公開日というのがありますからね、県庁に入れるんですね。そうしますと、階段のところにステップがあるでしょう、そこにステッカーが貼ってあって、いろいろな標語が書いてあります。階段を使おう、階段はスポーツジムだとかいうのがいろいろ書いてある。
気づきの世界なんですね。3033とは何、となった時に、そうなのか、自分はそれくらい運動をやっているかな、という気づきですね。
あとは、私自身が走っているところを自分のFacebookで流したり、マラソンに今度挑戦します、5時間切りと言ったけれど、ちょっとまだ厳しいかもしれないと言いつつ走った、みたいなことをFacebookで流すとか。そういうようにちょっと刺激をするとか、そんな感じでしょうかね。
何かいいアイデアがあったら教えてください。どうもありがとうございました。

 参加者2(平塚市・男性)

平塚市在住の高校2年生です。本日は素敵な講演をありがとうございました。

僕は、部活動で陸上競技をやっているんですが、その大会があることをきっかけに、中学2年生の頃から、学校の授業で、スポーツ栄養学について探求をしています。きっかけとなったのは、大会で僕自身が緊張してしまうとどうしても腹痛に見舞われてしまって、それを防ぎたいなということだったんです。

知事は今、実際にマラソンをやっていらっしゃるということで、大会前に、さっきも坂本先生から、良い睡眠と良い食事を取ることが大切ということがあったんですけど、知事は何かそういう食事の管理とかをやっていらっしゃるのかなと、ちょっと具体的なことが気になりました。

 知事

ありがとうございます。
これはマラソンだからどうだという話ではなく、食生活は極めて正確ですね。朝、昼、晩、必ず食べます。
朝、昼、晩、食べていますか。

 参加者2(平塚市・男性)

食べてます。

 知事

良いですね。

僕は、朝食は必ず食べます。朝食は軽めに、昼間も軽めに、夜はどうしてもお酒が入ってしまうので、ちょっと行きますけれども、かなり意識してます。何を意識しているかというとバランスですね。偏らないというか。それと、野菜は必ず取る。サラダなんかは必ず取る。生野菜は大好きでいっぱい取る。それはすごく意識してますね。

本来、母親に育てられていた時は、残しちゃいけないって言われたんですね。お百姓さんが作ったものをちゃんと食べないとは、もったいないじゃないか。残しちゃいけないと言われて。それで、小っちゃい時は、もう食べられないよと言っても、うちのお袋は厳しかったので、泣きながら食べていた時もありましたけど。

今は逆ですねもう。平気で残す、むしろ残すみたいな感じです。そうしないと、どんどん太ってしまいますからね。だから、そこはお百姓さんには申し訳ないですけれど残しますと言って、なるべく残すようにしています。というのは、特にご飯、炭水化物抜きダイエットというのがあるので、ちょっとご飯を減らすようにはしていますけどね。
どうもありがとう。

坂本さん、僕はやせようと思って走り始めたんですよ。ところがやせないんですよ。これだけ走っていてやせないんですよね。

 坂本 雄次 氏(ランニング・プロデューサー)

私もそうだったんですけど、本来だったらランニング中に給水するじゃないですか。でも、たぶん、最初は水を飲んじゃいけないような強迫観念があって、食事はうんと減らしたんですね。すると、すぐに自分が思っていたより体重は減ったんです。

ただ、それを続けていくと今度は、走った時にスタミナが切れちゃうとか、エネルギーがなくなるということになる。結局、自分のやる運動量と食べる食事のバランスが取れれば、例えば1時間身体を動かす場合は550キロカロリーくらいの食べものを食べよう、そうすると、走り終わった後、それを全部消化してちょうど良い。というようなことは考えましたね。

 知事

今、スポーツ栄養学に興味を持っていらっしゃると言っていましたけれども、僕は、初めてフルマラソンをやって、今言ったようなことを痛感しましたよ。

うちの秘書室のランナーが、ずっと伴走してくれたんです。それで、いろいろな細かいアドバイスをくれるわけです。その時に、最終的に4時間49分なんだけれども、途中でいろいろあったんです。

飲み物が置いてあったり、食べるものも置いてあるんですけどね。走る前に、やはりそういう炭水化物系のものをちょっと食べておいてくださいと言われて、食べて走った。水の置き場ごとに、ドリンクを飲んでいったんだけれども、5時間近くも走っていると、やはりお腹が空いてくるんですよね。

すると、その彼がおにぎりをくれたんです。おにぎりを食べながらずっと走った。わざと小っちゃいおにぎりを作ってくれて、それを食べながら走って。そのうち、もう1個どうぞと出された時に、もういらないと断った。いや、これは食べておいた方が良いですよ、と言われたんですが、もういいからといって、食べずに走って行ったら、最後に35キロくらいを超えた頃から、がくっとペースが落ちたんです。

