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更新日:2021年5月19日

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平成25年度「黒岩知事との“対話の広場”地域版(県西会場)」実施結果

黒岩知事との“対話の広場”地域版 県西会場の実施結果のページです

“対話の広場”地域版とは

“対話の広場”地域版は、知事が県内各地域に赴き、県民の皆さんと直接意見交換をする場です。

今年も「マグネット地域」をテーマに、10月から11月にかけて県内5会場で開催しました。

マグネット地域とは、人を引きつける魅力のある地域のことです。魅力ある地域づくりについて、会場ごとに設けた地域テーマに沿って、参加者の皆さんと話し合いました。

黒岩知事と意見交換の様子

集会の概要

黒岩知事との“対話の広場”地域版(県西会場)

日時

平成25年11月9日(土曜日) 10時から11時30分

会場 小田原合同庁舎
テーマ マグネット地域
地域テーマ 県西のチャレンジ 自然の恵みで健康長寿
内容 1 知事のあいさつ(スマートエネルギー計画(骨子案)の説明含む。)

2 事例発表

  • 荒木田 美香子氏(国際医療福祉大学小田原保健医療学部看護学科長・教授)
  • 小澤 優樹氏(螢田診療所院長。循環器専門医。温泉療法医。小田原医師会理事。)
3 知事による神奈川県の取組の説明
4 意見交換
5 知事によるまとめ
参加者数 166名

知事のあいさつ(スマートエネルギー計画(骨子案)の説明含む。)

[はじめに]

おはようございます。神奈川県知事、黒岩祐治です。

ようこそ対話の広場にお越しいただきまして、ありがとうございます。

[対話の広場について]

この対話の広場は、私が知事になって2年半ですが、できる限り県民の皆さんと直接対話をしながら行政を進めたいという思いで、ずっと継続してやっております。それぞれの地域に出かけて行ってやっていて、今日は夕方から川崎でもありまして、ダブルヘッダーなんです。それ以外にも、県庁本庁舎でもときどきやっていますので、また是非お越しいただきたいと思います。

今日は皆さんとの対話によって進めていきます。今日のテーマは「県西のチャレンジ 自然の恵みで健康長寿」です。神奈川県では「健康寿命日本一を目指そう」ということを掲げて、全力を尽くしてやっています。その中で、皆さんといろいろなアイデアを出し合いながら、健康寿命を延ばしていくことを、この県西地域から発信していきたいという思いで進めたいと思っています。

[スマートエネルギー計画(骨子案)について]

その前に、せっかくの機会ですから、テーマとはちょっと違うのですが、皆さんに是非御理解いただきたい問題がありますので、そのことを前半ちょっと御説明させていただきたいと思います。

それは、エネルギーの問題です。

「かながわスマートエネルギー計画(骨子案)」というものをまとめました。私が知事になるときに、ちょうど福島第一原発の事故の直後だったので、「早く新しいエネルギー体系をつくらなければいけない」ということで、「太陽光発電を普及させよう、神奈川からエネルギー革命を起こすんだ」と言ってきましたが、この2年半を振り返ってみると、確実にエネルギー革命は起きていると感じます。ですから、立候補したときに掲げたイメージよりも中身がどんどん変わってきていますので、それに合わせた形でこの計画をまとめましたので、御理解いただきたいと思います。

これまでのエネルギー体系は集中型電源でした。原子力発電所や大きな火力発電所で集中的に電気をつくり、それを長い送電線で各家庭に送り届けるということです。電気を長い送電線で送ってくるとき、途中でどんどん失われていきます。失ったらまたもっとつくろう、というのが今までのエネルギー体系です。だから原子力発電所をどんどん造っていったのです。

しかし、事故になって、根本的な見直しをしなければいけなくなりました。

どういうものを目指していくかというと、分散型電源です。例えば太陽光発電を屋根に付けると、自分の家ですぐに使えますね。それから風力発電もできるだけ近くに付けて、御自宅で使う。エネルギーの地産地消ということです。

ガスコージェネレーション、これはまだ聞き慣れないので少し御説明しますと、ガスを使って、電気をつくる。もうそういう製品が出ていますね。電気をつくるだけでなく、その排熱を利用してお湯を沸かしたりする。これも発電は御自宅なんです。つまり、分散型電源に向かっていきます。

太陽光発電をどんどん普及させていきたいと思っています。2010年度は13万キロワットでしたが、神奈川県では、どんどん今増えています。元々の計画では、2014年度までに195万キロワットまで持っていこうと思っていたのですが、残念ながらちょっとそこまではいかない。125万キロワットに下方修正させていただきました。

このときに、何だ、黒岩は太陽光発電を普及させると言っていたのにもうあきらめたのか、後ろ向きになったのかというような誤解があると困るので、敢えてこの話をしている。そうじゃない。ちょっと下方修正したのは、正直言いますけれども、若干の誤算がありました。それは「屋根貸し」というシステムによってどんどん普及すると思ったんですね。

「屋根貸し」というのは、屋根を借りた発電事業者がソーラーパネルを付けます。発電した電気は電力会社に買ってもらえますから、売電収入から屋根の貸料が払われるというシステムです。京浜臨海部などにいっぱいある工場の屋根にダーッと付けていけば、相当いくだろうと思ったんです。

工場の人にも聞いてみたら、「ソーラーパネルを屋根に付けるだけで賃料が入ってくる。しかも断熱効果もあるから、これはいい」と言われたので、よし、これでいこうと思ったら、全然設置してくれない。なぜかと聞いたところ、ちょっと重いと言われました。先に言ってくれよという話だったけれども。

それによってちょっと下方修正せざるを得なかったのですが、この後、グーンと伸びていく。これはなぜかというと、革命は起きている。重くない、フィルムのソーラーパネルができたんです。もう市販されているんですね。これが今どんどん効率がよくなって、一気に普及するという直前まできたんです。

これが出てくれば、もうどこでもソーラーパネルですよ。家を丸ごとパッケージもできるし、電車だって、御希望だったら発電する服でもつくれますよ、というぐらいのものです。革命でしょう。これが普及すると、グググッと伸びていくということを予測しているということです。2030年度には815万キロワット、245万世帯分までいくということです。

