かながわ協働推進協議会条例検討部会(第2回)審議結果

掲載日:2018年4月17日

かながわ協働推進協議会条例検討部会(第2回)審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

かながわ協働推進協議会「ボランタリー団体等と県との協働の推進に関する条例」見直し検討部会(第2回)

開催日時

平成27年2月24日(火曜)10時から11時30分

開催場所

かながわ県民センター12階第1会議室

出席者【会長・副会長等】

東樹康雅(認定NPO法人市民セクターよこはま(横浜市にしく市民活動支援センター長))、原美紀(NPO法人びーのびーの事務局長)、藤澤浩子(NPO法人よこすかパートナーシップサポーターズ代表理事)【部会長】、高橋元央(神奈川県社会福祉協議会地域福祉推進部課長)、中島智人(産業能率大学経営学部准教授)【副部会長】

 

次回開催予定日

平成27年5月頃

所属名、担当者名

NPO協働推進課、担当者名宗像、堤

 

審議(会議)経過

1開会

【かながわ協働推進協議会条例検討部会(第2回)の開会を宣言】

2議事

【(1)ボランタリー団体等と県との協働の状況について】

(部会長)

事務局から説明をお願いします。

<事務局より説明(資料1、2)>

(部会長)

資料2で3事業を抜粋していますが、協働事業負担金の事業終了後の事例は、実際どのくらいありますか。それほど多くないと思いますが。

(事務局)

引き続き県と協働して事業を行っているものを抜粋しています。

(部会長)

全てが引き続いて事業をやっているわけではないのですね。引き続き県と事業を行っている件数は、全部でどのくらいですか。

(事務局)

今手元にデータがないです。

(部会長)

何か特別な事情でこの3事業を抜粋されたのかと思いましたが、そういうわけではないのですか。

(事務局)

特徴的な事業で、お示しするのにわかりやすいという意味です。

(委員)

特徴的というのは、この3事例以外にも、実際協働にはなっていないけど、自主的に継続している事業もあるのですか。

(事務局)

色々なケースがあります。団体が自主的に事業を継続している場合や、事業自体が終了しているケースもあるようです。

(委員)

この3事業が継続するプロセスには何かあったのですか。

(事務局)

やはり継続するために、一番の課題は資金の問題です。寄付金が多い団体もありますが、県側と予算化できないかなど、色々交渉をされたということも聞いています。県も財政的に厳しい中で、新規の予算取りは難しいので、既存の県が持っている予算の中の一部を、この事業に充てるという形で事業継続ができています。

(部会長)

おそらく資料1の総括表に含まれている協働事業の中でも、元々は協働事業負担金の事業が、形を変えて含まれているケースもあろうかと思います。

【(2)論点の検討状況について】

(部会長)

事務局から説明をお願いします。

<事務局より説明(資料3)>

(部会長)

事務局から説明がありましたが、何かご意見ありますか。

(委員)

資料の補足ですが、参考資料1の中で、横浜市の市民協働条例の話が出ています。私の認識では、横浜市のアプローチと県のアプローチは、全く考え方自体が異なっていて、横浜市は事業がベースです。事業をベースにしているので企業も入ります。その事業自体が、公共性、公益性が担保されているのかが重視されます。県の場合は、予めボランタリー団体のところで、団体の適格性を限定して、その団体の適格性を満たせば、基本的には事業自体も公共性、公益性が推定される基本的な考え方になっているのではないかと思います。また、藤沢市も出てきますが、藤沢市は公益的市民活動助成事業というものがあり、対象を去年から拡大しました。考え方は県と一緒で、団体の適格性が先にきて、個別の申請事業を審査する形です。それを前提に、参考資料2の法人の話ですが、藤沢市が対象を広げたのは、一般社団・財団法人と公益社団・財団法人ですが、一般法人は税制上の類型で3つに分けられます。そのうち法人税法第2条第9号の2に規定された非営利型法人に、特に社団法人の場合は、定款上に会員に利益を分配する旨の規定を書くことは、そもそも禁止されていますが、最後解散するときに、総会の決議で分配できてしまいます。これは元々中間法人がこの中に含まれていたという歴史的な背景がありますが、残余財産が出た場合は、同一の団体に振り替えます。最終的に、利益分配をしないという非営利が徹底された法人と、非営利型法人の一種で共益型の法人に限って、適格にしようとしています。一般法人の中でも、税制上の規定により非営利性が担保されている非営利型法人です。税制上の優遇処置に関しても、NPO法人は認定を取っていなくても、収益事業は軽減税率ですし、ほとんどの自治体が法人住民税の均等割を免除しているので、そこが実質的には大きな違いかと思います。最初に戻ると、県がどうするかはこれからの議論ですが、そういった考え方の違いで色々な対応がありえます。横浜市の場合は企業も入って、事業自体を見るということになります。