それで、ペースが落ちた時に彼から聞かれたんです。今のこのままのペースだったら、5時間は切れませんよ、どうしますかと。膝が痛いですか、足が痛いですか。痛くはない、大丈夫。じゃあエネルギーが切れた感じがしますかと言われて、確かにエネルギーが切れた感じすると言った。それならこれを食べてくださいと言われて、それでまたおにぎりを食べたら、ぐっと元気になってきましたね。あれは本当にリンクしてるということが、自分の身体でよく分かりますね。

 坂本 雄次 氏(ランニング・プロデューサー)

本当にそうです。35キロくらいで、自分が途中で補食をしないと、本当にガス欠を体感するんですよ。やっぱりどか食いはできないですけど、小刻みにエネルギー補給、使った分だけ補給していくというのは、ランニング中でもとっても大事なことです。

 知事

本当に食事の重要性を実感しましたよ。なんだか、ガス欠っていう感じだったんです、本当に。走ろうという気持ちがあっても、エンジンが回らずに、止まりそうになって。それで食べたら、また力が出てきましたね。面白いものですね。

 坂本 雄次 氏(ランニング・プロデューサー)

とても分かりやすいですね。本当に。

 知事

分かりやすい。自分でよく分かりましたね。
このように、奥の深い世界ですから、スポーツ栄養学に興味があるなら、ずっとやっていただきたいと思いますね。

 参加者3(平塚市・男性)

平塚の団地に住んでおります。
小熊先生にご質問です。運動を、例えば一人で孤独でやるのと、例えば友だちとか仲間で毎日散歩するとか、ランニングするとか複数でやることと、スポーツ医学の見地からすると、何か顕著なメリットとかデメリットとかございますか。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

ありがとうございます。
今のご質問なんですけれども、継続率というような意味では、私たちが今やっている取組みで見ても、他の研究でも、みんなとグループでやる方が、継続率は高い傾向があるようです。

ただ、人によって、個人でやる方が良いという志向、好みはありますので、そこを無理矢理変えるのもまた難しいと思いますけれども、全体で見ると、グループでやる方が継続率は高そうであるというような結果は出てはきています。

 知事

私なんかね、グループでやるのは好きではないんですよ。一人で走っているんです。見えないように変装して走っている。それで、朝6時半くらいになると、見事なものですね。僕はみなとみらい地区を走っているんですが、6時半になると、みんなで集まってラジオ体操をやっているんですね。ラジオ体操も、やろうと思えば、自分の家でCDをかければ、いつでもできるじゃないですか。わざわざラジオの生放送の時間に合わせなくてもね。でも、わざわざラジオの生放送に合わせて、自分のうちでも聴けるはずなのに、わざわざその場にみんなで集まって、ラジオ体操をやっているんです。
その前を走るから、正体がばれたらいやだなと思って、隠しながら走っているんですけど。僕は群れるのがいやな方ですけど。

でも、朝走っていると、いろいろなことがありましてね。最近は走っても転ばなくなったんですが、走り始めの頃はよく転んでいたんですよ。みなとみらい地区でイベントの準備をしていて、朝早いのに人がたくさんいたんです。そういう時に転んでしまって。これで、みんなが寄って来たらいやだな、と思ったんですが、誰も来てくれない。逆に寂しくなってしまう経験もしました。

個人でやるかグループでやるかは、やはり、それぞれ人によるかもしれないですね。でも、朝、ああやって皆さんが集まっていると、やはり楽しそうですね。ラジオ体操が終わっても、みんなさっと帰るのではなくて、皆さんで集まってなんだかんだと話をしながら過ごされて。そうすると、例えばあのようなコミュニティがあると、最近あの人が来てないけれどどうしたんだろう、というようなことで安否確認もできるとか、そういうこともあるかもしれないですね。

(参加者3に)何かやっていらっしゃいますか。

 参加者3(平塚市・男性)

やってません。

 知事

では、今日を機会にぜひ。皆さんでやる方が楽しいですよ。

 参加者3(平塚市・男性)

私も一人でやる方が好きなんです。

 知事

そうなんですか。一人でも大丈夫ですよね、小熊先生。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

もちろんです。

 知事

ぜひ一人でもやってください。ありがとうございます。

 参加者4(鎌倉市・女性)

前に話していた方とは違って、感想という形になるんですけど、先ほどのプラス・テンなどの取組みの話を聞いていると、高齢者の方とか、若くても18歳といった、自分の生活習慣がある程度できている方を対象に活動をしているように思えたんですけど、そういう習慣を身につけるのに、歯磨きをするみたいに、子どもの頃から取り組んでいないと難しいというふうに私は思っているので、赤ちゃんだとちょっと早いかもしれないですけど、幼稚園生とかを対象にした活動も行っていくと、運動習慣を持った子どもがたくさん増えるんではないかと思いました。以上です。