神奈川県は、それが日本全国どこよりも早くいくということを御説明したいと思います。

グリッドパリティ、ちょっと難しい言葉ですが、御説明していきます。

太陽光パネルを付けるときの費用が、全国の平均で、1キロワット当たり2009年では60万円を超えていました。それがどんどん下がってきました。神奈川県は、かながわソーラーバンクシステムに取り組んできたため、全国のどこよりもソーラーパネルの値段が安いんです。これがこの先どんどんまた下がってくるだろうと見込まれています。

そんな中で、つくった電気の買取価格が、設置の値段に合わせて下がっていくだろうと予測されています。電気代は、ソーラーパネルが普及すると上がるのではないかと言われています。電気代が上がってきて、買取価格と交差します。交差するとはどういうことかというと、電気を買う方が、売るより高いということです。そうしたら売らずに、自分の家で全部使うようになります。これが独立型です。究極の独立型、グリッドパリティとはそういうことなんですね。つまり、送電線で電気を引っ張ってきて、それを買うのではなくて、御自宅でエネルギー独立型になっていくということ。究極の分散型ですね。

2030年度までどんな見通しをしているかといいますと、電力消費量は今よりも15パーセントぐらい削減されますが、その中で45パーセントが分散型電源、県全体の半分近くがもう送電線はいらないということですね。この中で、ガスコージェネレーションが約半分で、残りの再生可能エネルギーの中で、太陽光発電は245万世帯分までいく。神奈川県はソーラーパネルの値段がどこよりも早く下がっていますから、このグリッドパリティ、独立型電源が実現するのが全国どこよりも早いということなんですね。

それ以外にも、大きなエネルギーの新しい姿があります。水素エネルギー。

皆さん、昔理科の実験で水の電気分解ということを何となく聞いたことがありますよね。水を電気分解すると水素と酸素になります。水素エネルギーは、この逆をやるんです。水素と酸素を化学反応させると、電気と水ができるということですね。

この水素エネルギーを使った自動車を「燃料電池自動車」と言います。

水素で自動車が走るなんて聞いたら、やはり日本人は、危ないのではないかと思いますよね。ところが、技術はすごく進歩しているんです。この燃料電池自動車は、もう2年後には一般発売されるんです。もうそこまで技術はきているんですね。究極のクリーンエネルギーです、この車。ガソリンを一滴も使わないで、排気ガスではなく水だけが出てきます。これをどんどん普及させていくということも併せて進めていきます。

そして、結果どんな形になるかといいますと。ソーラーパネルを付けて、電気を家の蓄電池にためます。そうすると夜も使えますね。そして、家庭用燃料電池でガスを使って電気をつくります。そしてこれらを、HEMS(ヘムス Home Energy Management System 家庭内エネルギー管理システム)」でコントロールして、うまく使っていく。電線とつながっていなくても独立型でやっていける「スマートハウス」。これがどんどん出てまいります。

2020年には、一般の家庭用はほとんど全部これでいけるぐらいの勢いでやっています。家だけじゃなくて、ビルから何から、全部この独立型、分散型電源でいけるように、どんどん目指してまいります。こういったことを全国どこよりも早く進めていくというのが、この「かながわスマートエネルギー計画」です。

少しも後退したという感じはしないでしょう。がんがん前へ行こうと言っている、是非このことを御理解いただきたいということであります。ありがとうございました。

今日のテーマは、このエネルギーではなくて、健康寿命をどうやって伸ばしていくかということであります。お二人の方にプレゼンテーションしていただいて、それを元に議論を始めたいと思います。

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事例発表

荒木田 美香子氏(国際医療福祉大学小田原保健医療学部看護学科長・教授)

私は健康づくりの方をしておりますので、今日はその観点で少しお話をさせていただきます。

65歳以上の人口割合を見てみます。この県西地域の65歳以上の人口割合は県の中で最も高くて、大井町だけが県の平均を下回るくらいで、ほとんど県の平均より上にいってしまいます。真鶴や湯河原などは、非常に高い地域です。

高齢化率が高い地域なのだけれども、その内訳はどうなのだろうということで、65歳以上の人口割合と要介護者割合を見てみます。県の65歳以上の人口割合は20.1パーセントで、その中で要介護の認定を受けている方は16パーセントくらいです。

それに対して、県西地域の各市町の65歳以上の要介護者割合は11.6パーセントから15.6パーセントと、県の平均に比べてかなり低いことがわかります。ですから、高齢化は進んでいるけれども、元気な、自立している高齢者が多いということが言えるかと思います。

「健康寿命」を計る指標は、厚生労働省の指標やWHOの指標がありますが、一つは要介護認定1まで、要介護認定2以上は、健康寿命の範囲からはずれるという指標がございます。そこで、この要介護認定の割合、平成2年を1としたときの平成23年の要介護者数と介護給付費の増加率を見てみます。

県は介護認定者と給付費ともに増加率1.2で、県西地域の各市町の真ん中辺りです。こう見てみますと、県西地域は、確かに高い市町もあるのですが、10市町のうち7市町は、介護認定者数及び給付費の増加率が県の平均を下回っているということがわかります。7市町は、介護者認定者数の増加率は低いし給付額も低い、ということがわかります。

介護が必要となった主な原因を国のデータで見てみます。

男女ともに一番多いのは脳血管疾患でございます。ですから、脳卒中とか脳梗塞というところを予防、早期発見することが重要になってきます。次に、特に女性に多いのですが、関節疾患なんですね。運動器の疾患が原因となって、介護が必要となります。

こういったことも頭の中に入れまして、県西の健康寿命の延伸に必要なことを考えてみました。まずは、死亡率の低下ということが必要でございます。そして、自立度の維持ということが必要になってきます。

この二つに迫るためには、どうしたらいいのだろう。

死亡率の低下につきましては、やはり一番はがんですので、がんの予防と早期発見、そしてこの県西地域、特に小田原の特徴でもありますが、脳血管疾患が多いということで、その予防ということがあります。そして、自立度の維持につきましては、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防を一つ挙げさせていただきます。そして、認知症の予防が挙がってくるかと思います。

