企業とNPOのパートナーシップミーティングin横須賀・三浦(2012) 開催結果概要

掲載日:2018年2月25日

 平成24年(2012年)6月29日(金曜日) 13時から17時
産業交流プラザ 第1研修室にて

参加人数

NPO等関係者11名 企業関係者13名 その他16名 コーディネーター等7名 計47名
(事務局等を除く)

プログラム概要

開会のあいさつ 
神奈川県 県民局 NPO協働推進課 副課長

  • 本日は、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。
  • 神奈川県では、「多様な主体が公共を担う協働型社会」をめざして、様々な事業を進めています。
  • そのような中、今年度新たにスタートしました「企業とNPOのパートナーシップ支援事業」は、企業の方やNPOの方など、様々な強みやバックグラウンドを持ったみなさまが協働して、ひとつのことに取り組み、世の中に新たなインパクトを与えようというものです。
  • 全4回の「パートナーシップミーティング」の2回目となります、本日の横須賀・三浦のミーティングは、この地域における企業・NPOのみなさまのマッチングを進めようという趣旨で開催しています。
  • 6月14日に横浜で行いました、「パートナーシップミーティングvol.1」では、100名を超える方々にご参加いただき、熱気あふれる会場となりました。
  • ぜひ、本日も、横浜に負けないくらい、にぎやかに、楽しく、様々な方とお話しして、新しいパートナーシップの始まりとしていただければと思います。
  • 本日は、一般社団法人ソーシャルコーディネートかながわのみなさんをはじめ、多くの中間支援組織の方々にご協力いただいております。この場を借りてお礼申し上げます。
  • 今日、この場からつながりが生まれ、協働事業に結びついていくこと、みなさまの活動の場が広がっていくことを期待しまして、ごあいさつといたします。

パネルセッション「わいわいがやがや『まちカル』でまちづくり 」
NPO法人みうら映画舎 理事長 土田 成明氏
三浦商工会議所青年部 会長 鈴木 一史 氏
三浦市役所 協働推進課 石川 博英氏

鼎談風景の写真です。 (石川氏)

今、三浦市で取り組んでいる、「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」で取り組んでいる「まちカル」について簡単に紹介します。

三浦市は三浦半島の突端にあります。面積的には約31平方キロメートルで、茅ヶ崎市などと同程度の面積です。気候はいいですが、元気がないです。例えば、三崎の魚市場なども取引高はどんどん減っています。農業も、面積は広がっていますが、総生産高は下がっています。高齢化率は28.6%で、今後も悪化が予想されます。年少人口は10.8%です。緊急緊縮財政宣言を発表しています。要するに元気がないということです。しかし、元気がないまま滞っていても仕方ないので、「みんなでがんばろう」というのが、この「まちカル」という事業になっています。

  • 「港はモノと人と情報交わり発展する場所」と書いていますが、「突端だからだめ」というような意識から脱却して、島もあるし、おいしい食べ物もあるので、それらの魅力を使って、市民発でいろいろなものをぐるぐる動かそうというものです。
  • 「まちカル」というのは造語です。「まちごとカルチャー」、「まちなかにカルチャーコンテンツがあふれるように」ということなどを意味しています。垣根をつくらずいろいろな人が参加できる場所・プラットフォームができて、みんながわいわいつながったらいいなと思っています。
  • この事業は、三浦市とNPO法人みうら映画舎が連名で「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」に申請しました。みうら映画舎とはどんなところかというのは、土田理事長からお話しいただきたいと思います。

(土田氏)

