更新日:2023年12月27日

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第5回県民会議(審議結果)

第5回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議の結果です

様式3-2

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第5回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議
開催日時 平成25年1月11日(金曜日)14時00分~16時00分
開催場所 産業貿易センター7階720会議室
出席者

伊藤喜彦、今井朝子、大久保浩、斉藤進、佐藤光良、下村旭、鈴木治郎、鈴木孝幸、鈴木輝行、鈴木富男、野地郁年、花方威之、藤田精子、宮川明、山崎利通、吉富多美、若林伸二(50音順)

当日配布資料

資料1-1神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議についてテキスト版[その他のファイル/3KB]ワード版[Wordファイル/48KB]

資料1-2県民会議設置要綱及び委員名簿テキスト版[その他のファイル/5KB]ワード版[Wordファイル/52KB]

資料1-3県民会議からの提案について(本文)テキスト版[その他のファイル/22KB]ワード版[Wordファイル/789KB]

資料1-3県民会議からの提案について(参考資料)テキスト版[その他のファイル/24KB]ワード版[Wordファイル/4.92MB]

資料1-3県民会議からの提案について(県民意見一覧)テキスト版[その他のファイル/15KB]エクセル版[Excelファイル/186KB]

資料2-1今後の県民会議についてテキスト版[その他のファイル/2KB]ワード版[Wordファイル/27KB]

資料2-2県民意見の収集についてテキスト版[その他のファイル/2KB]ワード版[Wordファイル/39KB]

参考資料平成24年神奈川県『県民ニーズ調査』(基本調査)集計結果【抜粋】PDF版[PDFファイル/258KB]

部会委員名簿(案)テキスト版[その他のファイル/380B]ワード版[Wordファイル/28KB]

次回開催予定日 未定
下欄に掲載するもの
  • 議事録全文
要約した理由  
審議(会議)結果

 

(事務局)

ただいまから、第5回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議を開会いたします。県を代表いたしまして、地域保健福祉部長の石居から御挨拶申し上げます。

(石居部長)

皆さんこんにちは。神奈川県保健福祉局地域保健福祉部長の石居と申します。この度は、神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議の委員に御就任いただき、本当にありがとうございます。また本日は、年初めのお忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

この県民会議は、平成22年10月の設置以来、2年間にわたりまして、県民の方々からの御意見もいただきながら、バリアフリーの街づくりの推進に向けて御検討いただきました。その結果、昨年の9月に、県民会議からの提案書ということで取りまとめていただいたところでございます。

今後は、この提案書の内容につきまして、県民の方々、団体、機関、それぞれの方々が、その提案書の内容について実践していただくと、そして、その状況について、検証していくということが重要であると考えております。

そういった点で、二期目となります県民会議の皆様方には、そういった社会の実現に向けて、積極的な御意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

今日、資料として配付させていただきました、また事務局の方から確認があると思いますけれども、最後に参考資料というのを付けさせていただいているかと思います。毎年やっているのですが、昨年、県民ニーズ調査というのを県民局の方で行っておりまして、その結果が先般まとまりまして、報告、公表されました。その中の3ページ目でございますが、生活意識の(8)、「鉄道や道路、建物がバリアフリー化され、だれもが安心して移動・利用できるよう、みんなが助け合う、人にやさしいまちになっている」という説明に対し、4人に3人の方が「そう思わない」という結果になっております。

県民会議の皆様方には、今後2年間ということで活動していただきますけれども、この2年後に、この24.2%という「そう思う」という数字が、上がっていきますよう、祈念させていただきまして、どうぞ2年間よろしくお願いいたします。

(事務局)

それでは、議題1「県民会議の運営について」に入らせていただきます。

最初に、県民会議の座長及び副座長の選任を行います。県民会議設置要綱第4条に基づき、座長につきましては、委員の互選となっておりますので、皆様からの推薦をお願いしたいと思いますが、どなたか御意見はございますか。

<意見なし>

(事務局)

御意見が特にないようですので、せん越ながら、事務局から御提案をさせていただきます。

これまで県民会議の調整部会長を務めていただいておりました、産業能率大学の斉藤委員に座長をお願いしてはいかがでしょうか。

<異議なし>

(事務局)

それでは、斉藤委員に座長に御就任いただきたいと存じます。恐れ入りますが、斉藤委員、座長席に御着席願います。

<斉藤委員、座長席へ移動>

(事務局)

次に、副座長につきましては、県民会議設置要綱第4条第4項により、座長の指名となっておりますので、斉藤座長より指名をお願いいたします。

(斉藤座長)

それでは、要綱に従いまして、私のほうから指名するということですので、これまでもこの会議で御尽力いただいております、花方委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

よろしいでしょうか。

<異議なし>

(斉藤座長)

よろしくお願いいたします。

(事務局)

それでは、花方委員に副座長に御就任いただきます。恐れ入りますが、花方委員、副座長席に御着席願います。

<花方委員、副座長席へ移動>

(事務局)

それでは、斉藤座長から、一言御挨拶をお願いいたします。

(斉藤座長)

一言御挨拶申し上げます。

ただいま、会長ということで御推挙いただき大変ありがとうございます。会長就任ということで大変責任を感じていますが、この県民会議は、先ほどの部長の話にもございましたが、前回の会議でまとめましたバリアフリーの街づくり提案、これをいかにして県下において実施していくかが大きな目的になると思います。

先ほどより委員の御紹介をいただいてお分かりのように、ここには障害当事者の方、事業者の方、県民の方など、関係するあらゆる分野の方がお集まりいただいており、バリアフリーの街づくり実践に向け、実質的な検討ができるのではと期待しております。

バリアフリーの街づくりについては、私自身は徐々に社会的な定着が進んでいると思うのですが、先ほどのアンケートの割合を見るとがっかりいたします。県民の皆さんにはほとんど進んでないという意識がまだ強いようです。

そういう意味では、改めて気を引き締めて、バリアフリーの街づくりを、神奈川から、本当に真の意味で、街づくりの主要なテーマとして定着させ、それが当たり前に我々の生活の中で感じられるような、そういう社会づくり、地域づくり、そして神奈川の街づくりにつながるよう、皆さんと一緒に、取り組んでいきたいと思います。

この会議は、委員皆様の積極的な参加と協力なしには進まないと思いますので、どうぞよろしく活発な議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

(事務局)

ありがとうございました。それでは、花方副座長から一言御挨拶をお願いいたします。

(花方副座長)

副座長に御推薦いただきました、花方でございます。私個人としては、皆様方のお役に立てる力はごく限られたものだと思いますが、私、神奈川県建築士会の会長を務めております。佐藤委員さんをはじめ、建築士会の中で、福祉問題に取り組んでいる建築士の方も数多くおられます。建築士会を挙げて御協力できればと思っております。

いずれにしても、バリアフリーは、必ずしも建築だけではなくて、街全体で盛り上げていく必要があろうかと思いますが、やはり、建築物の負うところは、大変大きなものがあるかと思います。建築物イコール建築士の役割、この意味で皆さん方のお役に立てればと思いますので、斉藤座長さんの御支援ができればということで、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(事務局)

ありがとうございました。それでは、これからの進行は斉藤座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

(斉藤座長)

それでは、議事の方を進めていきたいと思います。次第を御覧いただけますでしょうか。今日は、議題として3点程ございます。

「県民会議の運営について」、それから、「県民会議からの提案書の発信と検証について」、「部会委員の選出について」と、この3点が議題となっておりますので、順次、順番に、事務局の方から資料説明をしていただき、その内容について、質疑、意見交換等を進めていきたいと思います。

それでは、最初の、「県民会議の運営について」の説明を、事務局の方からお願いいたします。

(事務局)

それでは、資料1-1、1-2、1-3、一括して御説明申し上げます。

資料1-1を御覧ください。まず、神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議についてでございます。これは、先ほど部長が申し上げましたが、神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例が平成21年10月に施行されました。この中に、新しく設けられた条項として、県民から意見を聞いて、それを施策に反映するということが加えられました。

そして、そういった意見を適時、施策に反映し、検討する規定が新しくこのバリアフリー条例で設けられたことを受けまして、それを具体化する一つの方法として、県民会議を作ろうということになって、平成22年10月、この条例施行の1年後に、県民会議が設置されました。今回、第二期ということで、再任の方、新任の方を含めまして、新しく県民会議がスタートするということでございます。どうぞよろしくお願いします。

県民会議の構成につきましては、名簿に書いておりますとおり、障害者等の団体の方、それから、事業者団体の方、学識経験者及び県民からの公募、こういった方々、24人で構成という形になってございまして、任期は2年間でございます。