では、これらの課題にどう対策を取ればいいかということですが、意外と簡単なことです。非喫煙、健康診断の受診、野菜の摂取、お魚の摂取、薄味、運動、そして健康に食べられるよく噛める口、このことが重要になってまいります。実は、死亡率の低下には全部関わってまいります。そして、自立度の維持には、野菜摂取、お魚摂取、運動、よく噛める口などが関わってまいります。

ロコモティブシンドロームというのは、皆様もうお聞きおよびかもしれませんが、けっこう話題になっておりまして、要は運動器の疾患です。片足立ちで靴下が履けない、家の中でつまづく、階段を上るのに手すりが必要など七つの項目で、一つでも当てはまると、ロコモティブシンドロームの可能性があるということになります。日常生活でのお仕事などに影響があるかどうかということです。皆様是非チェックしていただければと思います。気になった方は、やはり専門家に御相談いただくのと、よく歩くなど運動が重要です。

これも国のデータなのですが、運動習慣者の割合が、高齢者の方は多いのですが、これから健康づくりをしようという40歳代、50歳代はすごく低いんです。女性に至っては減っているところがございます。

私はこういったデータを元に、早速うちの大学で学生を対象に、健康運動指導士さんを呼び、美しく歩く、さっそうと歩く、階段を上るという、90分間歩くレッスンをさせてみました。90分経ちますと、本当にきれいに歩きます。やはりいい歩き方を教えていかなければいけないんだなというふうに思いました。

それから、健康に食べるということで、やはり県西地域の強みを出していただきたいと思いました。野菜をたくさん取っていただくことは、大腸がんの予防、血糖のコントロール、高血圧の予防や治療にもつながります。皆様、一日野菜を何百グラム取ればいいかわかりますか。350グラムです。手計りと言いまして、両手に一杯の生野菜で120グラム、片手にゆで野菜で120グラムになります。ですから、一食これぐらいを食べる習慣をつけましょう、ということも、いろいろな機会にお話をしております。

そして、運動ということでは、やはり県西の魅力というのは自然なのかなと思いました。洒水(しゃすい)の滝などは、是非今度家族を連れて行きたいと思っております。きれいな所がいっぱいございました。こんな所を使っていきたいと思います。

最後になりますが、健康で一番大事なのは心で、人は人とつながって、精神的な満足を得ることができると思います。県西地域の方々の温かさを、自然や産物に加えていただいて、提供していただくことが、健康寿命をますます延ばすことになるのではないかと思いました。高齢者が多いけれども、その中で長生きしていくという長寿モデルを出すことは、もう一歩いけてるのかなと思うのですが、これからさらにチャレンジできるところなのかなと思っております。

小澤 優樹氏(螢田診療所院長。循環器専門医。温泉療法医。小田原医師会理事。)

小田原市で死亡率が有意差を持って全国より高い病気は、一つは脳血管障害、もう一つは胃がんです。今日は胃がんの話はしませんが、我々医師会は、十数年前から小田原市に働きかけまして、今年胃がんのリスク検診が始まったと思います。これが浸透することで、胃がんの死亡率は今後減っていくのではないかと期待しております。

今日は、もう一つの脳血管障害についての現状と、我々医師会と小田原市健康づくり課が一緒にやっていることをお話ししたいと思います。

小田原市と神奈川県、全国の死亡率を見ますと、全国と小田原市はほぼ一緒です。神奈川県は高齢化率の低い横浜市や川崎市の人口が多いため、小田原市、全国に比べて低くなっております。ところが、脳血管障害の死亡率を見ますと、小田原市が全国や県と比べて非常に高いことがわかります。

そして、脳血管障害には脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血がありますが、小田原市のこれらの平成10年から22年までの比率を見ますと、くも膜下出血はほとんど変化ありません。脳梗塞と脳内出血が増えているんですね。脳出血というのは、昭和55年頃から降圧剤が非常に進歩してきまして、国全体では減っているのですが、小田原市は増えている。これが大きな問題です。県と小田原市の男女の比較を見てみますと、脳出血の死亡率も脳梗塞の死亡率も、小田原市の男性、女性は、県と比べて多いことがわかります。

そしてまた問題なのが、65歳未満に絞って見てみますと、小田原市の男性が、全国と比較して脳出血による死亡率が高い。脳梗塞も同じです。働き盛りの男性がこういった病気で倒れてしまうことが非常に多くなっているのが現状です。

そして、県内19市の中での脳血管疾患死亡率の5年間のワースト5を見ると、小田原市はワースト1をずっと突っ走っていました。やっと平成23年に第3位になりました。県西地区は、実は、市町村の村や町のレベルまで落としますと、ワースト5にほとんど入ってしまいます。こういう脳血管障害が非常に多い状態です。

では、どうして多いのか。大きな原因は、一つは血圧が高いのではないかということがあります。もう一つは、小田原には、かまぼこ、梅干、干物、そういったものが多いですね。ですから、塩分の摂取量が多いのではないかということもあります。それから、先ほど荒木田先生のお話にあったように、高齢者が多い。 ただ、高齢者が多いのですが、標準化死亡率、要するに年齢を配慮して検討した結果でも、小田原は脳血管障害の死亡率が高いんですね。ですから、メインはやはり血圧と塩分の摂取量が多いことが原因ではないかと考えています。

レセプトで検討した結果ですが、高血圧での受診の割合は、やはり小田原市が県内で2番目なんですね。南足柄市がワースト1、三浦市がワースト3で、要するに脳血管障害で死亡率が高い所が、血圧の患者さんも多いということがわかります。
平成23年度の特定健診の結果の1万3000例ぐらいの平均を見ますと、やはり小田原は、血圧と血糖のところに少し問題があるということがわかります。

実は古いデータで今日は出しませんでしたが、小田原の住民の方々の血圧の平均値は、70歳未満はほとんどどの年代層も、県の平均と比べて2mmHg(ミリメートル水銀柱)高いです。血圧を2mmHg下げると、脳血管障害の死亡率は6.4パーセント減ると言われていますので、全体を2mmHg下げることは、非常に重要になってきます。

