県有地・県有施設の財産経営戦略(神奈川県ファシリティマネジメント推進方針)

掲載日:2019年9月12日

目次

はじめに

第1部 背景と基本理念

  1. ファシリティマネジメント推進に当たっての背景
    (1)県有財産(土地・建物)の現況
    (2)県有施設の現況と課題
    (3)これまでの取組状況
    (4)ファシリティマネジメント推進の必要性
  2. ファシリティマネジメント推進の基本理念
    (1)基本理念
    (2)方針の位置付けについて
    (3)方針の適用範囲とその推進について

第2部 ファシリティマネジメントの推進

  1. 県有施設の維持に要する費用の将来推計
    (1)知事部局(県営住宅を除く)のストック状況
    (2)目標年数及び将来推計
  2. ファシリティマネジメント推進の目標
    (1)総量の削減
    (2)ライフサイクルコストの削減
    (3)価値の向上(バリューアップ)
  3. ファシリティマネジメント推進のための取組
    <新たな取組>
    (1)総量の削減(新)
    (2)ライフサイクルコストの削減(新)
    (3)価値の向上(バリューアップ)(新)
    <既存の取組>
    (1)県有地・県有施設の総合的な利活用の推進
    (2)長寿命化対策のより一層の推進
    (3)PFI事業等の更なる充実
  4. 推進の体制等
    (1)全庁的な推進体制の整備
    (2)技術面でのサポート体制の構築
    (3)ファシリティマネジメント年報(仮称)の発行
  5. ファシリティマネジメント推進の工程

 


はじめに

 公共施設を保有する多くの自治体にとって、わが国が直面する少子・高齢化の進展や、人口減少社会の到来、成長から成熟社会への移行といった社会情勢の変化は重要な意味を持っている。
 すなわち、税収の減少が懸念される中で、社会保障費の増大により財政状況が一層の厳しさを増しつつある中、公共施設に求められるニーズは多様化するとともに必要とされる規模は縮小すると予想される。一方で、高度経済成長期を中心に多くの施設が整備されてきたため、老朽化が進むこれらの施設は、今後、一斉に建て替え時期を迎える状況にある。
 このような状況下にあって、本県においても、県財政の危機的な状況が顕在化する中、県有財産の徹底的な有効活用は重点的に取り組むべき項目の一つであり、これまで以上に県有財産を効率的に運営し、かつ、有効に活用していくためには、経営的な視点で全ての県有地・県有施設を総合的に企画、管理、活用する「ファシリティマネジメント」を重視した取組が不可欠となっている。
 そこで、平成22年4月の組織再編の際、その担当を明確にするために、総務局内に財産経営課を設置し、本格的な推進体制を整えるとともに、推進にあたっての基本理念や具体的な目標・取組を整理した「県有地・県有施設の財産経営戦略(神奈川県ファシリティマネジメント推進方針)」を定めることとした。
 今後、本方針に基づき、持続可能な財産経営の実現に向け、県有地・県有施設の利活用と効率的な維持管理を総合的、戦略的に推進することとする。
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第1部 背景と基本理念

1 ファシリティマネジメント推進に当たっての背景

(1)県有財産(土地・建物)の現況

 本県が保有する県有財産(行政財産及び普通財産)は、平成21年度末現在で土地:約1兆6千億円(面積:約2,833万平方メートル)、建物:約6千億円(床面積:約716万平方メートル)となっており、これら価格の総額で2兆円を超えている。土地の総面積は県内の大和市の面積に相当する規模で、建物の総床面積は本庁庁舎(本庁舎、新庁舎、分庁舎、第二分庁舎)の約90倍、価格の総額は県の平成22年度当初予算のうち一般会計(約1兆7千億円)を超える規模となっている。(以下、本指針において県有財産(行政財産及び普通財産)のうち土地を「県有地」と、建物を「県有施設」という。なお、地方公営企業の用に供される財産、道路及び橋りょう、河川及び海岸並びに港湾及び漁港に係る財産はこれに含まない。)
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(2)県有施設の現況と課題

