ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉 > 地域福祉・助け合い > 神奈川県再犯防止推進会議の概要 > 神奈川県再犯防止推進会議の審議結果(平成30年度第1回)

更新日:2021年8月31日

ここから本文です。

神奈川県再犯防止推進会議の審議結果(平成30年度第1回)

会議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

神奈川県再犯防止推進会議

開催日時

平成30年8月1日(水曜日)14時から16時まで

開催場所

横浜保護観察所4階研修会議室

出席者【座長】

小西 暁和【座長】、森 卓爾、村木 康弘、松田 芳政、原 一広、杉村 二、中村 葉子、白戸 順一、石渡 勝朗、大伴 好子、小川 めぐみ(代理:中舛 絵里奈)、志村 宗男、竹内 政昭、山下 康、伊部 智隆、原田 忠志 〔計16名(順不同、敬称略)〕

次回開催予定日

平成30年10月29日(月曜日)14時から16時まで

掲載形式

  • 議事録

会議経過

1 開会
〔事務局から委員の出欠について紹介、各委員からあいさつ〕

2 あいさつ
〔田熊課長からあいさつ〕

3 座長の選任
(事務局)
 座長の選任につきましては、本日お配りさせていただきました参考資料1「神奈川県再犯防止推進会議設置要綱」、第4条第2項において、委員の皆様の互選によって、座長を決めていただくことになっております。皆様いかがでしょうか。

(志村委員)
 事務局一任

(事務局)
 今、事務局から、というお話もありましたので、事務局の方で、ご提案をさせていただけるということでありましたら、今回ご出席いただいている委員の皆様は、広い分野からご参加いただいているところでございますが、小西委員におかれましては、刑事政策、犯罪者処遇法、少年法をご専門とされており、日本刑法学会、アジア犯罪学会など、様々な分野でご活躍されております。神奈川県におきましても、神奈川県・横浜市地域連携研究会において、ご尽力いただいておりますので、そういった点からも、本会議の座長として、適任だと考えておりますが、いかがでしょうか。

〈一同拍手〉

(事務局)
 それでは、小西委員に会議の座長をお願いさせていただければと思います。改めまして、小西座長から一言御挨拶をいただきたいと思います。

(小西座長)
 座ったままにて失礼いたします。この度は、第一線でご活躍されております諸先生方を前に、座長ということでご指名をいただき大変恐縮しております。本会議を通じて、是非委員の皆様方と協力しながら、神奈川県の地域性に見合ったものとなるとともに、他自治体の一つのモデルとなるような、そうした計画を立てられればと思いますので、よろしくお願いいたします。

(事務局)
 それでは、これからの進行につきましては、小西座長にお願いしたいと存じます。小西座長、よろしくお願いいたします。

 

4 議題
(1) 神奈川県再犯防止推進会議の設置について
(小西座長)
 それでは議事を進めさせていただきます。まず議題1、神奈川県再犯防止推進会議の設置について、事務局から説明をお願いいたします。

〔事務局から資料説明〕

(小西座長)
 それでは、今ご説明いただきましたこの議題につきまして、委員の皆様からご質問等はございますか。

(原田委員)
 質問をさせていただきたいと思いますが、スケジュール表を見ましたら3回しか委員会がありませんので、その中でこの計画を策定するには会議の数が少ないのかなと思いまして、もしできればその会議と会議の間を補足するために、例えば、メーリングリストなどを活用して、意見交換などができればよりよいかなと思いますが、いかがでしょうか。

(小西座長)
 事務局から、いかがですか。

(事務局)
 メーリングリストというやり方かどうかは別としまして、委員の皆様もお忙しいので回数を増やすことも難しく、事前事後に、情報提供をそれぞれできるだけさせていただきまして、回数が少ない中、できるだけご意見をしっかりいただいて、それを反映できるようにさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

(小西座長)
 よろしいでしょうか。

(山下委員)
 今のお話に関連してですけれども、確かに、物理的に難しいということはわかりますが、具体的な県の進め方として、事務局の内部でプロジェクトのようなものを具体的に検討して行く上で、県の具体的な検討スケジュールが見えてこないのですが、その辺も教えていただければと思います。

(小西座長)
 事務局お願いいたします。

(事務局)
 県の検討スケジュールにつきましては、まず、9月にある県議会の厚生常任委員会で報告させていただく予定です。その後は、10月に予定している第2回の推進会議で素案を検討していただきまして、その検討結果を反映したものを、12月の厚生常任委員会に報告させていただきます。また、12月にはパブリックコメントを実施いたしまして、その結果を踏まえて、1月開催予定の第3回推進会議で計画案を検討していただきます。最後に3月の厚生常任委員会で報告させていただき、平成30年度中に策定するということで県の中では整理をしています。

(小西座長)
 山下委員、よろしいでしょうか。他には質問等ございますでしょうか。

(中村委員)
 モデル事業と計画との関係について聞きたいのですが、検察官なので転勤していろいろな県を回って、他でいろいろと関わっていることから気になるのが、検察庁では罪を犯した人が社会福祉士に面談をしてもらって同行支援で福祉に繋いでいるのですが、聴き取りをして、実際に何が必要とされているのかということを調査した上で、再犯しないよう福祉や医療につなげるような意味のあるモデル事業にして、そこで得られた成果を、最終的には取りまとめをしながら、計画に組み込んでいくということで、中身のある計画になると思います。
 モデル事業については、他府県でもいろいろと検討されているとのことなので、せっかく神奈川県もモデル事業をされるのであれば、大学の先生も協力してくださるということで、実際に今、入口の段階や出口の段階で、福祉や医療を支援してくだされば地域に戻れるという方々が、どういうことにニーズがあるのか、どういうことを実際にやっていけば、再犯をしないで、地域に定着できるのかということをやりながら、それを生かして計画に盛り込んでいくのが一番有機的にモデル事業と計画の組み立てができるのではないかと思いますけれど、モデル事業との絡みを教えていただければと思います。

(小西座長)
 まず事務局からお願いいたします。

(事務局)
 モデル事業につきましては、まず、県も、これから計画を作っていくにあたりまして、神奈川県らしさというのをできるだけ反映していければと思っています。ただ、今回のモデル事業については、国の方から、採択を受けたという状態でございまして、先ほど説明させていただいたとおり、まだ契約など細かい中身の調整ができていないところですが、中身としては、二つありまして、一つが県内の福祉関係施設の職員を対象にした研修をしたいと、そこでネットワークを作るというのがまず一つ。もう一つは、高齢者の万引きに関するプログラムを作成できないかといったところでございまして、具体的な中身についてはこれからですが、その二つを国に提出させていただきまして、採択を受けているというところでございます。委員会ではこのモデル事業について検討するというよりも、報告だけになってしまうかと思いますが、ただ、そうは言いましても計画の中で、委員からも話もありましたように、有機的に連携できるように、反映できるようにしていければと思っています。確かにモデル事業もせっかく採択されましたので、この会議において、計画の中にも反映させながら、非常に効果的なかたちになればと思っております。

