更新日:2023年10月17日

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かにゃさんぽ(こども邦楽育成会)

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とどけ!日本の音楽はこどもたちから

2021年8月1日 日曜日

秦野市立堀川公民館にやって来たかにゃお。建物の中に入ると・・・

かにゃお
ん?部屋の奥からきれいな音色が聴こえるにゃ。

小瀬村さん
こんにちは~!『こども邦楽育成会』小瀬村と申します。今日はよろしくお願いします。さっそくだけど、ちょうど今みんなで合奏しているのでぜひ見ていってください!演奏している曲はみんな初めて弾く曲なのよ。

かにゃお
そうにゃの?!演奏中にも先生が「今ここだよ」「そうそう上手!」と声をかけて、丁寧に教えてくれるから、演奏するたびにみんなの息が合ってくるのがわかるにゃ。雰囲気も和気あいあいとしていて、楽しそうだにゃ。

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↑案内してくださったのは、きれいな音色が聴こえる畳のお部屋。ずらっと並べられたお箏⦅こと⦆と真剣なまなざしで向き合うみなさん。完全に取材を忘れて聴き入るかにゃお。)

かにゃお
美しい音色に癒されたにゃ~。こんなに素敵な活動をはじめたきっかけを教えてほしいにゃ。

小瀬村さん
38年ほど前に当時の神奈川県立秦野青少年会館の職員の方に進められてお箏教室を開いたことがきっかけです。その後は箏だけではなく三味線や尺八も加えて、今の『こども邦楽教室』という形になりました。

かにゃお
長い歴史があるにゃ。普段はどんな活動をしているのかにゃ?

小瀬村さん
毎週日曜日に、はだのこども館や地元の会館を借りて邦楽教室を開き、小・中学生の邦楽合奏団『KIDS Koto』として諸星先生の指導を受けて、楽しく練習しています。ありがたいことに箏の寄附が多く、教室で使用するものはほとんどが寄附されたものです。「もう演奏しなくなった」「家族の遺品だった」というようにご自宅に眠っている箏は意外と多いようで、寄附を通してたくさんの思いを託されているような気持ちになります。そのおかげで、箏を練習用と本番用で使い分けることもできるんですよ。一方で、その分のメンテナンス費用が大きくなってしまうこともあるのですが・・・。それでも、多くの人の思いがつまった楽器を継承していくことは、何にもかえがたい大切なことだと思っています。

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(↑箏を前に、手も足も出ないかにゃお)

かにゃお
たくさんの人の支えを感じるにゃ。他にはどんなことをしているの?

小瀬村さん
1985年より、毎年地域の学校へ行って、演奏の体験授業や訪問演奏などの活動をしています。訪問演奏は学校だけではなく、ホスピスデイケアセンター老人ホームなどへも積極的に伺い、いろんな方とコミュニケーションをとることができました。特にお年寄りのみなさまは、箏や三味線、尺八の音色に癒されていましたよ。学校での体験授業では定番の曲はもちろん、難曲の「春の海」にも挑戦してもらいました。子どもたちには簡単なパートを弾いてもらいましたけど、スタッフと一緒に弾くことで子どもたちの満足感も大きかったようです。

かにゃお
箏に触れることなんてめったにないから、みんな楽しかっただろうにゃ~。

小瀬村さん
学校への訪問は授業参観の機会に行うこともあったのですが、子どもたちの関心もさることながら、保護者の方々が強い関心を寄せてくれました。子どもたちよりも夢中になっていたかもしれない!(笑)でも、これはとても大切なことなんです。子どもたちが邦楽にふれるには、子どもを育てる保護者の理解や支えがないと続けられませんから。特に楽器の運搬やメンテナンスの面では、保護者の協力があってこその活動になります。そういった意味で、訪問を通して子どもを育てる大人の関心も得られたことは非常に嬉しかったですね。私たちはボランティアの思いからこのような活動を行っていますが、行く先々でいろんな方とコミュニケーションを取ることで、こちらが得るもののほうが大きい気がします。だからこそ、現在はコロナ禍の影響で体験授業も訪問演奏もできていないので、本当に残念な思いでいっぱいです。

かにゃお
邦楽をみんなに知ってもらえる大切な活動だから、早く再開できるといいにゃ。そういえば、今年の5月2日には秦野市文化会館で『15周年記念展示とコンサート』を開催したんだよね!

小瀬村さん
そうなんです。この演奏会は、平成27年度『かながわボランタリー活動推進基金21』のボランタリー活動奨励賞の副賞だった賞金を活用して開催しました。元々は昨年の5月に開催を予定していたのですが、コロナ禍の影響で延期となっていました。今年は1年越しの開催となり、非常に感慨深いです。でも、今年になってもコロナの終息とはならなかったので、客席も全体の3割ほどに縮小しましたし、演出に関しても、出演者が客席を歩くような演出をやめたり、コーラスもカットしたり、感染予防対策に十分配慮しながら行いました。

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(↑過去の演奏会の様子)

かにゃお
そうにゃのか。開催できたことは本当によかったけど、お客さんの状況はどうだったの?

小瀬村さん
事前予約も募っていましたが、こうした状況の中では来場できない方もいて、演奏会の雰囲気もこじんまりしてしまうかなと思っていたんです。ところが、当日になってみると会場の近くをたまたま立ち寄った方が、飛び入りで演奏を聴いてくださるというのが結構多くて!いつもの演奏会では出演者の家族や親戚など、関係者が客席の多くを占めていたので、この状況には驚きました。皆さんきっと、日頃の楽しみが少なくなっている中で、こういう機会に興味を持ってくれたんだと思います。

かにゃお
思わぬところで嬉しいことだにゃ!

小瀬村さん
普段、邦楽に触れることのない方々にも新しい機会をもたらすことができました。演奏会終了後には、わざわざお礼状まで送ってくださった方もいらっしゃって、大きな励みになりました。その後は1か月近くかけながらご来場いただいた方の体調確認の連絡をし、皆様の無事を確認することができて、ほっとしました。現在の状況下でなんとか開催するために試行錯誤することが多かったけれど、工夫しながら無事に開催できたと思います。また、開催に当たっては、多くのボランティアの方々に協力していただきました。皆様のおかげで開催することができて、本当に感謝しています。

かにゃお
困難な状況でもあきらめずに乗り越えてきたことで、いろんな喜びが積み重なっていくんだにゃ。これからのこともぜひ教えてほしいにゃ。

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(↑お話してくれた吉岡さん⦅左⦆と小瀬村さん⦅右⦆)

小瀬村さん
私たちは支援金と多くのボランティアの心を持つ方のおかげで活動ができていますので、活動に参加している子どもたちには常に感謝の気持ちを忘れないで演奏を楽しんでほしい!そういったことを伝えていくのが私たちの役目だと思います。次の世代へつなげていくことで、この活動がこれからもどんどん続いていくことを願っています。なにより、早くマスクを外して演奏会ができるといいな!それから、いつの日か神奈川フィルハーモニー管弦楽団と一緒に演奏がしたいです!大きな夢を持ちながらこれからも活動を続けていきます。

かにゃお
邦楽とオーケストラ!絶対に実現してほしいにゃ!夢を語る小瀬村さんはとっても輝いていて素敵だにゃ。今日はお話を聞かせてくれてどうもありがとう!

小瀬村さん
ありがとうございました!

日本の音楽をとどける取組み いいにゃ!』ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こども邦楽育成会『KIDS Koto』:http://www.asahi-net.or.jp/~us2s-ksmr/koto/

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