企業・NPO・大学パートナーシップミーティング in 湘南(2014)開催結果概要

掲載日:2018年2月25日

平成26年(2014年)10月10日(金曜日) 13時から17時
ひらつか市民活動センターにて

参加人数 

企業関係者21名 NPO等関係者21名 大学関係者2名 その他8名 計52名
(事務局等を除く)

プログラム概要

基調講演「CSR新時代 ~CSR、CSVとESD~」
(株)伊藤園 常務執行役員CSR推進部長 笹谷 秀光氏

伊藤園笹谷氏

【はじめに】

今日はこのような機会をいただき、ありがとうございます。

名簿を拝見しますと、非常に多彩な関係者が集まって、みんなで考えようというミーテイングだと思いますので、そのテーマに関するお話をしたいと思います。・後半は、企業・NPO・大学の方々との連携プログラムについてご説明させていただきます。

今日は社会との接点をどう構築していくかということに焦点を当てます。社会にどのように対応していくか、お互いのWin-Win関係をどう築くのか。グローバル化の時代になったと言われていますが、実はみなさんのすぐ身の回りもグローバル化していますので、そのことにも触れて、伊藤園の事例のご紹介をしたいと思います。

最初に伊藤園についてご紹介しますと、創業50周年、売上高(直近連結ベース)約4,400億円の緑茶を主力とする総合飲料企業です。全国に営業網が201拠点あります。小選挙区よりも少し広いところに1ヵ所、地元密着型でみなさんの応援をさせていただいています(当地にも湘南支店があります)。

もう一つは、緑茶の飲料が中心なのですが、原料茶葉を全国の約4分の1を取り扱っているという企業でもあります。

【2013~2014年は歴史に残る年】

私は、1977年に農林水産省に入省し、30年余公務員としての経験がありますので、県庁や平塚市の行政の内容も承知しています。31年間勤めた中で、入省後すぐにフランスに派遣されて、パリと南フランスに1年ずつ行きました。帰ってきたらワシントンDCに行けと言われ、アメリカで3年間、農産物の交渉もしました。私の役人人生の3分の1は国際交渉でした。そして、縁がありまして6年前に伊藤園に入社した、というプロフィールです。今日はこれらの経験も交えながらご紹介をしたいと思います。

まず、今日、2014年のこの日は大事です。2013、2014と歴史的に記憶すべき年になって、最近は日本人のノーベル物理学賞受賞という話題もありました。日本にとって、2013~14年には、ユネスコと縁が深いことがたくさんありました。一つは富士山です。ユネスコに世界遺産に指定されたのですが、何の世界遺産かご存知でしょうか。世界遺産は主に2つあります。世界自然遺産と世界文化遺産です。1年前に自然遺産でエントリーしたらちょっと難しかった。山の整備ができていないとかトイレが不十分とか。それで文化遺産に切り替えて登録されました。登録の名称をご存知の方はいらっしゃいますか。「信仰の対象と芸術の源泉」です。だからこそ三保の松原も入るように交渉した結果、入りました。三保の松原から見る葛飾北斎の世界が認められたのです。ですから、富士山が世界で認められ、日本人の「心のふるさと」を世界で守っていこうということになりました。

昨年の12月でしたが、食文化についても、「和食:日本人の伝統的な食文化」が世界無形文化遺産となりました。みなさんが毎日食べている一汁三菜、お味噌汁に3つのおかず。これにご飯です。健康にも良い、季節感もある、みんなで集まって絆になる。実はユネスコでの登録では日本が「おせち料理」を事例に説明しまして、なるほどこれは世界で守らなければいけないということになりました。

実は、その1年前に韓国が宮廷料理でエントリーしました。しかし、貴族が食べる料理は世界で守るものではない、国民みんなに関係あるものを守りましょうとなりました。おせち料理は、季節に応じてみんなが集まって、地域で色々なものがあり、生活の知恵もぎっしりある、ということで認められました。

