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更新日:2020年3月26日
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県西地区保健医療福祉推進会議地域医療構想調整部会の会議結果です。
次の会議を下記のとおり開催した。
審議会等名称 | 県西地区保健医療福祉推進会議 地域医療構想調整部会 |
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開催日時 | 平成28年6月17日(金曜日) 13時00分から14時30分 |
開催場所 |
小田原合同庁舎2E会議室 |
出席者 (◎は部会長) |
横田俊一郎 (小田原医師会会長) |
下欄に掲載するもの | 議事録 |
審議(会議)経過 |
1 開会 (事務局)(小田原保健福祉事務所) 定刻になりましたので、ただ今から県西地区保健医療福祉推進会議第5回地域医療構想調整部会を開催いたします。 はじめに県医療課高橋副課長から一言ご挨拶申し上げます。 (医療課高橋副課長) 神奈川県医療課副課長の高橋です。よろしくお願いします。 本来ならば4月に着任しました川名医療課長が出席するところですが、本日は県議会常任委員会最終日ということで申し訳ありませんが出席することができません。 さて、各地域の調整会議も5回目ということで、段々終わりに近づいてまいりました。 今回、これまでいただいたいろいろなご意見をできるだけ反映させた形で地域医療構想素案をとりまとめております。 貴重なご意見をいただきお礼を申し上げますとともに、本日は、特に県西地域におきます地域医療構想素案についてご意見をいただきたいと考えております。 これまでの1回から4回までの会議では、どの地域も必要病床数など数字のほうに議論が行ってしまいがちでしたが、この第5回では、医療提供体制のあり方についての意見交換という本来の形での議論になるとよいと考えております。 限られた時間ではありますが、本日はどうぞよろしくお願いします。 (事務局)(小田原保健福祉事務所) 本日ご出席いただいております委員につきましては、お手元の「委員名簿」「座席表」のとおりでございます。 本日は、今年度初めての調整部会となりますので、前回の会議から新たに就任されました委員の皆様をご紹介させていただきます。 委員名簿11番、東海大学医学部付属病院病院長の飯田委員でございますが、本日は、代理として、渡辺副院長にご出席いただいております。14番、小田原市立病院病院長の川口委員でございます。15番、小田原市理事・福祉健康部長兼福祉事務所長の日比谷委員でございます。17番、中井町健康課長の森委員でございます。20番、山北町保険健康課長の佐藤孝行委員でございます。24番、湯河原町保健センター所長の佐藤吉弘委員でございます。26番、小田原保健福祉事務所足柄上センター所長の北原委員でございます。今年度新たに就任いただいた委員の皆様は以上でございます。 なお、神奈川県看護協会小田原支部支部長の砂田委員、開成町保健福祉部長の田辺委員、真鶴町参事兼健康福祉課長の細田委員は都合により欠席です。 また、南足柄市福祉健康部長兼福祉事務所長前澤委員に代わり鈴木健康づくり課長に、健康保険組合連合会神奈川連合会副会長篠原委員に代わり富士フイルムグループ健康保険組合田中様にご出席いただいております。 配布資料につきましては、事前送付させていただいておりますが、次第に記載のとおりでございます。不足等ございましたらお気づきの時点でお知らせくださるようお願いいたします。 次に、会議の公開について確認させていただきます。 本日の会議につきましては公開とさせていただいており、開催予定を周知いたしましたところ、傍聴の方が3名お見えになっておりますので、傍聴を認め、入室を許可していただいてよろしいでしょうか。(了承) ありがとうございます。(傍聴者入室) また、本日の審議速報及び会議記録につきましては、これまでどおり、発言者の氏名を記載した上で公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。 それでは、ここからの進行につきましては、横田部会長にお願いいたします。 2 報告 (横田部会長) 部会長の横田です。 昨年の7月に地域医療構想調整部会を設置し、これまで4回会議を開いて参りました。その中で、県西地域の構想区域及び平成37年(2025年)の必要病床数について議論し、特に第3回と第4回では、この地域の人口や疾患の状況、医療に関するさまざまなデータをご覧いただきながら、県西地域の課題と施策の方向性について議論を進めてまいりました。 本日第5回の会議では、それらの議論を踏まえ、事務局で作成しました地域医療構想(素案)について議論を進めてまいります。 それでは、次第に基づき、議事を進めさせていただきます。 はじめに、報告事項の「第4回会議の概要」について事務局から報告をお願いします。 (事務局)(小田原保健福祉事務所) それでは、資料1に基づき第4回県西地区地域医療構想調整部会の概要を説明いたします。開催は平成28年3月15日、会議では、地域医療構想の骨子案及びデータを踏まえた地域の課題や施策の方向性等について議論いたしました。議題といたしましては(1)県西地域の構想区域及び平成37年(2025年)の必要病床数について、(2)神奈川県地域医療構想骨子(案)について、(3)県西地域の課題と施策の方向性についてでした。 主な意見ですが、項目ごとに整理しております。機能分化では、「急性期が減ることにより在宅医療に影響が出る心配があるほか、救急医療体制についても、急性期のベッドが減って患者の受入れを断らざるを得なくなることを心配している。」という意見がございました。関連して、「県西地域の慢性期を減らすこと、あるいは地域完結型にすることは、現在、県西地域で引き受けている他の地域で慢性期病床が増え、地域完結型に転換していくこととリンクしている。