会議は通例、年2回開催させていただいております。第二期の県民会議も、予算等の事情等もございますので、2回程度予定してございます。

次に、この県民会議の役割でございます。通常、行政がこういった会議を設けますと、行政に対して物申すという会議になりがちでございますが、この県民会議は、そういう会議ではございません。むしろ、それぞれがそれぞれの立場で、バリアフリーの街づくりを進めていこう、そのために、どういったことを取り組んでいくのかということをお互いに意見を言って、それを、それぞれの主体が取り組むという趣旨の会議でございます。もちろん、行政も入ります。行政に意見はもちろんあるのですけれども、単に、この会議で行政に要望を話すとか、そういう会議ではないということをまず御承知願いたいと思います。

資料に(1)から(4)まで記載してございます。この県民会議の役割、条例で規定されている内容、県民からの提案・意見の収集、これを第一期の県民会議の大きな役目としていたしまして、その成果が、資料1-3にありますように、提案書という形で、具体化されたものでございます。この提案書が出来たのが昨年の9月でございます。まだなかなか県民の方々に浸透は不十分だろうということで、そういった提案の内容を発信していく。そして、さらにそれに取り組んでいく、そして、それを検証していくというのが、(3)でございます。(4)ですが、先ほど申し上げました、県民、事業者、行政、こういったそれぞれの主体が、共同で取り組んでいく。以上の4つの役割を県民会議に課しているものでございます。

裏面を御覧ください。第一期の県民会議の活動といいますか、開催状況をまとめたものございます。

平成22年10月29日に第1回を開いて以降、平均で年2回開催いたしまして、県民意見の収集、その分析、さらには、それに基づく提案について議論していただいて、第4回の昨年の9月10日、県民会議として提案書の大筋を御了解いただきました。

ただ、その時に、委員の皆様方から出たのは、提案するだけではだめだよ、と。提案の内容が本当に実践されているかどうかを、チェック、検証する必要があるという、宿題といいますか、そういう意見をいただきましたので、この第二期目、本日の議題にもございますけれども、この検証の仕方、在り方等々について、皆様方の御意見をいただきたいというふうに考えてございます。資料1-1の説明は以上でございます。

続きまして、資料1-2、これは、県民会議の設置要綱でございますので、後で御覧いただきたいのですが、この会議、基本的には、委員の方々の再任は妨げてございませんので、本日、改選後の第1回目の会議でございますけれども、大半の方には、再任をお願いしたところでございます。2枚目の方に、平成24年10月、御就任をお願いした10月時点の名簿を掲げてございます。なお、この会議につきましては、原則公開という形で処理させていただいております。ですから、議事録も委員の名前でもって発言の内容を後で県のホームページ等で公開させていただいてございますので、御了解、御承知おきください。

それから、2ページ目の第6条に「部会の設置」と書いてございます。本日、議題としてお願いしたいと思いますが、この県民会議には、部会を設置できるという規定がございまして、この部会で、いろいろ、県民会議でなかなか議論できない内容を議論していただく構えを用意してございますので、御承知おきいただきたいと存じます。庶務は、先ほど申し上げました、当課、地域保健福祉課と県土整備部の建築指導課の両課が共管になってございます。資料1-2の説明は以上でございます。

そして、資料1-3でございます。これは、再任の委員の皆様方にはもう御承知のことと存じますが、新しく就任された委員の方もいらっしゃいますので、簡単ではございますが、この提案書の内容について、おさらいをさせていただきたいと思います。

1ページ目を開いていただきますと、この提案書を作った県民会議についての目的を記載してございます。それについては、先ほど、私が申し上げました内容を書いてございまして、この中段のパラグラフのところに、条例改正について記載してございまして、新たに県民事業者行政がそれぞれ責務を踏まえて協働してバリアフリーの街づくりの取組みを進めること、障害者等の意見を施策に反映させること、施策を適時にかつ適切な方法により検討を加える、こういった新しい規定を盛り込んだものでございます。これに基づきまして、先ほど申し上げました県民会議というものを設置したということでございます。

今回のこの提案策定の流れでございます。県民会議として、県民からの意見を、2年に渡りますけれども、365日360度、どんな意見でもいいからと、県民からの意見を収集したということでございます。これは、投書もございますし、あるいは、各団体に我々事務局がヒアリングに行っていろいろ意見をいただきました。そういった内容をまとめまして、それをある程度グルーピング化して、施策ができるような形で取りまとめて、それを提案という形でまとめたというのが、第一期の県民会議の仕事になります。

2ページ目を御覧いただきますと、県民意見の概要が記載してございます。県民意見計177件の主な意見及びそれに対する現状取組みという形でまとめてございます。

これを分類するに当たっては、ハード関係とソフト的な取組み、それから普及啓発、最後にこんないい事例があるよというような意見も寄せられてございますので、そういった優良事例、こういう形で分けまして、これを、施策化するためのグルーピングをしたということでございます。

ハード関係では、やはり、道路の関係とか、交差点、横断歩道、それから、建物、バス等の公共交通機関に意見が集中しています。この災害関係とございますが、ちょうどこの県民意見を取っている最中に、東日本大震災が発生しました。実はその後、災害関係の意見が増えてまいりました。避難所におけるバリアフリーの問題、こういった意見が急激に増えたというようなところでございます。

ソフト面では、制度整備、例えば、点字ブロックを用意したのに、そこに一般の方が自転車を置いたりとか、物を置いたりして、実際には適切な運用ができていないのではないかとか、そういった制度整備にかかわる話、これも、ソフト面だということでまとめてございます。

それから、ハードの運用、要するに、音響信号機の鳴る時間帯をもっと長くしてほしいとか、そういった意見等々でございます。ここでもやはり災害関係が出ているということでございまして、例えば、当時、東電が計画停電を行いましたが、これに対して、障害者の方から、非常に生活がしづらかったというような御意見が寄せられていると。

さらに、普及啓発。この普及啓発は、我々は「心のバリアフリー」という言い方でまとめてございます。我々の気持ちの持ち方の問題だということで、学校教育、それから、学校以外の教育、こういったところでの取組み、こういった意見でございます。

あと、優良事例ということで、先ほど言いましたけれども、例えば、川崎地下街。改築後、バリアフリーの取組みが非常に良くなって、バリアフリー化が非常に進んでいる、というような意見等々、いい事例の意見もございました。

こういうふうに、様々な意見をいただいた中で、それを提案という形で結びつける、どういったグルーピング化をしたらよいかということで、右側の3ページ目の方に流れていくわけです。我々は、県民会議として提案する限り、県民を巻き込んで一緒にやっていこうという形になりますので、ハード整備というよりも、どちらかというと、心の問題、普及啓発とか、こういった類いがやはり、提案のトップのところに来るのではないかというふうに考えました。

それを受け止めまして、「普及啓発、県民運動として重点化を図るもの」ということで、ある程度分類し、あと、「ハード整備」、これは、一長一短、すぐにはできませんので、時間がかかるけれども、ハード整備の関係の推進と、最後に、これは制度の問題ですが、これはむしろ行政側に課せられている問題というふうに、大きくこの3つに分けまして、それぞれその右側に取組みテーマという形でまとめたものでございます。大きく(1)から(5)まで、細かく書いてございます。

こういったことを、今後、県民会議として発信して、それをそれぞれ実践していく、という形で書いたものが4ページ以降でございます。4ページ以降の左側が提案でございまして、右側はこれに関しての、参考となる事例を掲げてございます。例えば、こういったことをやったらいいのではないかというふうに提案しても、具体的に、何をすればいいのかとか、どんなことをすればいいのかというような手がかりとして、右側に書いたものでございます。

さらにもうちょっと細かく情報をということで、参考資料というインデックスがございますが、それぞれのテーマごとに1ページから書いてございます。

こういったことをやっていきましょうよと提案した内容について、例えば、こんなことを行政等は支援していますと。で、もうちょっと細かくみると、こういった取組みが現に行われていますよというようなことで、情報提供していくと。こうしたものを参考にしながら、それぞれの主体が取り組んでいくというヒントになるような構成をしてまとめたものでございます。

例えば、(1)の「バリアフリー教育の充実」ということで、「小中学生向けのバリアフリー教育の充実」についてですが、取組み提案としては、小中学校におけるという形で、あたかも学校教育、教育課程にこのバリアフリー教育を根付かせるというふうにとられかねないのですが、我々は、学校教育だけではなく、学校を離れて、いわゆる小中学生こういった方々を対象に、いろいろな地域で、バリアフリー教育、心の問題、こういったものを取り上げていていきたいということで書いたものでございまして、それの事例が右側に書いてございます。

次は、「高校におけるバリアフリー教育」。これは、県の事業を参考にさせて提案させていただいたのですが、県の県立工業高校、具体的には藤沢工科高校ですけれども、ここで実際に教育課程の中にバリアフリー教育を組み込んで、24年度に取り組んだ初めてのケースです。これは、学校教育の課程に入るわけですから、当然、教育関係に働きかけていかなければいけませんが、こういった取組みも必要があるだろうと。