実は伊藤園は、「お茶で日本を美しく。」という活動で、富士山の世界遺産化について山梨県側からも静岡県側からも応援していました。和食に関しても、一汁三菜プラスお茶ということで応援しており、和食会議のメンバーでもあります。

今年は富岡製糸場と絹産業遺産群が登録されました。昔はお蚕さんの養蚕農家があって、お蚕さんから生糸を採っていました。養蚕農家から集めた生糸を紡いで糸の原料を作って、かつ絹製品にするという産業の集まりが世界文化遺産になりました。私は2013年が非常に大事だと思っていましたが、もうひとつこれが2014年に登録されましたので、2013~14年は日本の伝統、文化、技術が世界から認められた大事な年になりました。

そして何よりも2020年、東京オリンピック・パラリンピックの開催が昨年の9月に決まりました。世界からオリンピック、パラリンピックを実施する資格があると認められたのです。

このような中で、今日、神奈川県は非常に良いタイミングとテーマで会合を開催されましたね。今日はみなさんが、2020年の東京オリンピックに向けて何をするか、自分の立場、自分のNPOはあと6~7年後にどうなっているか、何をしているかという目線で話を聞いてみてください。

【東京五輪とグローバル化時代】

今話題なのは、2020年の東京だけでなく、富士山があり和食があり、日本全体で世界をお迎えするわけですから、「レガシー・ビヨンド2020」ということで、オリンピックに向けて準備し、それが終わったら、きちんと遺産として良いものが残っている、ということが重要です。物や形になって残っているものもあれば、やり方として残っているものもある。そういうことも含めて、日本人全体のアイデアが問われています。そういう時期なので、アウトバウンドだけでなく、インバウンドも重要です。すなわち、いろいろな外国の方が事前の調査で来る、運動選手が来る、選手のサポーティング・スタッフが来る、たくさんの観客が来る。せっかく来たんだから東京でのオリンピックだけでなくて、ちょっと横浜や湘南にも寄ってみようと思うわけです。インバウンドで、ぜひこちらにもお寄りください、という地方活性化の大変な競争になっているのです。

こういう状況になり、よく「クールジャパン」という言葉を聞きます。これは、「クールビズ」の「クール」と同じで、ネクタイを外して涼しくなるというだけではない、「かっこいい」という意味です。クールジャパンも「かっこいい日本」という意味です。日本の良いもの、かっこいいもの、みんなに学んでもらいたいものを、みんなで発信しましょうということがクールジャパンです。この流れで、「新たな価値を創造」しようではないか、ということが重要なテーマです。

ですから、今日お集まりのみなさんで、ぜひここでパートナーシップを結んで、神奈川県から、そして湘南から、なるほどと思うようなものを発信していきましょう。そのような場を設定しているのが、神奈川県のパートナーシップ事業、すなわち、「かにゃお」のプロジェクトです。

【社会対応力が今問われている】

以上を前提として、まず一つ目の社会対応力です。どう社会に対応するのか。企業は競争激化の中にいて、震災以来、お客様の価値観も大きく変わって、同じものを買うならちゃんとした企業のものを、良いことをしている企業のものにしようという意識が、確実に強くなっています。

こうした中で「社会対応力」をいかに付けるのか。企業が社会とともにWin-Winの関係を築く力です。そういうことをグローバル化の中で展開する。

キーワードは「社会」です。今社会との接点で出てくるキーワードは「サステナビリティ」(持続可能性)でしょう。しかし、横文字を漢字にしても分かりにくい。私は、これを「世のため、人のため、自分のため、そして、子孫のため」ですよと言っています。「子孫」という世代の軸が入ったものだと説明しています。