慢性期については、他地域との調整や整備状況を見据えながらゆっくり動かなければいけない。すぐさま減らすという訳にはいかないだろう。」「慢性期については、2025年の数字が本当に必要な病床数だとして話が進んでいくと、患者が療養病床に入りたくても入れず、在宅医療等に進んでいくという状況になりかねない。2025年までに地域包括ケア体制、かかりつけ医、在宅医療、在宅での看取りなどの人的な体制が本当に進んでいくのかどうか見極めていく必要がある。」「この調整部会で決まったことは、実はこの地域の住民に大きな影響を与える可能性がある。慢性期が減っていくことによって慢性期に入れない人が出現する可能性があり、それは自宅で介護するとか、自宅で亡くなるケースが増えてくるということになる。」といった意見や「高度急性期がもう少し機能分化をして高度急性期から急性期に、あるいは急性期から回復期に機能分化をさせていくことが、本当にこの地域の住民の理解を得られるかどうか。」といった懸念も示されました。病床機能報告関係では、「この地域は、回復期が非常に不足している、急性期が多い、慢性期が多いなど推計上はそうなるが、医療資源投入量、レセプト点数3,000点、600点などで区分し定めたものと、各医療機関が病床機能報告で自己申告しているものとはズレがある。」「急性期といいながら回復期の機能を持っている、慢性期といいながら回復期の機能も一部持っているので、病棟単位の報告となっている病床機能報告制度では、機能の分化が必ずしも表しきれていない。」といったご意見がありました。また、将来医療体制について記載のようなご意見もありました。裏面にまいりまして、構想区域内での自己完結については、「この地域では肺がんの人が45%しか構想区域内で診てもらっていない、あるいは、放射線治療なども2割3割といった状況がある。本当に二次保健医療圏内で完結しないといけないのかというのは問題点として残るかと思う。」との課題も出されました。そのほか、住民の意見が大変重要ですとか、訪問歯科や訪問薬剤指導、医療従事者の確保・養成に関しては特に看護職や医師に関する意見など、ご覧のような意見が出されております。 なお、参考資料1は県全体の第4回地域医療構想調整会議の開催概要をお示ししております。報告は以上でございます。 (横田部会長) ただ今の報告について、ご質問あるいはご意見がありましたらお願いします。(発言なし)
3 議題 (横田部会長) それでは議題(1)の「県西構想区域の将来の医療提供体制に関する構想(素案)」に進みたいと思います。はじめに事務局から説明をお願いします。 (事務局)(医療課) それでは医療課からはじめに資料2に基づき神奈川県全体の地域医療構想(素案)の説明をいたします。資料3に神奈川県地域医療構想(素案)がございますが、122ページに及ぶものですので、資料2で全体像を把握していただきたいと思い、こちらの概要版をメインに説明をいたします。 神奈川県の地域医療構想は4章立てで作成しております。第1章基本的事項でございます。策定趣旨でございますが、本県においては、全国平均を上回るスピードで高齢化が進展することが予測されており、医療・介護ニーズのさらなる増大が見込まれる。そのため、2025年に向け、地域の限られた資源を有効に活用し、効率的で 質の高い医療提供体制の整備、地域包括ケアシステムの構築、それらを支える人材の確保・養成を図ることを目的に、その取組みの方向性を示すため、地域医療構想を策定しているところでございます。策定根拠は記載のとおりでございます。記載事項は2つございまして、1つ目が構想区域ごとに厚生労働省令で定める計算式により算定された数値で、ア 病床の機能区分ごとの将来の病床数の必要量、イ 将来の居宅等における医療(在宅医療等)の必要量、2つ目が医療構想の達成に向けた病床の機能分化及び連携の推進に関する事項でございます。 対象期間でございますが、平成37年(2025年)までとなっております。次のページ、神奈川の将来めざすすがたということで、構想の基本方針をお示ししております。「誰もが元気でいきいきと暮らしながら、必要なときに身近な地域で質の高い医療・介護を安心して受けられる神奈川」ということで「効率的で質の高い医療提供体制の整備」「地域包括ケアシステムの構築」それらを「支える人材の確保・養成」、こうした3つに取組んでいくこととしております。また、神奈川県で取り組んでおります「最先端医療・最新技術の追求」「未病を改善する」取組みを通じて、「新たな社会システムの形成や健康寿命を延ばす取組み」によりまして、医療・介護ニーズの伸びの抑制も図っていくこととしております。 第2章神奈川県の将来の医療提供体制に関する構想でございます。まず、構想区域でございます。本県における構想区域は、以下の9区域としております。横浜を除く構想区域は、二次保健医療圏と一致、横浜は、将来的な患者受療動向や高齢者保健福祉圏域との整合等を踏まえて、3つの二次保健医療圏を合わせて1つの構想区域とするとしています。次が、神奈川県の現状・地域特性でございます。素案の中では、人口、医療資源等の状況、基本診療体制、一般病棟7:1及び10:1、回復期リハ病棟、療養病棟の医療提供状況、疾患別の医療提供状況、救急医療の状況、在宅医療の状況について記載をしているところでございます。その下、主な地域特性をピックアップしたものでございまして、いくつかご紹介させていただきますと、(1)人口は全国2位、老年人口の増加率は全国平均より高い、(2)人口10万人当たりの医療施設数、病床数、在宅医療・介護施設等の数は、概ね全国平均を下回っている、(3)人口10万人当たりの医療従事者数は、概ね全国平均を下回っており、地域差や診療科による偏在が見られる、等々、記載をしているところでございます。その下、病床機能報告制度に基づく病床機能別の病床数でございます。