更新日:2025年2月3日
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企画資源部(企画指導課)の紹介
漁業者、漁業関係者、行政機関等からの要試験研究問題の対応、研究課題・研究計画の調整など内水面試験場、相模湾試験場を含めた研究所の総合的な企画・調整を行っています。また、研究方針を定めた農林水産関係機関試験研究推進構想(水産業の部)の進行管理などの機関運営のほか、大学や他の研究機関との連携など研究コーディネートにも取り組んでいます。
本県の沿岸漁業で主体となる定置網漁業などの水揚げは、年間約1万トンの水揚げがあります。しかし、水揚げされた全てが生鮮魚として利用されるのではなく、流通に回らない魚は、飼料原料として扱われ漁業収益がほとんど得られません。
一方で、地域で生産された食材をその地域で消費する「地産地消」が注目され、特に、安価な輸入水産物の増加が進む一方で「生産者の顔が見える食材」や「安心・安全な食材」を求める声も多くなっています。
そこで、大量漁獲魚(カタクチイワシ、小アジ、小サバなど)や、低利用魚種(ソウダカツオ、シイラ、海草類など)の有効利用として、機能性成分を利用した加工品の開発や、地域型水産加工品の開発のため、成分分析やその変動、鮮度維持・加工技術、そして衛生管理に関する研究を行っています。
近年は、主に以下のことについて調査・研究を行っています。
マグロの血合に特に多く含まれる抗酸化成分「セレノネイン」の未病改善への有効性について、(国研)水産研究・教育機構および(学法)聖マリアンナ医科大学と共同研究を行い、抗酸化機能を維持した保存、加工法などを研究しています。また、磯焼けの原因生物であるムラサキウニに三浦半島特産で流通規格外のキャベツを与えて、身入りを良くした「キャベツウニ」の生殖巣の色彩や品質向上の研究を行っています。
その他、地域型ブランドの構築のための技術支援、助言などを行っています。
業務の一例を紹介します。
水産部由来セレノネインの栄養生理機能を活かした魚食の有効性に関する研究(PDF:1,532KB)
キャベツウニの開発研究(PDF:1,816KB)
低利用水産物の地域型食材開発研究[PDFファイル/300KB]
県内の製造業者の「食の安全・安心」にかかわる意識の向上と、製造される水産物の安全性の向上のため、品質や日持ちなどの自主的検査体制を築いていくことと、品質管理によるブランド化の向上を推進する必要があります。
特にまぐろ類やかじき類を主とした漬魚加工業での、品質や安全性の向上とともに、新たな加工品の開発も行い、味噌・粕漬けに続く地域型商品を誕生させていく加工技術の向上を行っています。
近年では、主に以下のことについて調査・研究を行っています。
味噌・粕漬けにおける品質の安定のため、食中毒の原因物室となるヒスタミン生成課程の解明や、その抑制方法に関する研究。
沿岸漁業等が行われている都道府県には、水産業普及指導員(以下「普及指導員」という)がおり、本県においても5名が配置されています。
普及指導員は、沿岸漁業者に対して、沿岸漁業等の生産性の向上、経営の近代化及び漁業技術の改良を図るための指導や漁業青壮年研究グループ活動への指導を通して、地域の特性に適応した沿岸漁業の合理的発展に資することを旨とし、活動を行っています。
本県では、横浜市鶴見区から足柄下郡湯河原町までの沿岸区域を5普及区域に区分して、普及活動を実施しています(藤沢市から足柄下郡湯河原町までの第4、第5担当区域については相模湾試験場の受持ち区域)。
令和5年度普及活動計画(PDF:597KB)はこちらから。
普及指導員の配置(総括1名及び各担当区に1名ずつ) |
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普及担当区域 |
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総括 |
本県沿岸区域全体 |
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第1担当区域 |
横浜市鶴見区から横須賀市津久井までの沿岸区域 |
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第2担当区域 |
三浦市南下浦町上宮田から同市初声町までの沿岸区域 |
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第3担当区域 |
横須賀市長井から鎌倉市までの沿岸区域 |
漁業青壮年研究グループの活動促進、漁業士の認定・指導、先進地技術導入、交流大会・研修会等を通じて漁業の担い手育成を図っています。
項目 |
目的、内容 |
普及員試験 |
普及指導員が養殖試験等を行い、成果を漁業者へ技術普及することにより漁業の経営安定を図っています。 |
漁業士認定 |
優れた技術を有する漁業者を「青年漁業士」、「指導漁業士」として認定し、漁業後継者の確保、活力ある漁村社会の形成、漁業者の自立的な組織活動を促進しています。 |
漁業者交流大会開催 |
漁業者グループが日ごろの研究・実践活動の成果等を発表する場を設け、相互の情報交換や交流を図ることで、漁業の担い手育成、漁村の活性化を推進しています。普及指導員は活動および成果の発表について指導しています。(参考:漁業者交流大会での発表事例[PDFファイル/128KB]) |
漁業士研修会 |
漁業者の資質の向上と経営の安定に資するための技術研修会を開催し、漁業士の育成等を図っています。(参考:関東・東海ブロック漁業士研修会[PDFファイル/80KB]) |
水温や流れなど、海の状況は刻々と変化しています。この変化を把握し、海の状況が今どうなっているかという情報を提供し、さらに今後どの様に変化するかを予測するための研究を行っています。また、定置網に大きな被害をもたらす急激な潮の流れ(急潮)に関する注意報・警報や東京湾における貧酸素水塊、赤潮の発生状況や原因種および貝毒の原因プランクトンの発生状況調査について調査し、ホームページ等で情報を提供し漁業関係者に注意を呼びかけています。なお、海況図や急潮に関する情報などは、ホームページのほかファックスによる情報提供も行っています。
業務の一例を紹介します。
このページの所管所属は 水産技術センターです。