【三方よし】

日本の商文化の伝統に「三方よし」があります。「売り手よし、買い手よし、世間よし」です。これは琵琶湖近くの近江商人が築いた商人哲学です。「世間」という単語だとみなさん同じものをイメージされるかと思いますが、サステナビリティと言うと、みなさんイメージが違ってきます。イメージが同じで、同じ言語で話さないといけません。今日もパートナーを探すわけですから、共通言語がないとなかなか話しづらいです。なるべく分かりやすい単語で理解してください。

実はこの伝統は、いろいろなところで見られます。当社では、「お客様を第一とし 誠実を売り 努力を怠らず 信頼を得るを旨とする」を社是に掲げています。「信頼を得る」とは、世間からの信頼を得るということです。このように、社是の中にあったり、NPOさんの活動方針にあったり、似たようなことがかならずあると思います。パートナーシップを結ぼうという企業も、自社のホームページなどをよく見てください、類似の事項がうたってあることが多いです。

今は、「三方よし」にみんなで対応する時代です。私が昔役所にいた30年間は、政府なり自治体なりがある程度イニシアティブを発揮できました。今はそう簡単にはいきません。あらゆることが複雑で解決が難しくなりました。本日お集まりのみなさんが、つながって相互に補完しながらパートナーシップを結ばないと、社会課題の解決ができなくなった。そういう中で我々は何をすればよいのでしょうか。

【世界標準の社会対応:本業CSR】

「三方よし」をもう少し丁寧に整理しましょう。企業や組織は持続的に成長したいですし、関係者にも明日につながる展開になってほしい、地球や環境もきちんとしたい。企業-関係者-社会・環境の3者の間に「トリプルWin」の関係ができれば、みんなにとって良い明日につながります。

どう実現するかというと、組織の得意技でやるのがよい。例えば、震災支援の時に、富士フイルムさんが、津波で流された写真を集めて、修復作業をしました。これを「あなたの写真はありませんか」と、被災地のいろいろなところに掲示しました。この活動は「さすが富士フイルムさんの本業のスキルだ」と評価されました。もちろん、伊藤園の社員がボランティアで写真の修復に参加しても立派だとは言われますが、ノウハウがありません。

伊藤園は、震災支援として、被災地の仮設住宅で、たまには「急須で入れたお茶を飲んでいただけませんか」とお茶の入れ方のセミナーをしたら大変好評で、「久しぶりにお茶らしいお茶を飲んだ」、「さすがお茶の会社ですね」と言われました。得意技を活かすとよいのです。

一昔前は、企業は儲かったら寄付をする「メセナ」や「フィランソロピー」、つまり、慈善活動的な応援がCSRだという時代がありました。今はそういう時代ではありません。企業も株主との関係、いろいろな関係者との関係がありますし、まずは、得意技を活かして身の回りをきちんとするのが先決ということになりました。「自然活動に寄付しました」と宣伝しながら、身の回りの工場で水質汚濁をやっている企業が、日本にはないと思いますが、世界を見渡すとあるのです。そういうことは許されません。まずは本業をきちんとやるべきです。もちろん寄付について否定はされていませんが、それは本来の社会的責任ではありません、というのが今の時代の流れです。本業、得意技を生かした活動が主流です。

本業をブレークダウンすると3つになります。第一が本業を通じて行う。例えば、伊藤園がお茶の原料の茶産地を応援するとか、茶殻をリサイクルするということが該当します。次が、本業に関連付けて行う。後ほどご説明しますが、「お茶で日本を美しく。」キャンペーンでは、「お~いお茶」の売り上げの一部を寄付して、自然保護活動に社員が参加しています。第三が、本業のスキル(技能)やアセット(資産)を使う。社内の資格制度を使い、伊藤園がお茶の入れ方セミナーを実施するとか、工場というアセットを活用して工場見学に来ていただくなどです。

【7つの中核主題:社会的課題の主要テーマ】

企業や組織が社会・環境のために行うべきこととして世界で議論され合意されたテーマ立ては次の7つです。これは国際標準の「社会的責任の手引」(ISO26000)というもので、正確には「7つの中核主題」といいます。