病床機能ごとの平成26年度、27年度の状況を併記しております。平成27年の報告率は96.0%で、集計データは、平成28年2月16日時点で、県からの依頼による医療機関の修正内容は含んでいないものでございます。主な留意事項でございますが、「病床機能の定量的な基準がない中で、各医療機関が自主的に報告した内容であること」「病棟単位での報告となっており、1つの病棟内で複数の機能を担っている場合には、主に担っている機能を1つ選択して報告していること」がございます。次のページでございますが、神奈川県の医療需要等の将来推計を記載しております。人口の将来推計、医療需要の将来推計、平成37年、2025年における患者の流出入の推計について記載をしておりまして、主な地域特性としましては、(1)人口は平成31年、2019年をピークに減少、(2)医療需要、推計患者数は増加、特に75歳以上の増加率が高い、(3)入院医療需要は、回復期、急性期、高度急性期、慢性期の順で増加、(4)主要な疾患、がん、急性心筋梗塞、脳卒中、肺炎、骨折の患者数は増加、(5)患者の流出入は、都道府県間では、県全体として流出超過であり、東京都への流出が多い。構想区域間では、横浜、川崎北部、湘南東部、県央は流出が多く、川崎南部、湘南西部、相模原は流入が多い。横須賀・三浦、県西は、流出入が同程度でございます。次のページは、平成37年、2025年の病床数の必要量、必要病床数でございます。入院医療需要の算出は、法令で定められた算出方法に従って算出しており、必要病床数の算出は、医療需要を記載の全国一律の病床稼働率で除して算出しております。主な留意事項でございますが、必要病床数は、医療法施行規則に基づき算出した、平成37年、2025年の医療需要の将来推計に基づく推計値であり、必ずしも交通網の発達、医療技術の進歩等将来における変動要素をすべて勘案して算出したものではないこと、必要病床数は、病床を整備する目標である基準病床数とは位置づけが異なることでございます。次のページ、算出した平成37年、2025年の入院医療需要及び必要病床数をまとめたものでございます。県全体といたしましては、1番上1番右でございますが、病床数換算いたしますと、72,362床と推計されています。県西地域につきましては表の1番下2,681床となっております。その下、平成37年、2025年の在宅医療等の必要量でございますが、まず、在宅医療等とは、「居宅、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設など、病院・診療所以外の療養を営む場所で受ける医療を指します。」ということで、必ずしも居宅に係る医療に限られていないということでございます。在宅医療等の医療需要の算出につきましても、法令で定められた算出方法に従って算出されており、次のページが在宅医療等の必要量でございます。主な留意事項でございますが、在宅医療等の必要量は、厚生労働省が定める計算式により算出した、平成37年、2025年の医療需要の将来推計に基づく推計値であり、必ずしも交通網の発達、医療技術の進歩等将来における変動要素をすべて勘案して算出したものではないこと、在宅医療等の必要量は、入院患者が一定数在宅医療等に移行することを前提に推計されており、療養病床の医療区分1の70%の患者数や一般病床の医療資源投入量175点未満の患者数が含まれていることに留意が必要でございます。算出された必要量は、県全体は1番左に、県西地域につきましては1番右に記載がございます。下段には在宅医療等のうち訪問診療分を記載してございます。次のページ、将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための課題でございます。課題としては3つあり、1つ目が将来において不足する病床機能の確保及び連携体制の構築、2つ目が地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の充実、3つ目が将来の医療提供体制を支える医療従事者の確保・養成でございます。 次のページからは将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための施策の方向性でございます。1つ目は、将来において不足する病床機能の確保及び連携体制の構築に向けた取組みでございまして、基本原則といたしまして、各医療機関の自主的な取組み及び地域医療構想調整会議を通じた地域の関係団体等による取組みを基本とします。1つ目が、病床機能の確保で、不足する病床機能への転換・整備の推進、病床機能の確保に伴い必要となる医療従事者の確保・養成、病床稼働率向上のための取組みの推進を掲げているところでございます。2つ目が病床機能等の連携体制構築で、地域の医療・介護の連携体制構築、主要な疾患等の医療提供体制の強化といった取組みを掲げているところでございます。3つ目が、県民の適切な医療機関の選択や受療の促進に向けた普及啓発でございます。次のページ、2 地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の充実に係る取組みでございますが、1つ目が、地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の基盤整備で、在宅医療の体制構築、在宅歯科医療における口腔ケア等の充実及び医科や介護との連携強化、薬剤師の医薬品等の適切な取扱いや在宅医療の知識向上、小児の在宅医療の連携体制構築、地域で支える認知症支援及び精神疾患ネットワークの構築をあげております。2つ目が、在宅医療を担う人材の確保・育成、3つ目が、県民に向けた在宅医療の普及・啓発及び患者・家族の負担軽減で、患者・家族が身近に相談できる「かかりつけ医」の普及啓発をあげているところでございます。