 次に県有財産のうち、県有施設のストック状況を概観する。本県においては、1960年代後半から1980年代前半(昭和40から50年代)にかけて行った集中的な施設整備の結果、平成21年度末現在において、建築物の床面積約716万平方メートルのうち、築後40年以上経過したものが20%、30年以上経過したものが52%と半数を超えている状況である。一般的に、建築後30年以上を経過するような施設にあっては、建築部材や設備機器の劣化と、社会ニーズの変化等に伴う施設の機能的な劣化が重なり、大規模な改修工事によるリニューアルや、建て替えが検討されるべき時期である。
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(3)これまでの取組状況

 本県では、これまで再編整備等で生じた跡地の処分による県有施設のスリム化や、民間活力を活用した施設整備手法としてリース・PFI事業を推進してきた。また、予防保全や老朽化した施設の再生を図るため「神奈川県県有施設長寿命化指針(以下、「長寿命化指針」という。)」を策定(平成14年12月)し、県有施設の長寿命化の推進に取り組んできた。さらに、「神奈川県県有地・県有施設の総合的な利活用を推進する取組指針(以下、「利活用指針」という。)」を策定(平成22年3月)し、県有財産のより一層の利活用に取り組んでいるところである。
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(4)ファシリティマネジメント推進の必要性

 県有地・県有施設に係るこれまでの取組を続けたとしても、建築後30年以上を経過した建築物が半数を超えるような状況にあっては、今後、大規模改修や建て替えに要する費用が大幅に増大することが見込まれる。一方、依然として厳しい財政状況を勘案すると、従来の取組だけでは持続可能な財産経営を行うことは困難であると想定される。
 このような状況のもと、これまで以上に県有財産を効率的に運営し、かつ、有効に活用するためには、土地や建物、設備のほか、執務環境などを広く包含した「ファシリティ」を対象として、経営的視点から設備投資や管理運営に係るコストの削減や、施設の効用を高めるための総合的な経営活動、いわゆるファシリティマネジメントを重視した取組が必要である。
 このファシリティマネジメントについては、発祥が米国の民間企業からと考えられているが、その考え方は、現在、全国の他自治体へと広がりを見せている。
 既に、ファシリティマネジメントの考え方に基づき取組を行っている自治体の関連方針を見ると、

  • ア 施設の統廃合等に伴う不要財産の売却や貸付による収入の確保
  • イ 施設の維持管理費用の最適化や長寿命化対策による支出の抑制
  • ウ これらの施策を有効に進めるための施設データの整備と施設評価

などが、共通事項として整理できる。
 これらの取組による効果として、不要財産の売却益や庁舎の有効活用による収入増、維持管理業務の標準化による委託費用の削減などの具体的成果も公表されており、ファシリティマネジメントが自治体経営にとって、不可欠なツールとして認識されつつある。
 そこで、こうした先行自治体の取組を参考にしつつ、本県がこれまで取り組んできた内容を踏まえた、ファシリティマネジメントを推進する必要がある。
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 なお、平成22年2月には財団法人建築保全センターが運営する「公共建築のFMと保全ネットワーク」に参加する全国の約70の地方自治体により「自治体等FM連絡会議」が設置され、本県も代表幹事としてこれに参加し、諸課題の情報交換や自治体相互の連絡強化を図っているところである。(FMはファシリティマネジメントの略。)

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2 ファシリティマネジメント推進の基本理念

(1)基本理念

 本県におけるファシリティマネジメントは、土地や建物、設備のほか執務環境など「ファシリティ」を経営資源として捉え、経済的なコスト(財務)で、県民が快適に利用できるファシリティ(品質)を、適切に提供(供給)することを基本理念とする。
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 なお、ここで言う「財務」「品質」「供給」は、個々に独立したものではなく、密接に関連するものである。例えば、コストを重視するあまり品質が低下し、利用者の満足度や執務における生産性の低下を招いてしまう場合や、品質の高いファシリティであっても必要な時に提供できない場合等については、適切なファシリティマネジメントが行われているとは言えない。したがって、ファシリティマネジメントの推進に当たっては、これら3つの基本理念の調和を図ることが重要である。
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(2)方針の位置付けについて