  • みうら映画舎は今から7年前に任意団体として始めました。民間は民間、役所は役所という具合に、分かれて活動がなされてきましたが、そんな区別、垣根を取り払おうということで三浦市、三浦商工会議所青年部などが新しい団体を作ろうということで始めました。
  • なぜみうら映画舎になったかということですが、三浦のロケーションや素晴しい景色、それと今までの歴史的経緯を活用しようということで、映画やドラマといったものにつながってきました。古くは、モスラ、ウルトラマン、仮面ライダーなどもありましたし、やや最近ですと、『彼女が水着にきがえたら』なども撮られていました。そのような中、三浦市のリソースを、もう一度映像の世界で活用ができないかということを模索しました。そのようにして作り上げたのが、みうら映画舎です。
  • 三崎高校という廃校になった学校があります。ここでの撮影がみうら映画舎の収入の60~70%を占めています。来年には取り壊しということで大変残念に思っています。年間で250日、三浦市全域で撮影を行っています。
  • その中で収入を得まして、次の活動の資金にするということをしています。
  • サッカークラブの横浜FCと協働で事業も行っています。子供たちにサッカーを通じて様々なスポーツに親しんでほしいということで取り組みを始めました。小学校で横浜FCのコーチに来ていただいて、子供たちに楽しくサッカーをしてもらうという授業を行っています。これはみうら映画舎がすべて資金負担をしています。
  • そこから派生して、三ツ沢球技場の中で、三浦の地場産品を売り、また食べていただいています。そのようなことを通じて、三浦の食・文化を多くの方に知っていただくということをしています。
  • 近年、B級グルメという言葉も出てきました。厚木のB級グルメの大会にも参加し、「とろまん」を売りました。以降、関東近辺の様々な場所で「とろまん」を売っています。その際、みうら映画舎という看板で売っていますので、どうもイメージと合わないということがあります。そこで今は、B級グルメに取り組む主な主体を、まぐろラーメンにまかせています。このように我々としては、自分達が先駆けとなり、どんどん新しいことを発案して、いろいろな人を巻き込んで、町の活動を盛り上げていこうということをしています。
  • 今までは、このように外向きの仕事をしてきましたが、今回の「まちカル」という、内向きの活動になります。町のいろいろな資産を探して、カルチャーを下町に表現できたらということで「まちごとカルチャー」と名づけ、3月に活動を始めたところです。
  • 三浦市内に残っている資産を発掘することによって、三崎に大きなうねりが起これば、観光につながっていくであろうし、三崎の下町を興すことによって三浦市全体が動くのではないかということで始めました。
  • なぜ三崎かというと、それだけ人の対流がなくなっているからということです。そこを押し上げることによって全体が動くだろう考えました。そして、映画、撮影によって得たお金を中心にして、下町にみうら映画舎のギャラリー「R-0」を作りました。このような活動の中で、カルチャー、スポーツといった新しい三浦の姿ができればというのが基本コンセプトです。なぜかというと、まぐろ、大根などの産業は、国際的な状況等を踏まえるとどうしても落ち込んで行きますので、それだけに依存するというのはできないからです。
  • 下町は、出生率も1%を切っているという状況です。そのようなところで若い人たちが対流を起こせるようにと考えています。みうら映画舎が横のつながりをつけるという機能を果たして、若い人たちが活躍するなど、「まちカル」を中心にみんなに動いて行っていただいています。
  • 団塊の世代の子供たちが、三浦のかけがえのない最後の能力だと思っていますので、それに賭けるという気持ちで、活躍してもらっています。出生率の話しを先ほどしましたが、1%を切っているというレベルから、また1.何%にもっていかなければなりません。それらの事を含めて、私たちが何かをしなければいけないという崖っぷちの中で事業を行っています。
  • 「みうら映画舎」という名前が、今ではやや活動にマッチしない感じもしますが、これまでの実績などを考えて、そのままの名前で事業を行っています。
  • 我々も三浦市も大きな曲がり角に来ていますが、これからも活躍させていただけたらと思っています。

(石川氏)

  • 「R-0」についてもう少し踏み込んでお話しいただけたらと。

(土田氏)

  • みうら映画舎には、喫茶部もありまして、下町にある喫茶が「R-0」です。全てが「R-0」です。「R-18」のような、映画の用語だと思ってください。0歳から参加できるようにということで、そのような名前にしました。

(石川氏)