次のページ、3 将来の医療提供体制を支える医療従事者の確保・養成に向けた取組みでございますが、1つ目が、医師、看護職員、歯科関連職種、薬剤師等の確保・養成で、県内勤務医師の確保と地域偏在や診療科偏在の解消に向けた取組み、勤務環境の改善と医師負担軽減の取組み、看護職員の養成確保や定着対策、再就業の促進をあげております。2つ目が、再掲で、病床機能の確保に伴い必要となる医療従事者の確保・養成、3つ目が、同じく再掲で、在宅医療を担う人材の確保・育成でございます。 第3章は各構想区域における将来の医療提供体制に関する構想で、横浜から県西までの9つの構想区域ごとに、(1)地域の現状・地域特性、医療提供状況等、(2)地域の医療需要等の将来推計、病床数の必要量、在宅医療等の必要量、(3)地域の課題及び施策の方向性について記載をしてまいります。 第4章は推進体制でございまして、推進体制につきましては、8つの地域に設置された地域医療構想調整会議、神奈川県保健医療計画推進会議、神奈川県医療審議会による進行管理を実施し、評価の実施につきましては、指標等を用いた評価を行ってまいります。 なお、参考資料2は地域医療構想調整会議における施策等に係る主な意見一覧を、参考資料3は構想策定スケジュールをそれぞれお示ししております。医療課からの説明は以上でございます。 (事務局)(小田原保健福祉事務所) 続きまして、小田原保健福祉事務所から県西構想区域の地域医療構想素案をご説明いたします。地域版は、1 現状・地域特性から、2 医療需要等の将来推計、3 将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための課題と、4 将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための施策の方向性の4つからなっております。そのうち、1と2は第3回、第4回の会議で議論いただいた内容ですので簡単に説明させていただきます。 1 現状・地域特性でございます。データ集のページ番号は、最後に医療課で冊子に組む際に入れます。(1)は県西地域の人口について、(2)医療資源等の状況、ア 医療施設の状況、イ 病床数の状況、ウ 在宅利用・介護施設の状況、エ 医療従事者の状況、オ 病院等の配置状況についてご覧のとおり記載してあります。(3)基本診療体制の医療提供状況、一般入院基本料、回復期リハビリテーション入院基本料、療養病棟入院基本料に分けて記載しています。(4)疾患別の医療提供状況については、がん、急性心筋梗塞、脳卒中、精神疾患について言及しています。(5)は救急医療の状況、(6)は在宅医療の状況でございます。 2 医療需要等の将来推計でございます。(1)人口の将来推計です。総人口は減少、75歳以上の人口は、増加してまいります。(2)医療需要の将来推計です。入院と在宅医療等の医療需要を下段から次ページにかけて疾患ごとの将来推計を記載しております。(3)2025年における患者の流出入の推計では、高度急性期、急性期については急性期で県外への流出入は静岡県が多く、県内では高度急性期、急性期とも湘南西部への流出が多い状況です。回復期は静岡県や湘南西部への流出が多く、一方、慢性期は静岡県や東京都からの流入があり、県内では湘南西部をはじめ、県内ほとんどの地域から流入がある状況です。(4)2025年の病床数の必要量でございます。県西地域合計で最下段右側2,681床と推計しています。前回の第4回会議以降、湘南西部地域で急性期について「医療機関所在地ベース」を選択したことにより、急性期病床888床が777床に、全体の2,792床が2,681床に変更になっております。併せて、概要版でもお示ししてあります「主な留意事項」を付記しております。次のページ、参考で病床機能報告制度に基づく報告状況、その下に基準病床数、既存病床数をお示ししてあります。(5)は2025年の在宅医療等の必要量です。こちらにも、概要版でもお示ししてあります「主な留意事項」を付記しております。2025年の在宅医療は5,541人、在宅医療等のうち訪問診療分は3,375人と推計しています。 続いて、3 将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための課題でございます。主に第3回、第4回での議論を踏まえてまとめております。また、構成は、他の構想区域と同様に県全体の様式、柱立てに合わせております。施策の方向性としては、県の施策の方向性と重なる部分が多いのですが、県西独自の記載部分にはアンダーラインを引いてあります。課題の1つ目は、将来において不足する病床機能の確保及び連携体制の構築です。医療資源を効率的・効果的に活用するために、医療機関、地域の関係団体、行政、県西地域住民が一体となって、病床機能の分化を進めていくことが必要です。そのため、県西地域では、今後必要となる地域包括ケア病棟など、回復期への機能転換を進める必要があり、併せて、これに携わる医療従事者等を確保・養成していくことが必要です。また、既存病床数が、将来の必要病床数を上回っていますが、県西地域における病床機能のあり方について、長期的な視野に立った検討が必要です。さらに、切れ目のない一連のサービスが適切に受けられるよう、病床機能の確保と併せて、異なる病床機能を持つ医療機関などの連携体制を構築することが必要です。今後、この会議において、情報を共有するとともに、地域住民へも分かりやすい情報提供を行うことが必要です。課題の2つ目は、地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の充実です。今後在宅医療等を必要とする患者数は、2025年には2013年と比較すると1.3倍に増加することが推計されており、在宅医療を支える体制が不十分、人材の不足も懸念されます。そのため、地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の充実に係る取組みが必要で、患者・家族に向けても、適切な情報提供が必要です。