 知事

これは素晴らしい指摘ですね。小熊先生、いかがですか。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

ありがとうございます。
もちろん、小さい子どもさんにもプロモーションをしているんですね。お子さんとか、皆さんくらいの中高生の年齢の方々もすごく大事。大人になってから生活習慣を変えるのはけっこう大変で、若い頃、あるいはもっと小さい頃から身につけるというのはすごく大事です。県でも市でも、そういう取組みはもちろんやっています。

 知事

先ほどちょっと言いましたが、県は、子どもから未病対策をやろうとしているんです。基本的な運動能力が低い子どもがたくさんいるんですよね。それで、なんと、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」で、神奈川県の小学5年生の女子が最下位になってしまったんです。
これはまずいということで。先ほど言ったように、しゃがむことすらできないというくらいではまずいぞと。

そして、「子ども☆キラキラプロジェクト」を作って、教育委員会の体育の先生たちに学校へ行って実際にいろいろなことを現場の先生方に教えてもらって、運動する楽しさを教えてもらえるようなキャンペーンを、昨年からずっと今やっているんですね。本当にご指摘の通りです。

ちなみに、あなたの食生活はどうですか。

 参加者4(鎌倉市・女性)

私は、3食食べたりはするんですけど、ちょっと運動の方ができていなくて、弟も実はゲームとかばかりしているんです。話を聞いたら、公園に「ボール遊びをしてはいけない」という看板が立っていたり、騒がしくしてはいけないとか、ルールが厳しくなってるみたいで、運動できる場を広げていただけると嬉しいな、というふうに感じました。

 知事

いや、これは来ましたね。見事ですね。皆さん、拍手をください。素晴らしい意見ですよね。
確かにそうですよ。いくら運動しろと言ったところで、公園に行ってみたら、「運動するな」と言われているようなものですからね。

大磯町の中﨑町長もいらっしゃいますが、これは大きな問題ですね。一言どうですか。中﨑町長はお医者さんでもいらっしゃいますが。

 大磯町長

ご指名ですので申し上げます。今は「公園でボール遊びをするな」というような看板は、全部取って、「静かに、迷惑がかからないようにしてください」という看板に変えてしまいました。住民の方には「あなたたちも公園でボール遊びをしたでしょう」と言って。文句は出て来なくなりました。だから、思い切ってやればできます。以上です。

 知事

神奈川県全域で真似しましょうか。二宮町長もいらっしゃいますが。

二宮町長

二宮町長の村田ですけれども、うちの町でも、公園で禁止事項が多すぎるという声が出ています。一つ苦情に対応してしまうと、どうしても禁止、禁止と増えてしまって。今のお話はとてもいい提案だと思いますので、やってみます。

 知事

ありがとうございます。これは県全体で検討してみても良いですかね。良いな、こういう話は。

 参加者5(平塚市・男性)

平塚市在住です。素朴な質問なんですけど、先日、私の友だちが走り過ぎで倒れてしまいまして、心臓に疾患を負ってしまって、もうそんなに走れないかもしれないと言われたらしいんですね。

その友だちも、もう走るのは控えようかなというふうに言ってたんですけども、私自身も陸上競技を専門にやってるということもあって、少し怖いなというふうに感じてしまったんです。

なので、運動するときに、どこまでやったら良いのか、どこからがやり過ぎの定義なのかというふうなものを、大体で良いんですけれども、教えていただければその分運動もやりやすくなるのかなと。限界を知っていれば、気軽に、このくらいまでだったらやっていいのかなと分かるかもしれないと思ったので、それをちょっと教えていただきたいんですけど。

 坂本 雄次 氏(ランニング・プロデューサー)

難しい質問ですね。
私からは、事例というか、過去に経験したことを2つほど話したいと思うんですけど、24時間テレビで、かつて萩本欽一さん、当時66歳、それから徳光和夫さん、当時70歳の方が走られたわけです。

欽ちゃんはともかく、徳光さんの場合は心臓疾患をご経験されていて、バイパス手術をされている。その方が走るとなったときに、何をやったかといったら、やはりその時の徳光さんの循環器も含めた、しっかりしたメディカルチェックをしました。実際に身体を動かしてもらって、運動負荷のレベルによって、どういうふうに心拍数が変わるかとか、血圧がどう変わるかとか、そういったことをよく調べて、その範囲の中での運動に努めていただいて、結果的には63キロかな、完走されたんですね。

ですから、あなたの場合はまだ若いですけれども、やはり心臓にどういう疾患があるかということをよく専門のお医者さんに調べてもらって、その自分の身体に合った、いわゆる適切な運動量、運動強度に見合った運動をやってほしいし、状態や疾患の内容によっては、場合によって、強化していくやり方というのもたぶんあると思うんです。