 本方針は県有地・県有施設に関する既存の方針、指針等を踏まえ、これまで実施されてこなかった新たな取組を行うとともに、従前の取組を一層推進するものである。したがって、既存の方針等と本方針の関係を整理する必要がある。
 本方針と関連のある既存の方針等について概観すると、『県有施設のスリム化』『民間活力の活用』『施設の整備・保全』といった大きく3つの視点に整理することができる。
 『県有施設のスリム化』については、「県庁改革基本方針(平成21年10月)」の取組方針の一つである「財政の強化・安定」において、「県有財産の有効活用」と「内部管理経費の節減」が掲げられている。このうち、「県有財産の有効活用」については、既に具体的な取組内容を定めた「利活用指針」が策定されており、本方針が目指す方向性と密接に関連するものである。
 また、『民間活力の活用』では、民間活力の活用手法の一つとして「神奈川県におけるPFIの活用指針(平成13年3月)(以下、「PFI活用指針」という。)」が、本方針が目指す方向性と合致したものである。
 さらに、『施設の保全・整備』では、住宅、学校等、施設の用途に応じた整備計画や、耐震化など施設の機能向上に向けた方針が策定されており、それらの考え方を包含した「長寿命化指針」が、本方針の目指す方向性と合致したものである。
 これまでは、これらの各指針等(以下、「関連指針」という。)に基づき、それぞれ取組を進めてきたところであるが、ファシリティマネジメント推進のためには、今後新たに行う取組と、これら従来からの取組とを総合的、戦略的に進める必要がある。
 そこで、本方針は、これらの関連指針を包含するとともに、経営的な視点からこれらを有効に推進するための新たな取組等を取り入れたものとする。
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(3)方針の適用範囲とその推進について

 本方針の基本理念は、県有地・県有施設を管理・運営する上で、その種別、用途、管理区分等に関わらず全てに共通した、基本的な理念である。したがって、本方針は、全ての県有地・県有施設(地方公営企業及び道路・橋りょう等財産を除く)に適用する。
 各部局(知事部局、県営住宅、教育施設、警察本部)の県有地・県有施設の管理統括課等にあっては、本方針の基本理念および次に掲げる「目標」及び「取組」を十分念頭に置きながら、ファシリティマネジメントの推進に努めることとする。

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第2部 ファシリティマネジメントの推進

1 県有施設の維持に要する費用の将来推計

 ファシリティマネジメントを的確に推進するためには、「目標」と具体的「取組」を定め戦略的、効率的に取り組んでいく必要がある。目標の設定にあたっては、現状の把握と将来的に必要となる経費の推計を行い、経費削減の要否、また削減が必要な場合における削減幅を明らかにする必要がある。
 第1部で適用範囲を示したとおり、本県のファシリティマネジメントは全ての県有地・県有施設を対象としているが、県有地で約2,833万平方メートル、県有施設で約716万平方メートルと膨大な規模を有しており、これら全てを同時に進めることは効率的ではない。一般的に、県有施設を維持するためには、改修や修繕に要する費用、設備の保守や清掃、光熱水費などの維持運営に要する費用、施設管理者の人件費など、県有地以上にコストを要すると考えられることから、まずは削減の効果が高いと見込まれる県有施設に着目し、将来推計を行う。
 以下に、知事部局が所管する施設をモデルに将来推計をとりまとめるが、県営住宅に関しては、家賃収入があることや、光熱水費が入居者負担となっていること、施設整備や家賃収入に対し国庫による補助があることなど、他の知事部局の施設と性質が大きく異なることから、推計の対象から除くこととする。

(1)知事部局(県営住宅を除く)のストック状況

 知事部局(県営住宅を除く)では、平成21年度末現在において、床面積で約138万平方メートルのストックがあり、このうち築後40年以上経過したものが21%、30年以上経過したものが43%と半数に迫る状況である。特徴としては、1960から70年代(昭和40年代)及び1990年代(平成元から10年)と二つの年代に施設の建設時期が集中していることが挙げられる。このため、現時点で既に30年以上経過している施設については、大規模改修や建て替え工事の検討を、また、今後10から20年で築後30年を経過することになる施設については、予防保全による長寿命化対策を行うなど、建設時期に応じた適切な対応が求められる。
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(2)目標年数及び将来推計