 

(2)神奈川県再犯防止推進計画の骨子案について
(小西座長)
 他にはいかがでしょうか。では、よろしければ、質問の時間を、議題1については終了として、次に、議題2の方に移らせていただきたいと思います。続きまして、議題2の、神奈川県再犯防止推進計画の骨子案について、事務局からまず説明をお願いいたします。

〔事務局から資料説明〕

(小西座長)
 この議題につきまして委員の皆様からご意見を頂戴したいと存じます。どうぞご自由にご意見を出していただければと思いますのでよろしくお願いいたします。

(松田委員)
 質問ですが、施策の展開の(エ)犯罪をした者の特性に応じたというところですが、国の計画に「効果的な」ということが、強調して入れているところがあると思いますが、そこを省いた理由がございましたら、ご教示いただければと思います。

(小西座長)
 では事務局からお願いします。

(事務局)
 国の計画の細かいところを見ていきますと、矯正施設内での指導のお話が多くございまして、ただ県で行う場合は指導という形が少なくて、支援という形が多くなるところで、もしこちらが柱立てに見えてしまうと、指導が先に目に入ってしまいます。基本的には、県の計画でございますので、県の実施事業について載せていくことを考えております。その際に、指導という形よりも、支援という形で見せていくために、今回、「効果的な指導」というところは削除させていただいて、「犯罪をした者等の特性に応じた取組」とさせていただきました。事務局からは以上です。

(小西座長)
 よろしいでしょうか。他にいかがでしょうか。

(原田委員)
 すいません1点質問させてください。この計画の骨子案の中で、対象区域が県内全市町村とすると書いていますが、神奈川県のこの再犯防止推進計画が策定できると、今度は、各市町村で独自に再犯防止推進計画を策定するのでしょうか。その点教えてください。

(小西座長)
 事務局お願いします。

(事務局)
 各市町村につきましては、今回の計画は、任意の計画でございまして、大都市特例もありませんので、それぞれの自治体で任意で作っていただくということになっております。神奈川県で、今年度作成して、それを参考に作っていただけることもあるかもしれませんし、そういう意味では、それぞれの自治体の判断になるかと思います。各市町村に、こちらから何かをしてもらうような縛りをつけるようなことは、特段考えていませんが、各市町村へは、情報提供をしっかりさせていただき、連携しながらやらせていただけたらと考えています。

(小西座長)
 原田委員よろしいでしょうか。中村委員お願いします。

(中村委員)
 「効果的な」という言葉の関係ですが、私も、県がおっしゃたように、指導ではなく支援を、県がやるべき仕事と思っているので、「効果的な支援」というように入れたらどうかと思います。やはり効果的でないと再犯を防げないのではないかと、効果的な支援っていうのは、形だけではなく本当に再犯を減らすための実効性のある支援です。
その前提として、やはり実態を知ることが大事だと思っておりまして、法務省からも、各都道府県や市町村がモデル事業を行ったり、計画を立てるに当たって、統計資料等、実態について求められた場合に協力しなさいということが来ております。例えば、具体的にそれを企画される部門の方が、検察庁であれば、検察庁ふれあい広報というものをしておりまして、刑事政策総合支援室でも、いろんな立場の方が見学にこられますし、月水金であれば山下委員もおられるので、山下委員からも、どういうふうに具体的に罪を犯した人を地域に返していくような施策をしているのかということを、ふれあい広報で来られた方に説明することもできます。入口支援であれば、検察庁に来ていただいて、出せる数字を出せるよう、こちらは内部で協議をしますし、そういう実態を踏まえて、効果的な支援を目指して計画を立てていただきたいと思います。
 あともう一つですけれども、私は入口支援を京都地検で2年、名古屋地検で2年関わってきましたが、初めて罪を犯したところで、検察庁内で福祉や医療の必要性に気づくっていう発見機能がとても大事だと思っています。また、いつも思うのは、罪を犯した人をさあこれから支援するぞとゼロからというよりは、もともとは地域に住んでいらっしゃる方々が、本当は、福祉や医療が手を差し伸べていれば、罪を犯さなくてすんだ人達を元に戻しますという形で戻していく考え方をしていくべきだなというのを、実践しながら気付いてきたところです。
 ですので、新しいことを新しい計画でやるというよりは、もともと地域にある福祉や医療の枠組みとの関連性がすごく大事だと思っています。神奈川県はとても進んでらっしゃるので、いろんな取組をされているので、福祉や医療の取組の中でも、罪を犯した人についてという項目が地域福祉支援計画にも入っていたりします。その中で、この再犯防止推進計画と関連させるか考えていけば、有機的にそちらのことも充実すると思います。
 こちらの支援も独立ではなく、高齢の人であれば、その人に必要なこと、でも高齢なだけではなく認知症が入っていれば、その障がい福祉的なことも必要になったり、医療も必要になったり、いろんな形で、一つの部門だけがすべてのことを支援できるわけではないということは県の方が一番ご存知だと思います。
 罪を犯したことによって、施策が行き届いていなかったということを発見する機能を刑事司法が果たしており、それを他の福祉計画、他の福祉部門のいろいろな施策の中に戻していくというように考えていければと思います。その関連性についても、明らかにしていただくような形で、それを、この(2)のところが斜線になってしまっていますが、まず状況、実態を知っていただいて、これまでの福祉の施策に、罪を犯した人についてもう少し目配りしてみればいけるのではないかなと思うので、実態の(2)のところにそれが入ると嬉しいです。
 効果的支援というように先ほどご指摘があった「特性に応じた取組」にも入れていただいて、実態調査については、検察庁であればいつでも広報という形でいろいろな方を受け入れておりますので、申し出をしていただきましたら、できる限り実態が明らかになるように、協力したいと思います。それぞれ出口の支援のところ、矯正施設についても、保護観察所についても、実態を明らかにする協力をされると思いますので、そういった形で中身を入れていっていただければと思います。