まだ高校生ですから、成長期なんでね、悲観的になって運動しないということではなくて、今の自分の身体がどうなってるのかということと、自分の身体に合った運動はどのレベルなのかということをよく把握して、ぜひ運動は続けてほしいと思います。

 知事

ありがとうございます。
小熊先生いかがですか。確かにやり過ぎというのは、どこからがやり過ぎなのか、難しいところですよね。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

そうですね、やはり個人差もあるし、今、おっしゃったように、何か特殊な病気がある場合もあるので、メディカルチェックというのはすごく大事です。一般の普段の生活レベルで動いている分にはあまり問題ないんですけれども、特に激しい運動をするとか、長い時間するとかというときには、自分で異変に気づくということと、そういう強い運動の負荷がかかるようなときは、事前にちゃんとチェックをして、問題となるところがないかどうか確認するということも大事です。

 知事

我々は、運動というと一生懸命全力で走ったり、思いきり何かをやったりすることを思い浮かべがちだけれども、先ほどのお話にあったのは、必ずしもそれだけが運動ではないということですよね。身体を動かすと言っても、とても簡単なことで身体を動かしているようなことも身体活動という。

小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

そうですね、今、皆さんは座っておられますけれども、知事は立って話しておられます。知事の方が身体活動量が多い状態です。そんなことでも良いんですね。ずっと座っているよりは、ちょっと立った方がいいし、他にも駅まで歩くとかでも良いですし、そんなことも含めて身体活動と言っています。

 知事

この間、スイスにあるWHO、世界保健機関の本部へ行ってきたんですね。なんと驚いたことに、ある幹部の部屋へ行ったら、その幹部が自分の部屋の中で立って仕事をしているんですよ。自分の個室であるにもかかわらず。デスクが上がって来て、その上にパソコンを乗せて、立って仕事をしている。そういう人がいましたね。そういうことは、今、だんだん流行って来ているらしいですね。

皆さんはどうですか。なんだか、その辺の地面に座り込んでいる若い子がたくさんいますよね。昔はあんな光景はなかったですよ。そのまま地べたに座ってないですか、ぺたって。あれは、やはり身体活動の機能がだんだん衰えてきているのかもしれないね。
まあ、そういうことで、あまり無理をしない運動もあるよ、ということですね。

 参加者6(中井町・男性)

今日は貴重なお話をしていただいて、ありがとうございます。さっき、知事もおっしゃっていたのですが、健康に対して意識の低い人たちを巻き込むために、僕たちのような高校生にできることって何かあったりしますか。

 知事

これもいい質問ですね。本当に、これが一番悩ましいところですね。先ほど、ポピュレーションアプローチっておっしゃいましたが、これにはどういう知恵がありますかね。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

まず、そういう質問が出ること自体がすごく嬉しいですね。「僕たちでやろう」と思ってくれているの。

 参加者6(中井町・男性)

そうです。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

嬉しいな。そういう人たちですね、今、来ているみんなは。
それがまず大事だと思います。何かやろうって思う人が増えることがすごく大事です。さっきの私の話だったら、プラス・テンを自分たちでやっていただくのと、周りの人に勧める。お父さん、お母さんはどうですか、よく動いていますか。

 参加者6(中井町・男性)

いや、特にだめですね。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

そうですよね。
そうしたら、今日帰って、今日はこういう話を聞いたんだっていうことをまず伝えてください。それで、家族でプラス・テンをやる。何人家族ですか。

 参加者6(中井町・男性)

6人です。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

そうしたら、プラス・テン掛ける6で、もうそれだけで60分になりますし、そうやって広めていくこともすごく大事です。さっき認知を高めるということを言ったんですけど、プラス・テンということを知ってもらうところから行動につながったりしますので、みんながやれることってたくさんあると思います。今のは一つの例ですが。

 知事

ありがとう。
みんなを巻き込んでいくというのは非常に大事なことで、神奈川県はCHO構想というのを打ち上げています。CHOとはChief Health Officer(チーフ・ヘルス・オフィサー)、健康管理最高責任者ということです。

 これはどういうことかというと、各団体単位とか会社単位とかで、みんなで未病改善のアプローチをやっていこう、みんなで運動をしていこうということですね。そのために、県庁職員全員に歩数計を配っているんです。ちなみに私は今日、9,752歩。朝、5キロ走ったから、もうちょっとで今日は1万歩に行きます。それで、これがコンピュータに登録されるわけですね。登録されると、ポイントがつくわけ。ポイントが貯まったら、賞品がもらえる仕組みが作ってあるんです。そうすると、その賞品がほしいからというインセンティブが生まれるわけですね。そのために頑張るということを目指しています。

こういう運動はけっこうあちらこちらで行われてきていますね。健康に良いことをやったら、それが報われるような、そういう形がだんだん生まれつつあります。
あなた自身がどうやれるか。せっかくだからこれを機会に、具体的にアイデアを出してみてください。アクションをね、ぜひやってください。