  • 今日のプレゼンテーションのタイトルを「ビフォーアフター」としたのですが、「新しい公共支援事業」の以前を「ビフォー」、以後を「アフター」としてお話しします。実は担当として、以前はどうしていいのやらと悩んでいました。「新しい公共支援事業」があるというのを聞いて、ひょっとしたらいいきっかけになるのではと思いました。三浦市としてスイッチを入れようと。
  • まず昨年の6月に説明会をして、市内のNPOやボランティア団体に声をかけました。みうら映画舎が移転して拡張するという噂を聞き、お話を聞きに行ったりもしました。企業の方、NPOの方、市民の方もいろいろな形でかかわった枠組みが去年の6月くらいに見えたので、エントリーしようと。それが、「アフター」につながったのかなと思っています。
  • 失敗したりかっこ悪いこともたくさんあるのですが、それなりの活動をしてきました。その活動についてお話ししたいと思います。
  • まずは、「ビフォー」です。三浦市は、第4次総合計画という計画がありまして、そこで初めて「市民協働」が位置づけされました。また、三浦市は、三崎高校の跡地を取得しましたが、その取得のときのテーマが市民活動交流拠点の整備となっています。ですが、まだできていません。これが現在の三浦市の市民活動の状況です。多くの市が市民活動センターなどを有していますが、三浦市にはありません。実は「R-0」がそのような機能を担うと言ってくださっていて、現在、三浦市の市民活動交流拠点は、社会福祉協議会さんのボランティアセンターと、「R-0」になっています。
  • そのような中、いろいろと模索、空回りを繰り返していましたが、東日本大震災が起きて、寄付、ボランティアへの意識が変わったというような状況もありました。また、「新しい公共支援事業」の「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」の採択を受けて、「どうしよう」とも思いましたが、「じゃあ、しっかりやろう」ということで「まちカル」を始めました。
  • そして、「アフター」です。まず、みうら映画舎が市民交流活動スペース「R-0」を行っています。それと、音楽と街づくりに取り組んでいるNPO法人アークシップさんとも一緒に活動しています。また、市民の方から情報発信をしたらいいのではないかという声がありまして、SNSやコミュニティペーパーなどを作成しています。また、市では「市民活動活性化研修会」(「まちカルカレッジ」)をやっています。
  • 「R-0」は、三崎のはずれにあって周辺はとても閑散としています。土田さんがブログに「猫も車も人もいない三崎が楽しめます」と書いたりするような状況です。だれも通っていないのが普通な状況に、突然児童合唱団が練習する場ができました。例えば20人子供さんが来ると、親がそれ以上に来ます。いきなりわいわい楽しい場所に生まれ変わりました。他にも、ワークショップの場にもなります。NPO法人と三浦市が勉強会を行ったりもします。
  • こういうことを続けていくと、だんだんと街がざわついてきます。「あいつら、なんかやってるぞ」と。「気に入らない」とか「いいんじゃない」とか。我々の聞こえないところで喧々諤々とですね。街がざわめいてくると面白いのかなと思いました。そこで地域ニュースに載ったりするとさらにざわめきます。
  • 「周辺も注目する」と書きましたが、横浜で行われました「かながわ非営利組織フォーラム」に三崎のNPO法人が呼ばれました。今までは考えられませんでした。行政とNPOの距離が近くなった気がします。
  • 「三浦SNS元年」と書きましたが、三浦Facebook交流会というものができたり、地元のテレビに出たりと、広がりが出てきています。SNSは実体がないのでよく分からない部分もあるのですが、リアルな場もできたと思います。それが「まちカルカレッジ」という研修会です。同じテーマで行っているうちに参加者同士が友達になっていったりしてリアルにつながっていきます。行政がやると固すぎたりするのですが、NPOさんと一緒に取り組むと気軽な感じで呼びかけることができます。講師の方々とつながることができるのも面白いです。各界で活躍している方々とFacebookで気軽に交流することができます。
  • 「イベントで繋がる」ということもあります。「まちごとカルチャー」という、三崎の町中でいろいろなことを試してみようという市民の活動です。市民が一番、市民の活動が好きなんだということが再認識できました。三浦商工会議所青年部のみなさんが「ワカモノと繋がる」ということでイベントを行いました。「つるやプロジェクト」というものもあります。これは三崎の下町と城ヶ島を活性化するという事業です。三浦市経済振興部の事業なのですが、企業の活動で街を元気にしてくださいというものです。リノベーション、プロボノ、行政と企業による資金という風に、みんなが参加しているプロジェクトです。
  • コミュニティペーパーの強みは「繋がりたい人と繋がる」ということです。行政だけでは話しを聞きに行きにくいところも、市民記者と行政が一緒ならば行きやすくなります。
  • 「まちカルの未来」とありますが、キーワードは「繋がり」です。いろいろな人がいろいろな形でつながればいいなと思っています。「まちカル」というプラットフォームの中で、「まちカル」に参加するプロボノの人、企業の人、NPOの人、市民を「まちカルプレーヤー」と呼んでいます。「まちカルプレーヤー」がみんな繋がってくれれば、いろいろな課題が解決するのではないかと思います。去年の今頃考えた妄想なのですが、未来はそうなるかもしれないと感じています。
  • 「モデル事業」の枠組みでは、行政、企業、NPOが必ず入らなければならないとなっています。最初は煩わしいとも思いましたが、とてもいい仕組みなのかなと思うようになりました。「モデル事業」という概念がなければ、企業とNPOと繋がれなかったとも思いますし、やり方も分からなかったような気がします。無理矢理チームを組ませるという仕組みはよかったのかなと。
  • 今日は企業とNPOのお見合いだと聞いています。どんどん新しい方とつながりたいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。
  • 次は三浦商工会議所青年部会長の鈴木さんです。

