「神奈川県県有施設長寿命化指針」の概要

掲載日:2018年7月13日

目次

  1. 県有施設の現状と長寿命化の目的
    (1)県有施設の現状と課題
    (2)県有施設長寿命化指針の目的
    (3)対象範囲
  2. 長寿命化実現のための取組み
    (1)施設整備の方向
    (2)施設の基本性能
  3. 今後の推進方策
    (1)維持管理計画作成ガイドラインの作成
    (2)維持管理情報システムの整備
    (3)施設修繕優先度判断基準の作成
    (4)県有施設長寿命化設計基準の作成
  4. 推進体制

1 県有施設の現状と長寿命化の目的

(1)県有施設の現状と課題

 神奈川県では、昭和40年代から50年代にかけて、集中的に県有施設の整備を行ってきました。その結果、現在所有している建築物の床面積の合計約739万平方メートルのうち、建築後20年を経過したものが約457万平方メートル(約62%)を占めており、建築後30年を経過したものが約217万平方メートル(約29%)となっています。こうした状況に対して、これまでは施設機能の見直しの時期に、設備機器等の老朽化が重なり、建築後30年程度で建て替えを行う例が多くみられました。このような傾向とストックの状況を踏まえると、従来型の建替新築では相当規模の整備費用が見込まれることから、厳しい財政状況に対応した施設整備手法への転換が迫られています。あわせて、環境面からは建て替えに伴う建設廃棄物の発生を抑制することが必要となっています。

図 県有施設ストックの状況(各年度ごとに建設された建築物の床面積の合計)
図 県有施設ストックの状況(各年度ごとに建設された建築物の床面積の合計)

(2)県有施設長寿命化指針の目的

ア 県有施設長寿命化指針の考え方

 今後の新たな施設整備需要に対応するため、老朽化した施設の再生や不要となった施設の用途転用など既存施設の有効活用を積極的に図るとともに、予防保全措置等の適切な維持管理を実施するなど、県有施設の長寿命化に向けた計画的・総合的な取組を行うこととします。
 また、これにより、全体的な経費の節減と財政支出の平準化を図るものとします。

図 県有施設長寿命化の考え方
図県有施設長寿命化の考え方

イ 県有施設長寿命化の目指すもの

(ア)県有施設の財産価値の保全、施設性能の維持

 建築物を適切に管理することにより、経年劣化に対する財産価値の保全を図るとともに、安全性、機能性等の施設性能を常に良好な状態に維持します。

(イ)事業の効率的な執行、ライフサイクルコストの縮減

 適切な維持管理、劣化診断による状況把握及び計画的修繕の実施により、劣化の進行を抑制するとともに、改修工事、建替工事の適切な選択により、建築物のライフサイクルコストを縮減します。

(ウ)地球環境保全

 建替新築工事に代えて既存施設の改修工事で施設整備需要に対応することにより、建設廃棄物及びLCCO2(ライフサイクルCO2)の発生を抑制し、地球環境保全に貢献します。

(3)対象範囲

 本指針は、原則として、すべての県有施設(建築物及び付帯設備等)に適用します。ただし、将来の行政需要、目標耐用年数までの残存期間、施設規模・構造、劣化状況を勘案し、長期的な利用が見込めない施設は対象外とします。
 また、リース・PFI事業で整備される施設についても対象とします。

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2 長寿命化実現のための取組み

(1)施設整備の方向

ア 既存ストックの有効活用の推進

 新たな施設整備を必要とする場合は、改修や用途転用による既存施設の有効活用を検討し、既存施設の活用が不可能又は著しく非効率な場合に限り、新築工事による施設整備を行うこととします。

イ 機能改善(リノベーション)工事の的確な実施

 施設の要求性能の変化に対応するため、耐震補強工事、その他機能改善工事を的確に実施します。
 法改正や施設利用者のニーズの把握に努め、中期的な予測の下に、機能改善工事を長期修繕計画に位置づけ、計画的に実施します。

ウ 適切な維持管理の推進

 施設ごとに維持管理計画(長期修繕計画を含む。)を作成し、これに基づく保守点検や劣化診断を適切に行い、計画的な修繕工事を実施することにより、建築部材や設備機器等の耐用年数の向上を図ります。

(2)施設の基本性能

 長寿命化実現のための施設整備に際して、施設の基本的な性能を定め、その水準の確保に努めます。

目標耐用
年数

 施設の耐用年数は、構造躯体の耐用年数とし、原則として、既存施設は建築後60年、新築施設は既存施設と同等又はそれ以上の耐用年数とします。特に、大規模施設、長期的な行政需要が見込める施設、用途転用による有効活用が可能な施設は100年を目標耐用年数とします。

安全性

耐震性

 災害に対する安全性を確保するため、建設時の性能を維持するとともに、法令や技術基準の改正による性能水準の変化に的確に対応します。耐震補強工事にあたっては、施設用途、被災した場合の社会的影響等を考慮した耐震補強水準を設定します。

機能性

 防水性能や室内環境に係る電気設備、空調設備等の安定稼働など、施設の基本的な機能を維持します。
 将来の用途転用や機能改善などに伴う空調システムや間仕切りの変更等に対応できる可変性、保守点検や修繕工事などを容易にする維持管理の効率性を確保します。

省エネルギー性能

環境性能

 「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」を遵守するとともに、「神奈川県環境配慮型公共施設設計指針」に基づく設計を推進します。
 また、環境負荷の少ない部材の積極的な使用、自然エネルギーの活用、省エネルギー対策を積極的に推進します。

ユニバーサル
デザイン

 福祉のまちづくり条例を基本とし、施設用途に応じて「ハートビル法」の誘導的基準を適用することなどにより、誰にでも使いやすい施設(ユニバーサルデザイン)の実現を図ります。

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3 今後の推進方策

 長寿命化実現のための取組を円滑に推進するため、維持管理計画作成ガイドライン等を作成します。
 あわせて、既存施設の中から、建築後30年程度経過した施設をモデル施設として選定し、具体的検討を進めます。

(1)維持管理計画作成ガイドラインの作成

 財産管理者が維持管理計画を作成するためのガイドラインを作成します。

(2)維持管理情報システムの整備

 維持管理情報の管理、長期修繕計画の作成を支援するシステムを整備します。

(3)施設修繕優先度判断基準の作成

 集中する工事需要について、施設用途、将来計画、危険度、業務への影響度、計画修繕の有効性等により施設単位及び工事単位の優先度を判断するための基準を作成します。

(4)県有施設長寿命化設計基準の作成

 県有施設の新築・改修設計において、長寿命化のための設計方針及び具体的な施設性能を整理した基準を作成します。

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4 推進体制

 財産管理者等は、既存ストックの有効活用、機能改善(リノベーション)工事の的確な実施、適切な維持管理に主体的に取組みます。
 工事主管課は、既存施設の有効活用の検討や機能改善(リノベーション)工事の実施方法など、技術的検討が必要なものについて、技術協力を行います。

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