(小西座長)
 きちんと実態を踏まえた上で効果的な支援の取組を計画の中で示していくことは、一つの重要な方向性だと思いますが、事務局からはいかがでしょうか。

(事務局)
 まず、実態調査の方ですけれども、こちらは横浜保護観察所や東京矯正管区の皆様方から、情報提供をいただいておりまして、ただ私どもも、やはり刑務所内の話や、保護観察の実態というのもなかなか掴みきれていないところもございますので、今後もご協力をいただければと思っております。また、そういったニーズから、新しくどういうものを中に入れていくかというところも判断することになると思いますので、できるだけ早くそういったところは、確認していきたいと考えております。また、横浜地検の皆様にもご協力いただければというところです。補足ですが、先ほど新しいこともあるが、それよりも、もともとある施策の関連性をという話がありました。そちらにつきましては、委員のおっしゃるとおり、今まで県、県警の中でも、それぞれで実施していた取組には、実際、再犯防止に関連するものがあると思いますので、そういったものを今回の計画で整理をして、県民にも見やすく整理して示せるような形を考えておりますので、引き続きそういったご意見をいただければと思います。

(小西座長)
 では山下委員、お願いします。

(山下委員)
 質問と確認で3点ほどお願いしたいのですが、1点目、国の取り組んでいく施策第4の「学校の修学支援の実施のための取組」がありますけれども、そこで神奈川県としての考え方、現在の考え方を教えていただきたい。神奈川医療少年院で、私ども13歳、14歳、15歳の子供たちの支援、定着支援センターの特別調整の支援をやっているわけですけれども、やはり学校教育の中断というのは非常に目の当たりにしています。私が今担当している14歳、15歳の子も、医療少年院の中で、個別に中学校の校長先生に卒業式を行ってもらったと、その子の障がいの特性に合わせて非常に個別的な卒業式やっていただいたのですが、その子は、高校に行きたいと私のところに言ってきています。しかし、実際に高校に行くにはかなりのハードルがあります。勝手に帰れないので8月までに具体的に帰住先を決めていく、その段階で、高校の教育委員会との資料のやりとりをするところで非常に厳しい状況に置かれていて、早速合同支援会議を来週やるのですが、そういった学校教育の中断というところに対して、神奈川県としても支援の視点が必要ではないかとかと思います。そこで、具体的に計画に盛り込んでいく検討がされていくのかどうかを教えていただきたい。
 それから2点目ですけれども、神奈川県の地域生活定着支援センター、まだ正確な数字を出していませんが、7年間の取組の統計資料を作っておりまして、三百数十件の関わりの中で、再犯率は約5%以下です。これは数字のとり方の問題もあります。7年間ずっと追っているわけではないので1年2年再犯していなくてもそのあと再犯している可能性はあるのですが、正確な数字かどうかと言われると、なかなか難しい問題がありますけれども、そういったような統計資料を私どもも持っております。神奈川県弁護士会との連携事業の中でも、数十件の入口支援の経過結果その後の対応等もございます。ぜひ、そういったところも、正確かどうか微妙な点がありますけれども、参考になるかと思いますので、ぜひ声をかけていただきたいというのが2点目です。
 それから3点目として、国がそういった再犯防止の推進計画や法律を出してきたことは非常に前向きで評価できるところですけれども、この国の推進計画を見ると、検討していきますとか充実していきますとか、2年間検討していきますということで、できる施策はすぐやるけれども、検討していくっていうようなことが非常に散見されます。国としてはなかなか難しい面があると思いますが、県としてはそういった抽象的なものではなくて、具体的にこういう施策ということを作っていきたいなと、そこについてもぜひよろしくお願いします。

(小西座長)
 では事務局からいかがでしょうか。

(事務局)
 ありがとうございます。まず、1点目の国の内容、計画のところで修学支援の話がありましたが、そういったご意見も、できるだけ受けとめさせていただいて、まず県として何が記載できるかというところですが、県の方でも一般的な修学支援制度もございまして、就学支援、学び直し支援などといったものも実施しています。それ以外の事業についても調べながら今日の意見も踏まえて、検討させていただければと思います。
 2点目の定着支援センターの資料については、本県における再発防止を取り巻く状況のところがまだ斜線だというお話もありましたが、どういった数字が使えるのかといったところも、委員の皆様のお知恵を拝借しながら数字を入れていければと思いますので、ご協力いただければと思います。
 3点目、本県の計画については具体的な施策をというお話がありましたが、そちらについても、実際、すでにそれぞれのところでしっかり行っている取組もありますので、今回、再犯防止という枠組の中で、こういった事業を現在実施しているということをしっかり示して、できるだけ具体に書けるようにしていきたいと思います。
 補足で、議題1のところで、神奈川県庁内の検討状況の中で、プロジェクトチームはどうですかというお話が山下委員からあったかと思いますが、プロジェクトチームといったしっかりとしたものになるかどうかはわからないですが、今回もオブザーバーとして関係する所属に参加していただいておりますので、計画の中身をこれから詰めていくに当たって、必要なそれぞれの取組の中で、所属としっかり連携させていただいて、会議体かどうかは別としまして、庁内でも関係するところには、全庁照会をかけさせていただいたり、また、神奈川県警と協力しながら作り上げていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

(小西座長)
 山下委員よろしいでしょうか。他にいかがでしょうか。

(石渡委員)
 保護司として、いくつかの事例を考えていく上でお願いをしたいというか、希望したいことがあるのですが、それは2番の概要の二つ目で、モデル事業のお話が事務局からありました。福祉関係職員の研修あるいは高齢者の万引対策というお話がありましたけれども、その中身が見えてないですよね。性犯罪にしても薬物依存につきましても、やはり今までは保護司が1人でこつこつと面倒を見てきた状況ですが、1人ではやっていけない状況になっています。いろんな関係機関や、そういうチームを組んで支援にあたる必要があるだろうと。私の事例からいっても、例えば1人の性犯罪の少年に対して、いろんな機関の方々がチームを組んで取り組んだという事例があります。例えば、生活保護とかそういう経済的な問題、それから少年の精神的な、身体的な部分での医療の必要性というようなことで、例えば福祉事務所の職員や、医療機関の方、少年院、医療少年院の職員の方が来ていただいたり、あるいは、作業所の社長とか、それを取り巻く支援する時間を過ごす場所がありますけれども、そういうところの所長とか、保護観察官、保護司を含めて、いろんな人たちが7、8人集まって、月1回、支援についての情報交換等を行ってきたわけです。そういう事例を考えていきますと、やはり、モデル事業の中で、ただ職員の研修だけではなくて、こういう一つの、組織、チームワークといった、そういうネットワークを作っていくということが非常に重要ではないかと思います。今各市町村でも、行政及び社協のあたりから、地域包括ケアシステムという問題が出てきまして、これは各行政の中でも、この地域包括ケアシステムをこれからさらに推進していこうという機運がありますので、私はそういうものと合わせながら、一つ一つの再犯を防ぐ事例を以って、チームワークをどう作っていくか、それを各市町村に徹底していくことが非常に大事なことではないかと思います。併せて、例えば学校の問題がありますけれども、修学の問題もありますけれども、学校の見守りについても、やはりPTAだけに期待しないで、地域のいろいろな関係機関と一緒に手を組んで、いかに学校を正常な、安全な場所にするか、最近虐待の問題が出てきましたけれども、そういうものを含めて、大勢のいろんな機関が協力しあって支援していく、そういう組織づくりをぜひやっていただきたいと思います。

