「教えて!かにゃお先生」@桜美林大学 実施結果

掲載日:2018年2月25日

平成27年(2015年)12月21日(月曜日)16時10分から17時40分

桜美林大学町田キャンパス 太平館A202教室にて

参加者

  • 渡辺特任教授、学生67名 
  • NPO法人地球の木 下田寛典氏
  • かにゃお、県NPO協働推進課

渡辺特任教授とかにゃおと下田氏

 講座概要

かにゃおの活動について

「多様な主体による協働型社会の実現」を目指し、SNS等を活用して企業の社会貢献活動やNPO活動を発信している「かにゃお」の取組みについて、県NPO協働推進課職員が説明しました。

NPO法人地球の木 下田寛典氏の講話

下田氏の講演全国では約4万のNPOがあるとされる。地球の木は国際協力、開発教育をしている。日本のNGOでは、最近では、学生NGOも出てきている。日本からはカンボジアに関わる団体が多いようだ。

地球の木は1991年に設立。母体は生活協同組合。生産者と消費者がお互いに支えあう運動をしていた。アフリカでの飢餓を目の前に生協が何ができるか、飢餓対策として1食500円分として寄付を集め支援することから始まった。

NGOとNPOの違いについて。NGOは民間の国際協力団体であり、国の機関ではない。NPOは営利を目的としていない法人格のある団体で、収益は上げてよいが、それを会員に分配せず、活動資金に充てる。政府の支援は、国から国への要請に基づき行うが、NGOの支援は人から人への支援となることが多い。

地球の木の活動プログラムは、1.自立支援、2.緊急支援、3.交易事業、4.社会教育事業、5.広報・政策提言があり、このうち1と2は海外での活動である。

自立支援プログラムはアジアでの生活基盤の確立を支援している。NGOの支援では、直接実施型とパートナーシップ型がある。直接実施型は自ら現地に赴き、現地事務所を構えて、支援を行うやり方。パートナーシップ型は海外事務所やスタッフを置かずに、現地のパートナーを見つけて活動するやり方。地球の木はパートナーシップ型で活動している。

ネパールのSAGUNというNGOと共同で事業を実施している。地球の木はネパールで、教育支援に取り組んでいる。ネパールでは女子が教育を受ける機会が少ない。女子学生への奨学金支援のほかに、識字率を向上させるために、図書館を充実させる活動をしている。それとともにネパールの状況を日本で広報している。

ラオスでは、日本のNPOで直接実施型で行っている団体および当該地域の県と共同で支援している。ラオスの場合は必ず行政と契約して活動しなくてはならない。海外での活動の前提条件は、行政と契約を結ぶ場合や、必ずしもその必要がない場合など様々だ。ラオスでは農村の住民を対象に生活改善の活動を行っている。

カンボジアではDV・レイプ被害女性の支援を現地NGOと連携して活動している。心のサポート、訴訟のサポート、シェルターの運営、職業訓練を行っている。

これらの支援では、プログラム終了の見極めが重要である。支援を終了しても、交易事業でつながりを続ける例もある。カンボジアのクメールシルクプログラムでは、現地の伝統的な織物技術、染色技術を支援してきた。安くできる機械織や化学染料に押されて伝統技術が廃れていくところだったが、現地の人にとって、伝統を継承したいとの思いを受け、より現代的なデザインの紹介や自然染色でも発色の良いものを作り出せるよう支援した。このプログラムでできたスカーフやポーチを買い取り、日本国内で販売している。フェアトレード活動である。お金の切れ目が活動の切れ目にならないよう、その後をどうつないでいくかを考えたとき、一つの方法として交易事業がある。

2015年4月にネパール大地震があり、被災地の復興支援をしている。ネパールでは、去年できた図書室が被害にあってしまい、修理が必要な状況。第一次支援では、家が倒壊した住民に、テントの屋根材として使える防水シートを送った。

社会教育事業では、開発教育教材の開発を行っている。ゲームやお芝居を通じて現地の問題を身近に考えられる教材を作り、小中学校で開発教育教材を使った授業を行っている。

広報では、90年代は紙媒体中心だったが、今はSNSにも力を入れている。SNSの広報は学生が上手。提言活動も行っている。

自分がかつて所属していた国際協力NGO・日本国際ボランティアセンター(JVC)は1980年に誕生した。そのころは日本の一般的な社会の風潮として、いわゆる80年代バブルの時期で、企業でバリバリ働いて儲けるというのが主流で、NGOは社会から外れたアウトローとみられていた。阪神淡路大震災をきっかけにNPO法が成立し、その頃からNPOを職業とする人が増えてきた。ここ最近は専門化してきている。従事者の半分が大卒、2割が院卒という調査もある。

NGOに企業と同様の研修制度はほとんどない。NGOに対する研修をしているNGOもあるが、ゼロから教えて人材育成をしていくというよりも、活動する場を与えるから勝手に育ってね、という雰囲気はある。給与水準は、それほど高いわけではないし、年金や退職金制度があるところはほとんどない。NGOを辞めていくきっかけは結婚と出産が傾向として多い。最近では退職後に第二の職業として関わるやや高齢の方の参加が目立つようになってきた。NPO、NGOを動かしているのは、20、30歳代が主体で、40歳代で若干少なくなり、50歳代後半(退職者)でまた増えるという印象である。

NPO、NGO活動で求められるスキルでは、体力、忍耐力が必要である。海外とのつきあいは、思うようにいかないことが多い。海外の人を相手に、どうして計画通りにいかないのか把握していくためには、語学力よりコミュニケーション力が大事で、考えていることは身ぶり手ぶりでも伝えられる。国内の会員に対しても、計画通りいかなかったことをきちんと説得できることが必要になる。コミュニケーション力は、企業に就職して、海外プロジェクトに取り組む時にも同じように必要である。

NPOに就職して給与が低いことをどうとらえるか。個人的な見解としては、仕事とプライベートをきっちり分けて、仕事もプライベートも充実させたいという人にはNGOは向いていないように思う。プライベートを充実させられるための原資=給与は企業のそれより低いからだ。自分の暮らしを含めて、国際協力の延長と捉えられる人には相性が良い。食べ物の選び方も国際協力につながる。NPO、NGOの活動理念と自分の考えが合っているか。NGO活動は、ボランティアを受け入れていることが多く、ボランティアとして、いつでも関われる。最初はボランティアをして、活動の理念や内容が自分に相性が良いかを考えてほしい。


アンケートから

NPOで働くことのやりがいが感じられました。かにゃお先生、ゲストスピーカーの方の生の話が聞けて団体のことや活動内容を聞くことができ知識が深まりました。

国際協力に興味がありますが、自分に向いているのが不安な気持ちもあります。ですが、様々なボランティアもあることを知ったので、参加してみたいと思いました。

NPOの活動等のことを分かりやすく説明していただいたので、NPOのことをもっと知ってみたいと思いました。