それで、今年、小田原市に予算を組んでいただいて、栄養調査をしました。その結果を見てみますと、小田原市の塩分の摂取量は、50歳代を除いて、全て全国よりも多いんですね。1日の摂取量の目標8グラムよりかなり多い量を小田原市の方々は摂取されています。

平均の摂取量が、小田原市民は11.1グラム、全国は10.2グラム、やはり1グラムくらい多い。でも、逆に1グラム減らすと、何も治療していない方は血圧が3mmHgくらい、治療している方でも1.5mmHg、1.6mmHg下がると言われていますので、全員が減らせば、かなりの脳血管障害の発生が防げると思います。

それで、この脳血管障害を減らすための対策です。

今大事なのは、やはり市民への血圧に対する啓発です。今お話ししたような脳血管障害の死亡率が高いことや、血圧管理の重要性、家庭血圧の測定の大事さ、減塩を中心とした食生活の改善の話をしています。

我々医師の血圧管理がどれだけ目標に達しているかというと、全国平均で40パーセントくらいです。県西地区の医師の管理が悪いということではなく、ただ、全体としてもう少し管理を厳しくすべきではないかと考えています。

それから、学校教育の中でこういった問題を取り上げて、若いときから食生活を教えていく必要があると考えています。外食産業、コンビニや飲食店には、できれば減塩メニューの設置などをやっていただきたい。また、実はこの地域は、市民の健康に対する関心度が県の平均に比べて低いんですね。この辺をもう少し考えなくてはいけないと考えています。

今、医師会と健康づくり課が一緒にやっている対策ですが、現状把握として統計の整理や生活状況の調査を、健康づくり課が一生懸命やってくださっています。

普及啓発に関しては、ホームページやメールマガジンの配信を小田原市が、タウンニュースやケーブルテレビでの発信は我々がやっています。また、3歳児健診のときに付き添った親御さんの血圧を測って、血圧に対する認識、知識を深めていただいています。

健康教育では、薬剤師会などに我々が出かけて行って小田原市の現状の話をさせていただき、さらにこういう方々を通じて皆さんに話をしていただいております。あとは、今年から小学生を対象として、塩分の体に対しての大切さ、また逆に多くとってしまうとどうなるかという教室なども、市がやっております。そして、地区との協働では、我々が自治会の方に出向いて、啓発をしています。

今日は皆さんの考え方、御意見を拝聴しながら、今後の我々の活動に役立てていきたいと思います。

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知事による神奈川県の取組の説明

ここから皆さんとの対話に入っていきたいと思うのですが、私の方から、今日のテーマに関して県が取り組んでいることを、少し御説明したいと思います。

1970年の神奈川県の人口は、きれいなピラミッドの形をしていました。85歳以上はほとんどいなかったんですね。でも、2050年になりますと、全く逆のピラミッドになります。一番多いのが85歳以上です。

何が起きるかというと、もう今までのシステムでは絶対通用しないということです。こんな時代になったら、病院は患者を治す余裕はありません。病気を治しているのでは間に合わないということです。だから変えなければいけない。それを神奈川でやっていこうとしているんです。

二つのアプローチをします。まず、最先端医療、最新技術の追求。再生医療や医療の情報化という形でやっていきます。 それからもう一つ、未病を治すという漢方の考え方。ライフスタイルの見直しによって治すというアプローチをしていこう。この二つを融合させる、これが神奈川モデルです。そして、健康寿命日本一を目指すプロセスそのものが、新たな市場、産業の創出という経済のエンジンになります。

未病とは何なのかということですが。この5月にアメリカに行って、ハーバード大学やワシントンDCで神奈川モデルだと説明してきました。未病という意味の英語はないので「ミビョウ」でいきました。健康と病気が真ん中ではっきり分かれている絵と、健康から病気までがグラデーションになっている絵を描いて説明しました。未病というのは、健康か病気かではなく、健康からだんだんグラデーションで病気になっていく、その中で、なるべく病気の方から健康に戻していこうという考え方です。

最先端医療では、二つの特区を取ってあります。

「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」は、最先端の再生医療の拠点にしていこうと、今がんがんやっています。エリアの拡大もされました。「さがみロボット産業特区」は、生活支援ロボットや介護ロボット、医療ロボット、そういったものを集積していこうという特区です。こういう特区で、最先端を追求していこうとしているんですね。

実はもう一つ。この県西地域を未病の戦略的なエリアにしたいと思っています。県西地域には未病を治すのに最も相応しい条件が揃っています。温泉や豊かな自然があり、海も山もある。農作物や海産物もいろいろなものがとれるすばらしい環境がある。これを生かして、未病から健康に戻していく多くのモデルをつくっていくために、アイデアを募集していこうと思っています。

二つのアプローチを融合させるというのは、未病を科学していくということです。

日本にはすごい技術がある。例えば、トイレのウォシュレットの消臭機能でガスを吸い取り分析することで体内の状況がわかるとか、輪っかをはめているだけで体の中のいろんなデータが集まるとか。声を分析して鬱がわかる、心のレントゲンと言われる東大の先生が開発した天才的な技術もあります。

全く痛くない注射針を開発した横浜のベンチャーもいましてね、ぴっと取って、ドラッグストアに持ち込むだけで血液の検査ができる。その話をしたら、もっとすごい話を今度持ってきました。機械にかざすだけで、血を採らなくても血の状態がわかるんですって。日本すごいでしょう。つまり、生活の現場でいろいろなデータを取っていきながら、あなたは今こんな状態ですから、こうした方がいいですよ、と一人一人に合わせてやっていくことができる。

マイカルテというものも今、実証実験を始めていますが、スマートフォンにお薬手帳を入れて、その先には医療情報、カルテの情報も入ってくる。自分のカルテを持ち歩くという状況になります。どこかで倒れたときに、運ばれた病院でカルテがすぐわかり、適切な医療ができる。

それとともに、未病の状態のデータやカルテなどの医療情報を集めた非常に大きなデータ、ビッグデータ。それを個人情報を切り離して解析する技術ができ上がっているんですね。ビッグデータの処理によって、個別化医療や個別化治未病が実現していくだろう、ということです。