(小西座長)
 ありがとうございます。事務局からいかがでしょうか。

(事務局)
 まずチームを組んでというところですが、地域生活定着支援センターの事業の中では矯正施設退所者の退所予定者を支援するために、いろんな関係機関の方がケア会議という形で開いたりですとか、多くの方が、保護司の方も含めて支援をされているということもございます。今回のモデル事業の中で、先ほどは二つ応募して採択を受けたと話しましたが、うち一つが、福祉関係職員の研修です。そういったものを通して、最終的には福祉の関係者の中でもネットワークが構築できればと考えております。今回地域生活定着支援事業のセンターの運営指針が平成29年度末に変わりまして、その中でも福祉のネットワークを構築しなさいというものが加わりました。社会福祉士の皆様は、更生保護というところが科目にございまして、皆さん勉強されていてお詳しい方が多いのですが、今、各施設で直接支援をされている皆様も、受け入れる中で、情報が欲しいという声も多く上がっておりますので、そういった方向けに研修を行うといったことを考えております。こちらはまだ国との調整が最後までついておりませんので、実際に実施するというところはまだ先の話にはなりますが、そういったところも考えてございますので、そういう中で、ネットワークの構築というところも考えていければと考えております。県からは以上でございます。

(小西座長)
 よろしいでしょうか。他にご質問、ご意見はございますか。

(原田委員)
 石渡先生や中村先生のお話を聞きまして、効果的支援ということになるとやはり、一番真っ先に当たるのは市町村だと思います。出所した方が、例えば出身の町に戻れば、当該町の町民となるわけです。そうするとやはり町民の支援ということで、出てくる段階で、戻る帰住先、市町村との連携が必要だと思いますので、適切な個人情報の提供をお願いしたいと思っております。

(小西座長)
 事務局からございますか。

(事務局)
 個人情報に関して、その一つの例をいただいて、市町村との連携について、ご意見として受けとめさせていただきたいと思います。


(中村委員)
 今のお話に絡んで、やはり個別になると、個人情報ということで、なかなか適切な連携ができないということがあるので、私がいろいろな福祉のことと関わる中で、子どもたちの要対協(要保護児童対策地域協議会)は、うまく機能していると思っております。
 要保護児童がいたときに、その子供のために皆が協力しあうという仕組みがしっかりできていて、その代表者会議、ケース把握している中間の会議、実際にケースを担当している人たちのネットワークが含まれているので、それと同じような感じで、例えば刑務所から出所します、少年院から出てきますという人がいた場合には、その人自身を取り巻く先ほど山下先生、石渡先生もおっしゃっていましたけれども、その人をめぐるいろんな生活保護の関係とか医療の関係とか、福祉の関係のネットワークもありますが、計画を立てる以上は、要対協のような形で仕組みを作るということが大事かなと思っています。
 個別のケースを代表するチームはその人その人について、きめ細やかに手探りで作っていくものだと思いますが、その全てのケースを、把握している、掌握しているという会議が真ん中にあって、その協力機関の代表者が集まる会議がトップにあるというような要対協のような仕組みを作って、確実にその人その人が支援されて、個人情報もその範囲では、皆で共有できるような仕組みをつくれば、個人情報がわからないということで、支援が途切れることもないと思っています。
出口のところで、少年院とか刑務所から出てくる方の場合には、少年院や刑務所も、すごく一生懸命その中にいる間からいろんな関わりを模索されているのでそういうケース会議を行うということは、ある程度呼びかけをしながらできていくと思う。けれども、問題は検察庁から保護観察所や矯正を経ずに、そのまま地域に帰っていく人については、今そういう仕組みがありません。
 そこをできたら、実は、100万人以上の人が1年に検挙されている中で、検察庁に微罪でない限り送致されてきて、その中で、実際に実刑になっているのは1年に2万人ぐらいしかいないので、50分の1です。刑務所に行かずに地域に戻っていく人たちが50分の49です。その50分の49の人たちに、何かそういう仕組みがあれば、スッと地域に、元に戻っていけると実感しているのでそこの仕組みづくりをしたいと思っています。特に執行猶予の段階には、刑事弁護でついている先生たちとの連携が絶対必要だと思っていて、弁護士会とも連携しながらできるような仕組みも作りたいし、検察庁に来ない微罪というのは、全体の統計から見るととても少ないんですが、高齢者の万引きに特化してみると、微罪になっているケースはすごいパーセンテージです。それについては、検察庁に来ないでとどまっているケースなので、警察段階で微罪にするときに、どれだけ福祉につなげるかということをしっかり考えていかないといけない。
 微罪で、警察段階で地域に戻るパターンと、検察庁を経て起訴猶予なり執行猶予なりで戻るパターンと、矯正施設から戻っていくパターンと、その3つのパターンそれぞれのケースに対応できるネットワークがあって、それをケース把握ができるような仕組みがあって、全体としてそれを運営していける代表者会議のようなものがあれば、児童の要対協のように、きめ細やかに漏れなく、効果的に支援ができるのではないかと思います。そうすれば、個人情報について、いろいろと壁を作ってしまうこともなく、情報共有ができるのではないかと思うので、そういう仕組みが計画の中に入ってくると皆さんも支援しやすいのではないかと思うので、ご検討願えればと思います。

(小西座長)
 児童福祉法上の要保護児童対策地域協議会での3層構造の枠組みにおいて個人情報に関する問題もクリアできているという仕組みが、この再犯防止においても参考になるのではないかということですが、事務局からはいかがでしょうか。

(事務局)
 若干難しいというのを最初に言ってしまうのは恐縮ですが、要対協の場合、児童相談所があるからというのがまずあります。オブザーバーとして参加している関係課の中には、個別ケースに対応できる相談機関を所管している所属の者もいるので、分野によっては対応できるものもあるのではないかと思います。計画の観点からするとやはり、先ほどモデル事業の中で、福祉関係者の研修ということで、少し狭いお話をさせていただきましたけど、そのネットワークという話の他にも、先ほど地域包括ケアシステムのようなお話もしていただきましたように、全体からするといろんな分野の福祉の相談や支援の体制について、国からも、地域共生社会の実現に向けて、いろんな複合的な対応ができるような枠組みにしていくよう方向性が出ています。事務局である地域福祉課で直接的な相談機関を持っているわけではない中で、福祉のいろいろな仕組みと、上手くくっつけていくような、模索していくようになるのかなと考えているところです。