課題の3つ目は、将来の医療提供体制を支える医療従事者の確保・養成です。県西地域の医療従事者数は人口10万人対で概ね全国平均、県内平均を下回っており、不足する医療従事者の確保・養成に向けた取組みを行うほか、県西地域に勤務し、定着して、地域医療に貢献する医療従事者の確保・養成に取り組むことが必要です。また、医療従事者の確保・養成が必要です。併せて、医療従事者の負担軽減を図ることも必要です。(4)その他、県西地域の課題といたしまして、県西地域は、人口密度が低く、地勢的に広範囲の医療を担わなければならない地域があることから、医療資源の効率的な運用と連携が求められていること、また、分娩を取り扱う医療機関が限られている中、産科医療の充実が必要であること、地域住民の健康を守るためには、住民自身の健康意識の向上や疾病の早期発見、早期治療の徹底が必要であること、さらに、災害時の医療救護体制や衛生対策の整備・充実が必要であることが課題であると考えております。 次に、4 将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための施策の方向性でございます。ここでは、施策の方向性ということで具体的な施策は盛り込まず抽象的な記述にとどめており、今後方向性を踏まえて検討してまいります。(1)基本的な考え方ですが、これまでの4回の議論から、必要なときに誰もが身近な地域で質の高い医療・介護を安心して受けられる社会の実現を目指し、県西地域では、「地域の住民の医療は地域で診る」という「地域完結型医療」を目指していくことを1番にあげております。その他、未病の視点や地域住民の理解についてあげております。(2)将来において不足する病床機能の確保及び連携体制の構築に向けた取組みです。ア 病床機能の確保です。4回までの会議の中でも言及されましたが、急性期医療と在宅医療とが連携していくことが重要で、そのために、急性期医療が、救急医療体制を含めて十分機能し、在宅医療との一層の連携を推進していきます。県西地域で今後必要となる回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などの整備等に係る技術的・財政的な支援を行います。慢性期については、県西地域では流入超過であることから、流入元である構想区域の医療設備の整備状況や、流入の状況を踏まえた医療需要の変化も見通しつつ、慎重に議論を進めていきます。特に、「急性期でも回復期の機能を持っている、あるいは、慢性期でも回復期の機能も一部持っているなど、病棟単位の報告となっている病床機能報告制度では、機能の分化が必ずしも表しきれていないことに注意が必要です。」と会議での意見を踏まえ特記しております。イの病床機能等の連携体制構築では、地域の医療・介護の連携体制構築、そして、主要な疾患等の医療提供体制の強化について、また、ウでは適切な医療機関の選択や受療の促進に向けた普及啓発について記載しております。(3)地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の充実に係る取組みでございます。アとしまして、地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の基盤整備について、在宅医療の体制構築、在宅歯科医療、かかりつけ薬局、小児の在宅医療、認知症支援及び精神疾患ネットワークの構築について、記載しております。イでは在宅医療を担う人材の確保・育成について、ウでは、地域住民に向けた在宅医療の普及・啓発及び患者・家族の負担軽減の取組みについて、記載しております。(4)将来の医療提供体制を支える医療従事者の確保・養成に向けた取組みです。11ページでは特に看護職員や歯科関係職種、薬剤師について言及しています。(5)その他は、県西地域として特に取り組むべき施策の方向性を記載しています。小田原保健福祉事務所からの説明は以上でございます。 続きまして、参考資料4「慢性期医療を考えるための調査結果」につきまして、県医師会理事の増沢先生からご説明をいただけるとのことですので、よろしくお願いいたします。 (増沢委員) 県医師会の増沢です。貴重な時間をいただきありがとうございます。早速、参考資料4について説明をさせていただきます。地域医療構想の必要病床数については、医療区分1の70%が入院以外で対応可能、それと療養病床入院受療率の地域差を縮小するという2つの仮説に基づいております。しかしながら、ご存じのように、今後高齢化の進行に伴いさらに増加すると予想されており、高齢患者を本当に療養病床以外でケアできるかについては、これから慎重に考えていく必要があると思っております。そして医療従事者、介護従事者の確保の問題の考慮も大切な課題であります。それらが医療・介護全般の供給量に影響を及ぼすと考えております。神奈川県医師会で行いましたこの調査については、このような問題について検討するための基礎資料とする目的で、産業医科大学医学部の公衆衛生学教授、松田晋哉教授の了解のもとで、福岡県医師会が行った調査と同一の調査票を用いて行いました。調査は県内の医療機関を対象に、本年度2月に郵送による方法で行っております。調査は全施設を対象に、調査票1と調査票2の2つで行っておりますが、調査票1が地域包括ケア病床開設意思の有無、地域包括ケア病床設置の障害となる要因を聞いたもの、調査票2が療養病床を持つ施設を対象に入院患者の医療区分、退院可能性、傷病と医療行為の状況を聞いたものです。回答医療機関は47医療機関で、患者数として3,572症例から回答が得られました。ここでは、時間の関係で病床数の問題の結果についてだけ説明をさせていただきます。 1ページめくっていただいて、年齢構成が書いてあります。左側が医療区分1・2・3合計、右側が医療区分の1です。これをみるとわかるのですが、左側、医療区分1と2と3をすべて含めた年齢の中央値は男性が78歳、女性が84歳であります。