「地域での自発的なバリアフリー教育の実施」、先ほど申し上げた、「小中学生向けのバリアフリー教育の充実」と軌を同じくするものですが、地域の中で、小学生と中学生の方、お年寄りの方、障害者の方、こういった方をみんな交えて実施していくと、これが地域のきずなやコミュニティの再生につながっていく。なぜこういうことを言っているかと言うと、やはり、東日本大震災が一つの契機になっている。ふるさとから離れて避難して過ごされている方々、こういった方々の心のきずなの問題というのが、県民の意見の中に、相当出ておりました。それから、実は県では、スーパーマーケットとかコンビニエンスストアと、包括協定、ギブアンドテイクでお互い協力し合っていこうというような協定を結んでございますが、この協定の中で、バリアフリーの関係を取り組んでもらえないか、特に情報発信等々について取り組んでいこうという形で提案させていただいております。これは、県民というよりも、事業者なり行政に対するものという形になります。

以下、同じような構成で、(2)で「多様な人が住まう「街」への気づき、障害者理解の推進」等々で、3つの項目を提案させていただいてございます。

特に、中段の「パーキングパーミットの議論」というのが、実は、昨年非常に全国的に大きくなってございまして、これについて、本県でも、議論する、あるいは、検討する必要があるという認識でございます。

続きまして、8ページを御覧ください。「安心して出かけられる「街」の実現」、ということでございまして、これについては、バリアフリーマップとか、あるいは、駅舎、道路、公共交通機関のバリアフリー化、こういった提案をさせていただいております。

ここの四角で囲んだ部分ですが、「災害時を見据えた安全なハード運用の確保と情報保障」、これは、東日本大震災を踏まえて、県民会議でいろいろ議論があったところでございまして、避難された方々を含め、実際に何か起こった場合の案内・誘導、こういった問題は、単に災害対策ではなく、バリアフリーの問題としてしっかり捉えるというような意見が多くございまして、それを提案という形でまとめさせていただいたものでございます。

10ページは、ハードの関係と制度の関係という形で提案させていただいたものでございまして、行政に課せられている課題だということでございます。

以上が、提案の概略でございます。

あと、参考資料と県民意見の概要。県民意見については、そのままの形ではなく、ある程度、まとめた形で載せてございます。

こういう内容で、9月に県民会議から提案させていただいたということでございます。

以上で、資料1-1から1-3までの説明を終わらせていただきます。

(斉藤座長)

ありがとうございます。ただいまの県民会議の概要、それからこれまでの検討の経緯、第一期の県民会議から出されました提案内容について、御説明いただきました。

特に、今回の県民会議の役割については、資料1-1の3にありますが、主に4点が考えられています。意見聴取を踏まえながら、それを情報発信し、実践して、さらには、検証していく。その時に、協働で取り組んでいくということが、大きな役割であるという説明があったと思います。

それから、資料1-3では、第一期の県民会議で、県民意見を集約し、この県民会議が実践するテーマと課題について、そういったものが提言や提案ということでまとめられている。

これらを踏まえて、我々の会議ではどうこれを推進していくかということになります。全体資料の1-1から1-3の説明をお聞きになりまして、質問等がございましたら、各委員からお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

<意見なし>

(斉藤座長)

これまでの経緯ということで、御理解いただいたということでよろしいですか。ありがとうございます。

それでは、議題2の「県民会議の提案書の発信と検証について」ですが、これは本日の中心テーマになると思います。こちらの説明を、事務局からお願いします。

(事務局)

それでは、引き続きまして、資料2-1と資料2-2について、まとめて御説明申し上げます。

今後の県民会議、この第二期の県民会議の取組みについて、これから皆様方にいろいろ御意見をいただくというために御用意した資料でございます。

第一期の最後の県民会議の時に、ある程度、第二期の今後の県民会議の方向として、提案の内容の発信も重要だけれども、実践をいかに検証していくか、確かめていくかというようなことが、大きな課題になるだろうということまでは、前の県民会議の方々で御了解いただきました。実際に、そういう検証をどういう形でやっていくのかということで、今日は皆様方の御意見をいただきたいということでございます。

活動内容については、あくまで事務局が今考えている案でございますので、今日この場でいろいろ御議論いただければと思います。

一つは、「提案内容の実践」ということでございまして、先ほど説明いたしました、それぞれの主体が、提案の内容を、まず取り組むのだと、そして、その取組みを、この県民会議の場で、報告していただこう、ということが考えられるのではないかと。

当然、これにつきましては、県として実施できる取組み、こういったものも、この会議の中でお出ししながら、皆様方それぞれの主体も取り組んでいただくということがまず必要じゃないかと。

それから、「普及啓発」でございます。普及啓発といいますのは、9月にまとめまして、県としては、ホームページ等々で、あるいは出先機関、保健福祉事務所等を通じて、普及しているつもりでございますが、恐らく、なかなか県民の方々には浸透しきれていないと。これにつきましては、それぞれの事業者団体、障害者の団体の方々も、会員の方に、この冊子、非常に分厚いですので、このままではなかなか難しいかもしれませんので、簡単な概略版なども作りながら、それでもって普及をするということが必要なのではないかと。県民に普及をしないと、取組みについても御理解いただけないということもございますので、普及啓発も併せて実施していきたいと考えています。

ある程度、県民の方々に浸透した後に、その取組みの内容の検証に移るわけでございます。これにつきましては、アからエまで書いてございますが、まず、「県民意見の収集」という項目を設けてございます。これは、条例の規定にございますように、絶えず県民からの意見を収集するというのが基本的な姿勢、ただ、これまでと同じように、何でもということではなくて、今回こういう提案をさせていただいた限りは、この提案に関わる内容で、県民からの意見をもう一度いただくと。今回は、県民からの意見というのは、実際に取り組まれているかどうか、実際にいろいろな地域でどうなのかということが収集できるような、そういったテーマを絞って県民からの意見を聞く、一種のモニタリングの一つという形で収集したらどうかというふうに考えてございます。

それから、「県民との対話の場(仮称)」でございますが、これは実際にシンポジウム、大規模なものではないのですが、県民が気軽に参加できる集会のような場を設けて、そこで実際に県民の方と、県民会議の委員の方々と意見交換をするなりして、検証の一つの場としたいと。

それから、「モニタリング」ということでございますけれども、これは実際に現場に行って見るというようなことがもし可能であれば、こういった方法もございます。

それから、「先進事例の収集」、実際に、他の都道府県の取組み等の事例を収集して、それを県民会議の場で参考に情報提供するという形になるのですが、そういった形で、県民会議の場でいろいろ御議論いただくと。今後、事務局としてはこの4つの方法、これはどれか一つをやるということではなく、こういったものを同時並行的に展開していくというようなことを考えているのですが、本日はこれについて、皆様方、全くフリーなディスカッションをお願いできたらというふうに思います。

県民意見の収集に関して、資料2-2を御用意いたしました。先ほど申し上げましたように、意見収集を行うテーマをある程度絞り、これについて周知しながらその収集をしていくという形でまとめたものでございます。

例えば、事務局として考えられるのは、「バリアフリー教育の充実」のところ、それから、「多様な人が住まう「街」への気づき」、要するに心の問題、そういったことについて、ある程度、意見を取ったらどうかと。

収集期間としては1年間通して聞くのではなく、ある程度短期集中的に行ったらどうかということで考えてございます。

そうした県民意見を収集してどうするかということになりますと、今後、皆様方の意見を聞かなくてはいけないのですが、この提案書の取組みについて、補足なり、補充なり、修正といった内容を加えるということも考えてございます。

説明は以上でございます。

(斉藤座長)

ありがとうございました。

ただいま説明いただきましたが、今後、第二期の県民会議では、どのようなテーマ、活動内容でこの会議を進めていくか。資料の2-1のところで、活動の内容の案ということでたたき台として三点程、事務局の方から資料説明がございました。

一点は、第一期の県民会議の提案を実践していくこと。具体的には、関係する団体等がどうやってこれを具体的に取り組んでいくか。

それから二点目は、そもそもこれは広く知ってもらわなければ、あるいは、活動、実践を通して理解していただく、あるいは、協力し、参加してもらう。そういったことが大切で、その前提として、普及啓発を強化していく。それから、取組みの検証ということで、常に新たなバリアに関する課題というのは起こっており、それらについてはテーマや期間を決めながら意見収集し、これまでの県民会議提案に追加するなり、あるいはその内容を含めて検討するなりして収集をしていく。

それから、対話集会といいますか、気軽な場で県民の意見を直接聞けるような、そういう機会も設けていくこと。

またモニタリング等も併せて行うということと、それから先進事例を紹介しながら活用していくということで、具体の意見収集については、資料の2-2で詳しく説明いただきました。今後の県民活動として我々が取り組む内容は、このようにたたき台が出されておりますので、内容について意見がございましたらお願いしたいと思います。どなたでも結構ですので、よろしくお願いいたします。

(佐藤委員)