(鈴木氏)

  • 三崎の下町はめったに小さい子供が歩いていないという、そんな状況になってしまいましたが、商工会議所青年部でも何かできるのではないかなと考えながら活動しています。
  • 2012年3月25日の「まちカル」で行いました「かまどdeごはん」に至るまでの三浦商工会議所青年部の活動をお話ししたいと思います。
  • 三浦商工会議所青年部には「経済活動を通じての地域貢献」という綱領があります。研修事業、地域貢献などをメインとして動いています。ここ数年では、3年程前に、三浦商工会議所青年部の「経営塾」(1年間に3~5回開催)で、「地元の魅力再発掘」ということで様々な講師にお越しいただいて、1年間通して行いました。それを通して、「地元にいるからこそ見えていないことがあるな」ということに気付きました。
  • 3、4年前に「三崎昭和館」が出来まして、そこに実際にご飯が炊けるかまどがあります。「じゃあ、ご飯を炊いてみよう」ということで「かまどdeごはん」をスタートしました。目的は、「三崎昭和館」を市内の人々に知ってもらうことです。対象は、市内の小学生とその親御さんにしました。当初は「かまどdeごはん」単独の開催を考えていたのですが、「まちカル」の中のひとつのイベントとして、下町にストーリ性を持たせた方が面白いのではということで、三浦商工会議所青年部もそれに協力しました。
  • 私自身もかまどでご飯を炊いたことがありませんでした。そこで、講師の方にお願いしたり、地元の薪を使うなどしました。講師の方からの提案で、今後来るであろう災害に備え、(かまどでご飯を炊くのは通常3~4升なのですが、)1合など自分の分だけでも炊けるようなご飯の炊き方もレクチャーしました。楽しみながら災害対策を学ぶということで、参加者には好評でした。当日は天気にも恵まれて、ご飯を炊いて食べるという単純なイベントでしたが、みなさんに喜んでいただけたのではと思っています。三浦商工会議所青年部としても継続的に行っていきたいと考えています。
  • 三崎という町はコンパクトで意外と舵が取りやすいのではないかと思っています。

(石川氏)

  • 去年の今頃は、鈴木さんとは軽くあいさつをするくらいの感じでした。土田さんとも同じです。行政と町の人はそういう感じだと思います。最初は、鈴木さんに連絡するのも億劫でした。「すいません、鈴木さん。今度、私たち、こんな事やるんですけど」みたいな。僕から最初に話を聞いたときどんな感じでしたか?

(鈴木氏)

  • 私は三浦商工会議所青年部会長という顔の他に、イベントを続けている左官屋の親方という顔もあります。その繋がりもあったので、そんなに違和感なかったです。

(石川氏)

  • 土田さんはどうですか。土田さんは元三浦市議会の議長をされていらっしゃいましたが。

(土田氏)

  • 私は三浦市議会の議長をやっていました。その時に、いろいろな部署を回って、職員といろいろな雑談をしながら、きちんと仕事がすすんでいるかどうかを見てきました。職員とコミュニケーションも取りながら、つかず離れずということを大事にしてやってきました。近づきすぎると、周りから「職員の言う事を聞いているだけじゃないか」と言われてしまいますので。そのようなことをしているうちに、石川さんのような職員が出来上がりました。他の部署にもたくさんいます。どうも以前のような市の職員には見えないぞという職員ができあがってきたと思っています。
  • 逆に、私のことも、議長までやった人間には見えないようなので、それもよかったなと、それで良いと思っています。町の人も「あの人は偉いんだ」と言われずに、一緒に手を組んでやれると思っています。こういったことが大事です。
  • 私達の原点は町おこしにあります。たぶん三浦で、町おこしを原点に作られたNPOは始めてではないかと思います。これを大事にしようと考え、また、それが出来るだけの人的体制が出来たのかなと思い、(本業はありますが、)町おこしに専念しようと議員を辞めました。そういった中で、この活動を理解していただけるだろうと、それを糧にやっています。