それを右側の医療区分1に限定しますと、男性62歳、女性76歳であります。今回そこに記載させていただきました年齢は、0歳から100歳までのすべての年齢の平均値と中央値を示してありますが、表に示してあるように、小児と成人、高齢者の二峰性になっておりますので、医療区分1だけで、そこに書いていないのですが、20歳以上で見ますと、区分1の平均年齢は82歳、男女別では男性が77歳、女性が85歳の入院患者ということで、高齢化が非常に目立っていることがわかります。ここで年齢構成をお示ししたのは、療養病床に入院されている患者さんが平均大体82歳ということを示させていただくためでした。 次の3ページをお願いいたします。下段が、医療区分別にみた退院可能性です。医療区分の1、2、3に対して退院の可能性についての問いに対する回答を書いてあります。退院し在宅が可能、条件が整えば可、退院は難しい、不明と区分してあります。数字が症例数、あと割合が%で記載させていただいております。医療区分の1を見ていただくと、501名のうち退院可能は42名、8.4%、条件が整えば可が229名、45.7%で、この2つの合計は54.1%になります。国が設定した70%よりも16%低い数字になっております。 最後の4ページをめくっていただいて、それではどのような条件があれば退院が可能かを調べさせていただきました。医療区分の1で条件が整えば退院可229名のうち、下の表に書いてありますが、「家族の受け入れ」「十分な介護サービス」が退院の可能性の重要な要因として結果に出ております。実際問題として、入院患者の高齢化を考えますと、仮に退院できたとしても、その受け入れ家族も高齢化しているわけです。したがって、退院可能な条件である「家族の受け入れ」ということは期待しにくい面もあると考えております。さらにそれを推進するのであれば、回答にもありますが、「十分な介護サービス」が必要となるということになります。その場合には、人材の確保、介護保険財源の確保が課題となります。 以上、説明させていただきました結果については、医療区分1の70%を療養病床以外で対応するということは再検討が必要であることを示していると思っております。療養病床は地域包括ケアを支える重要な地域資源であり、その意義が正しく評価されるべきだろうと考えております。今回、神奈川県医師会が行いましたこの分析結果において、これが地域医療構想策定に活用されることを期待いたします。 説明は以上です。ありがとうございました。 (横田部会長) ありがとうございました。これから意見交換ということになり、今日は県西地域のことを議論しなければならないのですが、その前に県からの説明について何かご質問はありますでしょうか。(発言なし)よろしいでしょうか。 それでは、資料4の県西地域から意見交換を進めていきたいと思います。 1の現状・地域特性、2の医療需要等の将来推計については既に議論していますので意見交換は必要ないかと思いますが、4ページの必要病床数について、湘南西部地域で急性期について「医療機関所在地ベース」を選択したことにより、急性期病床888床が777床に、全体の2,792床が2,681床になったということがあります。これについては既にいろいろご意見をお聞きしていますので先に進み、3の「将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための課題」についてご意見をいただきたいと思います。 (1)将来において不足する病床機能の確保及び連携体制の構築についてご意見ご質問はございますでしょうか。(発言なし)よろしいですか。 (2)地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅医療の充実についてはいかがでしょうか。(発言なし)在宅医療等を必要とする患者数の増加により、在宅医療を支える体制が不十分となり、人材不足も懸念されるとのことですが、よろしいでしょうか。 次に(3)将来の医療提供体制を支える医療従事者の確保・養成についてはいかがでしょうか。(発言なし)県西地域に勤務し、定着して、地域医療に貢献していく医療従事者の確保・養成に取り組むことが必要とありますが、よろしいですか。 それでは(4)のその他はどうですか。 (日比谷委員) 1点確認させていただきたいと思います。地域医療構想は素案の6ページに神奈川県保健医療計画の一部となるという記載がありました。そこで確認なのですが、県の保健医療計画の県西地域のところの1ページのところに、人口は少なく面積は広いとの記載があります。それはまさしく県西地域の大きな特徴、県全体の面積の4分の1を占めていて、そのことからいろいろな課題も出てくるのだと思います。4の最初の記載「県西地域は人口密度が低く、地勢的に広範囲の医療を担わなければならない地域があり」は、そうした点を踏まえ、県の計画を汲んだという意味合いでよろしいでしょうか。 (事務局)(小田原保健福祉事務所) そのとおりです。 (横田部会長) 他にはいかがでしょうか。それでは、4 将来の医療需要を踏まえた医療提供体制を目指すための施策の方向性ですが、(1)基本的な考え方について、地域完結型医療を目指していく、これについては、これまで議論してきたところですが、よろしいでしょうか。 (川口委員) 回復期、慢性期、在宅医療等に関しての取組みについては、異論はないのですが、小田原市立病院は急性期医療を担っています。赤字を覚悟でやっています。公立病院の、公としての意味合いもあり、公的な施設でもあります。統計には出ない数字ですが、急性期医療は基本的にかなりお金がかかります。人員も必要になります。示された必要病床数である高度急性期269、急性期777は病床数として少ないと感じており、それに合わせて、高度急性期医療、急性期医療に携わる医師、看護師、設備なども同じように減少させてしまうと、多分、急性期医療が成り立たない、持たなくなってしまいます。