公募委員の佐藤でございます。第一期の各委員の方々の活躍、非常に関心を持って報告を見させていただきました。本当に御苦労様だと思います。

その活動の中身については、我々公募委員はよく知らない部分もありますので、あえてちょっと質問を差し上げたいのですが、この近場での交差点の出来事が、私、何度か目撃していて、印象にありますが、交差点の信号が短いために、お年寄りとかハンディキャップを持っている方が信号を渡りきらないうちに、歩道の信号の青信号が点滅して非常に危険な場面を目撃したり、私も手を差し伸べて一緒に歩いて歩道を渡りきったということが何回かあるのですが、そういう意味での、道路行政というか、警察行政というか、その辺に触れていなかったので、その辺は、どんなふうな形で、人に優しい街づくりの一環としては、そういうものも入ってくるのかなと思いまして、意見申し上げました。以上です。

(事務局)

交差点の問題、時間の問題というのは、いろいろな場面の中で、行政に対する要望の中ではいただいておりますが、県民会議として発信するときに、交差点の渡る時間を長くしましょうよというのは、提案としてはここにはなじまなかった、というのが正直なところです。

(佐藤委員)

分かりました。

(斉藤座長)

その他、いかがでしょうか。

(下村委員)

はじめまして、今年から新しく公募委員として参加させていただくことになりました、下村と申します。

佐藤委員と同様に、私も建築士という立場なのですが、実はその他にケアマネジャーとヘルパーという形で、いわゆる支援者としての立場ということで活動もさせていただいており、この場では、できるだけ支援者という立場で発言をしていきたいなというふうに思っております。先ほど冒頭で、やはりその町を歩いていて、またまだバリアフリー化されていないというところで3分の2以上の方に意見があると。私も実際にヘルパーをしていて、高齢者、障害者の方を支援している中で、非常に危険な場所とか不便な場所というのが非常にたくさんあると感じています。

この意見の中にも、全部見きれてはいませんが、同様な意見もあり、バリアフリー化をより充実していくというところで、この場は非常に重要なのかなというふうに感じております。ちょっと気になったこととして、私は公募委員ということで、県民の代表になるのかなという気もするところで、いわゆる事業者と当事者の方は、先ほどバリアフリーに対し積極的に取り組んでいるというお話がありました。当然、当事者の方はバリアフリーに関しては非常に興味を持っているし、事業者としても、サービスを提供する立場として非常に重要な事柄であり、心のバリアフリーという意味で浸透しきれていないところというのは、それ以外のその他の大勢の方々になるのかなというふうに思っております。そういった方々に、どういった形で、いわゆる啓蒙をしていくかというところが非常に問題ではないかなと。このような会議の肝の部分になるのではないかなというふうに私は思っておりまして、例えば、学校の関係で子どもたちに教育をしていくというお話もありましたが、バリアフリーや防災を、いろいろなところで普及していくには、ただ単に子どもたちに教えるだけではなく、いわゆるPTAとか親御さんとか、それに関係するいろいろな団体、委員とかもいらっしゃると思うのですが、そういったところも巻き込んで、できるだけ一つの切り口から広がっていくような展開をしていく方がいいのかなというふうに思っております。ここで提案書という形でまとまっているので、先ほどは話をしなかったのですが、今後の取組みの中で、それらをどういった形で、県民のほとんどの方が、心のバリアフリーが県民の責務という形になっているということを知らないという中で、どのように普及していくのかというのが非常に肝心だなと思っておりますので、今日参加したばかりで、どういうことをしていけばいいのかというのが全然分からない状況ですが、そういったところも踏まえて意見もしていきたいと思いますので、いろいろと教えていただければと思います。

質問というか、ちょっと取りとめのない話になってしまいましたが、よろしくお願いいたします。

(斉藤座長)

事務局の方でコメントはいかがですか。

(事務局)

まさに今おっしゃった点、この県民会議に関係する方々以外の方に、例えば、この提案書の内容をどういう形で普及あるいは理解してもらうかというのが大きな課題で、関係する団体さんを通じてやることももちろんですけれども、それ以外の県民の方々に知ってもらうということ、まさにこれを皆様方の意見をいただきながらやっていかなければいけないと。単に行政が、関係機関のところにこういった冊子を置いて読んでくださいというだけでは恐らく不十分だろうなと。

県の場合、保健福祉事務所が地域ごとに分かれてございますので、その地域の取組みの中で、こういった提案、ダイジェスト版でもいいのですが、提案書をある程度見せて伝えるということも一つの方法かとは思いますけれども、やはり、それだけでは不十分というか、なかなか満足いく状態ではないというふうに認識してございますので、まさに皆様方のお力を借りながらやっていかなければいけない問題だと思います。

(斉藤座長)

先ほどの提案説明の中でも、バリアフリー教育は学校でいろいろやっていますが、むしろ学校の中でのバリアフリー教育だけでなく、学校から地域へと広げていきたい。

まさに今、下村委員が言っていますように、巻き込みがない限りは広がりがありません。いかにして地域を巻き込むか、そしてより多くの人に気付いてもらい、具体的に一緒に行動をしながら、心のバリアフリー意識を強めていく。地域社会を巻き込むということが大事なので、そのためには限定した学校教育だけではなく、地域につながっていくような取組みが必要だと思います。

そのためには、是非委員の皆さん方も、巻き込み方の知恵とか、あるいは具体的なそういう行動の在り方をこの場で出していただき、地域につなげていっていただけたらと思います。是非そういった形で取り組んでいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。その他、いかがでしょうか。

(吉富委員)

吉富と申します。ここに書いてある事例を実践している地域が既にあります。障害者の地域作業所を主体としたバザーを年1回、22年間続けていて、収益金の10%を私ども神奈川子ども未来ファンドにも寄付していただいています。バザーを開催する22年前というのは、その地域作業所が地域で初めてできた時で、地域の住民の方たちの理解があまりなかったのですね。いろいろな偏見もありました。みんなで分かり合えるというか、共感を持つようになれば、もっと理解が深まるのではないかということで、バザーを始めたのですね。

最初は小さかった輪が、20年以上経って、地域の小学校が3校、授業の中でそのバザーで何を売るかという提案をして、苗を育てたりしながら、鉢植えを50鉢持ってきたりとか、箸置きを作ったりとか、それから、個別支援学級の子どもたちのブースができたり、中学生は、地域の一人暮らしのお年寄りの接待を自ら進んでやったり、小中学生だけで当日のボランティアが150人を超えるという、地域の方たち、それこそ、町内会も全面協力で、当日のボランティアだけで300人を超えるというような、すごく大きなバザーになってきています。文書で理解してもらうよりも、リアル感というか、自分たちにもできるかもしれない、こんなことをやっているのだと、目で見て、改めて文書を読むというほうが、伝わりやすいと思います。

だから、そういう事例をどんどん発掘してきて、事例を示しながら、こんな形でこんな効果がありますみたいな。例えば、バザーをやってきた中ですごく感じるのは、人と人のつながりができてくるということです。地震があったらどうしよう、作業所の人たちは迎えに来るまで動けない、どうしようという話をしたときに、「それなら、うちで待っていればいいよ」と近所の方が声を掛けたり。バザーの飲み物販売に携わった小学生たちが、どれにしようか迷ってなかなか選べない障害者の方へ、声を掛けるだけではなく、品物を提示して指し示してもらったらいいよね、というようなことを自分たちで話しながら考えていくのですね。その考える過程がそばで見ていて、こちらも学ばされるのです。中学生に「翌日から試験なのにここに来て大変だね、大丈夫?」と聞くと、「ここには試験よりも大事なものがある」というようなことを言ってくれたり。ここに今書かれていることがそのまま実現している地域があるので、そういうところをどんどん発掘して、映像化したらいいと思います。そのほうが伝わりやすいのではないかと思います。

(斉藤座長)

事務局からのコメントはいかがですか。

(事務局)

おっしゃる通りで、モニタリングというのは、そういったところを見に行って、それを他のところに伝えていくと。細かな取組みまで我々は知らないものですから、紹介していただいて、それを他の所にお伝えするということだけでも意味があるのではないかと考えています。

(斉藤座長)

映像化するほうがいいということですね。確かに文章だけではなかなか伝わらないことが多いと思います。そういうことも今後検討していただいて、見て分かるといいますか、そういう実感の得られるような情報提供があるといいと思います。是非検討をお願いします。

(野地委員)

去年から参加させてもらっています、県の社会福祉協議会の野地と申します。

昭和51年からになると思いますが、当時の長洲知事がともしび運動を提唱して、一灯を持ち寄ろうということで、いろいろな人が暮らす地域のことを知ろうと、出会い、気付いて、自分たちができることを実践し、誰もが住みよい街づくりを進めようと、始まりました。