(部会長)

今のお話の中で、事務局で今後できれば整理をして、資料の追加をお願いしたいのですが、他の自治体の条例を整理されていますが、条例は目的の条項があると思いますので、条例制定の目的が異なることがありますし、明記されていなくてもそこから読み取れる条例の効力があるわけですから、そこを出していただくといいかなと思います。もう一点は、参考資料2ですが、今税法上の規定についてのご説明がありましたが、一般財団法人でも非営利型は存在しますか。

(委員)

もちろんです。ただ、一般財団法人の場合は、会員という概念がありません。

(部会長)

税法上の規定が、一般社団・財団法人を対象にしていると解釈できますか。

(委員)

一般財団法人に関して、分配に関してはそもそもそういった概念がないです。ただ、税法上は区別されていないはずです。

(部会長)

そこは解釈が難しいです。

(委員)

ただ一般法人自体は、そもそも定款に、利害関係者に利益を分配する規定自体が無効ですし、一般社団法人と一般財団法人で法律が分かれているわけではないです。

(部会長)

税制上の優遇処置の部分が、一般社団、財団法人のところは「無」となっていますが、実際のところは3区分あって、「無」ではない部分があると捉えればよいということでしょうか。その辺を踏まえず議論することは難しいかと思いますので、明確にお示しいただくといいかなと思います。

(委員)

税法上の取扱いは、一般社団法人も一般財団法人も同じで、違いがあるのは非営利型かどうかです。非営利型は、基本的にはNPO法人と同様に収益事業課税です。非営利型ではない法人は、全収入課税です。

(部会長)

税制上の優遇処置が単純に「無」ではないということですね。

(委員)

寄付税制と法人税制を分けて記載するとわかりやすいかもしれないです。法人税制の部分は、優遇処置とまで言えるのかわかりませんが。

(部会長)

色々な税法があるので、どこまで細かく示すのかわかりませんが、細かい部分も整理されるとよいのではないでしょうか。

(委員)

考え方の筋道としては、税制上の取扱いにあるように、非営利性が徹底されている一般法人もありますという、それだけです。

(部会長)

この一覧表に示されているのは、設立手続きに関してですが、主務官庁制ではないものですね。

(委員)

主務官庁制はもう存在しないです。

(部会長)

もう無くなりました。ただ、その他の法人として社会福祉法人などの場合は、都道府県、市町村で、こちらに示されているのは、そうではないものです。その辺も踏まえて考えた方がよいです。資料1の一覧には、その他の法人類型も含まれているので、協働型社会を目指すことを目的とする条例ならば、協働がたくさん行われる社会という意味では、あらゆる組織との協働を考えるという可能性もあろうかと思います。

(委員)

資料3の条例制定の趣旨のところですが、条例の目的の文言としてはとてもよくわかりますが、横浜市などは一般社団法人や企業を対象として、事業重視型で進めようとしているのに対して、県のこの条例は、協働事業負担金事業の対象となる前提となる考え方ということなのか、それとは切り離したものなのか、もう一度確認したいです。

(事務局)

当然大きく関係してくるものと考えています。県のボランタリー活動推進施策は、そもそも阪神・淡路大震災から発していて、市民の自主的な、非営利の活動を促進、支援することにすごく重点があります。その延長で、協働を進めていくという流れの中でできたのがこの条例です。先ほどの事業のみに着目した条例とは、一線を画すものかと思います。

(委員)

条例名称の「ボランタリー団体等」の定義はあるのですか。

(事務局)