人員も確保できなくなってしまうと感じています。また、記載の中に、災害時の医療救護体制を更に整備・充実させていきたいとあるのですが、災害時医療にはどうしても急性期医療が必要になります。そうすると、数字のように、急性期を止めてしまって、回復期、慢性期、在宅医療等に行ってしまって、急性期が減ってしまうということはできません。ですから、こういう数字の中で、急性期を維持していかなければならないとなると、かなりの財政的支援が必要になってくるのではないかと考えております。この数字どおりに行ってしまうと、まず急性期は、全部流出していくという話になってしまうのではないかと懸念します。県の4分の1の面積を占めているこの地域では、患者さんの搬送はなかなか厳しい。搬送中に亡くなってしまうということもあり得ます。やはりこの地域で完結させていかなければならないとすると、急性期医療があまりにもおざなりになっているような数字ではないかと私は感じているところです。その対策としては、医療従事者の確保、例えば医師を呼ぶとか、非常にお金をかけていく必要があります。急性期病院はどこもそうだと思いますが、特に田舎のほうはますます厳しさが増しており、地域医療構想ではそういったことを加味した内容にしていただければと思います。 (事務局)(医療課) 必要病床数という具体的な数字が出ておりますが、これは、今回取りまとめた素案の中にもかなり念入りに記載しているとおり、一定の計算式に基づいて国の基準に基づいて自動的に算出された、ある意味推計値です。推計というのは、平成25年度のDPCデータとかレセプトデータを基にしていますので、それなりの蓋然性がある中での数字であり、且つ、あくまでも推計の数字であることをまず確認しておきたいと思います。そして、必要病床数と現在の病床機能報告制度に基づく報告の数字の関係も単純ではなく、病床機能報告自体が各病院の自己判断であり、基準はありますが抽象的なものですので、その基準に基づいてご判断いただいた数字です。その関係については、報告の数字を必要病床数の数字にむりやりつけて、例えば病床を削減するとは考えておりません。今後、毎年の状況を、2025年に向けて、状況の変化を見ながら、地域の中で、言われているようにどのような支障があるのかという実情を踏まえて、体制を確保していく必要があると考えております。形式的にそこに無理に持っていくということを考えているわけではありません。 (川口委員) それは良くわかるのですが、算出された必要病床数は、現状の病床機能報告の数値とは算出の仕方が異なっているとおっしゃっている。二重線で囲われた主な留意事項を見てもずいぶん気にされているということはわかるのですが、例えば、2 医療需要等の将来推計(2)医療需要の将来推計がありますが、そこに記載の疾患は軒並み急性期機能です。がん、急性心筋梗塞、脳卒中、骨折など、軒並み1.2倍から1.4倍になっています。それにも関わらず必要病床数がこの数字になるのですから。平成27年度の病床機能報告でも、高度急性期、急性期合わせて1,700近くあります。それが1,046に減るわけです。今の病床機能報告は自己申告であり、その自己申告の仕方、基準があいまいであるのはわかるのですが、もしそうなら現状で急性期病床は、だいたい50%近く空床でなければおかしい、そういう計算になるわけです。全く合わない数字ではちょっと考えづらいと思います。 (事務局)(医療課) 必要病床数の算定には推計のツールを使っていますが、その元となるのは平成25年時点の確定データを元にしております。それに2025年の年齢階級別人口がどうなるかなどを加味しております。 (川口委員) その数字が正しいとして、そうなると、先程申し上げましたように、急性期医療が成りたっていかない状況に陥ってしまうと言っているわけですよ。医療ニーズの無いところには医師は来ない。一方、病院はそれなりの人数を配置しておく必要がある。この地域では、急性期が成り立たないということになりかねないのではないか、ということを加味しないと、必要なときに誰もが身近な地域で質の高い医療が安心して受けられるのでしょうかという意見です。 (事務局)(医療課) 4つの病床機能に分けましたが、県全体では回復期の大幅な不足が見込まれている一方、高度急性期、急性期も大切であり、4つの機能の維持・確保が重要だと考えております。地域の中でご意見をお出しいただいて、その意見の中で基金を活用してできることがあるのか、そういう検討につなげていきたいと思います。 (川口委員) もう1つ、災害の関係で、非常に大きな地震が来たときに、災害時に都市部が壊滅して医療行為ができない事態になったとき、都市周辺部ががんばらなければならないということも考えておく必要があると思います。 (事務局)(小田原保健福祉事務所) 病床機能の確保については、7ページ、4(2)アで「急性期医療と在宅医療とが連携していくことが重要です。そのため、急性期医療が、救急医療体制を含めて十分機能し、在宅医療との一層の連携を推進していきます。」と今後に向けて記載させていただいております。また、災害時の医療体制につきましても、11ページ(5)その他、最後の項で「県西部地震の発生など、災害時において迅速かつ的確な救護を実施し、要援護者をはじめ、被災者の健康を確保するため、関係機関の連携強化を図るとともに、医療救護体制や医薬品供給体制、衛生対策の整備・充実に取り組みます。」との記載を入れさせていただいています。この構想では施策の方向性を示しており、具体的な施策については、今後、この県西地域の調整会議などでつめていく予定にしております。 (玉井委員) 地域医療構想の進行管理は、多分、この調整会議でするのでしょうけれど、この構想には実施をする主体が誰かを表す「主語」がありません。例えば、横浜市は、横浜市が構想をまとめて横浜市が推進していく流れになると思われますし、湘南西部なら湘南西部で核となる市とか行政がありますが、この地域は、2市8町で行政がなかなか1つにまとまりにくいことがあります。 