 参加者7(平塚市・女性)

今日はとてもためになる話をありがとうございます。
先ほどのメディカルチェックということで、100歳までということで、だいたい35歳を過ぎると、人間ドックを受けた方が良いというふうに聞いておりまして、私も毎年毎年人間ドック、1年に1回受けるんですけれども、やっぱり年とともに、半年に1回とか増やした方が良いのかなというのと、だんだん60歳を過ぎ、70歳を過ぎ、80歳を過ぎて、お年を召した方ほどやはりリスクは高いと思いますので、そちらの方の啓蒙というか、そういうのを同時進行で広めていっているんでしょうか。その辺はどうなのかなとちょっと疑問に感じました。

 知事

人間ドッグどうですか、半年に1回ずつ受けた方が良いですかね。どうでしょうか。

 小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

受ければ良くなるものではないので、頻度だけ増やしてもあまり意味がないと思います。適度な間隔で、それで出てきた結果をかみしめて、やるべきことをやることも大事だと思います。

 参加者7(平塚市・女性)

そのお年の方が、先ほどの若い方でも、走り過ぎちゃってちょっと心臓を悪くしたとか、そういうことがあるので、常にチェックしながらということが必要なのかなと思いまして、それは個人に任されているということでしょうか。

 知事

未病

それは正に我々が取り組んでいることなんです。
今日はその話をあまりしていないですが、神奈川県で今、力を入れているヘルスケア・ニューフロンティアという取組みなんですね。これはグラデーションモデルに基づいているんですけれども、自分がグラデーションのどこにいるのかが分かるような技術が、今たくさん出てきているんですよ。

未病の見える化

例えば、健康管理のためのウエアラブル。時計のように腕にはめます。実は、それで身体のいろいろな状態が分かってくるというものです。わざわざ健康診断に行って、そこで見るのではなくて、腕にはめているだけで睡眠状態がどうだとか、脈はどうだ、血圧はどうだ、そんな情報がどんどんこれに蓄積されてくるわけです。ずっと見ているだけでも、大体の状態が分かるでしょう。

こういう技術が、今、たくさん出てきている。

ミモシス

ミモシスを見てみましょうか。これはすごい技術です。ノーベル賞を取るんじゃないかと思いますが。

声なんです。声というのは嘘がつけないんですって。声には心の状態が出てくる。しゃべっている声を聞いただけで、ちょっと今日は元気がないよね、などとなんとなく感じるでしょう。それをちゃんと分析することに成功した人がいるんです。東大の先生なんですが。声の状態によって心の未病状態が分かる。その技術をスマートフォンに埋め込んだわけです。電話でずっとしゃべっていると、元気そうに話していても、心が沈んでいるのが分かるんですって。そういった技術も出てきている。
そういうものによって、自分がグラデーションのどこにいるかが分かり、日常的に分かっていればそれをコントロールすることができるでしょう。わざわざ人間ドックで全部調べてもらっても、1年に1回にしても、半年に1回にしても、それはその時点でしかないでしょう。それを日常的にずっとやっていこうという、「未病の見える化」ということをやっているんです。

ME-BYOハウスラボ

ME-BYOハウスラボを見せてください。ME-BYOハウスラボというのは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに作ってやっています。いろいろなセンサーを設置した住宅です。そして、実際にここで寝泊まりしてもらって、データを全部取ります。例えば、ベッドにもセンサーがついていて、睡眠状態がどうだということも全部入ってくる。そして、鏡に全部集約されるようになっていて、鏡を見ると、鏡にデータが出てきて、「あなたはちょっと疲れているから、気をつけてください」とメッセージが出る。

例えば将来的に、冷蔵庫の中にもセンサーがあれば、冷蔵庫の中にどんな食材があるかも分かっていて、「今、あなたはこういう状態で疲れているから、冷蔵庫にあるこの食材とこの食材を使って、こんな料理を作って食べてください」というふうなことも出るようになるかもしれません。日常生活の現場の中で自分の未病の状態が自分で分かって、それを改善することができるような住宅、ME-BYOハウスラボを目指しています。これはあっという間に世界標準モデルになっていくと思います。
ありがとうございました。

参加者8(茅ヶ崎市・女性)