(小西座長)
 よろしいでしょうか。では志村委員お願いします。

(志村委員)
 先ほど中村先生がすごくいいことを言われていて感動していますが、刑務所から出てきた人、またそういう対象者は、更生後も、一度犯罪を起こすとなかなか福祉の援助を得られないという感覚が少しありますが、例えば、更生保護施設に入ると、更生保護の予算を使うと。実際は福祉に困っていて、お金が必要だという場合、今度は、生活福祉のお金をもらわなくてはいけない。国でも、地区でも、縦割りが強くて横の連絡をもう少ししてもらって、手を取り合うような世の中になっていかないと、なかなか再犯を防げないと思います。例えば、今、保護司と民生委員さんは地域にとって本当に必要で、連携がすごく必要です。前は保護司会と社会福祉協議会、福祉と一体でやっていましたが、2、3年前から一緒にできなくて県の段階でバラバラになってしまいました。それは予算の関係で色々とあったと思いますが、やはり各団体が、県の段階でも、社会福祉協議会、また、保護司会、各関係団体がありますから、その辺りが、連携的に、今日こういう形がこのまま終わるのではなくて、これを機会にぜひ、毎年横の連携をして、お互いに情報交換しながらやっていく必要があるのかなと感じています。先ほども、社会福祉士は、福祉と更生保護は一体になって社会福祉ということで、社会福祉士の資格を取るには、福祉と更生を一緒に勉強しないと、資格が取れないこともありますので、ぜひ国の段階でも、県の段階でも市町村の段階でも、例えば事業の内容にしても、予算の内容についても、福祉というと施設もそうですが、すごく予算が来るのですが、更生部門というと予算が少なかったり、同じ職員でも待遇が大分違うように感じます。そこは国でも、お互いに譲り合って、同じ人間を扱うわけですから、更生保護とか福祉で分けないで、平等にその辺りをやってもらうとすごくいいかなと感じております。1度罪を犯したら、少し差がついているような感じがして、社会に帰って来ても、まず冷たい目で見られたり、みんな難しい問題があると思いますので、ぜひその辺りを考えて欲しいなと思います。実は一ついい話があるのですが、法務省と財務省がお互いに協力し合って、少年院で税務署が租税教室の勉強会を開いて、続いて作文を募集したら、少年院の生徒が作文をして、税務庁所長表彰を現役の少年院生に渡したということがありました。すごく喜んでいて、それを見ても、同じように国の段階でも、県の段階でも、各部署がお互いに連絡し合って一緒にやりましょうという体制が、本当に大切だと思いますので、再犯を防ぐには、県の段階でも、市の段階でも是非、横の連絡を取り合うようになれば、さらに良い方向にいけるかなと思っております。

(小西座長)
 縦割りでない、横で協力しあうような連携のもとでの再犯防止、非常に大事な点だと思います。事務局からはいかがでしょうか。

(事務局)
 委員のおっしゃる通り、この会議で、地域福祉課という福祉のセクションが取りまとめさせていただいていますが、この会議自体もオブザーバーとして、庁内の色々な関係部署、神奈川県警を含めてお集まりいただいて、委員の皆様も各分野からご参加をいただいておりますので、こういった場も連携の一つだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

(小西座長)
 今後も恒常的にこういう連携の場が続くといいですね。竹内委員お願いします。

(竹内委員)
 日頃、刑余者の就労支援を携わっている中でいろいろ考えることがありまして、先ほど福祉のシステムづくりという話もありましたが、我々の目の前に来る人たちで、年齢を考えてもこの方は福祉だなと、そちらの方が早いのではと思うこともありますが、彼等は絶対行かないですよね、自分は働きたいんだ、何とかしたいんだ、という意識を非常に強く持っているので、福祉を勧めることもなかなか言えない。事業所につなげていこうとしても、病気を持っている方であるとなかなか就職は難しい。そこをどうするかという現実が、いつも目の前にある。また、罪名でも人を殺めましたという話をされると、どんな事業所が受けてくれるのか、強姦で服役していました、どこか採用してくれるところはございませんか、と話をするのですが、難しいなという話になってしまう。それでも、彼らを放っておく訳にいかない。役所から頼まれて、やらなければいけないということで続けているのですが、そこでいろいろ困っている時に神奈川県の産業労働局から定着支援ということご協力をいただいて、彼らのサポートをしながらなんとか続けるということをやっています。福祉のシステムづくりも大事かと思いますが、そういった人たちを救えるようなものもいろいろ考えていかなければと思います。何となくお話が、福祉関係の方が多いので、そうしたイメージがついてしまうのですが、そうではない方も結構いるんだということを、目の前にしています。そこも含めた形で考えてもらえればと思います。骨子を作る際にあまり広げると、なかなかまとまらないのはわかっていますけれども、目の前にいる彼らを見ていると、何とかしなければと思うのです。就労についても少し広げてもらえればありがたいなと思っております。

(小西座長)
事務局からはいかがでしょうか。

(事務局)
ありがとうございます。先ほどの話と繰り返しになってしまいますが、再犯防止については、福祉のセクションで取りまとめしているところですが、先ほど、産業労働局の定着支援の話もありました。福祉に偏ることなく、それぞれできるだけ県や、県警として、幅広な取組として計画に反映できるところは反映して、より実態に即した形の計画にしていければと考えております。

(小西座長)
 では、山下委員お願いします。

(山下委員)
 今の話の続きというか、繰り返しになってしまうかもしれませんが、司法と福祉の連携というところで、今日も県警の方が大勢いらっしゃっていますけれども、要するに刑事司法の立場では、過去のいろんな犯罪や事件に対して刑罰という立場に立って、地域のもとでそういう延長線での再犯防止をしていて、我々ソーシャルワーカーとしては、その人の地域での生きづらさを支援していくというところでの、結果としての再犯防止というところがあると思います。反射的効果といいますけども、そういったところで、地域での再犯防止が成り立つということがあります。その成り立ちが刑事司法側と我々ソーシャルワーカーとは違います。違う立場性をお互いに明確にしながら、地域などの再犯防止をどう協働していくかという視点、ここを押さえておかないと、どっちつかずもいけないし、どちらかに偏ってもいけないし、再犯防止に関わる視点が違うことだけは、ソーシャルワーカーという立場でお話をしておきたいと思います。いい計画をぜひ、県全体で作っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

(小西座長)
 ありがとうございます。事務局よろしいですか。

(事務局)
 山下委員からお話がありましたけれども、例えば、地域生活定着支援事業は再犯防止を目的としているわけではなく、あくまでも福祉的支援を目的とした事業で、福祉に繋がりづらい方を支援するための事業なので、結果的には、反射的効果というところで再犯防止には繋がるのだけれども、あくまで福祉の支援としています。私どももそういったところは一つ一つ確認させていただきまして、国の再犯防止推進計画にも地域生活定着支援の関係が書かれてございますので、どちらかに偏らずに、例えば、非行防止のところであれば犯罪を防止するという視点からもそうですし、一方で結果的に再犯防止につながるといった取組も、今回、載せていくことを考えてございますので、ご意見としていただいて反映できたらと考えております。