例えば麻酔医の確保が必要で、病院長が自ら回って、それでも病院だけではもう確保ができないというような状況があるわけですね。そういう中で県西地域として診療科ごとの医師の確保、これを何とかしなければならないという課題がありますが、それをどうやって進めていくのかということが全然見えてきません。災害時の医療についても、結局、 doのところが、主語が無くて、how toが無いというこの計画というのは、何年たってもやっぱりそのままで進まず「ああ、だめでしたね」ということで終わってしまうのではないかという懸念をもっています。むろんこのプランそのものに異議があるわけではありませんが、その執行体制をもう少し議論していかないと机上の空論になってしまうのではないかと思っています。 (事務局)(医療課) 県全体としての「施策の方向性」は資料2素案の46ページから記載されていますが、主語が書かれていないところがほとんどです。主語を全部入れるべきかどうかと内部で検討もしたのですが、基本的には「県が」というのが主語になると思いますが、さりとて、県が全てをできるわけではありませんので、医療関係団体や医療機関あるいは一般の患者さん、県民の方と一緒にやっていかないとできないと考えております。そういう意味であえて主語を入れていない今の形になっております。 そして、地域医療構想というのは2025年というだいぶ先を見据えた大きな施策の方向性を示しております。取組みは例えば来年度改定がございます、平成30年度から35年度までの次期保健医療計画や毎年度作成をしています地域医療介護総合確保計画などで具体化をしてまいります。そのために、各地域医療構想調整会議でご意見をいただきながら、具体化していきたいと考えております。 (川口委員) 今説明のあったような流れは大切で重要だと思うのですが、この構想がどのように使われていくのかということを危惧しているところです。地域医療構想で、この地域はこのように取り組んでいきますとあり、具体的な数字も出てきます。そうすると、これが、今度、診療報酬改定に利用されていくような形になるのではということになります。 この地域医療構想調整部会という会議でみなさんこのような意見が出ました、で、みなさん納得しましたよ、という形で診療報酬改定がされてしまうと、先程申し上げましたように、県西地域の医療を確保するのにますますお金がかかることになってくるのではないかと懸念しています。地域医療構想の必要病床数等がどのように使われていくのかが心配で、今、関係ありませんというお答えがありましたが、でも、必ず使われていくものだと思っております、どうなんでしょうか。 (事務局)(医療課) 国の公式の見解では、原則的には連動しないという立場はとっています。実際のところは何とも言えませんが、委員のご懸念は理解できるところです。 また、平成30年度には医療計画の改定や高齢者保健福祉計画の改定など、いろいろな計画の改定が集中しています。診療報酬の改定も重なる年であり、非常に注目すべき時期に来ているというのはよくわかります。 国の政策については県の立場からは何も申し上げることはありませんし、いわゆる数字ですが、必要病床数の算出は厚生労働省令で定められていることですので、一定の前提にたって推計された数値であるということを申し上げる立場にしかない、ということでございます。 (杉田委員) 私も含めてここにご出席の皆さん方は、これまでに4回、病床の機能分化ということで病床数の問題を徹底的に議論して来ました。私は病院協会の代表として出席していますが、いろいろな委員から貴重な意見が出されました。それに対して、結果として、今日提示された構想素案の中にその内容が反映され盛り込まれているので私自身としては異論は何もないのですが、1つ懸念することは、地域包括ケアシステムの問題です。これは住民にとっても地域にとっても非常に重要なことです。例えば、将来在宅の介護をする人がもっと必要になる、在宅医療等の患者がもっと増えるという数字が出ています。しかし、市が率先していろいろな会議を開催していますが、申し訳ないが、正直申し上げて、これは顔見せ、いろいろな業種の人が仲良くしましょうというところからなかなか進まない状況です。一方、病院については、入院患者数をある基準に基づいて推計したわけです。地域包括ケアを担う在宅にはどのようなものが、どのくらい、どのように必要なのかということが、もう少し具体的に出てこないと、この構想というのは進んでいかないように思います。病院のほうは簡単にその数字が出て来ますが、在宅医療等のところをもう少し掘り下げていかないで、ほとんど議論していないで、構想化して、素案に入れるという内容で私自身は非常に戸惑っております。ですから在宅医療等のところももう少し具体的に進められる方策はないものかと思っております。感想ですが。 (横田部会長) まだ議論が必要ですが時間が来てしまいました。どのようにいたしましょうか。 (事務局)(小田原保健福祉事務所) 途中になってしまいましたが、以降の項目も含めて、ご意見がございましたら恐れ入りますが6月末までに、ファックスなどでお送りくださいますようお願いいたします。 (横田部会長) 次に議題(2)「その他」ですが、委員の皆様から何かございますでしょうか。(発言なし) 事務局からはいかがですか。(事務局からはなし) それでは、本日の議事については終了させていただき、進行を事務局に戻します。ご協力ありがとうございました。 4 閉会 (事務局)(小田原保健福祉事務所) 横田部会長、ありがとうございました。 委員の皆様におかれましても、ご協議、ご意見ありがとうございました。 以上をもって、本日の会議は終了とさせていただきます。ご多忙のところ、どうも有難うございました。 (以上) |
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