(石川氏)

  • 以前も今も、気を使っているつもりなのですが、よく怒られたりします。意見が食い違うとかなり議論をしたりということもあります。
  • どこの役所の職員もそうだと思うのですが、町の人に「一緒に何かやりませんか」となかなか言えないと思います。立場や生業もありますし。そういったものを超えた部分で接触が出来るのが、今回の事業なのかなと思っています。
  • このプログラムの後で、つるやプロジェクトというもののお話があるのですが、そういったいろいろなものが、三浦市でぐつぐつと沸いています。なぜ「ビフォーアフター」の「アフター」になっているかというと、たぶんみんなの中に「町にすこし元気がない。やばいんじゃないか」といった共通認識があって、「これ以上放っておけない」という気持ちがあるのではないかと感じています。

(土田氏)

  • かなりやばい状態になっていると自分も思っています。20年間ずっと、こういう街づくりのことをずっとやってきて、ネックになっているところも分かっています。また、推し進められないという保守的な部分がかなり大きいことも分かっています。そういったものを打破しなければと思います。私達の年代でそれができていれば、こんなことにはならなかった。
  • 次にチャンスがあるのが、団塊の世代のお子さん達だというのが間違いないので、彼らに対して今まで培ってきたものを理解してもらって、町の中に新しい息吹を吹き込まないとまずいというふうな感覚が私達にはあります。彼らには、待ちの姿勢ではなくて、自分から行動することを期待しています。
  • 全国的にも、みうら映画舎のように、ロケをしている方からお金をいただいているのは稀です。ほとんどがボランティアです。撮影で使用した大道具・小道具を置いていってもらって、それをギャラリーで公開しているのも、関東地方ではみうら映画舎しかないのではないかと思います。そのくらいの収入を得て活動できているというのは幸せなことなのですが、今、収入があるうちに若い人たちの活動に対して支援が出来ればと思っています。

(石川氏)

  • 今、いろいろな人が「じゃあ、やろうか」と言ってくれているなと感じています。今度(2012年)7月22日に「まちごとカルチャー@(アット)三崎」というイベントをやります。経済や観光系の部署がやるようなイベントではなくて、市民の活動をショーケース的に見せるイベントです。商業ペースに乗らないような、例えば、アマチュアミュージシャンが演奏したり、陶芸家がワークショップをしたりというものです。このようなイベントに、どんどん参加してくれる人が、増えてきてくれています。「何も出来ないけれど、協力したい」という人がどんどん出てきていて、いいなと思います。
  • 先ほど、三浦の「どん底感」をお話ししたのですが、実はそこからいいイメージも出てきています。『湘南スタイル』の8月号に8ページにわたって三崎が取り上げられています。これちょっとした事件なのですが、「ニューミサキパラダイス」というテーマで紹介されています。これは今までなかった動きです。今までこらえていたところが、ここでようやく花開くかも知れないという感じです。今まで皆さんが頑張って残してきたことや築いてきたイメージがここで出てきたという感じですね。
  • 新しい魅力も発信しつつ、市民の力も集積しつつ、これから「三崎、三浦変わっていくぞ!」という勢いがあるので、これからの三浦に注目してください。

パートナーシップ支援事業について 神奈川県 NPO協働推進課

 活動事例紹介

 (特非)アンガージュマン・よこすか 理事長 島田 徳隆 氏

アンガージュマンよこすか島田様の写真です。 ・アンガージュマン・よこすかというのは、不登校の子ども達、ひきこもりの若者達の支援をしている団体です。アンガージュマンはフランス語で社会参加という意味を表しています。子ども達や若者達が社会参加をしていく手助けをする。あるいは、彼らが出て行く社会を創っていくという意味を込め、そこにこだわって活動しています。もともとは、今から約8年前に、子ども達若者達の居場所づくりということで、県と市の補助金で家賃補助を受け、商店街の空き店舗を借りてスタートしました。横須賀市の上町にあります。