まず、1組織統治。組織は組織の仕組みをきちんとしましょう。NPOさんも同じです。組織の内部統制をきちんとしましょう。

2人権課題。人に優しい社会とはどうあるべきかというのが、広い意味の人権です。例えば、車椅子の方が2階のレストランに行きたいがエレベーターがない、そこで「何とかして欲しい」と言っても、お店が「今忙しいからかんべんして欲しい」と言った時に、入店拒否したのではないかといったトラブルになる。お客さんの方は、予約の時にお願いしますと事前に言っておくなどし、お店の方ではホームページにエレベーターがありませんと掲載しておくなどすれば、こうした誤解はなくなります。身近なところで人に優しくないと問題が生じる時代です。特に今後外国人との関係を考えると、いろいろなことが起こりえます。

3労働慣行。「ワーク・ライフ・バランス」という、仕事もしやすくて、健康で活発に仕事ができる職場とはどうあるべきか、労働者の権利はどうあるべきかといったことです。

4環境もいろいろな課題があります。

5公正な事業慣行。どこかと取引したり、関係を構築したりする場合のいろいろなルールのことです。

6消費者課題。伊藤園のような消費者と接点のある企業は、表示や中身をきちんとしないといけません。

もう一つは、7コミュニティ課題への対応です。「地域」というと地方や田舎というニュアンスがありますが、東京のど真ん中にもあります。むしろ「コミュニティ」というほうが広い意味で、「集まり」という意味です。例えば、今日のこの会場は、同じ会合に集まった人々のコミュニティです。こういうコミュニティも含めて、みんなで自分の得意技を生かして参画しましょうというテーマです。

以上の7つのテーマをバランス良くこなしてくださいというのが、今のグローバル化時代の課題設定です。これらは国内でも対応すべきリストです。

【複合課題への対応:自転車シェアリングに学ぶ】

現在は各論対応ではなかなか解決しない課題が多くなっています。このことをきちんと理解するための分かりやすい事例をご紹介しましょう。私は1982年に、フランスのパリに行っていました。当時は、数年に1回、排気ガスで凱旋門が真っ黒になりました。清掃予算がとてもかさんでいました。

現在のパリは、ちょっと前に行って驚きました。「ヴェリブ」という自転車シェアリングの仕組みが定着しています。フランス語で「ヴェロ」が自転車、「リブ(リーブル)」が無料という意味です。仕組みは事前登録制で、30分以内は無料の共有の自転車です。パリだからデザインもかっこいいです。これが整然と並ぶと、どこかの国の「放置自転車」という単語は意味がなくなります。景観にも良いのです。

これは誰が創った仕組みかというと、パリ市が運営主体となって、大学、自転車メーカー、メンテナンスメーカーの協力でできており、一部日本のメーカーも応援しています。みんなで仕組みを創って、みんなで学んで、みんなで使います。この事例には複合課題の解決策のヒントが満載ですので、私は自転車シェアリングに注目しています。

パリの次に私が赴任した、ワシントンDCにも同じものがあります。「キャピタル・バイクシェア」といいます。駐輪場がスミソニアン美術館などにありますが、仕組みはパリのものと同じで、世界にどんどん普及していきました。

つい最近、イタリアはシチリア島のシラクーサという、G8の環境大臣会議が2009年に行われた、世界遺産がたくさんある街を訪問しました。そこにも自転車シェアリングがありました。「ヴェリブ」と同じ仕組みのもので、シラクーサ市が運営する「ゴーバイク」です。これにより、観光名所のアルキメデス広場や考古学公園を結び、世界遺産の街を汚さないで展開しています。ただし、日本では考えにくいですが、サドルやタイヤが盗まれる被害が続発して、一時期中止の危機もありました。監視カメラも入れて、現在はまた元に戻っています。このようにお国柄でいろいろな課題もあります。