ア 目標年数の考え方

 「長寿命化指針」において、建築物の目標耐用年数を60年としており、一般的にその半分の30年を目安に大規模改修を行う必要があるとされていることから、今後30年間を想定した推計を行う。

イ 推計方法

 現状、知事部局で所有する県有施設を今後30年間維持し続けると仮定し、各施設の改修や建設に要する整備費及び維持運営費、管理費(これらを総合して、本指針において以下「ファシリティコスト」という。)について、下記のとおり(A)実績額、(B)推計額(30年間分)、(C)今後投資可能額に分けて算出する。
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ウ 推計結果

 現在の県有施設をこれまでどおりの方法で今後30年間維持し続けた場合のコスト((B)推計額)と、現状のファシリティコストを上限とした場合の今後30年間の投資可能額((C)今後投資可能額)を比較検証したところ、今後投資可能額は推計額の約76%という結果となった。
 したがって、厳しい財政状況のもと施設の維持に係る経費の大幅な増額が見込めない中、現状の投資額の範囲内で施設を保有し、維持管理を行っていくためには、今後30年間でファシリティコストを24%削減しなければならず、このための対応策を講じていかなければ県有施設を維持していくことは不可能である。
 この推計結果を見ても、ファシリティマネジメントの推進は不可欠であり、持続可能な財産経営の実現化に向け、経営的な視点から的確な「目標」を設定し、目標達成に向けた「取組」を着実に進めていく必要がある。
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2 ファシリティマネジメント推進の目標

 本県では、これまでも県有地・県有施設の利活用や売却、PFI事業の実施、長寿命化対策の推進など県有施設を適切に管理・運営するための施策を行ってきたところであるが、前述の推計結果が示すとおり、従来の取組だけでは県有施設を維持していくことは困難であり、これまでの取組をさらに充実させるとともに、経営的な視点からこれらを有効に推進するための新たな取組を取り入れる必要がある。
 そこで、本方針において、持続可能な財産経営の実現化に向け、県有地・県有施設の利活用と効率的な維持管理を総合的、戦略的に推進するため、ファシリティマネジメント推進の3つの目標を掲げこれに取り組むこととする。
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(1)総量の削減

 施設の管理・運営に当たっては常にコスト意識を持ち、経営的な視点から積極的に不要となる県有地・県有施設を選定し、総量の削減に取り組む。(後掲「ファシリティマネジメント推進目標の概念図」のX軸に相当。)
 このため、これまで取り組んできた県有地・県有施設の利活用をより一層徹底し、総量削減の推進を図るとともに、あらかじめ施設の性能等を把握し、これを十分考慮したうえでの統廃合・利活用にも取り組む。

〔重点目標:施設の性能等を考慮した統廃合・利活用〕
 これまでも施設の統廃合や利活用を行ってきたところではあるが、施設の性能面(耐震性、老朽度等)の考慮が十分ではなかった面が見受けられる。
 今後は政策的要請や県民の利便性と併せ、財産経営の視点から施設の性能面等についても十分考慮し、総合的・戦略的に施設の統廃合等を進めていくことが重要である。
 そこで、全ての県有施設について、建物性能、立地条件、利用度、維持運営コストなどを把握し可視化するとともに、今後継続して維持すべきか、売却又は建て替えるべきか、改修して用途転用すべきかなど、施設の性能面もあらかじめ評価し、統廃合・利活用のための基礎資料として整備しておく必要がある。

(2)ライフサイクルコストの削減

 施設を継続的に維持するに当たり必要となる改修費や建設費、維持管理費(設備保守管理、清掃、警備、植栽管理等)、光熱水費などのライフサイクルコストについて、より一層の削減に取り組む。(後掲「ファシリティマネジメント推進目標の概念図」のY軸に相当。)
 このため、予防保全として行う計画修繕工事を軸とした県有施設の長寿命化対策をより一層推進し、建て替えや大規模改修の実施時期の長スパン化によるコスト削減を図るとともに、日常の維持管理費用の見直しや民間資金の活用によるコスト削減等にも取り組む。

