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更新日:2021年5月19日

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平成30年度「黒岩知事との”対話の広場”地域版(県西会場)」実施結果

平成30年度「黒岩知事との“対話の広場”地域版(県西会場)」の実施結果です

黒岩知事との“対話の広場”地域版 県西会場 実施結果概要

対話の広場

日時

平成30年11月22日(木曜日) 18時30分から20時00分

会場 県小田原合同庁舎 3階会議室
テーマ 子どもみらいをスマイル100歳に!
地域テーマ 食と運動で未病改善!ー地域で育てる子どもみらいー
内容 1 知事のあいさつ

2 事例発表

  • 宮川萬寿美さん(小田原短期大学保育学科教授)
  • 松下朗大さん(NPO法人総合型地域スポーツクラブ松田ゆいスポーツクラブ理事長)
3 会場の皆さんとのディスカッション(知事が進行役を務めました)
参加者数 188名

知事あいさつ

こんばんは。今日は、このような時間にお集まりいただきありがとうございます。昨日、ベトナム・シンガポールの旅から帰ってまいりました。「ベトナムフェスタin神奈川」を毎年開催してきましたが、今年はベトナムで「神奈川フェスティバルinハノイ」を開催し、神奈川県の魅力をアピールしてきました。初めて「風魔忍者ショー」をお披露目し、私も初めてショーを観ましたが、素晴らしい忍者ショーでした。来年は、ラグビーワールドカップが横浜を中心に行われ、その翌年には東京2020オリンピック・パラリンピック大会があります。日本らしいものを観たいというのが外国人の関心です。今後、風魔忍者ショーもインバウンドに活用していきたいと思います。地元の皆さん、盛り上げてください。

対話の広場は、地域ごとにテーマを掲げ、皆さんと直接議論を行います。今年の年間テーマは、「子どもみらいをスマイル100歳に!」です。「いのち」が輝くためには、何が大事でしょうか。医療が充実しただけでは、いのち輝きません。食の問題、美味しい安全な食が十分にないといのち輝きません。食を支える農業もしっかりしていないと、いのち輝きません。エネルギーの問題もあります。先日、北海道で295万戸の大停電が起きました。そのような状態が続いてしまうと、いのち輝きません。労働分野において、過酷な労働条件ではいのち輝きません。産業が停滞してもいのち輝きません。共生社会の理念がないと、皆さんで「ともに生きる」理念が浸透しないと、いのち輝きません。これらが連携して、総合的に進まないといのちは輝きません。これを念頭に取り組んでまいりました。

SDGSこれは、SDGsといいます。今日、絶対に覚えて帰ってください。国連が定めた、2030年までの持続可能な開発目標で、17項目あります。今のままでは、地球は持続可能ではなくなるという危機感です。17項目の中には「すべての人に健康と福祉を」、「質の高い教育をみんなに」、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」とあります。「いのち輝く」で言っていることと同じです。一つひとつではなく、連携して取り組まなければならないということです。

SDGsの取組に関して、一番を目指してきました。そのことにより、国から評価され、SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業として神奈川県が選定されました。都道府県では神奈川県だけが選ばれ、安倍総理より認定証もいただきました。

さて、「いのち輝く」の目標は何でしょうか。どんどん高齢社会が進んでいきます。その時「笑い」がとても大事です。みんなが笑っている社会です。笑いがあふれるにはどうしたら良いのか。生まれた赤ちゃんが100歳までずっと笑い続けられる、持続可能な社会を目指していこうということで、県の政策を3つにまとめました。

「健康」でスマイル100歳、「学び」でスマイル100歳、「共生」でスマイル100歳。これが今年のお正月に掲げた3つの政策の柱です。今日は「健康」でスマイル100歳の中の「全世代の未病対策の推進」について議論していきます。

グラデーション我々は、「健康」か「病気」のどちらかであると考えがちです。医学は赤いところ(病気)を研究する学問で、厚生労働省は赤い部分(病気)について一生懸命取り組みます。しかし、我々の実感からすると、健康と病気の間はグラデーションで、連続的に変化します。この状態が未病です。病気になってから治療するのではなく、常に白い方(健康)にしようとする「未病の改善」が大事です。また、未病の改善には、「食」、「運動」、「社会参加」の3つの取組が大事です。

大井町には未病バレー「ビオトピア」という「未病」をコンセプトとした施設があります。未病の状態を自分でチェックすることができ、皆さん楽しんで体験しています。地元の食材を使ったレストランや森林セラピーを体験できる散策路もあります。今年の4月にオープンし、年間20万人の来場者数を目指したところ、先日、来場者数33万人を達成しました。