今言った話の中には産業のチャンスが眠っています。再生医療、新薬の開発、介護や生活支援ロボットなど、こういった未病産業というものも出てくるだろう。これをトータルで回していく。アベノミクスの第3の矢、成長戦略は神奈川からやって、この超高齢社会を乗り越えるモデルをつくる。住んでよかったと思えるような神奈川にしたいということです。

さあ、ここからは、今の話も含めて、皆様と対話をしていきたいと思います。小澤先生、荒木田先生に対する質問でもいいですし、私はこんなことをやっているというアピールでもいいですし、県に対する質問でもけっこうです。

意見交換

<参加者発言1(小田原市・男性)>

以前、講演を聞いたり、知事の著書を読ませていただいて、私にできることということで、前は小田原でダンスとか、音楽、クラフトのイベントをやっていまして、その後、箱根でコスプレの観光活性化のイベントを4回やりました。今提案したい未病を治すアイデアは、もう来年に向けてやりかけているのですが、観光活性シェアコラボクラブ。

これは、温泉観光地でシェアスペースを設けまして、体験教室とかをできるようにする。温泉につかってゆっくりしながら、学ぶこともできるし自分で先生にもなれるという場を、小田原と箱根と熱海につくりたいと思っています。なぜそれが未病を治すことにつながるかというと、人をつなげる仕組みと、潜在力を引き出す仕組みということです。

コミュニティビジネスは経済産業省でも推進されていますが、神奈川県に電話したところ30分ぐらいいろんな課に回されて、結局コミュニティビジネスを支援する課はないと言われました。今の未病と同じだと思うんです。

全体で見ると、横浜や川崎はコミュニティビジネスがすごく進んでいるのですが、小田原など県西地域は非常に遅れています。小田原に平成27年に新しい市民交流施設をつくって、そこにはそういう支援する所をつくるらしいですが、現状ではないので、私たちがやり出したいと思いますので、後方支援などをお願いしています。

<知事発言>

わかりました。今日は県の幹部も来ていますから、ちょっと覚えておいてください。未病を治すエリアにしようという一つのアイデアですからね。

<参加者発言2(大和市・男性)>

ドングリでできたクッキーを持ってきました。ドングリを拾って粉にしてクッキーにするまでを研究している方が海老名にいらっしゃって、先週、「恋するフォーチュンクッキー 神奈川県Ver.」にも出てくる開成町のあしがり郷瀬戸屋敷横の直売所で発売したんです。

県のホームページを見ますと、里山の認定をしているところは、県西部にすごい数があります。里山のまち起こしと、そこで採れる山の幸。ドングリは、縄文時代は主食だったんですよ。すごく健康にいいことがもう研究されていて、横浜の三ツ境にあるレストランでは、ドングリの麺やドーナツなどを、相模女子大学とコラボして、製品にしています。

知事にこのクッキーを差し上げます。

そこで採れるものを、拾って粉にするまでの作業は福祉作業所でできるし、手足を動かすことで健康にもすごくいいと思います。それで、大学生に考えてもらったり、優秀なシェフも県西部にもたくさんいると思います。地産地消で、東京には絶対にないものが、特に県西部にはあると思います。クッキーを持って踊りましょう。

<知事発言>

「恋するフォーチュンクッキー」にかかっているんですね。ありがとうございました、後でいただきます。

<参加者発言3(小田原市・男性)>

お話を伺っていまして、県西地域には未病を治すいい資源がたくさんあると思いますし、モニタリングする技術なども開発されていると思うのですが、今日こちらに集っている方々はある程度意識が高いと思いますが、ほとんどの人は何かになってから病院に行って治してもらえればいいや、というところだと思うので、もっとわかりやすくパンチのあることで未病に広く興味を持ってもらうことが、まず第一ではないかなと。一本軸があって、みんながそれに興味を持ち出せば、我々のような民間の事業者もそれに合ったサービスを開発していこうということになると思うんです。

これは私のただのアイデアなのですが、未病というのが漠然としていて、何をもって未病なのかというところで、例えば体温が低すぎる人は未病だと本などで見たのですが、体温が高すぎたら当然病気だけど、運動をしなかったり生活習慣が悪かったりして、体温があまり高くない人が非常に多いということです。それを例えば軸にして、県西地域で365日36.5度の体温を維持しよう、365運動、みたいな形で展開していったら興味が沸いてきて、じゃあそのために食事に気を付けよう、運動しよう、と一つずつ変わっていくと思います。まずその軸立てを行政の方でも一緒に考えていただいて、打ち立てていただけるとありがたいと思いました。

<知事発言>

それに近いものが国がやっているメタボですね。メタボは一つの指標ですけれども。体温もそういうものに入るかもしれませんね。今やろうとしていることは、生活の現場で、ある種24時間体制でデータを集めていく中で、体温もタイプも違う一人一人に応じたアドバイスをしていくシステムを、将来的にはつくっていこうということです。

それを、私は未病という言葉を軸にしてやっていこうと思っています。よくわからない言葉だけれども、少し説明を聞けば何となくわかると思うので、未病と言い続けることによって、そのイメージを定着させていきたいと思っています。

アメリカで「ミビョウ」と言ってきた結果、どうなったと思いますか。ハーバード大学のパブリックヘルスというコースに日米未病対策の研究会がスタートしたんです。未病はもうハーバード大学にも根づいたんですよ。

敢えて未病というわからない言葉を使うことによって、県西地域を世界の未病の拠点にしたいと思っているんです。その資料づくりには、いろいろなものがあると思います。そういうものは専門家の皆さんと、これから検討していきたいと思います。体温も覚えておきます。

<参加者発言4(男性)>

県の農産物のブランドで、小田原の下中のタマネギがありますが、タマネギは血液がさらさらになるというところで、やはり農産物が豊かな地域ですので、そちらに対して支援をお願いしたいところでございます。それと、やはり新しく、未病に関するような農産物の技術というか、漢方薬などの取組とか、そのようなものをまた知事の方で支援いただけたらと思っております。