条例第2条第2項に規定があります。

(委員)

これは県が定めた定義ですよね。一般的な定義はあるのでしょうか。

(委員)

藤沢市も以前は、ボランタリー団体という言い方こそしていませんが、法人にあっては特定非営利活動法人、もしくは任意団体としていました。横須賀市も同じだったと思います。先ほど事務局からもありましたが、市民の発意による法人は、実質NPO法人だけでした。非営利や公益というと、かつての民法上の公益法人も、確かに非営利ですし、学校法人、宗教法人もみんな公益法人ですが、ただ一般の市民がそれを立ち上げて、活動するかというと、それは実質無理だったので、どこの自治体でも特定非営利活動法人を特に振興しようという意識が強かったと思います。横須賀市も議論していますが、まだ特定非営利活動法人が対象で、色々規定などを見てもリニューアルされていないと思いますが、一般法人は歴史的な経緯や、他の仕組みで支援されているだろうから、この条例の対象にはしないと書いてあります。それは対象にするかしないかの問題であって、趣旨としては市民の自発的な活動を、自治体として応援しようとして、その受け皿は何かという、二段階のロジックになっていると私は理解しています。

(部会長)

条例の名称は、議論の末に決まるものですし、議会の審議の中で変わってくることもあります。その自治体で条例を定めているときには、そもそもどういうものを定めようとしたのかが大切で、横須賀市の場合は、市民活動促進条例という名称で検討が始まって、色々な事情があって市民協働推進条例に名称が変わりました。県は自発的な市民の活動を支援することが、大きな目的としてあって、協働もその一環ということでしたが、ボランタリー団体という名前が少し特殊というか、私がこの条例の検討に関わったときにお聞きした話ですと、ボランタリー団体を用いているのは、神奈川県と兵庫県のみということでした。自主的な活動というご発言がありましたが、自発性を重視した考え方なのかなと思います。神奈川県や兵庫県がボランタリー団体という用語で条例を作った時代から、だいぶ時が経ちまして、特定非営利活動法人もできましたし、公益法人改革もあったという状況ですので、ここで深く対象について議論することも意味のあることかと思われます。

(委員)

ボランタリー団体という言い方は、イギリス的な言い方です。イギリスを研究した人が関わっていたのではないでしょうか。イギリスは基本的にボランタリー団体と言います。

(部会長)

ボランタリーアソシエーションという言い方ですか。

(委員)

アソシエーションだと社団になるので使わないです。1970年代後半に、ボランタリーセクター、ボランタリーオーガニゼーションという言い方になりました。元々ボランタリーアクションというのは、ずっと昔からあるので、たぶんそのボランタリーを使ったと聞いています。日本的に言うと、自主的、自発的な活動という含意があると理解しています。非営利とはちょっと違います。

(部会長)

日本では、ボランティア活動という言い方が一般的にされてきて、そのボランティア活動をより組織的に洗練させるというイメージがあったのかと思いますが、ボランティアというと一方で無償性が非常に強調されましたので、同じ言葉を使わなかったのかなと解釈できます。この条例を作ったときには、神奈川県が伝統的に用いてきた言葉なので、ボランタリー団体という言葉を使おうと、当時はなりました。

(委員)

それは神奈川県がきちんと定義していれば、誤解を生む言葉でもないので、それはそれでいいと思います。

(委員)

資料1で協働の一覧を出していただいていて、一般社団法人が何件か入っているというご報告がありましたが、現状の条例の中で一般社団法人と県が協働することに、何らかのハードルや齟齬があったり、この条例で規定されていないから難しいという話は、先ほどの報告から考えるとあまりないという理解でいいですか。それとも現場レベルで、例えばNPOならできたのにといった話が、事務局に入っていたりするのでしょうか。

(事務局)

すでにかながわ県民活動サポートセンターでも、一般社団法人と協定を結んで協働事業をやっている事例もありますし、特段それで支障があるわけではないです。支障があるとすれば、県側はなるべく協働事業の数を増やしたいという意図がありますが、一般社団法人との協働は件数にカウントできないという、テクニカルな面だけです。

(部会長)