(小西座長)
 大伴委員お願いいたします。

(大伴委員)
 先ほどの竹内委員からお話があったときに気が付いたのですが、実は私が保護司をしていたときの、薬物乱用の方ですが、10年も前にその方が就職していまだに続いています。それで、再犯を防ぐには仕事が一番大事だなと私自身は気が付いておりまして、いまだに十年間、全く再犯の兆候がなくて、薬というのは、エンドレスじゃないですか。お母さんとも連携をとっていまして家族の協力、あと地域がすごく暖かく見守っています。ですから、その人が薬をやっていることをわかっているのですが、みんなが暖かく、例えば、社会福祉協議会、ケアプラザ、コミュニティハウスがありますが、そこにもよく来ます。そして、みんなが話し相手になっています。ですから、地域ぐるみで、やはり見守るのと、成人した場合は、仕事がまず大きな比重を占めると、ひしひしと感じて竹内先生の話を聞いていました。

(小西座長)
 就労支援の重要性というところで、具体的なお話も挙げていただきました。ありがとうございます。


(白戸委員)
 仕事の支援の話を頂戴しましたので、参考までに、こちらの方で、最近、ハローワークの紹介で平成28年就職された方の追跡調査をしました。実際に、現在、平成30年度まで、就職を継続されている方については20%しかいらっしゃらないです。約80%の方がその会社を退職されています。その退職されてしまっている80%の方々が、平均の在職期間は、たった3ヶ月なのです。だから、すぐ辞めてしまう方が非常に多い。先ほどおっしゃられたように、仕事は、再犯防止に重要かなと思います。特に、就職された方全体の20%の方々が1か月以内に退職してしまうという状況で、やはり最初、就職された初期の段階で、3か月程度それから1年程度、そういったところの支援が、再犯防止に繋がるのではないかというところが調査で出ておりましたので、竹内委員のおっしゃられた通り、今、定着支援を、県でもやっていただいていますので、こういったものを計画の中に、就労の分野もフィーチャーしていただきながら計画を作っていただければと思っております。

(小西座長)
 事務局は今の件に関してよろしいですか。

(事務局)
 今、就労のご意見が続いたかと思いますが、国の計画の中でも、就労の確保というのが、具体的な施策の中で一番前に出てきております。今、労働局の方から具体的な数字もありましたが、国の計画の中でも、現状のところで、刑務所に再び入所した方のうち約7割が再犯時に無職であったと。また、就職していない方の再犯率は、就職している方に比べて再犯率が約3倍高いという現状分析もありますので、神奈川県内でも労働局からそういう数字についてお話しいただいたので、県内でもどうかというところについては、また、それぞれの機関が持っているデータを教えていただきながら、神奈川県の計画にも反映させていただければと思います。

(小西座長)
 では、杉村委員お願いいたします。

(杉村委員)
 事務局にお願いしたい意見ですけれども、施策の展開の非行の防止等というところで、先ほどご説明の中で、概念として広いということで、非行の防止等という形で候補としてあげているということですが、既存のいろんな形の仕組み、あるいは、少年警察であるとか、学校教育現場、矯正の方から、少年矯正と言われるような分野の中でいうと、例えば少年鑑別所で、地域矯正支援センターという形で、新しくそういう物を作って、いろいろな情報の一つのステーションになるようなものも新しく作っていますけれども、いろいろ既存のものがたくさんありますが、まだまだそれが有機的に本当に繋がっているのかというと、これがまだ上手くかっちりかみ合っていないところもあるのかなと思います。
 一つ一つのところは本当に非常によくやっておられて、成果も上げておられると思いますが、もっと県という舞台で計画の中で有機的に繋がるような形にしていただくと、よりよくいろんな意味で成果が上がるのかなと思います。
私はもともと中学校の教員からこの世界に転職してきましたけれども、大学時代からの友人も教育関係者が多いものですから、いまだに、中学校の教員からこんなケースはどこに聞いたらいいんだろうと、こういうケースはどうなのかみたいなことがあると、近くの少年鑑別所に行けと、また地域支援センターという窓口があるから、そこに行って聞けば今まで聞いたことないような情報を得られると、あるいは警察には行ったのかと、ただ、行っても、意外と窓口が本当の意味でワンストップで行けるようなものがないのかなと色んな知り合いからの問合せを聞いている限りで感じているところですし、また、きっと鑑別所で、矯正局で作っているその支援センターの方もまだまだいろんな活用の仕方が、使われ方があるかと思いますので、非常に有機的に使える仕組みをぜひ、計画の中で形にしていただければというお願いです。

(小西座長)
 続きまして、原委員、お願いします。

(原委員)
 今の杉村委員の発言に少し補足したいと思いますけれども、今お話を伺いまして、例えば、子供若者育成施策が結構国として大きな扱いになっていて、子ども若者育成支援推進法という法律に基づいて、神奈川県でも、それに基づく協議会が設置されております。当然私どもの少年鑑別所もそのメンバーに入っておりますし、労働局や、ハローワーク、そういった福祉関係、教育関係の様々な機関が、メンバーとなって情報共有が図られております。そういったものはかなり強力な武器になるのかなと思います。既存のネットワークはもちろんいろいろありますけれども、この協議会の担当課は同じ福祉子どもみらい局の中に設置されていると思いますので、少しそのあたりも盛り込んでいただくというか、頭の中に入れていただくといいのかなと補足しておきます。

(小西座長)
 では、志村委員お願いします。

(志村委員)
 色々と活動していく中で一番感じていることが、一つは、犯罪者、一度罪を犯した人は自分の悪いところばかりが朝から晩まで見られて、役所からの書類もすべて悪いことばかりが全部書いてあるし、保護司をやっていますと書類を見ると、すべて何月何日に何をやったと、刑務所から帰ってくる人もいいことが一行もないんです。それで、ただ裁判を行うときに、弁護士がいて、色々と難しい問題もあるけれどもこういう点はいいですよと弁護することがあると思います。そういう資料は出さないけれども、人間は悪いことばかりで100%ということはないと思うので、99%に1%、2%は良いもの持っていると思います。再犯を起こさせないようにするには、悪いことばかり見るのではなくて、その人間のいいところを、少しでも見て褒めてやったり、ちょっと話したりすることが一番大事だと思います。ある刑務所に更生保護施設として面接に行ったら、書いてあったことを聞いてみれば、なかなか良いことはない、でも本人に聞いてみれば、恥ずかしそうに、実は炊事をやっていて一生懸命やっていると先生に褒められたんだと、それを何となく嬉しそうに一言話していました。そうすると、やっぱり我々も面接に行って、いろいろ問題もあるけれども、こういう人ならば、かかってくれるかなということで受け入れます。100%生まれてからすべて悪い人というのはいないわけですから、社会の目、行政も我々関係団体も、いいところを見るようにして、それを伸ばすような、いろいろと施策の中でもよく協力者には表彰をしていますが、本人が努力して頑張っているということで、施設でそういうこともあったもので、一言でも、100円でも200円でも、カードの一つをやると、大変喜んでかかっている様子もうかがいますので、その辺りも指針の中に入れてもらえばありがたいと思います。