<知事発言>

食の話が出てきましたから、やはり長芋の話をしましょうか。

医食同源という漢方の考え方には、すごく学ぶべきところがあります。食にはそれぞれ非常に大きな力があるということですね。それを私が生々しく教えてもらったのは、私の父のがんの闘病体験です。父が80歳を超えて、末期の肝臓がんになりました。12センチ、腫瘍マーカーは40以下が正常値のところ、5200。余命2カ月と言われました。

そのとき、中医師、中医学、漢方の先生である劉影(りゅういん)(天野 暁)先生に出会ったんです。もう日本に来て20年以上、日本の医学博士でもあります。その先生に診てもらってアドバイスをいただいたときに、長芋を蒸して食べてくださいと言われたんです。山薬という長芋を干した漢方を煎じて飲むのと長芋を蒸して食べるのは、同じ効果ですと言われました。これを医食同源と言います。

どういう効果があるのですかと聞いたら、これも漢方の哲学。有胃気即生といって、胃に気があれば、すなわち生きられるという。胃に気があるとは、気合、気力の気、食べられるということです。食べる力があれば生きられる。その食べる力を増すのが山薬であり、長芋を蒸したものだと。

父を自宅で看取ろうと連れて帰ってきて、朝昼晩、長芋を蒸して食べさせました。そうすると、だんだん食欲が出てきて、そのうちステーキは食べるわ、ビールは飲むわと、やせ細っていたのがどんどん太ってきまして。調べに行ったら、12センチあった肝臓がんが3センチになり、腫瘍マーカーは5200が20になりました。余命2カ月と言った先生に、肝臓がんはなぜか完治しました、と言われました。もちろん長芋だけではなく、いろいろな漢方薬なども併用したのですが、基本は長芋、胃に気を与えるということ。

だから、長芋は一つの例であって、今、タマネギは血液がさらさらになるという発言がありましたが、食には、ビタミンとかだけでなく、いろんな効果、効能というのがあるんですよね。それをうまく組み合わせれば、食のあり方によって、実は薬と同じ効果が出せるということ。

それを皆さんに見える化していってほしいと思っています。生活の中で、あの食材はこれにいい、という知恵みたいなものがあります。そういうものを科学的に分析して、見える化していく。この話をするとき、日本はすごい優位性がある。日本食はすごくヘルシーで、いろいろな食材を使っていてバランス、多様性がある。食べることによって健康に戻していくという、元々そういう工夫、習慣が日本にはある。

アメリカではカロリーの高い物ばかり食べて、太った後ジムに行って汗を流している。日本はすぐ、アメリカのまねをすれば良くなると考えますが、違うんだ。我々の神奈川モデルこそ、アメリカがまねするのがいいのではないかと言っているんです、今。

ということで、タマネギはそうした意味で非常に大きな鍵を握っている食材の一つだと、私は思っています。

<参加者発言5(小田原市・男性)>

県西を未病の中心地にするという、非常に嬉しいお話を聞きました。その中で老人会を是非、活用していただきたい。県が老人会の補助金を減らしていて、活動が鈍ってしまうので、是非増やしてほしい。

それから、今、耐震と一生懸命言っていますけれども、なぜ免震にしないのか。この小田原合同庁舎のビルは免震です。すばらしいビルなんですよ。

それから、気象条件が非常に悪くなっていて、酒匂川や山王川の流域に、大雨が降る度に避難勧告が出ています。もう何年も前から大騒ぎしていますが、なかなか整備が進まない。金がもったいないのか。待っていられない。大雨降る度に避難勧告が出て、出されている人はたまらないです。

それから、道幅などをきちっとつくったのに、出っ張っている家がある。柿の木と柵があるだけで引っ込められるのに、県は引っ込めさせない。それで、そういうことで行政のいろいろなところに行きましたが、みんなセクショナリズムで、情報の活用ができていない。探すのにものすごく時間がかかる。行っても、担当者がいないからわからない、帰れと言われる。こんな状況は、行政に対して非常に不信感が出てくる元だと思いますので、是非解決していただきたい。

<知事発言>

冒頭の老人会を活用してくれという話、これは大事だと思います。未病を治すという中で、やはり生きがいとか絆、そういったものはすごく大事ですよね。定年退職したら地域と何のつながりもなくて、何をしていいかわからないと、急に体調が悪くなってしまう。そうではなくて、地域のいろんな活動の中で、期待されたりしてやりがいがあれば、まさに気が高まってきて、健康にもつながっていく。

老人会は、そういう地域とつながっていくという側面もありますから、非常に大事な仕事だと私は思っています。補助金の件に関しては、今、県の財政が非常に厳しい状況の中で、何とかお応えしたいという気持ちはありますけれどね。

酒匂川等の問題は、いつも議会の先生からも言われておりまして、何とかしなければいけない重要な課題だと、しっかりと認識しております。家が出っ張っているという話は、どこの家かちょっとわからないのですが、行政の対応が悪いというのは、しっかり受け止めます。

県にいろいろな形で、お便りくださったり、メールくださったり、来て言ってくださったり、それにどんな回答をしたのか私に報告させるようにしているんです。そうしたら、こんな言い方はないだろうというものがいっぱいあったんですよ、正直申し上げますけれど。お役所言葉というか何を言っているかわからない、こんな言い方されたらむしろ返事された方が腹立つぞ、これではだめだ、と言って、書き直させた。

なぜこうなっているのかと県に言ったときに、「それは県の担当ではございません」で終わっていたりした。県の担当かどうかなんて、一般の人にはわからないじゃないですか。例えば県の担当ではなくても、「それはどこどこ市の何とか課の担当ですから、県からも言っておきます。県としても問題意識を受け止めながら、市がどう対応したかも含めてフォローしてまいります」というふうに言えば、何となく寄り添った形になりますよね。窓口に来られて、うちの担当ではありませんから、という言い方は、最もいけない対応だと。相手の気持ちになっていない。それはうちの担当ではないですよ、お連れしましょうか、でもいいじゃないですか。

