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更新日:2023年12月14日

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神奈川県手話言語条例を改正しました

平成26年に制定された神奈川県手話言語条例について、この度改正しました。

改正の概要

ア 手話を使用する者に関する規定の整理
 条例が触手話や接近手話といった手話を使用する者(盲ろう者)を含むことの明確化を図りました。(第2条関係)

イ 手話を必要とする者の手話の習得等についての追記
 ろう者自身による意思決定や社会参加の観点から、手話の使用を必要とする者(ろう児やその保護者等を含む。)が手話を習得できることや使用に係る機会が確保されること、また、手話が受け継がれるべき言語であることについて追記しました。(第3条関係)

ウ 「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」の趣旨の反映、明確化等
 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例の公布等を踏まえ、手話の普及にあたり、神奈川県手話推進計画の立案に関する当事者(ろう者、手話通訳を行う者その他の手話を使用する者)の参画や市町村への支援等、関連規定への趣旨の反映、明確化を図りました。(第4条、第5条、第8条関係)

改正年月日

公布の日(令和5年3月20日)

改正後全文

※太字部分が今回の改正箇所
神奈川県手話言語条例


 手話は、手や指、体の動きなどを用いる独自の語彙及び文法体系を有し、ろう者とろう者以外の者が、互いの人権を尊重して意思疎通を行うために必要な言語である。
我が国におけるその起源は明治時代とされ、これまで、ろう者の間で大切に受け継がれ、発展を遂げてきたが、過去には、口の形を読み取り、意思を発音し、又は発声する口話法による意思疎通が推し進められ、手話の使用が制約された時代もあった。
 その後、平成18年12月の国際連合総会において、障害者の権利に関する条約が採択され、平成26年1月、我が国はこれを批准した。
 この条約の採択により、手話が言語であることが世界的に認められ、ろう者による歴史的、文化的所産である手話に対する理解の促進が期待されている。
そうした中、我が国では、手話が言語であることを障害者基本法において明らかにしたものの、いまだ手話に対する理解が浸透しているとは言えないことから、手話に対する県民の理解を深め、これを広く普及していく必要がある。
 こうした認識の下、手話を普及するための施策を総合的かつ計画的に推進し、全ての県民が互いを理解し合える地域社会を構築するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、手話がろう者の意思疎通及び情報の取得又は利用のための手段としての言語であり、手話を選択する機会が可能な限り確保されなければならないものであることに鑑み、手話の普及等に関する基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話の普及等に関する施策を推進するための基本的事項を定め、もってろう者とろう者以外の者が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「ろう者」とは、手話(手話をしている者が相手の見え方に配慮し接近するなどして手話をする方法、手話をしている者の手に相手が触れてその形を読み取ることにより話を伝える方法等を含む。以下同じ。)を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。
2 この条例において「手話の普及等」とは、手話の普及並びに手話に関する教育及び学習の振興、ろう者に関する理解の促進その他の手話を使用しやすい環境の整備をいう。
(基本理念)
第3条 手話の普及等は、手話が、独自の言語体系を有する文化的所産であって、ろう者が知的で心豊かな日常生活又は社会生活を営むために大切に受け継いできたものであり、ろう者とろう者以外の者が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現のための意思疎通及び情報の取得又は利用の手段として将来にわたって受け継ぐべき必要な言語であることについての県民の理解の下に、推進されなければならない。
2 手話の普及等は、手話の使用を必要とする者の手話の習得及び使用に係る機会の確保が図られるよう推進されなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、社会的障壁の除去に関する必要かつ合理的な配慮を行うとともに、手話を使用する者(ろう者、手話通訳を行う者その他の手話を使用する者をいう。以下同じ。)の協力を得て、手話の普及等を推進する責務を有する。
(市町村との連携及び協力)
第5条 県は、手話の普及等に関する施策の推進に当たっては、市町村と連携し、及び協力するよう努め及び協力するよう努めるものとする。
2 県は、市町村が手話の普及等に関する施策を策定し、又は実施しようとするときは、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。
(県民の役割)
第6条 県民は、基本理念にのっとり、手話に対する理解を深めるよう努めるものとする。
2 手話を使用する者は、基本理念にのっとり、県が実施する手話の普及等に関する施策に協力するとともに、手話の普及に努めるものとする。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、基本理念にのっとり、ろう者に対しサービスを提供するとき、又はろう者を雇用するときは、手話の使用に関して配慮するよう努めるものとする。
(手話推進計画)
第8条 県は、基本理念にのっとり、手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、手話の普及等に関する計画(以下「手話推進計画」という。)を策定し、これを実施しなければならない。
2 県は、手話推進計画の策定又は変更に当たっては、その立案への手話を使用する者の参画を推進するとともに、県民の意見を聴き、これを反映することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。
(財政上の措置)
第9条 県は、手話の普及等に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

改正の概要について手話動画でご覧いただけます

神奈川県手話言語条例が改正されました

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