主な活動についてです。家庭、学校に自分達の居場所がないという子ども達や若者達の居場所を提供しています。自由な時間を過ごすことも出来る場所ということです。また、学校へ行っていない子ども達は、学習に対する不安が大きいです。その不安をなくすために、学習をするということも必要ですので、一対一の個別指導も行っています。

  • 基本的に我々の活動の中で一番大切にしていることは、学習する・勉強するということではなく、学ぶことに対する不安感や自分の出来なさ感をいかに少なくするか、自己肯定感をいかに高めていくかということです。
  • 我々は、若者達の就労支援ということで、商店街の中で商店街と一緒に活動してきました。そのため、商店街活動の担い手として、子ども達や若者達が今まで活動してきています。例えば、5月には、ゴーヤのカーテンを商店街のアーケードに作ったりしました。また、7月には、灯籠夜市という商店街のイベントがあるのですが、そこでは若者たちが中心となってイベントを支えているというような活動をしています。
  • かながわボランタリー活動推進基金21という補助金を使って、はるかぜ書店という書店を開店しました。若者達が日常的に研修をしながら、就労をしていくというプロジェクトです。スタッフは関わらず、ひきこもり経験者、若者達で運営しています。5月からは、フリースペースとはるかぜ書店と一箇所にまとめて運営をしています。
  • 次に、企業とのパートナーシップについてお話しします。昨年、研修を受けていた若者があるコーヒーショップで働き始めました。「彼女どうですか?」と状況をお聞きしたら、社長は「普通です」と言うんです。「普通です」と言われても分かりにくいですよね。「とにかく普通の子達と一緒だよね」と言うんです。ひきこもりの経験者というのは、病気ではなかったり、社会経験がすごく少ないというだけで、どちらかというと繊細、神経質だったりする部分はあるのですが、逆に非常に丁寧に仕事に取り組んだりとプラスの面が大きいのではないかと思いました。
  • その後、ある別のパン屋さんの専務が若者を受け入れますよと言ってくださいました。そこでコーヒーショップを運営されている方に聞いたら、「普通の子です」と言われたということでした。「普通というのはどういうことなのだろうか」と、そこで二人ともお互い困ったとおっしゃっていました。
  • ひきこもりの若者はいったいどういう人なのだろうかということがあって、最初はとても受け入れにくいということもあります。しかし、受け入れてみると、しっかりと丁寧に仕事をしています。彼らの課題は、日々の業務の中で発生する問題や課題になかなかチャレンジ出来なかったり、自分の中で消化できなかったり、そのようなことにあります。それを解消して行く時に我々のような団体があります。スタッフも卒業生なので、いつでも戻っておいでと若者たちに言っています。週1、2回、仕事が終わった後に我々のところに寄って、特に何するわけでもなくお茶をして帰って行くというようなアフターフォローのようなこともできます。
  • すでにいろいろな企業さんとコラボレーションしているように見えますが、我々は小規模でやっています。ぜひ一緒に取り組んでいけたらと考えています。

城ヶ島つるやプロジェクト 石橋 匡光 氏つるやプロジェクト石橋様の写真です。

城ヶ島に行った事がない人も多々いらっしゃると思います。私は城ヶ島で生まれ育っていますが、私にとって城ヶ島というのは、ディズニーランドみたいなイメージです。とても自然が多くて面白い所がたくさんあります。そういうものを、地元の人たちはよく分かってないという気がします。そういうものをつるやプロジェクトを通してお伝え出来ればなと思って始めました。

私の本職はまぐろやさんです。なぜまぐろやさんがこういったことを始めたかと言いますと、震災が大きなターニングポイントになっています。やはり地元が強くなければ自分の商売は成り立たないという思いが強くなり、少しでも地元の中でなにかできればなと思って行動しています。

 