自発的な活動を応援したいという趣旨から、社団法人は含めていなかったというだけのことですよね。

(委員)

実質的に一番影響があるのは、基金21という気がします。入口の段階から適格性がないので。

(部会長)

任意団体を作る手もあります。

(委員)

任意団体だと、非営利性を担保しきれていないところもたくさんあります。任意団体は、市民の自発的な活動なので、それを当然の如く受け止めていますが、規定などが全くなかったり、あとは明確に分配する規定が書かれていたりしますが、それは任意団体なので適格性はあります。任意団体を排除する必要はないと思いますが、一般法人と特定非営利活動法人の違いをどのくらい認識するかだと思います。基本的に私はないと思っています。立ち上げる人の選択であり、活動に差はないと思います。

(委員)

横浜で法人設立の相談をずっと受けてきましたが、NPO法人になりたいと言ってくる方もいますが、事業のやり方としてどういった形態がいいのかといったときに、合同会社などを薦める場合もありますし、株式会社が適しているのではないでしょうか、とご提案する場合もあります。先ほど市民の自主的、自発的な活動でやることを考えたときに、法人形態として一般社団法人もそれほど問題はないように思います。対象として、法人格を持たない団体と個人が含まれていることからすれば、どういう人が関わるかわからないですし、税制上は任意団体であっても、人格なき社団として収益事業を行っていれば法人税を払わなければいけませんし、そこはNPO法人も一緒です。

(委員)

私の周りでも、法人格に関してはバリアフリーになってきていると感じています。普通のサークルだった方たちも、改革後は割とフリーに社団、財団という選択肢は入ってきているので、これだけ改革論議が進んできているので、名称ではボランティア=無償性のイメージがどうしても日本ではある中で、その解釈をどう広げていくかは、抵抗がある人はいるかもしれませんが、しっかり定義をして、適格性をしっかり見てくれるところがあって、審査のとき、どこが任意団体との齟齬があるとか現実の運用上あれば、ここはせっかくの見直しですし、幅広く解釈を取っていくのも、実態に合っていく気はします。

(委員)

基本理念にも含まれていますが、協働の定義の中でもう少しきちんと自主性といったことを明記してもいいのではないかと思います。それにあたっては、目的をきちんと共有することも必要です。もう一点は、今「協力すること」となっていますが、もう一歩踏み込んで、アクションを促すようなところまで記載してもいいのではないかと考えています。

(部会長)

この条例の名称があまりにもはっきりと限定的になっていますので、これを神奈川県協働推進条例などとして、対象をもう少し幅広くする考え方もなくはないのかなと思います。

(委員)

私はそれに関しては、ボランタリーと入っていた方がいいと思います。入れないと横浜市型になると思います。たぶん神奈川県はスタート時点から横浜市型ではないと思います。横浜市型が悪いわけではないですが、神奈川県の条例制定の歴史的経緯から考えると、ある特定の団体を特別に支援するというスタンスは、まだあってもいいかなという気もします。

(部会長)

そうすると「ボランタリー団体等」の「等」の定義を変えるというご意見につながりますね。

(委員)

具体的には第2条のところですね。

(部会長)

一般社団、財団法人、公益社団、財団法人すべてを含むという考え方もあります。ここがこうなっている団体という定義の仕方よりはいいかと思います。私が気になっているのは、公開性の問題で、藤沢市の条例で「公開性を有し」と協働の相手方に関して書かれていますが、この公開性というのは、藤沢市の条例の場合はどのように担保しているのでしょうか。情報公開に関する規定が、一般社団、財団法人の場合は、社員及び債権者に限定されているように書かれており、公開性はあまり高くないと捉えられるわけですが、藤沢市の場合はどうなっているのでしょうか。

(事務局)

藤沢市の条例では、第9条第2項で、「あらかじめ市長に規則で定める書類を添えて申請し、その登録を受けなければならない」、また第10条で、「提出があった書類又はその写しを一般に公開するものとする」と規定しています。

(委員)

今まで任意団体の方々に関しては、県としてどのように情報公開をしていたのですか。規約などを作っている団体が応募してくるとは思いますが。

(委員)