最近注目されるのは、ニューヨークの「シティバイク」(citi bike)です。これはシティバンク(citi bank)が5年間分の拠出金を出しており、シティバンクと同じ青いロゴを使った自転車です。

実は、横浜にもコミュニティサイクルの「ベイバイク」がありますね。ベイバイクはドコモさんがネットワークを設計して、スマホを活用しています。つまり、この仕組みに技術革新も乗ってきている構図になっています。

このパリの仕組みから何が学べるでしょうか。この仕組みは、パリ市、大学、NPO、地権者、みんなで集まったからこそできたものです。そして、7つの社会課題のテーマに当てはめますと、人に優しい交通(人権)、そして、大気汚染防止で環境にも景観にも良い(環境)。メンテナンスメーカーやみんなで協力する仕組み(公正な事業慣行)を創った。消費者の足にもなって、観光にも良い(消費者課題)。世界遺産を守ること(コミュニティ課題)でもある。このように、7つのテーマに複合的に関係しており、いろいろな良いことが起こり、一石三鳥・四鳥です。環境だけを考えていては解決できない。コミュニティの理解と協力が得られないとできない、そういう時代です。

【パートナーシップの時代】

今は、みなさんが集まって、このような付加価値を創出することが求められています。関係者の相互補完性が大事です。NPOさんは社会課題のミッションへの想いと専門性があります。企業は組織行動には強いですが、必ずしも社会課題のすべてを網羅しているわけではありません。それぞれ得意技があります。そこで相互にうまく接点を作り、つなげていくのです。

企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)については、レスポンシビリティを「責任」と訳したので、受け止め型のニュアンスで、最低限果たすべき責務とかコンプライアンスに偏っているのですが、私は、Responsibilityという言葉の本来的意味である、企業の「社会対応力」に変えるべきだと思います。この用語の和訳の変更を提案中です。社会に対応するには、いろいろな複雑な課題をみんなでやらなければいけない、という時代になりました。

もう一点は、企業とNPOのパートナーシップなので、企業がどのような立場にあるかということもお話しなければなりません。企業は「ヴェリブ」のようなことだけをしていたのでは成り立ちません。社会的価値と経済的価値とを同時に実現できないことには、企業は成り立ちません。これがすごく難しい点です。社会や関係者との間でWin-Winの関係を築くことが、企業にとっては大事です。企業はWin-Winになることを目指しますが、NPOさんにとっても、企業に対して補完できることは何かといった角度で考えないと、企業とのパートナーシップを築きにくい場合が生じます。

【共有価値の創造(CSV)】

つまり、連携では、相互の補完性がないといけません。ここに「三方よし」で「共有価値」を創っていくことが、改めて必要となるのです。これを上手に理論化したのがマイケル・ポーター教授です。2011年に、「共有価値の創造」(CSV:Creating Shared Value)という新たな概念で説明しました。CSVを実現する方法として、(1)製品・サービスの見直し、(2)バリューチェーン(価値のつながり)の見直し、(3)産業クラスター(集積という意味)を作る、という3つの手法も示しています。企業としては、こうした考え方を競争戦略として取り入れていく必要があります。

アメリカ発のCSVと日本の「三方よし」は似ていますが、違いもあります。お互いにとって良いことを目指すWin-Winの関係は同じですが、日本では「三方よし」と並んで「隠匿善事」という伝統があります。「良いことは黙ってやる、分かる人には分かる」というイメージです。

しかし、今はグローバル化時代で、コミュニケーションをしないと伝わりません。ということで、私は「発信型三方よし」に切り替えていかなければと思っています。「三方よし」に「パブリック・リレーションズ(PR)」を加えるイメージで展開したいと思います。