つながろうということも含めて、それが地域づくりのバリアフリー、ハード面もソフト面も、ということと一緒だと思っています。今、ともしび基金が約23億円になって基金果実を、当事者団体であるとか、ボランティア団体、NPO団体に助成して、地域の課題解決に向けた助成金を出したり、市町村のともしび運動推進組織、これは、社会福祉協議会になっているところが多いのですが、障害の理解であるとか、福祉教育であるとか、そういったところに使っていただいています。寄付いただくのも県民の行動なのですが、今35年経って、一度ともしび運動の見直しをしなければいけないのではないかということを、事務局として思っています。

もう一方、ともしびということと、平成12年に社会福祉法ができて、市町村で地域福祉計画策定が着手され、住民参加で地域の問題に気付き行動しようという動きが始まりました。それは一人一人の参加と、いろいろな人と協働して実践していくのだと、それを推進していくのは、市町村行政も、当事者も、いろいろな団体も一緒になってやっていこうということが、ある意味、ともしびと同じなのですが、動いています。

ということで、何が言いたいかというと、吉富委員さんのお話にもありましたが、地域では、当事者の方をはじめ、行政施策もいろいろ動いています。ところが、それぞれがつながっていないというか、知らない方がたくさんいらっしゃるのではないか。ということでは、県域(広域)の役割として、そういった実践を、先ほどの話の映像という方法もありますけども、場合によっては資料化も含めて、もっと気付いてもらうきっかけを作っていくのも大事だと。文字では分からないので、そこに行こうというような手段というものも必要ではないかと思います。

例えば、ちょっとせん越で申し訳ないのですが、藤田委員さんの育成会さんが、キャラバンということで、県央のキャラバン隊が障害の理解のために、学校のみならず、いろいろな地域に出向いていって、障害の理解を図っていると。それは、まさに体験の場を作ってやっていらっしゃるという話も聞いています。

そういう意味では、そういった方法をとっていらっしゃる方が、当事者団体を始め、ボランティアグループが、いろいろなところでやっていらっしゃる。でも、なかなか地域では気付かない。地域に暮らしている中に課題はあるのだけれども、目に見えにくい。目に見える部分はもしかしたら解決しやすいのですが、目に見えない障害も含めて理解を図るということはすごく大事だとすると、今やっていらっしゃることを、今こちらで把握されたものを、もう一歩踏み込んで、市町村域とそれからそれぞれの圏域の団体に例えばターゲットを当てて、具体的にどんな課題にどういう方法で啓発活動をやっていらっしゃるのか、あるいは、どういう実践をやっていらっしゃるのか。

その上でどういった課題があるのかというのは、もしかすると地域福祉計画、支援計画の中で把握されているのかもしれませんけれども、ちょっとその辺の、もしかしたらバラバラになっているということを、つなぎとめる手段がないかと思いました。

社会福祉協議会は、全国に組織されて、身近なところでいくと、皆さん御存知かもしれませんが、地域の中にも、地区、例えば、自治会単位であるとか、連合自治会ごとに、地区社協、地区の社会福祉協議会があります。そこではいろいろな人が暮らす地域の中で、高齢の問題の活動が多いですけども、お互いに知り合いましょうと、ふれ合い広場をやったりとか、交流活動をやったり、サロンをやったりして場を作ったり、あるいは、今は孤立の問題があって、支え合い活動をやっていきましょうという実践もあります。

そういう意味では、身近な地域であるとか、市町村域を少しターゲットに当てる。あるいは、県域の団体活動を把握して、学校企業ももっとそこに関わっていこうという仕掛けをつくっていったり、地域福祉計画の中に盛り込んでもらうとかということも考えられるのではないでしょうか。

取りとめのない話になってしまいましたが、つなぎとめるという部分での調査活動・研究を、県民会議としての役割としてあるのかなというふうに思いました。

(斉藤座長)

今の関係で、藤田委員からいかがでしょうか。

(藤田委員)

私も、感想としては、学校教育のバリアフリーの取組みのところを見ますと、地域ではもっともっと革新的にやっているところもたくさんありまして、車いす体験とか、盲とかろうとか、そういった体験は、もうどこの小学校でも大分前から実施しているのですね。

ただ、知的障害を理解してもらうという、その福祉教育が非常に遅れていまして、知的障害者というのはなかなかその理解が難しい。

あと、身体障害とか、盲とかろうとかの方は、目で見て障害者と分かるのですが、知的障害の理解はどうやったらわかっていただけるか、長年苦労しているのですが、キャラバン隊というのは、本当に画期的な活動をしていまして、子どもたちに学校に行って体験をしてもらうのですね。

例えば、子どもたちに軍手みたいなものをはめてもらって、ボタンをはめて服を着ると。やはりそれは不便なことを実際に体験してもらう。

例えば、あと、びん底を通して見て、見方や視野が狭いのだよということを、子どもたちに、全てではないのですが、障害を理解してもらって、そういうような活動ですかね。

あと、言葉を、何を言っているかわからないから、ポケモン言葉じゃないですけれども、話してもらって、一所懸命ポケモンの国よ、みたいな感じで話すのですけども、一生懸命ポケモン言葉で話すのですけれども、聞いているほうは何を言っているのか分からない。

そういったいろいろな体験を、学校に出向いて行ってやったりとかして、それは、県内にとどまらず、埼玉県とか、いろいろなところから来てくださいという要請があって、やったりとかしている。そのようなことや、すごくびっくりするような活動とかもいろいろやっています。

その辺が、やはり、もうちょっと、共有というか、こういうことをやっているということがわかって、それがつながっていければいいのにと思っているのですが。そういう情報をたくさん出していただいて・・・。

(事務局)

野地委員なり、藤田委員がおっしゃったように、そういった活動を、どこで、だれが、というのは、我々、保健福祉事務所という県関係機関下の情報は取れますけれども、そこでも、そういった取組みを把握しているかどうかは、なかなか難しいのかなと。

だからまさに、そういった活動をここそこでやっているというようなことお教えいただいて、それを集める。収集して、またそれをお返しするというような、繰り返しになるのですけれども、それを重ねる形かな、と。

(斉藤座長)

はい、是非そのような形で協力をお願いします。

(事務局)

地区社協は、ある程度、そういう情報を持っていますかね。地域の社協ではそういう情報は集まりやすいですかね。

(野地委員)

その地域の情報はある程度市町村社協は持っていますけれども、市町村社協の温度差はありますので、一概にはいえないところがあります。

(斉藤座長)

市町村圏域ごとに、関係する市町村の社協とか団体、あるいは県の保健福祉事務所など、改めて今の視点で情報収集を工夫していくというのがまずありそうですね。

それで実態が分かってくれば、熱心なところもあるし、そうでないところも分かる。改めて心のバリアフリー等を含め、情報収集していけばそういう対象が浮かび上がってくると思うので、いただいた意見を踏まえ、どんな団体がどこでどのような活動を具体的に行っているのか、まずは精査する必要がありそうですね。

(佐藤委員)

御指摘の中で、いろいろな障害という中で、一般県民が、本当に意識改革というか、知らなきゃいけないことが知られてないというか、そういうものをよく目にするのですね。

ある区役所なんかでも、点字ブロックの上に、子どもを連れてきたお客さんが平気で自転車を置いて、乗り捨てていっている事例もずらっとあって、私も、区役所の人に注意して、手伝って片付けてもらったことがありますが、それから、あと、スーパーマーケットで、ゼブラゾーンの駐車区画に平気で身障者じゃない人が停めている。その時にも、直接言うとあれだから、ガードマンの人に言ったら、お客さんだからねー、ということで、要するに停めてしまう人の意識がそういう意識でいる限り、やさしい街づくりにはならないな、ということも感じます。

もう一つ、至近な例で言いますと、この会場の1階で、点字ブロックを、グレーのブロックで補修していました。我々建築士の中には、黄色の色というものに対して割と抵抗を持っている者が多く、タイルにステンレスのびょうで見てくれを良くしてと言うのですが、弱視の人なんかは、やはり黄色でないと目に入らないということで、その辺なんかも含めながら、お膝元の産貿ホールの入口で、黄色のところにグレーの点字ブロックを施工しているということ自体も、まさしく、メンテナンスが分かっているのか、ここの人は、という気持ちで先ほど入口から入ってきたわけですが、そんなことを含めて、我々一般県民が、本当に意識を変えなきゃいけないのを、先ほど会長さんも皆さんもおっしゃった、普及啓発、これが一番ネックなんじゃないかなという気がしました。

(斉藤座長)

その通りですね。今井さん、いかがでしょうか。

(今井委員)

今まで皆さんの御意見をお伺いしていて、いかに実践につなげるかというパスを提示していかないと、成果として出てこないと感じております。情報を集めるのは第一に必要だと思います。その後、先ほど佐藤さんがおっしゃったように、様々な気付きにつなげて、それを実際に改善するというスパイラルアップにつなげなければ、ユニバーサルデザインは進まないということが、重要な課題だと思います。