(小西座長)
 事務局から、今までの3名の委員からの意見について何かコメントをいただけますか。

(事務局)
 まず、杉村委員の方から、既存のものでも、いいものがあるがなかなか有機的に繋がっていないという話をいただきました。それは、非常にもったいないと思いますし、県民にとってもわかりやすいように整理して、有機的に繋がっていってこそ成果が出ると思いますので、今回の計画が、有機的につなげるためのきっかけになればと考えております。
 また原委員から子ども若者育成支援の協議会のお話をいただきました。こちらの局で実施している協議会でもありますが、まずはその協議会に限らず、できるだけいろんなところで情報共有をさせていただいて、既存のいろんなネットワークなどの集まりがあると思いますので、そういうところでも、情報共有をできるだけさせていただければと思います。
 最後に、志村委員の方から悪いところばかりではなく、よいところの視点、本人の努力というか、そういったところも気付かされるところがありますので、参考にさせていただきながら計画の中にも溶け込ませていければと思います。

(小西座長)
 では、森委員お願いいたします。

(森委員)
 弁護士をやっていて、刑事弁護をやっていて、一番悩むのは、検察庁で、起訴猶予を受けたり、あるいは、裁判所で執行猶予を受けたりしたときに、執行猶予を受けて保護観察が付けば、保護観察所に同行してお願いねとやればいいのですが、そういうものがないときに、いかにその人を次の再犯防止につなげていくところに結びつけるかと、法廷が終わって、法廷を出たところでバイバイということがないように、一番心を苦にするところです。それで今回の報告の中で、本県における再犯防止を取り巻く状況の実態というのは、先ほど中村委員もおっしゃっていましたが、斜線になっていると、確か再犯率が、例えば60%を超えているという話があって、国の計画は20%ぐらいまで抑えるというのが一つの目的とも、聞いているんですけれども、再犯防止を一番実行たらしめるためには、就労支援をどうしていくかというのが一番大きな問題かなといつも思っています。例えば、少年事件をやったときに、少年の試験観察の間に、私の顧問先で、6ヶ月間、働かしています。仕事に対する意識の改革というものをやったりしましたが、試験観察が終わってしまったら、もう顧問先の会社を辞めてしまって、連絡が取れなくなってしまうこともあったのですが、いずれについても再犯防止の問題で、私が一番これまで刑事弁護もやってきて少年事件をやってきた中で、就労支援、仕事にどう結びつけていくかと、規則正しく働くことが、本当にその再犯防止に繋がるのだということも思いながら、刑事弁護や少年事件もやるのですけれども、ぜひ再犯防止推進会議の中で、高齢者の万引きの問題等、再犯防止ということで取り組むモデル事業ということですが、全般的に、その他にもやはり就労支援ということをもっともっと大きく取り取り上げていくことが、この推進会議としても必要なことではないかなというふうに皆さんのお話を聞かせていただきました。

(小西座長)
 事務局今の点は何かございますか。


(事務局)
 就労が一番の問題、仕事にどう結び付けていくかというのが重要であるというお話をいただきました。今日の会議の中でもたびたびそういったご意見をいただきましたので、国の計画もそうですが、県の計画でも、具体的な施策の中の1番目に位置付けてあり、今日の骨子案でもそういう形にさせていただいておりますので、いただいたご意見をできる限り反映させていただければと思います。

(小西座長)
 では原田委員お願いします。

(原田委員)
 先ほどからの諸先生方の意見には大変賛同いたします。その点で大変参考になる資料が一つありますので、ご紹介したいと思います。これは、平成29年度の犯罪白書に、吹田市による保護観察対象者の直接雇用の取組という事例がレポートとしてあります。この平成29年度犯罪白書271ページを読んでいただきたいと思います。事務局の方、次回にこの吹田市の事例をコピーしていただけばありがたいと思います。内容は、18歳の、少年院を出た少年を吹田市が6か月間直接雇用するものです。そして、半年間きちんと市役所で勤められたら、市長名で、勤勉証明書っていうのを与えるそうです。先ほど志村先生がおっしゃった、いわゆる認めるということです。そのことによって、その罪を犯した少年が、また自信をもって新たに社会の中で自立できるということがこのレポートに書いてありました。ですから、この再犯防止推進計画においても、なかなか民間企業ですぐに直接雇用は難しいと思います。そのため、地方公共団体が雇用して、その中で例えば社会のマナーとか資格を取るなど、その半年間教育して、民間事業に雇用できるように、少し訓練する期間を設けたらよりよいかなと感じております。

(小西座長)
 国の機関でも少年の雇用がされていますが、県としてはいかがでしょうか。事務局からコメントをいただけますか。

(事務局)
 神奈川県でも昨年度、神奈川県保護司会連合会と協定を結ばせていただいて、また実際の雇用には至っていないですけれども、非常勤職員として雇用する予定であります。今は候補者について情報を集めていただいている段階です。原田委員がおっしゃられた犯罪白書の内容については確認させていただきます。

(小西座長)
 伊部委員お願いします。

(伊部委員)
 今日、皆さんのご発言を拝聴いたしまして、多くの方々が再犯防止に関わっていると、もしかしたら今日ここにご出席されない分野の方も、現在再犯防止にいろいろ関わってらっしゃる方もたくさんいらっしゃるのではないかと思っているところです。今日出た意見を事務局としましても、計画に反映すべくご努力いただきたいのと同時に、資料1を拝見していましたら、12月から1月にパブリックコメントを実施すると記載しておりますが、その段階では幅広い皆さんの御意見をお聞きになりまして、より良い計画にしていただければと思っております。私ども、神奈川県社会福祉協議会におきましても、関連の施設や関連の団体だけではなくて、幅広くご協力いただくように、できるだけ働きかけをしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


(小西座長)
 事務局から、今の点に関してはよろしいですか。

(事務局)
 12月から1月にかけてのパブリックコメントについて県社協の方で、ご協力いただけるというお話もありましたので、できるだけ幅広にご意見をうかがえるように、今日もいろんな分野の方々からご意見をいただいておりますので、それぞれの機関において、パブリックコメントでも、ご協力いただければと思います。