神奈川県内の小中学生の体力・運動習慣の現状を紹介します。小学校5年生と中学校2年生の男女別の体力テストの結果ですが、本県は全国平均を下回っています。

未病の改善には、「食」、「運動」、「社会参加」の3つの取組が大事だと先ほど申し上げましたが、いずれも習慣であり、子どもの頃から習慣化できていないと、大人になったときどうなってしまうのでしょうか。100歳までスマイルでいるためには、子どもの未病対策もしていかなければならない、ということで、今日は「食と運動で未病改善!~地域で育てる子どもみらい~」をテーマに議論をしていきます。

事例発表

司会
はじめに、小田原短期大学保育学科教授、乳幼児研究所所長の宮川萬寿美(みやかわますみ)様をご紹介します。宮川様は、小田原短期大学で子どもの発達や保育に関する教育・研究を行うとともに、保育園等への巡回指導員や県西地域の子育てや子どもの発達支援に関わる専門職の勉強会の世話人としてご活躍されています。それでは宮川様よろしくお願いいたします。

宮川 萬寿美氏(小田原短期大学保育学科教授)

 小田原短期大学の宮川です。学校では保育士養成の仕事をし、県西地域では、子どもの発達相談の事業に関わっています。

宮川様1小田原短期大学は、神奈川県の県西地域に女子の高等教育の場をということで、敷地を寄付していただくなど地域の支援を受けながら、今年で創立61年となります。現在は食物栄養学科と保育学科があります。4年前に通信教育課程ができ、小田原女子短期大学から小田原短期大学に校名が変わりました。

今日は保育の視点から「食べる」ことについてお話させていただきます。平成28年度に乳幼児研究所ができ、食物栄養学科と保育学科の教職員が専門性を発揮し、地域の生活に役立つような研究をしています。昨年は、食物栄養学科を中心に県や地域と連携して「適塩レシピ」の開発を行いました。今年は、「健康すごろく」や「食べ物カード」の作成に取り組んでいます。

さて、皆さんは早寝・早起き・朝ごはんというキャッチフレーズをお聞きになったことがありますか。学校では朝ごはんを食べることが推奨されています。キャッチフレーズを作った当初、「朝ごはんを食べてこよう」という意味ではなく、「朝おなかがすいて起きてしまい、早く朝ごはんが食べたい」というのが健康的で、生活リズムが整ったそんな生活をしよう、という意味でした。会場の皆さん、今朝、おなかがすいて目覚めた人はいらっしゃいますか。子どもの生活リズムを整えることは、大人の仕事です。大人の生活を整えることが、結果的に子どもの生活を整えることにつながります。

宮川様2この写真をご覧ください。思わず笑ってしまいます。ご飯粒いっぱいのお子さんです。元気ではちきれるエネルギーを感じませんか。食が細くても元気なお子さんはいますが、この写真のお子さんは何かを自分に取り入れようという意欲が感じられ、たくましそうです。

「食べる」ことを通じて子どもはどのような力を育てているのでしょうか。私は、これはどんな味かなと思って食べようとする新しいものへの興味関心、物を取り入れる柔軟性、物事に向かうエネルギーなどが育つと考えています。また、誰かと一緒に食べることを通じて「もっとちょうだい」と働きかける力や、「美味しいね」と言って、人と物事を楽しむ力等が育つと予想されます。

健康な心と体は「食への関心」や「食べる」ことへの意欲から始まると言っても過言ではありません。乳幼児期の子どもの育ちは、結果ではなくプロセスと言われています。「できた、できない」ではなく、「どのようにしようとしたのか」、「どのようにできていったのか」という過程が大事だと言われています。乳幼児期の学び方の特徴は、楽しく学ぶことです。具体的かつ直接的な経験を通じて、いつの間にか身に付くのです。訓練や知識によってわかるものではなく、経験と実感が大切です。食に関する育ちにも同じことが言えます。

具体的に保育施設ではどのような活動が行われているでしょうか。これは、県西地域の保育施設で実際に行われていることですが、巻きずしなどの季節の行事食がとても大事にされていますし、地域のお祭りにお団子を作って参加したりしています。お月見のお団子なども、従来は家庭で準備されたものが多いですが、今ではこのような食文化、伝統食などは意識して伝えていかなければいけません。

保育施設では、保育所保育指針に沿った保育が行われ、食べることに関しても、年齢に応じたねらいに沿った食育活動をしています。食べることを重要視しているのではなく、楽しむ、関心を持つようにと示されており、気持ちや意欲を育てることが求められていることがわかります。子どもの頃から食生活に関心を持ち、健康でいることの重要性をうたっているのは、神奈川県で取り組んでいる子どもの未病対策にも通じています。

2017年に新しい学習指導要領が示され、子どもの学びに関して大きな改革が行われました。幼児教育においても、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が示されています。その中の1つに「健康な心と体」という項目が入りました。目指す姿は、保育施設の生活の中で、充実感を持ってやりたいことに向かって、心と体を十分に育てていく、ということです。周囲の大人が考えなければならないことは、健康な心と体を育てるためには、食育を通じた望ましい食習慣の形成が大切であることを踏まえ、子どもの食生活の実情に配慮し、和やかな雰囲気の中で保育士等や他の子どもと食べる喜びや楽しさを味わったり、様々な食べ物への興味や関心を持つなどし、食の大切さに気付き、進んで食べようとする気持ちが育つようにすることです。