私は茅ヶ崎市の茅ヶ崎ゴルフ場のそばに住んでいるんですけど、茅ヶ崎ゴルフ場というのは、国道134号線のところにあって、湘南国際マラソンとか箱根駅伝のときに、松林がずっと続いていくところなんですけれども、このゴルフ場は、ゴルフ場としては稀なことに、茅ヶ崎の住宅街の中にありまして、50年間という歴史があって、6割が県有地になってるゴルフ場で、ゴルフ場の芝生を私たち住民に開放していただいていて、ウォーキングとかスナックゴルフとか芝生でヨガをやったりとか、本当に今日のテーマと同じような、スポーツと健康長寿ということを与えてくれてるゴルフ場だったんですね。
ただ、このゴルフ場が県によって開発されるという計画が出てしまいまして。それで、その計画を聞いた時、私たち住民は、本当に悲しくてがっかりしたんです。というのは、こういった緑の美しい環境と、それから健康を与えてくれるゴルフ場を失ってしまうということのものすごい失望感で本当に悲しかったんですけれども、幸いにも、最近、その計画が白紙に戻りました。本当に嬉しかったです、それは。
ですので、もう一度そのような開発計画が出てしまった場合というのは、商業施設とかになってしまうのではなくて、今までのような美しい緑と私たち住民に健康と命の安全を守っていただけるこのスペースを残していただきたいと思っています。

 知事

ありがとうございます。

このことはご存知ない方もいらっしゃると思いますが、ある会社が経営していた茅ヶ崎ゴルフ場が経営難に陥ったんです。県も貸付料の減額をしていたんですが、とても立ちいかないという形になりました。今、県の財政もすごく厳しいんですね。来年度の予算を組もうと思っても、650億円も足りないという状態で、県が破綻直前というくらい、本当は厳しいんですね。

ですから、ゴルフ場を今のまま維持することはできない中、じゃあそこの部分をどうするかという話ですね。

広大な敷地ですから、そこの緑を全部つぶしてしまうとかいうことは全然考えていないんです。やはり県としては、どうすればそこが新たなコンセプトによって素晴らしい場所になり得るかということを考えているんです。

いろいろな形でのご要望もありますから、今、おっしゃったような、緑の環境があって、自分たちの健康を維持するためにいろいろな運動ができるような、そういう場であってほしいということもあるし、せっかくそれだけ広い土地があるので、賑わいの拠点にもしたい。そこから何か新たな活力が出てくるようなことがあっても良いじゃないか。いろいろな条件がある。

しかも、防災という観点もありますからね。茅ヶ崎市は人口密集地がありますから、そこでいざ火事が起きたときは、そのゴルフ場に避難できるという話もありますが、一方では、津波対策ということを考えるならば、あそこの土地は低いですから。あまり低いところにある土地というのは、果して津波に対する防災としては大丈夫なのか、というような角度もあります。そこで、いろいろな住民の皆さんの要望も踏まえ、条件の見直し作業を、今、進めている。

たまたま、一回選ばれたところが、ちょっとまだ準備が十分ではなかったという理由で辞退されたということで、今、白紙には戻っているんですが、やはりあそこはそういう形で、皆さんの合意が取れるような形で、何か新しい活力が出るような場所にしていきたいというのが、県の基本的な方向性ではあります。

参加者9(平塚市・男性)

こんばんは。私は、アメリカン・フットボールとラグビーをやっていまして、もう今は離れているんですけれども、現在はラグビーの普及をどうしたらいいかというのを考えておりまして、やっぱり高校の指導者の環境が非常に弱いのかなという部分であったりとか、一つのスポーツをやりぬくことも大切だと思うんですけども、例えば、アメリカみたいな形でシーズン・スポーツ制とかをやったりとかして、いろいろなスポーツをやるような部分も導入してみたら、もっと違う可能性が生まれたりするんじゃないかと考えていたりします。

あとですね、2019年のラグビーのワールドカップで、横浜の日産スタジアムで決勝が行われる。7万人収容の会場なんですね。今年の9月、東芝とキヤノンの試合で、3万人を集めようとしたんですけども、12,000人くらいしか動員できなかった。片や、いきものががりは、厚木と海老名で野外コンサートをやったんですけども、わずか3人のメンバーで、1回25,000人を動員するという部分もあったりとか。今後、そういった2019年の決勝に向けて、どういった形で観客の動員を図られるのかという部分もお聞きしたいなと。

最後に坂本さんに、今のスポーツというのは、企業の福利厚生で行っている部分が非常に大きくて、スポーツ自身で歩んでいくことが難しい状況です。そんな中で、ランナーズウェルネスさんが湘南国際マラソン大会とかで収益を上げているというところは、我々スポーツをどんどん進めて行きたいという人間にとっては非常に明るい材料なんで、そこの部分のお知恵というものを教えていただければと思います。

 知事

ありがとうございます。では、坂本さんの方からお答えいただけますか。

 坂本 雄次 氏(ランニング・プロデューサー)

今のマラソン大会の話なんですけど、先ほども話したように、湘南国際マラソンの例を言いますと、これは湘南の例だけではないんですが、うちで手がけている大会は、基本的に公金を使わないで開くということを第一義に考えています。

海外ではほとんど、特に欧米がそうなんですけど、受益者負担型といって、大会をつくりたい、大会に出たいという参加者の参加料金ですべてをまかなうというのは当たり前なんですね。