(小西座長)
 中村委員、お願いします。

(中村委員)
 それに関連してですが、再犯防止を検察庁で行う中で、やはり困難事例というものがありまして、地域につなげば、福祉につなげば大丈夫という高齢者のケースでは、高齢初犯の方はそれで福祉ケアがあると立ち直っていますが、先ほど出ていたような性犯罪を繰り返している方、例えば知的障がいがある方で繰り返している方、あとは、覚せい剤等の薬物依存がある方、アルコール依存が犯罪に繋がる方という加害者の類型からしてとても再犯を防ぐのが難しい類型があると思います。それについて、例えば、一部執行猶予制度が動き出してから、保護観察所さんはとても一生懸命で、これから取組が本格化してくると思いますが、保護観察が終わったあと、一部執行猶予で受入れた方を、県はどう地域で受けとめるのかという問題があったり、いろいろなことがあるので、医療機関の方からも少し意見を聞いていただければと思っています。例えば聖マリアンナ医科大学では、精神科の先生方が、加害者プログラムを一生懸命やっていらっしゃいますし、医療機関との協力というのも行っていかないと困難事例の再犯防止はできないのではないかと思っておりまして、あとはアルコールも薬物も当事者グループの方々が支えあって、再犯を防いでいるということがあるので、その当事者の方々のグループからもヒアリングをしながら、その方々も協力者の中に入っていただくような仕組みづくりをしていくのが、再犯防止をするにあたって困難事例の解決になるのではないかと思うので、広く意見を聞かれるときに、医療の関係とか、当事者グループの方々の意見も入れていただければと思います。

(小西座長)
 事務局からいかがですか。

(事務局)
 今そういった具体的な例もいただきましたので、参考にさせていただきたいと思います。

(小西座長)
 では、これで最後とさせていただきます。山下委員お願いします。

(山下委員)
 情報提供です。今週の福祉新聞にも載っているのでご存知かもしれませんが、横浜の話ですけれども、薬物の依存症の方々の支援をする横浜の団体が組織されました。7月7日に立ち上げています。「Y-ARAN」というところですが、これから法人化を目指していくのですけれども、横浜の中でも取組が始まっていますので、ぜひそういったところからも、意見を聞いていただければと思います。よろしくお願いします。

(小西座長)
 村木委員お願いします。

(村木委員)
 時間が押している中で、最後に申し訳ございません。日頃から犯罪や非行をした人が地域社会の中で受ける保護観察をはじめとした更生保護を務めさせていただいている役所といたしまして、まず、県の方への直接雇用の関係の補足でございますけれども、県と県保護司会連合会とで協定を結んでいただき、神奈川県における直接雇用の枠組みを作っていただきました。現在、県庁に送り出す保護観察中の少年に対して、どういう少年を送り出すかということについて、いろいろな対象の少年を含めて、こちらで検討している状況でございますので、また情報共有させていただければと考えております。今回、県の再犯防止推進計画でございますけれども、いろいろな項目がございまして、日頃からいろいろな犯罪をした人を見てみますと、やはり就労の確保が必要な人、あるいは、住居の確保が必要な人、それよりは、薬物の問題をしっかりと直さなければいけない人、いろいろな形の方々が、いらっしゃると思います。今回協定を結んでいただきました直接雇用は、その対象の人の就労という面での問題点に焦点を当てていただきまして、新たな協定ということで制度を作っていただいたところでございますけれども、それにプラスしまして、これまで県として、県民の皆様に行政サービスとして、いろいろなサービスを提供していただいていると思います。その中で、犯罪や非行をした人も同じ県民ということで、いろいろなサービスに乗せられるものがあるのかどうか、そういう視点も考えながら、これまでの既存のサービスに乗せられるものは何かというところも含めて、この計画で、どういったことができるのかというのを検討していただければありがたいと考えております。また、犯罪や非行をした人の改善更生というのは、当然本人の問題性に応じた対応も必要でございますけれども、やはり地域社会の皆様のご理解がないとなかなか難しいという部分では、施策の展開の5の、民間協力者の活動の促進や広報啓発活動の推進という部分で、地域の皆様方にも、犯罪や非行をした人の再犯防止についてご理解をいただきまして、特に、犯罪をした人の更生に努めていただいている保護司さんであったり、更生保護女性会の皆さんであったり、更生保護ボランティアの方々のなり手がなかなかいないというような現状もございますので、こういった部分も含めながら、この協力者の活動の促進等についてもできることはないかということも保護観察所として考えながら、検討を進めていければと考えております。

(小西座長)
 ありがとうございます。非常に多くの意見が各委員から出されたと思います。まずは、骨子案の(2)にもあった現状の把握ということで、今回参加された各機関からも情報提供をいただけるということですので、そうした情報提供などを踏まえた上で、実態を踏まえた計画を立てていくと、その上での成果指標もそこからきちんと出せるのではないかと思います。またその上で、本日いろいろと、とりわけ多機関でのネットワーク、多職種連携での枠組みやそのワンストップの仕組みづくりなど様々な意見がございましたが、これらを踏まえて事務局におかれましては、引き続きご検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

(3) その他について
(小西座長)
 最後のその他の議題ですが、事務局から他に何かございますか。

(事務局)
 今後のスケジュールについて、ご説明させていただきます。次の第2回推進会議は10月頃に予定しております。それまでに今日いただいたご意見を情報提供させていただき、次回の会議に向け、計画の素案を作っていくに当たってもいろいろとご相談させていただくことになるかと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

(小西座長)
 この点につきまして、ご異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。では、この件につきまして事務局説明の通りといたします。これをもちまして本日の議事は終了といたします。本日はありがとうございました。

 

会議資料

次第・委員名簿(PDF:152KB)

【資料1】神奈川県再犯防止推進会議の設置について(PDF:139KB)

【資料2-1】神奈川県再犯防止推進計画の骨子案について(PDF:161KB)

【資料2-2】県計画骨子案と国計画の比較表(PDF:113KB)

【参考資料1】再犯防止推進会議設置要綱(PDF:107KB)

【参考資料2】神奈川県再犯防止推進会議の会議及び会議記録の公開に関する取扱要領(PDF:113KB)

【参考資料3】神奈川県再犯防止推進会議 会議傍聴要領(PDF:114KB)

【参考資料4】再犯の防止等の推進に関する法律 概要(PDF:478KB)

【参考資料5】再犯の防止等の推進に関する法律 本文(PDF:167KB)

【参考資料6】国再犯防止推進計画 概要(PDF:417KB)

【参考資料7】国再犯防止推進計画 本文(PDF:519KB)

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。