〔重点目標:効率的な維持管理〕
 これまでも、経費節減の視点から、施設ごとに施設管理者が維持管理に要する費用の削減に努めてきているが、施設間の比較等は不十分である。
 そこで、施設の保全に必要な基本情報を一元化するとともに、庁舎、福祉施設、学校、警察など、用途や規模が類似する施設間で維持管理費(設備保守管理、清掃、警備、植栽管理等)、光熱水費を把握し、ベンチマーキングを行うことにより、ライフサイクルコストの削減に努める必要がある。
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〔重点目標:民間活力を活用した施設整備〕
 継続保有する施設についても大規模改修工事や老朽化に伴う建て替え、さらには、施設の機能改善に伴うリニューアルなど、整備コストが必然的に発生するが、こうした施設整備について、PFI事業やリース・神奈川方式、ESCO事業を導入し、民間の資金やノウハウを活用してきた。今後、修繕工事や既存施設のリニューアル等、施設整備を行う際にも、従来方式に加え公民連携(PPP)といった積極的に民間の資金やノウハウを活用する方法を検討し、整備に要するコストの削減に努める必要がある。

(3)価値の向上(バリューアップ)

 長期的に保有する施設については、県民が快適に利用できる満足度の高い施設であるとともに、職員にとっても快適に執務できる生産性の高い施設であることを目指すこととする。(後掲「ファシリティマネジメント推進目標の概念図」のZ軸に相当。)
 このため、県有地・県有施設の利活用の推進による資産価値の向上とともに、計画的な施設価値の向上等にも取り組む。

〔重点目標:バリューアップの計画的実施〕
 これまで実施してきた建築物の耐震化やバリアフリー化は、県民の安全な施設利用という観点から取り組まれてきたものであり、施設利用者の誰もが使いやすい、満足度の高い施設とするための取組=施設価値の向上(バリューアップ)は、財政上の制約等もあって計画的な実施が行われていない傾向にあった。
 今後は、施設の基本性能の向上に加え、ユニバーサルデザインの推進など、県民が快適に利用できる施設や職員が働きやすく生産性の向上につながるような施設とするため、バリューアップに向けた計画的な整備が必要である。
FM19

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3 ファシリティマネジメント推進のための取組

<新たな取組>
 ファシリティマネジメントを推進するため、財産経営課が主体となり、特に県有施設に着目して〔重点目標〕の達成に向けた新たな取組を推進する。

(1)総量の削減

〔重点目標:施設の性能等を考慮した統廃合・利活用〕
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 建築後の経過年数や耐震性能、機能性(バリアフリー、情報化の対応状況等)、立地状況、劣化状況及び利用状況などの項目に対する事前評価(施設アセスメント)を行い、施設の性能面からみた施設の利活用のあり方(現状維持や用途転用、貸付及び売却など)を整理する。
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(2)ライフサイクルコストの削減

〔重点目標:効率的な維持管理〕
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 ファシリティマネジメントを推進するために必要となる、施設に関する情報の一元化を推進する。当面は、計画修繕工事の対象施設について施設の保全に必要な基本情報、設備機器情報、修繕履歴、維持管理費、光熱水費等の情報の一元化について試行運用を行い、施設管理業務の効率化や費用対効果の検証を行いながら、データベースの構築を行う。
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 効率的な維持管理を行うため、維持管理費や光熱水費についてベンチマーキングを行い、用途や規模が類似する施設間の比較を行う。この比較の結果をもとに維持管理業務の改善等について検証し、業務委託仕様書の標準化・統一化を行うこと等により、ライフサイクルコストの削減を図る。

〔重点目標:民間活力を活用した施設整備〕
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 これまでの事業手法に加え、定期借地権制度の活用や民間提案型手法による施設整備など、新たな公民連携による整備手法の導入可能性を検討する。特に、既存施設のリニューアルや用途転用にあたっての整備が見込まれる場合は、整備内容等の実態に応じ具体的な整備手法の検討を行う。