  • つるやプロジェクトの説明です。城ヶ島は周囲が約6キロ、人口は約300人~400人の島です。「人は住んでるの?」と言われますが、人は住んでいます。「船で渡るの?」とも言われますが、橋も架かっています。水産の加工場とは別に色々な観光資源もあるのですが、私が小さかった頃よりもだいぶ観光客も少なくなっていました。平日は皆無です。
  • そのような状況で、私自身のよりディズニーランド的な思いをここで出そうと思い、「つるや食堂」という場所を地元の人から借りました。そこを、全ての子どもも大人も、子ども目線で集まれるようなスペースにしようということで立ち上がりました。
  • 3つのポイントが重要になってくると思います。1つ目が『ジモト』観光です。外の人ではなく、地元の人が地元で遊べる場所というのが一番大事ではないかなと思い、そのような場所を作りたくて、ポイントの1つにあげています。
  • 2つ目が『ツナガリ』の実践です。繋がりの実践、最近ソーシャルメディアを通じていろいろな繋がりはできるのですが、繋がりを実践できる場というのはそれほど多くありません。先程の「R-0」もそうなのですが、自然の場所を眼の前にして、子どもも大人も子ども目線で集まれるような繋がりを実践できるような場所を目指しています。
  • 最後に『タノシミ』の再発見です。楽しいことは実は足元にあったりします。それを地元の人がまず知って、発見・発信できるような場所を作っていきたいなと思っています。
  • この事業は、三浦市の城ヶ島下町活性化事業として認定されました。事業責任を(株)三崎恵水産が負うとなっています。当時は何も団体がなかったため、自分の会社で応募しました。今は、(株)ミライカナイを設立して動いています。経済性がないと、地元活性化は成り立ちません。まずお金を回す。そして人をどんどん入れる。それがないと続きません。ボランティアというのは一瞬で終わることもありますが、続けたいという思いもこめて、株式会社として動いています。
  • コミュニケーションですが、フライヤーを作って、身近な所に声をかけています。あまり広げすぎると身の丈を超えてしまい大変になってしまいますので。少しずつ粛々とというモットーで、子どもを持つ親の世代の人たちに呼びかけながらやっています。また、Facebookにつるやプロジェクトのページを作って、「つるじい」というキャラクターを作りました。「つるじい」が、一人称で物事を言っていく。誰がやっているというのではなくて皆でやっていきましょうという思いの中で、主体を「つるじい」としています。
  • 今の進行状況です。2012年7月29日につるや食堂をオープンさせます。もともと食堂だっただけでまだ何もありません。これから少しずつ作っていこうかなと思っています。年内に「親方プロジェクト」として、左官屋さん、大工さん、塗装屋さんを親方にして、そういった人たちのかっこいい姿を見ながら、子ども達と一緒にやっていこうとしています。
  • 「つるやフィールド」というのもあります。城ヶ島には山もあるのですが、山の地権者が1000坪の土地を貸してくれました。そこを開墾して、子ども達が遊べるような場所を作ろうと思っています。いろいろな方の協力があってこその場所ですね。
  • 『まちカル』、三浦商工会議所青年部、三浦青年会議所など、地域の諸団体との繋がりも実践できています。いろいろやって行きたいと思いますが、ポリシーとして、大人も子どもも同じ目線でできることをやっていきたいなと思っています。どうしても私の世代やその上の世代で結局価値観がずれてくることもあると思うのですが、皆が子ども目線に立つことで、それを回避できることもあるのではないかと思っています。
  • 「つるや食堂」は、かつては繁盛していましたが、ここ何年も開いていなかったようです。開けることから始まり、ワークショップで、大掃除をし、大工さんの力も借りて、だいぶきれいになってきました。「つるやフィールド」も少しずつ皆で開墾していって、子どもが遊べるような場所になってくれればと、あとはちょっとしたキャンプの施設などができればいいなという思いがあります。先週あたりですが、大工の親方をついてもらって子ども達と釘を打ちました。プロの職人さんから教えてもらうという体験を通じて、今後もしかしたら大工になりたいという人が増えるかもしれないですね。「つるやシアター」というのもあります。自作のソーラーパネルを使って映画鑑賞会をやりました。実際に太陽の力で映画を見られるという体験を、子どもと一緒に出来ればすごく素敵だと思っています。
  • 問題点、課題点に移ります。経済的持続性、 時間的制約、責任的活動性というものがあります。これらはどこの地域活動にもある問題点だと思います。まずは経済的持続性です。今回は三浦市から助成金をもらっていますが、2年後の経済的持続性はまだ担保できていません。株式会社としながら、まだ経済性は欠如している状態ですが、少しずつやったことに対して対価をもらえるような形で作っていきたいなと思っています。2つ目の時間的制約ですが、関わっている人は自分の仕事を持っている人が多く、どうしても時間的制約があります。だからといって人を雇える程の経済性はありません。3つ目に責任的活動性ということがあります。誰が何をやるか、誰が責任をとっていくのかなどあると思います。
  • このような活動を通じて訴えたいです。三浦という町は、ソーシャルに繋がっていき、それが実行されるような動きが起こりつつあります。もともとあった団体があり、「まちカル」が新たにできあがり、外から三崎に来て住んでくれた人が来てくれています。それらがソーシャルにつながって、実際に活動できる。そういったものをやっていきたいなと思っています。そのひとつとして「つるやプロジェクト」も活動できればなと思います。
  • そして、新『まち力』。ヨソモノ、ワカモノ、バカモノ。この3つが三崎以外の地方の町も含めて、町を作っていく力なのかなと思っています。地元も若者も新参者も老人も企業も行政も子どももソーシャルに繋がって、経済性と豊かさ(お金以外の豊かさ)について教育できる地域を作りながら、そこでお金を稼いで、人が集まってくる。そして、カッコイイと思える地域を作っていきたいなと思っております。
  • 「つるやプロジェクト」から派生した事業として「KULAプロジェクト」というのがあります。「KULA」というのは、サンスクリット語で「仲間」「コミュニティー」「繋がり」といった意味があります。三崎には古い蔵がたくさんあるのですが、そのうちの1つを借りまして、シェアスペースのような形で提供できればと思っています。
  • この事業のひとつのミッションとして、地元の人が不動産の賃貸を流動化するということがあります。どこの地方もそうですが、不動産を貸さない、貸すのが怖いというオーナーさんも多いです。ですが、「つるや食堂」もそうですが、地元の人が借りるというと簡単に「いいよ」とすぐ言ってくれることが多いです。そういったことを少しでも増やそうかなと思っています。こちらに関しては自腹ですが、少しでも不動産を流動化して、ひとつひとつ三崎のシャッター通りのシャッターを開けていきたいと。皆が住んで、かっこいい、あそこに住みたい、行きたいと思うようにという、経済性を持ったプロジェクトになっています。