【伊藤園のパートナーシップ事業の事例】

伊藤園の事例ですが、和の果実飲料「はちみつ かぼす」を作る時に、大分のかぼすを使ったということで、ご当地キャラをうまく使い「かぼたん」がラベルに登場しました。「地産地消」ならぬ全国デビュ-のお手伝いをする「地産全消」として、かぼすを全国にお披露目するという形です。

「パートナーシップ支援事業」で昨年生まれたものとしては、商店等に設置する自動販売機(ベンダー)の宣伝部分の活用があります。宣伝欄に「神奈川県パートーシップ事業『かにゃお』」、「藤沢NPOcafe」、「伊藤園」の3者のコラボが記載されています。これは、藤沢の中間支援組織のNPOさんと組んで、売り上げの一部をNPOの活動に自動的に寄付できる仕組みを創った神奈川県の「パートナーシップ支援事業」で生まれた自動販売機です。「藤沢市地域活性化ベンダー」として展開中です。

伊藤園にとって自動販売機は、コンビニ、スーパーと並ぶ非常に大事な売り場です。栃木県での自動販売機の展開例もご紹介しましょう。まず、「和食を楽しむプレゼント」とあります。伊藤園は和食会議のメンバーでもあり、和食を応援しています。次に、非常事態の時は電源がなくても手回しで使えるという「非常時ライフラインベンダー」となっています。また、在庫が回転するので無駄にならず、賞味期限切れも起こらないという仕組みです。節電面では、ヒートポンプ自販機で消費電力が最低限になっています。そして、ノーベル賞で話題のLED照明です。このように社会課題への協力・対応のためのいろいろな工夫が盛り込まれています。さらに、この栃木県の事例では、ご当地キャラの「とちまるくん」も掲示しています。この「とちまるくん」は、栃木県の災害対策活動も応援したいということで、ヘルメットを被って手にペットボトルを持つ防災バージョンとなっています。

このように、自動販売機はいろいろな活動の広告・周知にも使えます。

【“トリプルS”:社会対応力・Win-Win関係構築力・人材育成力】

以上をまとめると、企業・組織では3つの要素が重要です。

まず、社会対応力(CSR)が基本です。これには、ご紹介した7つの社会課題のテーマを示した国際標準の「社会的責任の手引」(ISO26000)が重要です。次に、Win-Winの関係が築けるように、ポーターの示す共有価値の創造(CSV)です。そして、一番大事なのは、みんなで学ぶ教育、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)を実践して人材育成することです。

この3つの“S”(CSR/CSV/ESD)を、私は「“トリプルS“の経営戦略」として提唱しています。本日は、みなさんの活動を教えていただいて、私どもも学んで帰りたいと思います。

【「伊藤園かにゃおプロジェクト」と伊藤園CSR報告書2014での特集】

本日はタイミングが良いのです。実は、伊藤園の活動については、3つの“S”で整理した最新の冊子(CSR報告書2014)がちょうど今日発行になり、みなさんに配布しています。

ESDの特集も組み、「もったいない」、「里山」、「おもてなし」をテーマにチーム伊藤園で明日を考えるというメッセージを盛り込みました。

特に、今回は「かにゃお」をクローズアップしました。去年の神奈川県の「パートナーシップ支援事業」で生まれた「伊藤園かにゃおプロジェクト」について、「かにゃお」に登場いただいて「いいにゃ」の太鼓判をいただきました。これを特集しましたので、ぜひご参照ください。当社にとっても8つのNPOさんとの出会いがあった有意義な年で、これらの事業の成果について神奈川県知事にご報告した時の知事からのコメントもいただいております。

【神奈川県パートナーシップ支援事業への期待】

今年の神奈川県の「パートナーシップ支援事業」は、大学も加えて事業がパワーアップし、神奈川県様の素晴らしいイニシアティブとなっています。

皆様とともに学び、良いパートナーシップが生まれて、来年も今回のように成果をご紹介できたらと思います。

横浜ゴム(株)桜井 光雄氏

東海大学近藤 竜二氏

つながる会 

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本文ここまで
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