例えば、実際にどこかに参加したい、あるいは、自分のところで立ち上げたいといった場合にはどうしたらいいのか、キャラバン隊に来ていただくのか、具体的にステップをどう踏めばいいのかということ、どこに連絡すれば地域の活動を知ることができるのかとか、具体的に前に進めるようにするための資料も一緒に提供していく必要があると思います。

特に、小中高、学校の先生がそういうことを教えるための資料にもなりますので、そういうものが必要かなと思いました。

先ほど、佐藤さんが御説明されたような気付きをどうやって伝えていって実際に改善につなげたらいいかというルートについても、やはりそういう中に示していく必要があるかと思います。恐らく、気が付いている方はたくさんいらっしゃるかと思うのですけれども、そのままで終わっている可能性があるので、そういうことを拾い、実現に結びつけるような方法を、ここから提案していったらどうかなと考えております。

(斉藤座長)

佐藤さんの御意見と今井さんの御意見をお聞きしながら、どこから始めるかというのは、いろいろなアプローチがあると思います。具体的に何か活動することによって気付くこともあるし、情報をいろいろ提供したり、あるいは具体事例を示すことによって、触発されて、気付いて、何か始めることもある。

まさに、そういう中で今、佐藤委員が言いましたように、一人一人の意識を変えていくというのは、時間を積み重ねていく以外にはない。いろいろなアプローチをしながら、そこに関わる人、あるいはそれを見て感じた人をいかに増やしていくか。それで意識というのは変わっていくと。

キャラバン隊のように現地に行くことで関わったり、先ほどの作業所のバザーではないですけれども、実際に実践することによってより広い人たちが、子どもたちも含めてかかわっていく。そういう中で、意識というのも変わってくるのかなと思います。

意識が先なのか実践が先なのか、あるいは情報提供が先なのかという問題ではなく、いろいろ試みる中から、それらが組み合わさって、高まったり、進んでいったり、広がったりする。多分、進め方は、いろいろなアプローチを取りながら、その気付きをまさに足元から一人一人が意識するように、あるいは当たり前のこととして考えられるように、そういう取組みを強めていくということが重要かと思います。

ですから、情報が先か、意識改善が先か、実践が先かということに限定せず、それらを関係させながら進めていくことが大切な気がします。

(鈴木(孝)委員)

そういったいろいろなやり方があると思うのですが、この事例の中にも、私どものお話が出ているのですが、実は、神奈川県の視覚障害者団体として、それぞれの市町村ごとで、地域の小中学校に呼ばれたりして、お話しに行って、福祉体験とか、視覚障害の人の理解を深めるというようなことをやっています。

ところが、行く人によって話がまちまちだったり、きちっとしたことが話せなかったり、自分の事だけ話してきたりとか、そういうことがあるという実情が分かったので、24年度、小学校の福祉教育、そういったところへ行く時は、こういう形で話をしましょうというマニュアルを作っています。

同じように、さっき言ったキャラバン隊等は、僕も地元なのでよく存じておりますが、一部の人たちがやれていて、とてもすぐれた技術があって、そこを呼べばいいというのもよく分かりますが、それらがいろいろなところに出てこないと、やっぱり、全体的な底上げにはならないのかな、ということでして、どこでもできるような仕組みというか、形、マニュアルみたいなものを作るというのも、どこかでやっていかないといけないのだろうなというふうに思っているのが一点。自分たちのことしか分からないのでその話になってしまうのですが、視覚障害の人を理解するのに、何かアイマスクをつけて、手引きされて歩いていて、そうすると、ちゃんとやる分にはいいのですが、ちょっと間違えると、怖いよね、見えないと何もできないね、というようにつながってしまうのですよ。

本当はそうではなくて、見えなくても、こういうことが感じられたよね、こういうことで代用できるよね、というふうにしたいのに、やり方を間違えるとひどいですよ。小学校なんかで、何もやり方がわからなくて、二人一組にさせて片方の子にアイマスクをさせて階段を上らせたりとか、すごく怖いことを体験と称してやったりしているのですよ。だから、やり方を間違えると、怖いという理解をされてしまって、怖いとできないというマイナスの方向に行ってしまうこともあるので、やはりやり方をきちっとした方が良いなと。

そのためには、やはりこういうマニュアルを作った方がいいなということで作り始めているのですが、やはり、そこら辺のところで、みんなが底上げできるような仕組みづくりみたいなものも、必要だろうなというふうに思っています。以上です。

(斉藤座長)

学校に行き、バリアフリー教室だということでただ体験すればいいという段階は、もう終わっているというふうに思います。

今のお話で、私も同じような思いを持つのですが、学習して怖いとか大変という言葉が出てしまうと、これは学習になっていない。怖い、大変というのは、逆効果で、障害を持っている人たちは大変な生活をしている判断で終わってしまう。

ですから、共感していくとか同じ目線に立って問題を意識するということになかなかつながっていかない。今の話でマニュアルをお作りになったということもありますが、どういう内容でそれを子どもたちに伝えていくか。大事なのは、見えなくても何ができるのか、見えない時にどういったサポートが必要なのかを気付かせることが重要と思います。

学習の質を上げるというのは、そういうことだと思います。ただ単に学校でバリアフリー教育をするのではなくて、そういったことも含めプログラムを考えていかないといけないというのが今の段階ではないかと思います。是非、そういう意味で、教える側、伝える側の人材育成ということも必要と思います。

(宮川委員)

チェーンストア協会関東支部の宮川でございます。前任の横林から引き継ぎまして、今回から参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

私見ですけれども、今後の県民会議の運営についてということで、皆さんの御意見を聞いて、ちょっと幾つか感じていますが、二つほど、お願いというか、提案したいのですが、前回おまとめになられたこの県民会議の提案、非常に内容も多岐にわたっており、いろいろな角度から検討されていると思うのですが、今後2年やっていくに当たって、やはりその、一つのロードマップみたいなものが必要かなと。いつまでに何をやるか、当然、こういった事業は2年で終わるわけではなくて、多分5年かかるものもあるでしょうし、10年かかるものもあるでしょうし、その中で、この2年間、何をやるかという、ある意味、道標というか、ロードマップ、いつまでに何をやるのかということを、明らかにしていく必要があるのではないかということと、非常にバラエティに富んでいますので、全部網羅的に一気にやるというのも大変かもしれないので、ある意味プライオリティをつけて、どれをまずやっていくかと。それをやることによって、皆さんから随分進んだなという認識もあるでしょうし、網羅的にやることによってぼやける可能性もあるでしょうし、プライオリティをつけてやることによって、非常に皆さんにアピールすることもあるということもあるので、その辺を考えていったらどうかなというのが私見でございます。

それから、もう一つは、これはお金が掛かる話がありますので、我々事業者、バリアフリーですとかユニバーサルデザインとか、当然のこととしてやっておりますが、行政の側からお願いするとして、当然、単年度でいろいろと予算を決めておられて、1年経って見直しがあったりとかするケースも非常にあると思います。その財政の部分というのは、特にこういったバリアフリーであり、長期にかけてやる事業ですので、途中で途切れちゃったりとかする可能性もあるので、いかに行政側で単年度の予算前提に予算を作っておられるという前提ではあるにしても、長期的視点を折り込んでいただくことがどのくらいできるのかどうか、私もよく分からないのですが、その辺も、ある意味、こちらから提案していく必要があるのかなというふうに考えておりますので、そのところを意見として申し上げたいと思います。

(事務局)

特に、予算の関係でお話がございましたけれども、基本的に、行政では、形式的には単年度主義で予算を組んでいますけれども、普通は、余程の事情の変化がない限りは、来年度も同じような内容で、もし問題なければ継続されるというのが常でございます。

毎年ゼロベースで全て見直して、全く新しいものを毎年作るということは、物理的に不可能ですので、昨年度の内容を若干変えながら、ある程度継続的にできるだろうと思います。

ただ、我々が今回こういう形で県民会議で提案している内容は、お金がなければできないというようなもの、ハードの整備はまさに時間とお金と必要ですけれども、どちらかというと、予算がなければできないというようなものは、そんなに掲げていないと思います。冒頭におっしゃいました、プライオリティをつけて、県民会議として、これをまず大事に訴えてやっていこうというようなことがあれば、むしろ、あれもこれもというよりも、メリハリがついていてわかりやすいかと思います。

(斉藤座長)

あと、いつまでに何をという、その辺はいかがでしょうか。

(事務局)

行政計画として計画を作るという話だったら、例えば、5年間でこういったことをやりますよと言う形で計画を発表するのですが、この提案というのは、それぞれの皆さんが取り組んでいきますよということなので、何年までにやりましょうというのは、正直、言いづらいのかな、と。

かと言って、ただ提案しただけかというふうになりがちですので、そこは、難しいところであると・・・。

(宮川委員)

その辺の難しさはあると思いますが、基本的認識として、やはり、ただずっと流すのではなくて、少なくとも、この年は何をやろう、2年後まで何をやろうという意識をお互いに持つ必要はあるかな、とそういうことで申し上げたので、きっちりそれを決めないといけないということではございません。