今、だんだん変わってきているはずです。そういうことはどんどん言ってください、変えるよう努力しますから。だからこそ、こういう対話の広場をやっているんです。

<参加者発言6(中井町・男性)>

未病を治す、その基地を県西に、という知事の話は非常にわかりやすいのですが、ただ、今の県西地域の現状が、例えば食を生産する農地や、いろいろな健康に役立つと思われる山林、里山などが、若い人がどんどん東の方に移っていることもあり、管理するのが農家の高齢者になってきているということで、5年、10年後には管理できなくなる状況が、見て取れるんですね。これは、行政が仕組みをつくらないと、耕作放棄地や荒れた山などがどんどん増えてしまうと思われます。

それを何とかするために、知事の提案される未病の問題というのは、すごくいいなと思うのですが、現状と方向性がマッチしていないのをどうするかということで、農家はこれまでの世襲制だけでは成り立たないというのが今後の日本だと思います。そういったことも含めて、きちっとやっていかないといけないと思い、私も地元でいろいろな活動をし始めました。

一つには、ツバキの森をつくろうという動きを今年から始めまして、長崎の五島列島へツバキの森を見学に行きました。ツバキの森の中を歩くと、すごく気持ちがよくなるというか、何か気をもらったというか、そんな状況でした。それを地元にもつくり、散策ができるようなコースもつくることを考えています。

ただ、それをつくるためには仕掛けが必要なので、今知恵を使っているところです。いろいろ県行政にもそういったバックアップをしていただきたいなと思っています。

<知事発言>

私は、いのち輝くマグネット神奈川をつくりたいと言ってきました。マグネットとは磁力ですね。地域を再生するのに一番大事なことは、やはりこのマグネット力です。行きたくなるとか住みたくなるような、引きつける力をどうやったら持てるのか。県全体を見ても、それぞれの地域に魅力がいっぱいあるのに、十分に生かされていないと思うことがけっこうあります。

例えば、今、若い人が東へ行くと言っていましたが、さっき出た里地里山、今はその素晴らしさを訴えれば、逆に来たくなる人はいっぱいいますよ。自然の中で海や山を見ながら生活して、温泉もそばにあって、地場でつくられるものがおいしいし、そういう中で生活ができる。いざとなったら、横浜でも東京でも近いからすぐに行けるという、ライフスタイル。それをうまく見せれば、どんどん来るはずですよね。

だから、そこに未病という一つのコンセプトを提示することによって、皆さんの持っている潜在力を出していく。例えば、発言のあったツバキ、ドングリ、タマネギは、全部そのキーワードです。そういうものを単なる産地で終わらせずに、こんな感じでこうなったらこんなふうになってきて、エリアの概念ができてくる。そういった皆さんから出てきたアイデアを、うまく仕上げていこうと思っています。だから、そういうアイデアをいただくのはすごくありがたいと思います。

<参加者発言7(大和市・男性)>

県庁が、県の東に寄ってしまっていますよね。横浜市庁と県庁が横浜にありますよね。それは、すごく無駄だと思うんです。県庁を、マグネットの中心を神奈川県のど真ん中に移転するお考えはないですか。

<知事発言>

よく言われるんですね、こちらに来ると。そのとき私が言うのは、県庁がそちらに行きたくなるような地域にしてください、ということです。逆ですよ。来てくれ、ではないんです。あそこに行ったら神奈川県庁はもっと全国に発信できるすごいことになるぞ、くらいの勢いで、そのまちのイメージを活性化してくれという話だと私は思っています。そのためにいろんな種は蒔いているつもりではいますけれど。

<参加者発言8(南足柄市・男性)>

フジテレビのキャスターをやってられたときの救急救命士の関係で、今、全国の救急救命士が相当活躍されています。その件にまずお礼申し上げます。

一点、お願いがあります。今、県西地域でゲリラ豪雨が多発しております。これは全国津々浦々そうですが。そういった中で、雨は発達した積乱雲によって降るわけですが、その積乱雲が発達したときに、30分前とか1時間前に、雨が降りますよという関係の、MPレーダを使用した社会実験が行われております。雨が降るということを防災行政無線で放送することによって、子供が早く学校から帰るとか、建設業者の方が工事をやっているとき、その放送を聞いて対応できるようになると思うんです。

この実験は、文部科学省と気象庁と国土交通省が行っているのですが、平成26年度で終わってしまうんです。神奈川から全国というより世界に発信するために、国の方に実用化になるように、知事の力を是非お借りしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

<知事発言>

レーダの話は知らなかったので、今受け止めましたから、調べておきます。いろいろな情報をいただきまして、ありがとうございます。

・XバンドMP(マルチパラメータ)レーダとは、局所的な雨量をほぼリアルタイムに観測可能なレーダで、国土交通省が設置しています。

発言にありました予測についての社会実験は、独立行政法人防災科学技術研究所が「気候変動に伴う極端気象に強い都市創り」研究として、XバンドMPレーダなども活用し、平成22年度から5ヵ年の計画で行っているものです。

同研究所に、平成27年度以降の予定を確認したところ、研究成果等も踏まえて今後検討するとのことでしたので、神奈川県としましては、同研究所の検討状況等に基づいて、必要に応じて対応を検討してまいります。

災害に強いまちづくりは、やはり一番の基本ですからね。だから、お金がないところですけども、そこは一生懸命、今やっているところです。

相模湾というのはどかんと深くなっていて、平成19年の台風で西湘バイパスまでやられてしまいました。日本で三つどかんと深くなっているうち、富山湾と駿河湾は国が直轄でやっているのですが、相模湾だけはそうでないので、国に修復事業を直轄でやってくれと強行に申し入れに行きました。そういうことは、一歩一歩やっていかなければいけないなと思っております。

<参加者発言9(大井町・女性)>

これからのデータ収集ということで、知事からいろいろ便利な機能、技術を紹介していただきましたが、その中で、今後のものとして、スマートフォンで個人のカルテやお薬の情報などを持ち歩けるようになる、という話がありました。

その実用なんですけれども、私はパソコンのサポート関係の仕事をしているのですが、ITに関するレベルが高いユーザーさんもいれば、ちょっと苦手な方に接することもあります。若い世代と同居している御家庭であれば、スマートフォンの使い方などをマスターすることも多いかと思いますが、残念ながらそういうことがないと、便利な機能や機器を渡されても、うまく使いこなせないのではないかという心配と、それから、使いやすい操作性のいいものになったとしても、今度はセキュリティの心配もあります。そのセキュリティのことと、ITに関しての弱者、デジタルデバイドのような格差をなくすようにしていただきたいと思っております。