つながりを見つける会

ラウンド1「連携するとしたらできることは何ですか?」

(参加者が5~6人のグループに分かれて、テーブルホストのファシリテーションのもとで、グループワークを行いました。)

  • 各参加者が簡単な自己紹介の後、自分のできることを模造紙に書き込んでいきました。

ラウンド2「別のグループのアイデアを考えよう&盗んでこよう!」

(参加者は、テーブルホストを残し、ラウンド1のグループを離れ、新たなグループへと移りました。)

  • これにより、テーブルに第三者の視点がプラスされました。ラウンド1のミクロな繋がりにエリアイメージが加わったり、訪れた団体のアドバイスが足されました。

ラウンド3「新しいアイデアを共有しよう!」

(ラウンド2を終えた参加者は、ラウンド1のテーブルへと戻りました。)

  • 当初のテーブルに戻ったメンバーは他のグループからのアイデアを持ち帰り、新たな連携のアイデアを話しあいました。

グループワークで出たアイデアなど

  • 防災に活用できるスキルを学べるアウトドアキャンプイベント
  • 結婚式という場を活用した町おこし企画(「アウトドアウェディング」、「三浦まちウェディング」、「ガーデンウェディング」)
  • まちコンin三浦
  • 「つるやフィールド」で出た竹を炭に加工し販売
  • 「R-0」における経営相談講座

など、様々なアイデアが生まれました。

「つながりを見つける会」で作成したもの [PDFファイル/768KB]

資料

プログラム [PDFファイル/86KB]

資料(パネルセッション「わいわいがやがや『まちカル』でまちづくり」)(1) [PDFファイル/1.66MB]

資料(パネルセッション「わいわいがやがや『まちカル』でまちづくり」)(2) [PDFファイル/596KB]

資料(パネルセッション「わいわいがやがや『まちカル』でまちづくり」)(3) [PDFファイル/1.08MB]

資料(パートナーシップ支援事業について) [PDFファイル/544KB]

資料(企業とNPOのパートナーシップ支援事業ガイドブック)

資料(活動事例紹介 アンガージュマン・よこすか)(1) [PDFファイル/292KB]

資料(活動事例紹介 アンガージュマン・よこすか)(2) [PDFファイル/1.98MB]

資料(活動事例紹介 城ヶ島つるやプロジェクト) [PDFファイル/1.27MB]

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本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
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