基金21の実際の審査の場合は、定款は見ています。あと、予算は非常に限られた情報しか見ていないです。見ているのは、事業自体の予算しか見ていないです。

(委員)

任意団体も負担金の実績はあるのですか。

(委員)

もちろんあります。

(事務局)

任意団体の例はあります。

(部会長)

対象になったところは、条例の規定によって公開性を担保することは十分可能かなと思います。

(委員)

先ほどの一般社団、財団法人を作ってもいいというような動きがあるという話は、NPO法人ではなくなぜそちらを選択するのか、まだ理解できていなくて、メリットや違いはあるのでしょうか。NPO法人を作るよりも、一般社団法人を作った方がやりやすいなどあるのでしょうか。

(委員)

私が受けた相談の中で一番多かったのは、スピーディに作れることが一番大きなメリットです。特に被災地の復興支援では、現地でもそうですし、こちらでも法人化することによって助成金の申請ができることもあるので、その辺でのメリットが一番大きいです。

(部会長)

毎年の報告義務は、税務等は必要ですが、事業報告をする相手先がないですね。

(委員)

表にはありませんが、NPO法人の場合、社員は10名ですが、一般社団法人は2名です。理事会も必置ではないです。

(委員)

非営利型の場合は必置ですよね。

(委員)

あとは事業活動の面での制約の有無もあります。

(委員)

県のアドバイザリー活動で行かせて頂いた団体の方は、起業化も視野に考えていて、NPO法人よりは財団法人などが選択肢として上がっていたので、割とバリアフリーなのは、地元の区で見られることもありました。ボランタリーという意味合いを、やはり自発性にすごく重きを置いた解釈にして、県の条例について私の願いは、そこはすごく大事にしてほしいという思いがあるので、名称をどうするかの議論、定義づけはとても大変だと思うので、そこに重きを置いた条例で、定義は広く適格性と公開性のところを担保していくのがいいと思いました。

(部会長)

主に協働の相手方に関して、制定の趣旨の辺りの議論でしたが、協働や協働事業の考え方の部分はどうでしょうか。協働事業に関する規定が厳しいために、カウントが上がらないといったご苦労があるようですので、規定の仕方に関しても一度検討する方がよいか考えているところです。

(委員)

基金21の話ですが、基金が終わった後、継続している事業の話がありましたが、基金21の考え方自体が、必ずしも県と協働を継続する考え方ではないです。5年間のうちに、事業を自立させることも目的なので、もしかしたら他の資金を得て継続することもあります。基金21自体は県との協働ですが、そのスタイルを継続するのは、思っているほど強くないと私は思っています。その間に団体の体力を付けたり、他の支援者を得たり、事業に対する理解を得たり、場合によっては市町村の協働につなげることもあります。例えば病院の通訳は、病院の方が負担する形で継続されているはずです。それは事業を行う中で、多言語の通訳の必要性を病院なり、社会的な認識を得た上で、広げています。協働を考えたときに、新しいサービスを作って、それを県の施策として進めていく面ももちろんあると思いますが、協働の中身自体が、その事業の運営を通して、そのサービスを必要としている人たちのサービスを何らかの形で作る、そういった面もあります。一回協働すると、ずっとそのサービスが公的な資金で継続されるのは、前提ではないという意味です。もっと協働の意味、例えば相手に対するエンパワメントであったり、協働の相手方に対する力量形成であったり、そういったものも県の持っている非常に重要なパワーであるという認識で基金21はやっているので、協働が実質的には支援という意味もあるかなと思っています。それは5年経って、当時のことを考えても、さらに県民、市民自体の自発的、自立的な活動がより求められるような社会的な環境であると思っています。趣旨としては、もうちょっと広いのかなと思います。事業をすることは、すごいエンパワメントに役立ちます。昔の小さな政府を志向していたときのように、行政や公的機関をスリム化するために、サービスを提供する人たちをたくさん増やすという考え方は、ちょっと違います。

(部会長)

この条例も、そもそも行政サービスを縮小するためではなくて、協働型社会の構築に資するようにするのが趣旨として書かれています。ただ協働型社会については特に書き込みはありません。

(委員)

ただ、5年間の中で、行政が縮減せざるを得ない状況になっています。

(部会長)