<知事発言>

それは非常に重要なポイントですよね。

スマートフォンを触れなければ恩恵を受けられないというわけではなくて、例えば先ほどの技術の中で、輪っかをはめているだけで情報が入ってくるとか、トイレを使うだけでデータが集まるとか、そういうこともあるわけですね。そこでスマートフォンに対応できない人には、やはり人間が実際にお話をすることも、併せてやっていくことが必要になってきますよね。

それから、医療の情報をビッグデータに集めて解析するという方向性に対して、一番大事なポイントは、おっしゃったとおり、セキュリティの問題です。究極の個人情報ですから、どうやって、個人の情報と切り離してデータを扱うことができるか。実は昨日、総理官邸に行きまして、全国知事会から要望をしたのですが、その中で私が言ったことはそれだったんです。まだルールがしっかりできていないので、個人の情報を切り離してビッグデータに入れるルールを早くつくってくれ、と。

でも、技術の進歩とはすごいもので、こうやって我々がヘルスケア・ニューフロンティアということを言っていると、いろいろな情報が持ち込まれるんですね。ビッグデータで処理するときに、個人情報とわざわざ切り離さなくても、あるシステムによって個人が特定されるような情報はひっかからずに、ばっと必要な情報だけ集めてくる、もうそんな技術も確立しているという話まで持ち込まれてきている。この世界はどんどん早くいっていますからね。

例えば、銀行のキャッシュカード。皆さん今、普通に使っているでしょう。最初は、もしかしたら誰かに勝手に引き出されるんじゃないか、と心配していましたよ。インターネットショッピングでのカード決済なども、普通にできているでしょう。セキュリティはもうそこまでいっているということ。時代の流れですよね。だから、そういう新しい技術をしっかりと皆さんと理解しながら対応していくことが、必要だと思う次第であります。

さあ、もう時間も迫ってまいりましたが、今まで聞かれてきてどうでしょう、先生方。荒木田先生、いかがですか。

<事例発表者発言(荒木田美香子氏)>

とてもすばらしいアイデアがいろいろあるなと、聞かせていただきました。

今、タマネギだとかいろいろ出てきましたが、私はやはり研究の立場にいるので、エビデンス、つまり根拠が必要だなと思ったんです。これをやったらこれだけの成果が出るということがモデルにくっついてきて、売れるというか、PRできるなと思ったんですね。

さっき、高齢者が多いことは一つ強みだと言わせていただいたのは、この地域ではそういうデータやエビデンスが、特に介護予防のところで、早く出ると思うんです。そういったデータとくっつけて地域を売っていけるということは、ある意味強みだと思っています。

それから、最初の方がおっしゃった中で、教師になる、参加するだけでなく当事者となってつくり上げていくという、この動きがやはり重要ではないかと、聞かせていただきました。トライできるし、チャレンジできるモデルがいくつもあるのではないかと思いました。

<知事発言>

小澤先生、いかがでしょうか。

<事例発表者発言(小澤優樹氏)>

貴重な御意見、ありがとうございました。

私の医師からの立場ですが、この県西地区の現在の問題点を改善するためには、やはり一つは健康増進ということで、減塩が一つテーマだと思うんですね。小田原地区の産業にはかまぼこや干物などいろいろありますけれども、その中でやはり減塩のメニューをつくって、それを全国に発信するということも一つでしょうし。

それから先ほど知事が温泉の話をされましたが、温泉も一つの大きな道具なんですね。湯治をうまくすることによって、血圧は下がります。温泉と保養地での森林浴を含めた健康パッケージみたいなものを売り出して、それで発信していくということも今後大事だと思います。

あと運動ですね。やはり環境が非常にいいので、運動できる環境をもっとつくってほしい。例えばウォーキングするときに、1キロがここまでで何分ぐらいで歩きましたとか、ここで一休みしましょうとか、そういう楽しい掲示を見ながら散歩できるような環境づくりによって、知事がおっしゃったように、小田原の方に住む人が増えるようになればいいかなと考えております。

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知事によるまとめ

健康寿命日本一を目指すともう言ってしまいましたからね、やりましょうよ。

超高齢社会というのは、悪いことではないと思うのです。長生きできるんですから、すごくいい社会ですよね。だから、せっかくなら、元気な状態で長生きしたい。そのためにはやはり、病気になる前からやっていこう、ということですね。

どうやってこの大量の集団を動かしていくか。あれをした方がいい、これをした方がいい、といっぱい言っても、それだけでは人間はあまり動きません。だから、お得感を出そうと思って、今いろいろ知恵を絞っています。

例えば、ポイント制みたいなもの。これだけ運動すればポイントがもらえるとか、こういう食生活をすればポイントが貯まるとか。いろいろな工夫をして、そのポイントが貯まったらお店で安く買えるとか。そうなると頑張るじゃないですか。

それとともに、CHO構想を広めていこうと思っています。CHOとは、チーフ・ヘルスケア・オフィサー、最高健康管理責任者ということです。神奈川県庁のCHOは私です。約8,000人いる県庁の職員を、未病から健康へ戻していくために動かそうとしている。こういうことをやったら何かちょっとお得な感じをあげるとか、こんなことをやっていたら給料下げるぞ、とかいう動かし方もあるわけですね。

このCHO構想を、いろいろな企業に話しています。企業の団体でまとまって、みんなで未病を治していく。地域は地域でポイント制で、みんなで健康に戻していく。こういうことを全県的にやっていったら、この健康寿命日本一は絶対実現すると思っております。

この県西地域を未病のエリアにしたいという私の思いは伝わったと思うので、皆さんこれから、どんどんアイデアを出してください。この地域がまさに世界に冠たる未病のエリアだと発信できるようにしていきたいと思います。

今日はありがとうございました。


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「黒岩知事との“対話の広場”地域版」全会場の開催状況は情報公開広聴課のページをご覧ください

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