(斉藤座長)

検討を進めながら、やはり、緊急に、あるいは早期に対応していくべきテーマを絞り込んでいくというのは必要かもしれません。

(鈴木(治)委員)

今のプライオリティとか、皆さんのお話を聞いていて、冒頭の、調査人数の中で、具体的にどの点でそう思っていないのか、鉄道だとか、エレベーターだとか、心のバリアフリーだとか、いろいろありますよね。その具体的な内容、優先順位ではないけど、そこはこの調査の中では分かりますか。

(事務局)

この県民モニターのアンケートでは、その中身までは分かりません。できているか、そうでないかということで、漠然とした回答のみです。

(鈴木(治)委員)

これも優先順位をつけていくということになると、そこがとても大切ではないかなと。だって、数字的に言うならば、エレベーターだって今はほとんど付いていますよね。で、どこがどうなんだという話は・・・。

(事務局)

残念ながら、そこまでの情報は把握していないと思います。

(鈴木(治)委員)

そこがよく知る必要がある部分だと思います。

(事務局)

これは、県民局のほうで毎年行っている調査であり、幅広い内容で聞いているだけですので、別個にまたこういったようなバリアフリーについての調査をやるならば、同じ答えが出るかというと、個別的に聞いていけば、私はそうはならないかなと思います。ただ、一般県民の方々がこう認識されているという事実でしか、ここでは分からないです。

(鈴木(治)委員)

そこのところが分からないと、やはり、優先順位、どこにターゲットを絞っていくとか、普及啓発をしていくとかがはっきりしないと思います。

いろいろな障害者理解促進なんかも、私どものセンターも県から委託を受けてやっているわけです。今のターゲットは、やっぱり企業です。一般企業に向けて理解促進をやっていく。来年度辺りから、もう少し広げて、学校とか、という話も出てきているのですが。

だから、どういうところが具体的にそう思っていないのかというところがないと、うまくいかないのかなと思います。そこは何か、アンケートなり、モニタリングなりをして、情報収集をしたほうがいいのかなと思います。

(事務局)

実は、今、鈴木委員がおっしゃったことを、今回の県民会議で県民意見を取る時に、何でもかんでも聞くのではなくて、こういったことについて具体的に聞いていって、ここができていないとか、そういったものが取れればいいなということで、県民意見の収集については、焦点を絞ってやっていったほうがいいかなということを、我々も考えております。

(斉藤座長)

それはそれでいいと思うのです。県民ニーズ調査を県がやるときには、特定テーマでやるということはあまりないのですか。どちらかといえば大まかに全部ということになるのですか。

(事務局)

いろいろなものを混ぜ込んでやっていますので、ある部分だけでやるというのはなかなか難しいです。

こうした意識調査は、同じような内容をずっと聞かないと、毎回調査項目を変えてしまうと意味がないので、逆に言えば、特定のテーマは臨時的に扱っていくしかないので、県民局としては、なかなか扱いづらい。

(斉藤座長)

それならば県でなく、例えば市町村であれば、かなり具体的にこういう福祉をテーマにして聞いている例がありそうですね。

(吉富委員)

ということは、8番目の、「やさしい街になっているかどうか」というのは、前回の調査と比べて、パーセンテージは上がっているのですか。マイナスになっているのですか。

(事務局)

前回の結果は把握しておりません。

(斉藤座長)

そういうのも含め、より実態として、どこにどういう問題を皆さんが感じているのかという、そういう意識を是非確認しておきたい。

(鈴木(孝)委員)

これは、県民の誰でもやっているわけではなくて、モニターしてくれる人を決めて、その人たちに答えてもらっているわけですよね。

そうすると、これは、県が全体としてやる場合の質問項目の中で、これはあってもいいと思うのですが、例えば、このモニターの方たちに協力をいただいて、福祉のこの部分だけについて、再度質問していくということはできないのですか。例えば、バリアフリー化がどれだけ進んだかについて、24.2%でしたっけ、では・・・。

(事務局)

鈴木委員のおっしゃることはよく分かります。フォローしていくということですよね。

(鈴木(孝)委員)

この人たちは、モニターしますよと言ってくれている方たちだと思うので、福祉に関して、もうちょっと突っ込んだモニターがどうですかと言ったら、いやだとは言わないのではないでしょうか。これにはお金がかかるのでしょうか。

(事務局)

もちろん、お金はかかるかと思いますが、それはちょっと県民局と交渉しないと・・・。

(鈴木(孝)委員)

名簿は向こうが持っているので、こちらによこせとは言えないでしょうが、この辺のバリアフリーが進んでいるかどうか、漠然とバリアフリーといっても、いろいろな見方があるので、きっと、変な話なのですが、ハード面の、階段がみんななくなったら、バリアフリー化したと思ってしまう人もいるわけですよ。ある意味必要な時もあったりするのでね。

だから、そこら辺のところが、この問題が悪いという意味ではなく、もう少し分析した形での調査をする必要があるのではないかということを、治郎さんは言ったのではないかと。

勝手に言っていますけれども、どうでしょうか。

(事務局)

その点は、県民会議の皆さんの意見ということで受け止めて、県民局とは、交渉といいますか、話をしてみようと思います。

(大久保委員)

私は、公益社団法人商連かながわの副会長として参っております。今日が初めてでございまして、前には、専務が出ていたようでございます。

例えば、駅などを見ますと、ハード面のバリアフリーは大変進んだなというような思いがあります。ただ、ソフト面の心のバリアフリーについては、以外と難しくて、例えば、商店街ですとか大型店の方が、身障者の方にどんな声をかけて、どういうふうにしたらいいのかというのがなかなか分からないといいますか、あんまりあれしますと、個人情報の問題でうるさいし、もう二度とこの店には来ないということが結構あります。

ですから、気持ちはあっても、なかなかいい具合につながらないというか、それだけでも、皆さんがきちんとした手助けができたりすることによって、随分変わるのではないかなと。そういうふうに思います。

ですから、それをどんなふうに伝えて、相手にどのように受け取っていただけるのか、その辺がすごく大事のような気がします。

(花方副座長)

今の資料の関係で、一点質問と、意見をお願いしたいのですが、参考資料の17ページに、「条例適合率、遵守率向上に向けた取組み」というのがあるのですが、そこにありますように、条例の適合率、遵守率が低下傾向にある。なぜ低下していくのか、この理由はお聞きになっておられますか。経済的な理由なのか。何かほかに理由があるのかどうか。

それと、そこにあります取組み事例の中で、「適合率、遵守率を向上させるため、現行の整備基準の見直し」という言葉がありますが、これは、取りようによると、適合率が低くなったから基準を緩めようというふうに読めてしまうのですけれども。そういう意図であれば、少し趣旨が違うのではないかという気がします。

それからもう一点、意見ですが、ソフト面、これから検証が必要ということですが、検証する際に、皆さん方の意見にもありますように、ソフト面ですと、一般の人がどういう気持ちになっているかということが非常に重要だと思うのです。身近なところで言いますと、健康な人は病気がちの人の気持ちがよく分からないというのが実態ではないでしょうか。モニターを引き受けていただいている方も、また、こうした活動に参加している方も、大体関心のある方です。けれど、関心のない方はなぜ関心がないのか。それから、普段どういうふうに思っているのか。もう少しこの追跡調査とは別に、私としてはいいアイデアはないのですが、同じ県民として、一般の人の本当の感情を聞いてみる、そういう検証も必要のような気がします。

提案したものがどう実現されていくかという追跡も必要だと思うのですが、特に、教育普及という面では、一般の人がどれだけ関心を持ち始めているのか、中身をどれだけ理解しているか、少なくとも、関心度が上がっていくという傾向に持っていかないと、なかなか実現できないものが多いと思いますので、検証の手法も工夫が必要かなと思います。事務局で御検討いただければと思います。

(事務局)

適合率、遵守率の関係ですが、簡単に言えば、この条例にはムチがないということです。強制力がないため、事前協議するのですが、仮にこうやってくださいと言ってもお金がかかると。ということで、建築基準の事前協議とちょっと性格が違いますから、これがないと認めないよというところまではいけませんので、条例を作った段階では、皆さんやっていただいたのですが、結局、強制力がないので、これに従わなくてもよいということが、この原因の主たるところだと思います。ただ、横浜、川崎の政令市は、これほどには下がっていないのですね。となると、やはり、指導の強力さとか、こういった問題もあるとは聞いていますが、基本的には、やはり、条例に強制力がないというのが一番大きな要因でございます。

もう一つの、基準を見直すというのは、基準を緩めるという意味ではなくて、現在、適合の判断はオールオアナッシングなのです。1ヶ所でも駄目なら適合しない。そうではなく、80点でもいいじゃないか。80点あれば、80点の適合を見せる形で、取組みをある程度正当に評価していく方法がないかということ。今は、例えば、100項目のうち、1項目でも満たさなければ適合率はゼロなのです。その辺の見直しをやろうという意味でございまして、基準を見直すとか、緩めるとか、そういうことではございません。