(3)価値の向上(バリューアップ)

〔重点目標:バリューアップの計画的実施〕
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 施設の現状機能や用途特性、利用状況等を整理した上で、トイレ等におけるアメニティの改善やユニバーサルデザインの促進など、県有施設のバリューアップを推進するための計画:県有施設バリューアップ計画(仮称)を策定する。また、来庁者にわかり易く、かつ、職員も執務しやすい施設のあり方について検討する。

<既存の取組>
 既存の指針に基づく取組と連携するとともに、必要に応じて取組の充実・強化を図りながらファシリティマネジメントを推進する。

(1)県有地・県有施設の総合的な利活用の推進

 先に掲げた県有施設を中心とする取組と密接な関係を有する「利活用指針」について、指針に位置付けられた取組分野(1から6)ごとの施策を着実に推進する。特に、「総量の削減」に係る取組による効果を、「利活用指針」の利活用可能な県有地・県有施設の洗い出しに反映し、財産管理課・財産経営課(以下「財産管理統括課」という。)を中心にその後の利活用に繋げていく。

利活用指針の取組分野1:県有地・県有施設の基礎情報の整理と活用
      取組分野2:利活用可能な県有地・県有施設の洗い出し
      取組分野3:跡地となった県有地・県有施設の利活用
      取組分野4:行政財産として現在使用している県有地・県有施設の積極的な利活用
      取組分野5:県有地・県有施設の利活用促進手法等の検討
      取組分野6:専門的知見の蓄積と共有化

(2)長寿命化対策のより一層の推進

 「長寿命化指針」に基づき、「既存ストックの有効活用の推進」、「機能改善(リノベーション)工事の的確な実施」、「適切な維持管理の推進」といった長寿命化実現のための取組をより一層推進する。新たに施設整備が必要な場合は、極力、既存施設の改修や用途転用による対応を図り、建設費の削減を図る。

(3)PFI事業等の更なる充実

 民間の資金・ノウハウを活用した施設整備等を推進するため、「PFI活用指針」を定め全国に先駆けて実施してきているPFI事業について、その効果や課題を検証し、制度の更なる充実を図る。

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4 推進の体制等

(1)全庁的な推進体制の整備

 平成22年4月に新設された財産経営課が中心となり、関係部局と連携しファシリティマネジメントの推進を図る。また、各取組を効率的、かつ、効果的に推進するため、既存の庁内会議(県有施設建築計画検討会議等)を活かしつつ、財産管理統括課、技術支援担当課、各部局(県営住宅、教育施設、警察本部、企業庁)の施設管理統括課等が連携した推進体制づくりを行う。

(2)技術面でのサポート体制の構築

 施設管理者は、必ずしも技術的経験や知識が豊富であるとは限らない。そこで、技術支援担当課は技術面での相談に対しアドバイスを行うなど、施設管理者をサポートするための相談窓口等を設置し、効率的かつ的確な施設管理に資するための体制を構築する。

(3)ファシリティマネジメント年報(仮称)の発行

 ファシリティマネジメントは、PDCA(Plan「計画」・Do「実行」・Check「評価」・Act「改善」)サイクルを念頭に推進する必要があり、取組の推進状況とその効果を検証するため、ファシリティマネジメント年報(アニュアルレポート)(仮称)(以下、「FM年報」という。)を発行する。
 また、このFM年報は、ホームページ等により県民にも積極的に公開し、ファシリティマネジメント推進状況の広報に努める。

5 ファシリティマネジメント推進の工程

 ファシリティマネジメントの総合的、戦略的な推進と、各取組の着実な実行を図るため、次の「ファシリティマネジメント推進の工程(イメージ)」のとおり、段階的に取り組むこととする。この工程については、FM年報による進捗状況の検証等により、適宜、必要な見直しを行う。
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注意

 本ページは、極力機種依存文字を排除しているため、「県有地・県有施設の財産経営戦略(神奈川県ファシリティマネジメント推進方針)」そのものとは若干表記が異なります。
 方針の原本はこちらのPDFファイルをご覧ください。(PDF:712KB)

 

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