日本は、教育スポーツからスポーツがスタートしているところがあるので、地域振興であるとか、その地域の観光振興という目的のための、いわゆる投資として税を使うことが多いケースです。
それだとやはり、やがては限界が来て、大きな都市型のマラソンには億単位のお金が投入されてるということがあるんですけど、これがずっと長く続けられるかといったら、実はそうではない。
ですから、逆に言ったら、そういう大会を運営する立場としては、参加者にお願いする応分の負担でまかなう方法を考えていって、それを普及させるということが大事だと思います。湘南国際マラソンもそういったようなことで誕生して、もう既に10回開催できてます。

ですから、できるなら、いわゆるコマーシャルベースに乗っからないで、本当に必要な経費だけを投入して、多くの方を受け入れられる環境を作るということが大事だと思いますし、たぶんそれは知恵を絞れば、きっとできるはずです。
それで答になりますか。

 参加者9(平塚市・男性)

ありがとうございます。

 知事

私からも質問にお答えしますけれども、横浜、神奈川が開催地になりましたので、ラグビーワールドカップ2019組織委員会が横浜市林市長と私のところにちょうど今日、訪問いただいたんですね。明日の新聞に出るのではないでしょうか。

いよいよ2019年、ラグビーワールドカップの決勝戦が横浜日産スタジアムで開かれます。これは我々で勝ち取ったんですよね。しかも、まさか決勝戦が来るとは思っていなかったのですが、たまたま新国立競技場が間に合わないということで、転がり込んできました。すごいことですね。

私も2019年に向けて、昨年のラグビーワールドカップ、ロンドンの大会を見に行ってきました。ラグビーワールドカップの大会というのはすごいイベントですね。世界3大スポーツ祭典に数えられる、オリンピックと並び立つような競技大会なんですよね。
もう世界中からお客さんが集まってきます。すごい盛り上がりですからね。それがこの横浜で開かれるということなので、私もワクワクしているんです。
ただ、今まで日本ではラグビーはそんなに盛んではなかったですよね。ある一部の人は大好きだったけれども、みんなでやっているという感じではなかった。まだサッカーの方が人気があったという感じだったけれども、この間のロンドン大会で一気に流れが変わりましたね。今までラグビーを見たことがなかった人も、テレビで見るようになったでしょう。あの忍者みたいな五郎丸が出てきて。あれによって、実は世界中で日本ブームが起きたんですね。私もロンドンに行った時、日本が南アフリカに勝った後だったので、ロンドンのあちこちで、日本人はすごいな、日本のラグビーはすごいな、と言われたくらいでありました。
日産スタジアムは、72,000席あるんです。聞いてみたところ、36,000席は必ず外国人が買うという。なぜかというと、ワールドラグビーがチケットを持っているから、世界中であっという間に売れてしまうんです。
残るは36,000席だけれども、その部分もたぶん外国人がたくさん入ってくるだろうと。だから、最低でも4万人くらいは外国人のお客さんが来るんです。しかも、ラグビーのお客さんは、お金持ちが多いんですって。ラグビーの試合って毎日あるわけじゃないでしょう。日程に空きがある。なので、大体20日間くらい滞在する。お客さんたちはホテルにちゃんと泊まって、お金をいっぱい使ってくれるそうです。

ですから、その日程の空いたところでは、全員神奈川県の観光に連れて行って、神奈川の観光振興にもつなげようということもやっているんですが、肝心なのはやっぱりラグビーそのものですね。
この間は日本が強豪国に勝ったから、わっと盛り上がったけれども、あと3年間そのまま熱が続くかどうかということで、これからますます広げていくという作業が必要になってきますよね。
そのために今、考えているのは、みんなでラグビーを盛り上げていくことをやっていこうと。まだラグビーをやったことがないという人は、けっこうたくさんいると思うんです。タックルとかいうと怪我をするんじゃないかと思ってしまいますよね。そこで、タッチするだけでタックルしたような形になるようなことをみんなでやっていくとか、ラグビーがみんなでやれるイベントとか、ストリートラグビーのようなものもどんどん展開しようとしています。このラグビー熱を、この3年間で、大きく盛り上げていきたいと思っておりますので、ぜひご協力をお願いしたいんです。

この中でラグビーをやってる人はいますか。あなたはラグビー部ですか。ラグビー部から一言言ってくださいよ。ラグビーワールドカップにかける思いとか。ラグビーはこうやったら盛り上がっていきます、のようなアイデアがあったらぜひ教えてください。

 参加者10(住所不詳・男性)

やっぱりラグビーは、身体が大きい人がやるっていうイメージが多いんですけど、自分みたいな細い体でも、自分に合ったポジションがあるので、やっぱり自分も小学校と中学校では野球をやってたんですけど、運命的にラグビーに出会ってしまって、今、すごく楽しいんで、皆さんにもやってほしいです。