(鈴木(孝)委員)

先ほどの御意見の中で、いろいろな調査をするという話があった時に、最近、質問されないからやっているのかどうかは分からないですけれど、駅だとか、人通りが多いところに立って、捕まえては質問して統計を取ったりしているのがありますよね。

例えば、産能大学の学生さんにボランティアしてもらって、横浜駅だったり、伊勢原駅だったり、小田原駅だったり、山北町の駅前だったり、いろいろなところで10人とか20人ずつとって、いわゆる、歩いている人を無作為に選んで、先ほどおっしゃったように、モニターしてくださる方とか、こういうところに出てくる方というのは関心のある方ですから、意識も違うわけですよ。

でも、街を歩いている人は誰か分からないので、その辺の、そういうモニタリングを、何千人もいらないと思うのですけれども、いろいろなところで、いろいろな人に対してやってみるというのは、手かもしれません。お金かけないでやる方法も、印刷だけで済む方法もあるかな、と。

(花方副座長)

特に、前の調査のときには、どちらかというと、こういう改善が必要、という視点で調査されていると思います。

そういう調査も必要だと思うのですが、私は、関心があるのかないのか、今の街に不自由を感じているのかいないのか。関心があるのかないのか、その最初のスタートのところの意識調査もあってもいいのではないか、そんな気がします。

関心がないとの回答では、後には続かないが、そういう関心のないという人が、だんだん減ってきてもらうということが必要じゃないかなと思うのです。答えていただける方の意見をアンケートするだけではなくて、答えない人も対象に引き込んでアンケートをする、そんなことも必要ではないかと思います。

(野地委員)

時間もないのにすみません。お金を掛けずにというか、既存の部分では、先ほどの繰り返しになりますが、県内では、21~2の市町村で地域福祉計画が作られていて、その際に、全てではないのですが、市民の意識調査というのは結構やられていて、それを定点調査で、5年おきに市民の意識がどう変わってきたのかということをやっていらっしゃる市町村が結構あります。

けれど、その全市町村を県のほうで取りまとめるのは大変でしょうから、特定のモデル的な市町村をピックアップして、そこでの住民の意識の変化、施策の変化、住民の協働とか、当事者活動、ボランティア活動、企業とか、という部分での市町村を、いくつかずっと見ていくということでやるという方法も、もしかしたら、お金も掛からないし、もう少し、圏域での意見とかアイデアとか情報を市町村に投入していって充実していく。それをまたさらに市町村に普及するということも、検証による実践というお話を伺うと、あり得なくはないのかな、というふうに思ったのですけれども。

(斉藤座長)

全体が協働してやっていくということなので、今のモデル的なものもあるし、学生に協力してもらう方法もあるかと思います。いろいろ協力を得ながら、実効性のある取組みを、データ収集も含め考えていくということで検討していただければと思います。いろいろと意見が出ているのですが、議題がもう一点あるので、こちらの方に移りたいのですが、よろしいでしょうか。まだあるようでしたらお願いします。

(吉富委員)

関心のない層への啓発よりも、私は、今必要としている人への支援の言葉とか、支援をいかに早く届けるかということの方が大事かなと思うのです。

新幹線とか飛行機の移動のときの乗り物の利用にしても、赤ちゃんの泣き声がうるさいから、赤ちゃんは飛行機に乗せるな、なんていうような言葉が出て、それがすごく大きな議論になっていたりしますよね。私も2人の孫がいますが、新幹線での移動で本当に気を使うのです。泣かせないように、騒がせないように、そういうところへの、心のバリアフリーというか、子どもはみんなで育てるものというのをみんなが共有し合うような、そういうアピールの仕方をもっとしていく方が、今、本当に、若いお母さんたちが困っているので、その言葉を待っていると思うのです。

鉄道の会社とか、飛行機の会社が、うちはいつでも子ども歓迎です、みたいな、何か一つアピールをしてくれると、ほっとする部分があると思うのです。だから、今、支援を必要としているところへのことを考えた方が、よりプライオリティは高いのかな、と思います。

(藤田委員)

もう一言いいでしょうか。心のバリアフリーというのは目に見えないですし、世の中にはいろいろな人がいるなというのを感じるのですが、海老名の市役所の1階で、障害者を雇用してともしびショップをやっているのですけれども、お客様の中には、どうしてこんな市役所の1階の目立つところに障害者なんか雇って働かせているのか、障害者は目に付かないところで働くべきだ、という考えを平然とおっしゃって、市長へ苦情みたいなものを出したりする方も中にはいらっしゃるのです。

世の中には、本当に理解してくださる方ばかりではなく、非常に強い偏見を持っている方もたくさんいるのだということをまず念頭にして、全てが理解者ではないのだということ、そういう人たちには心のバリアフリーをいくら理解していただきたいと思ってもなかなか難しいと思うのです。

ですから、そういう方たちもいるということも念頭に、支援を必要としている人たちへ、どうやってアプローチしていったらいいかということを、今お話を伺っていて感じたのですけれども。

(斉藤座長)

一点突破で優先的、緊急的な課題を取り組んでいくということは必要ですし、それと同時に、花方副座長が言われたことは、社会的な理解がないから、そういう問題も発生しているということがあるわけです。

ですから、関心がない人は、なぜ問題意識が持てないのか。あるいは偏見とか人権に対する侵害を持つようなことがなぜ起こっているのか。そういうことも把握しておくべきだと思うのです。ですから全体的な取組みと、緊急的な対応もしなければいけない。

まさに行きつ戻りつしているような状況として、両方考えていかないと、より広く社会的な共感が持てるところにつながっていかないので、両方を考えていくことが必要かと意見を聞いていて思います。

議論がいろいろ出ていますが、予定の時間が迫ってきています。最後の議題に入りたいのですが、よろしいでしょうか。

それでは、「部会委員の選出」ということですが、委員については、先ほどの要綱にありますが、私の方が指名するということになっておりますので、事務局の方で案を作っていただいておりますので、それを御紹介していただき、御検討をお願いしたいと思います。

(事務局)

その前に、この部会につきましては、特に何をやるというのは議論をされておりません。

しかし、今後、冒頭に申し上げました、この県民会議で検討できない、例えば、県民集会とか意見収集の持ち方とか、こういったことを、ここで議論する前にある程度部会で詰めたいということで、あらかじめ、役割はまだ皆様方の御了承をいただいておりませんけれども、部会として、一応委員だけは決めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

(斉藤座長)

名簿を御覧になっていただきまして、佐藤委員、下村委員、菅原委員、鈴木治郎委員、鈴木孝幸委員、宮川委員にお願いしたいということですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

<了承>

(斉藤座長)

はい、ありがとうございます。より実践的な内容を部会の方で御検討いただくということが役割で、その内容については、部会の方で検討していただくことで進めさせていただきたいと思います。どうぞ委員の皆様よろしくお願いいたします。

それでは、今日の議題は、これで一通り済みました。最後に全体を通し、特に御意見等ありましたらお願いしたいと思いますが。

(鈴木(孝)委員)

今日ここの委員さんのところで、鉄道の業者の方やバスの方とかがお見えなのですが、是非、委員さんでなくてもいいのですが、オブザーバーみたいな形で、警察の人がいればと思っているのです。

というのは、街づくりの中で一番困るのが、歩道と車道の部分で横断歩道をどうするかとか、そういうところになると、交通規制課とか、そういったところが担当になるので、県の道路課へ行くと、それは警察だとか、警察からは、それは県だ、というようになすり合いになることが結構あるので、できましたら、話だけでも、心のバリアフリーを広める意味でも、警察の方に来ていただくと有難いのですけれども。

(事務局)

調整させてください。ただ、参加すると、いろいろな要望を受けることになるということで、断られる可能性があります。要望を受ける場ではないということをあらかじめ伝えた上での調整となります。

(鈴木(孝)委員)

そうですね。

(斉藤座長)

今後、調整をお願いするということで御検討ください。その他、いかがでしょうか。よろしいですか。

それでは、本日予定しました議題はすべてこれで終了しましたので、これで終了いたします。事務局の方にマイクをお返ししますので、よろしくお願いします。

(事務局)

本日は、御多忙中御出席いただきましてありがとうございました。

最後に、県からイベントの御案内をさせていただきます。3月27日水曜日に、大和市保健福祉センターで、カラーバリアフリーの講演会を開催いたします。平成23年度から2年間、大和市内で実施しました、「カラーバリアフリーで創る街づくり事業」の成果について、皆様に御報告するとともに、カラーバリアフリーについて、参加者の皆様と議論をする予定となっております。2月上旬に詳しい内容を御案内いたしますので、興味のある方等は、お誘いあわせのうえ御参加いただければと存じます。

これをもちまして、第5回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

(以上)

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