それはこの条例の目的ではないですよね。

(委員)

スリム化で、体のいい下請けで民に委ねることで、官の役割を少しずつ剥がしていくという捉え方と、逆に協働事業をすることで新たな仕事を作ってしまうというか、それで肥大化してしまうということですか。

(委員)

全く逆です。下手をすると協働が、行政では違う意味で使われてしまいます。現実的に県民のニーズを全て公的なサービスで賄うことは絶対無理です。この条例とは関係なく、昔は市民がこういうサービスが必要だと要求して、その運動のゴールは、それを公共サービスにすることだとよく言われました。それは行政が受け止められないので幻想です。だったら協働はどういうことかというと、公共サービスを一緒にやるのは非常にいいことですが、それは公費で県が受け取るのではなく、協働しながらそれを市民のサービスとして市民が作っていく、そういう自発性のある人たちを応援するという意味です。だから肥大化はしないと思います。そうしないと、団体は全然自立化しないです。

(委員)

横浜だと市民がとても元気で、あれもこれも地域の課題だとたくさん見つけてきてしまって、それをどんどん提案していきます。そうすると、本来このサービスでやっていたものが、どんどん行政の仕事が増えていってしまうイメージを持たれることがあります。逆に行政側から、これは市民の側でと言ってもらう方が、市民側は「任せて」とできますが、そこは民側とズレがあります。ほんとはそれがマッチングできて、そもそもは市民自治の精神を大事にすれば、地域で市民がやりぬく、活力ある地域が大事ですが、行政は協働事業をやりたいという案件が出てくると、新たに仕事を作るというか、予算がない中で、新規のものはできませんという印象を受けることもあります。

(委員)

この条例で、すごく難しい協働の中身は、結局足りないのが前提とすると、それをどう分配するのかに、ほんとは踏み込まないといけないです。介護は今後地域が担い手になりますが、そうすると、必要なサービスと、必要な原資を比べた場合、絶対原資の方が少ないです。どれを優先してサービスを作って提供するのか、誰かが決めて、しかもその決めた内容で納得しないといけないわけです。誰かが決めたことを押し付けられたら、納得はしないです。決めるところ自体も、決めることから協働していかないといけないです。

(部会長)

地域課題の解決といったときは、地縁組織、地域福祉組織などがやはり今後対象として、検討され得るのではないでしょうか。

(委員)

県の役割として、どこに焦点を当てるかもあって、それもこの条例とは別にずっと議論していかなくてはいけないと思います。

(部会長)

私の感覚では、県域というと、凝縮された最先端の問題が出てくる位置になるのかなと思っているので、もう少し県としての特性を生かしたものにしてもいいのかなと考えています。県が各地域の課題全部にまで目を配って、様々なことを条例で決めるのも、今日的ではないという気もします。

(委員)

今のことは条例には特に書いていないのですか。

(部会長)

書いていないです。目的のところで、もう少し精神を明らかにしてもよいとも思いますし、書かなくても解釈の部分で、神奈川県のスタンスを逐条解説でも書かれて、庁内で普及していただくとか、そういったこともあり得るかなと思います。

(委員)

市町村とは、自治会、隣近所とは違う、県ならではの役割があるというスタンスですね。

(委員)

都道府県レベルの行政が何を担うかという問題です。

(部会長)

それに関しては、もしもこの方向でということであれば、基金21の事例など、実績として示せるものがたくさんあるのかなと思います。これは神奈川県ならではの実績だと思います。県で協働推進条例を定めている上で、特に県としての特徴を明らかにするというのも、一つの方法ではないかと思います。

(委員)

「地域の課題」と書いてあることについては、県としてはオーソライズした、市町村を包括した最先端の課題が上がってくる意味だとすると、基金21の団体などを見ていると、それが地域の課題になっていないから課題だと思っている団体も多いのかなと思っていて、子育てについては社会化することや、当法人の生まれてきた経緯もそうですが、子育て支援は、まだ15年前はそれほど問題ではなかったです。でも当事者はとても問題に感じていて、協働することで課題意識が社会にどんどん芽生えてきたところもあるので、まずは小さな当事者課題も大事にした方がいいのかなと思います。当事者は地域の理解が得られないから苦しいのであって、それを地域課題までにするのはとても力技がいります。そこを後押しするのも県ならではの役割なのかと思います。加えて、今までの流れからすると、「県の責務」については、強い言葉ですが、書いてあれば民側はとてもうれしいですが、先ほどのお金の話もくると、「役割」でもいいとも思いますし、あまり公的資金をずっと付けるのもどうかという気もします。