 知事

いいですね。こういう話を聞いたら、ちょっとやってみたいなって思いますよね。
ありがとうございます。頑張ってくださいね。

 参加者11(中井町・男性)

中井町から来ました。今日は貴重なお話ありがとうございます。
最初のお話で、2050年に人口が逆ピラミッドになってしまうというグラフがあったんですけど、僕たち学生に、今から何かできることはありますか。

 知事

 何かできるのかな。あなたは今、何歳ですか。

 参加者11(中井町・男性)

16歳です。

 知事

2050年になったら、あなたは何歳になっているんでしょう。34年後、50歳ですか。

 参加者11(中井町・男性)

50歳です。

 知事

50歳になった時、あれだけたくさんの人がいるし、自分自身で健康を維持しておかないとけっこう大変ですよね。
そうすると、まずは自分のことで、自分がやはり元気で100歳まで生きること。100歳まで、50歳からはあと50年あるんですから。それまで元気でいられるように、50歳までどう過ごしていくかということが大事ですね。

そのためには、先ほどもあったように、あなたはもう小さくはないけれども、小さいころから「食」、「運動」、「社会参加」、こういったものが習慣づいていないと、なかなか厳しいかもしれないですね。
それとともに、コミュニティというか、みんなで支え合うということがすごく大事なことです。社会参加というのはそういうことですね。みんなで支え合うということがすごく大事なんです。そういうことは、今のあなただってできるんですよ。なるべくそういうふうに、皆さんと触れ合って楽しむということ。

自分が誰かの役に立つんだという体験、実感を積み重ねていくことも、やはりすごく重要なのではないでしょうか。特に高齢者になった時、社会参加では、一番大事なのはやはり「誰かの役に立っている」という気持ちだそうですよ。

認知症の方がいらっしゃる施設の人が言っていました。そこの人に、「おじいちゃん、おばあちゃん、お散歩に行きましょう」と言ったら、みんな散歩なんかいやだよと言って、出ていかないんですって。ところが、「町へ行って、ちょっとお掃除をしましょう」と言うと、みんなが喜んで出て行くんですって。皆さんで町ををきれいにしましょうと張り切って、みんなで行くんだそうです。そうやって、何らかの形で社会の役に立っているという感じがすごく大事。そういうこと続けて、認知症が改善してきたということもあります。だから、社会の役に立つということを意識しておいてほしいですね。

ありがとうございました。

 参加者12(伊勢原市・女性)

  私のおばあちゃんは、今、とっても元気なんですけども、なんでそんなに元気なのと聞いたところ、おばあちゃんは脚が悪いのですが、自転車に乗っています。自転車は、歩くよりも膝に負担がかからないで楽だって言っていました。
  そう考えると、今、私たちが通学などで利用している自転車は、健康に生きるための大切な道具なのかなと思いました。

  いずれ私たちは、自動車の免許を取るなど、便利な乗り物に頼る生活が来ると思いますが、今、私たちが自転車に乗り続けることは、健康に生きるための大切な第一歩なのかなと思いました。

 知事

  ありがとうございます。

参加者13(平塚市・女性)

  部活動の時に、水をこまめに飲むと体力がなくなると言われたことがあるのですが、のどが渇いた時には我慢した方がいいのか、教えてください。

 知事

ありがとうございます。
今でもそんなことを言っている人がいるんですかね。僕らの若い時は、みんなそう言っていましたよ。水なんか飲んじゃいけないって。でも、小熊先生、水は飲んだ方が良いんですよね。

小熊 祐子 氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター、大学院健康マネジメント研究科 准教授、医学博士)

そうですね。

 知事

水は飲まなければいけないですよね。それは誰が言ってるんですか。相当昔の先生ではないですかね。僕らの時代とは常識ががらっと変わって、今は、水はどんどん飲みなさい、というふうになっていますからね。

今、自転車の話が出ましたけれども、自転車は素晴らしいですね。大磯もサイクリングロードを整備して、みんなで自転車に乗っていきましょう、という動きをやっています。そのための自転車で走りやすい道を作ろうと、今、大磯町で一生懸命やっていらっしゃいますから。今、おっしゃったことはすごく正しいですね。県全体を自転車で走り回れるようなことにもできたらいいなと思っているところであります。

ということで、時間がやってまいりました。人生100歳時代とは高齢社会の問題かなと思いきや、今日はこんなにたくさんの高校生が来てくれて、どんどん自分でいろいろな意見を言ってくれました。僕に何ができるんだ、私に何ができるんだという発想をしてくれていることが、神奈川県に明るい光を差しかけてくれているような感じがしたところでありました。

今日、発言できなかった方には、申し訳ございませんが、この“対話の広場”は、ずっとシリーズでやっていますから、またいつでもいらっしゃってください。

今日は最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。


参加者からのご意見

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