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更新日:2020年7月3日

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神奈川県水産技術センターコラムno.41

2020年7月3日号

1 カサゴでつくるひれ酒(栽培推進部 角田直哉)

2 桜貝は桜色?(企画指導部 岸香緒里)

1 カサゴでつくるひれ酒(栽培推進部 角田直哉)

 トラフグ・マダイ・ヒラメ担当の角田です。外出自粛期間中、近所で購入した丸の魚を調理することで、自宅で多くの時間を過ごしてきました。丸の状態から捌くと、アラとして残る部位も出てきます。これを調理し、また新しいおいしさに出会うこともあります。
 トラフグの担当として、トラフグの説明をする際、代表的な料理に、ふぐ刺し、ふぐちり、ひれ酒をよく用いていますが、ふと、刺身や鍋は他の魚種でも一般的であるのに対し、ひれ酒というのは特徴的であるように感じました。しかし、以前、西日本のとある県のフグ担当の方に、ひれ酒はトラフグだけでなく、他の魚種でもおいしくできると聞いたのを思い出し、丸で魚を購入している今がチャンスとひれ酒をつくることに挑戦することにしました。
 調べてみると、作り方はとても簡単で、1.ひれをよく洗う 2.水分が完全に抜けるまでひれを干す 3.乾燥したひれを炙る 4.コップに入れ、熱燗を注ぐ 5.ふたをして少しおけば完成です。以前すすめられたカサゴのひれで作ってみると、お酒にしっかり出汁が移って香りのいいひれ酒ができました。ひれは骨と身のバランスがよいため、いい出汁がでるそうです。ポイントはしっかり干すこと、完全に乾いていないと生臭さが残るようです。いろいろな魚で試してみるのも面白そうです。

※フグ類には皮に毒を持つものがいます。トラフグの皮は無毒なため、ひれ酒に用いられていますが、専門の知識を有しない無資格者がフグ類を判別し、ひれ酒をつくることは危険ですので絶対にやめてください。他の魚でぜひ試してみてください。

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炙ったカサゴのひれ

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完成したカサゴのひれ酒

2 桜貝は桜色?(企画指導部 岸香緒里)

 貝拾いが好きです。海辺に出かけては、目を凝らして貝を探しています。
 特に好きなのは桜貝で、館山や鎌倉で拾った貝が自宅にたくさん保管されています。桜貝と呼ばれる貝にはいくつか種類があり、色や形や生息場所などが少しずつ違っています。
 私のイチオシは、「カバザクラ」という種類で、館山で拾えるのはこれがほとんどです。殻頂(蝶つがい近く、てっぺんにあたる部分)から縁の部分に向かって白い線が2本入っているのが特徴です。ピンク色のイメージが強い桜貝ですが、カバザクラには黄桃のような橙色をしたものもあります。カバザクラの名前はこの蒲色(赤みを帯びた黄色)に由来するものです。ピンク色も橙色も、波打ち際でひらひらと舞う様子はとても美しく、春に浜辺を散歩すると、桜の花びらと見間違えることもあり、桜貝の名前にふさわしい色だなと納得します。
 職場近くの砂浜では、桜貝は滅多に拾うことができませんが、先日、はじめてオオモモノハナと思われる貝を拾うことができました。
 以前は種類も何もわかっていませんでしたが、ただ桜貝として拾うよりも、これはカバザクラ、これはオオモモノハナ、これは・・・見たことないものかも、と考えて拾う方が何倍も楽しいと近頃は実感しています。
 桜貝に限らず、今はたくさんの種類の貝の名前を覚えたいと、時間を見つけては浜辺に足を運んでいます。遠くへ出かけられない今だからこそ、足元の貝の名前をしっかりと覚え、いつか遠方へ貝を拾いに行ける日に備えたいと思います。
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館山で拾った桜貝(これで1日分)

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色は違えど、すべてカバザクラ


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