(委員)

私の所属する県の社会福祉協議会でも、市町村社会福祉協議会があるので、そことの役割分担をどうするか、同じことを議論します。例えば医療通訳ボランティアとか精神保健ボランティアなど、市町村社協では、まだ課題としてとらえていない分野に焦点をあててきました。最近ではセルフヘルプグループという言い方で、例えばアルコール依存やギャンブル依存から立ち直ろうとする方々が、自主的にグループを作って自ら相談できるような相談室を作っています。まさにマージナルというか、市町村レベルではやりづらい、数がいない、排除されがちであるといったところに、県全体を所管する社協としては、注目すべきと考えてやってきていることがあります。

(委員)

たぶんそれの延長線上だと思いますが、ある地域で顕在化して、誰か気がついて、支援をして、それはきっと他の地域でも同じような課題があるので、それを他の地域に伝えるような中間支援的な活動を県がするのか、もしくはその中間支援的な活動を県が支援するのか、いずれにしろ県にしかできないです。県民という意味では、どこの市町村に住んでいても、ある程度同じようなサービスを受けられるのは理想かもしれませんが、少なくともそういったメカニズムはあります。

(部会長)

条例の第8条にある、協働の状況等の公表というのは、どんな形で今行われていますか。

(事務局)

資料1が協働の一覧で、あとは参考資料3が第6条、第7条に紐付いた県の施策の一覧になっており、いずれもホームページで公表しています。

(部会長)

今日の論点には含まれていませんが、県の役割をどう捉えるかという議論では、県が協働を推進していくためにどのようなことをしていくかは、条例の後半の方に施策をどのようにするのか、どのように推進していくかが問題になってくるところです。ここの中身が現状どのように行われていて、今後どのようにしていけばよいのかも、今後議論できるといいかなと思います。条例が定められて以降、当然これに則った展開があるはずなので、その進捗状況は、本来は条例検討の場や、協働推進協議会の場で議論すべきことだと思いますので、特にこの機会に一度総ざらいしてみて、有効な条項であるのか、あるいは不要なのか検討も必要かなと思います。実際問題として、神奈川県として、何から何まで規定するのもいいかもしれませんが、県の立場で重点化したものを定める方が、建設的な面もあるかもしれませんので、今後検討が必要かと思います。

(委員)

ここの論点と直接関係ないかもしれませんが、今まで協働事業に携わったいくつかのつながりのある団体からヒアリングをさせていただきました。そこで改めて感じたのは協働するにあたって、県と団体側をうまくつなぐような、コーディネートがすごく重要だということです。どうしてもお互いの言葉の使い方が違ったり、役割が不明確であったりと、齟齬が出てきてしまって、なかなかうまく話し合いができなかったこともあったようなので、通訳とか翻訳機能を果たせる役割として、その辺をサポートセンターや担当課ではどのように行っていくのか、どういう存在が必要なのかも含めて、ここでの検討が必要ではないかと考えています。

(部会長)

基金21ではそのような議論も長年されて、若干それらしき仕組みも準備されたりしていると思いますので、次回でもケースのご報告をいただければと思います。

【(4)その他】

(部会長)

その他、皆様から何かございますか。

事務局から何かありますか。

(事務局)

本日はありがとうございました。部会での議論は、事務局でまとめさせていただき、3月20日の協議会本体で報告予定です。また基金21の合同会議でも報告するよう要請がありましたので、そちらでも同様に報告予定です。(以上)

 

会議資料

資料1 協働の取組み一覧[PDFファイル/557KB]

資料2 協働事業負担金の事業終了後の状況[PDFファイル/97KB]

資料3 論点の検討状況について[PDFファイル/207KB]

 

 

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