この活動は、保育施設内に留まらず、地域に発信し、大人の食習慣を見直す機会としてとらえることが必要です。当たり前のことですが、子どもの食べる力を育てるには、大人の食習慣の形成が大切です。大人が一緒に食べることや、買い物に行き、一緒に作ることなどを意識して行動していきたいと考えます。子どもと一緒に食べることが当たり前だと考えがちですが、そうでもないことが多いです。大人が未病改善を意識した食生活を行えば、子どもが未病について具体的に学び、実践できるようになります。その際、子どもに気持ちが動くような働きかけをします。例えば「この野菜きれいな色だね。」「おいしいね、バリバリといい音がするね。」など、大人の語彙力も試されます。

小田原短期大学で取り組んでいる食に関する活動をご紹介します。年に2回、地域の親子を対象に「食育村」を行っています。先日は、小田原ダイナシティで「食べ物すごろく」を実施しました。2年前に県の事業を受託させていただき「健康カルタ」や「まるごとたべようの歌」を作らせていただきました。

これからも地元で活躍する保育士、栄養士の卵を養成していきたいと思います。日頃より地域の方には実習等でお世話になっておりますが、今後もご協力、応援よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

司会
続いて、NPO法人総合型地域スポーツクラブ「松田ゆいスポーツクラブ」理事長の松下朗大(まつしたあきひろ)様をご紹介します。松下様が理事長を務める「松田ゆいスポーツクラブ」は、スポーツを通じた未病対策に積極的に取り組んでおり、幼児運動教室を定期的に開催しています。また、地域社会に貢献したいとの想いから、大井町での未病普及イベントへの参加や、地域の小学生向けのスポーツ体験会を開催するなど、県西地域で精力的に活動されています。それでは松下様、よろしくお願いいたします。

松下 朗大氏(NPO法人総合型地域スポーツクラブ松田ゆいスポーツクラブ理事長)

 ただ今ご紹介いただきました、松田ゆいスポーツクラブ理事長の松下朗大と申します。この度は貴重な機会をいただきありがとうございます。

私は、県西地域にある松田町で生まれ育ちました。今年の初めには、息子が生まれ、父親として子どもの成長を楽しみながら過ごしております。

松田ゆいスポーツクラブには6年前にご縁をいただき、今年の2月に理事長に就任しました。簡単に松田ゆいスポーツクラブを紹介します。2012年から神奈川県松田町を中心に運動・スポーツを通して、種目・世代の垣根なく、心身の成長や健康を促進すること、仲間や地域とのつながりを育むことを目的に活動しています。

近年、子どもの体力低下が目立っているのは周知の事実かと思います。文部科学省とスポーツ庁の全国体力・運動能力、運動習慣等の調査結果によると、子どもの体力は、昭和60年頃をピークに低水準になっています。最近になっても結果はほぼ横ばいで、改善には至っていません。

また、私たちの生活環境は、日々変化しています。私の住んでいる地域は、少子高齢化が進み、消滅する可能性のある自治体とされています。時代の流れにあった環境が整わず、衰退していく地域の活動が増えています。そのような地域では、子どもたちの運動の場、社会を学ぶ場や居場所が少なくなっているのが現状です。

松下様2これらを改善するために、松田ゆいスポーツクラブでは、平日の定期運動教室、週末の運動イベントを通して、子どもたちの運動習慣づくりをしています。主に、子ども向けの運動定期教室(総合運動部)、シニア向けのストレッチサークル、不定期に行うイベントの3つに分けて活動しています。

総合運動部は、運動能力の向上と居場所づくりを活動目的に、年代に合わせた運動プログラムを実施しています。幼児、小学校低学年、中学年、高学年の4つに分け、毎年80~90人の部員が所属し、運動やスポーツに励んでいます。ストレッチサークルは60歳以降向けです。

参加者には、体力づくり、仲間づくりだけでなく、出会った仲間とイベントに参加し、地域で子どもたちを育てることを期待しています。

イベントは、より多くの子どもたちに様々な運動をする機会を提供するために行っています。また地元や地域資源を知ってもらうことも狙いです。

また、行政との連携事業も行っています。松田町の委託事業である、町立幼稚園運動能力向上事業では、定期的に幼稚園で運動指導をしています。また、小学校より依頼を受け、スポーツテストの測定補助をシニアの方にお手伝いしていただくなど、多世代交流も目的に実施しています。

松田町の子どもたちの運動の現状を知るために、松田町の教育委員会、幼稚園、小学校、中学校教員や小学生スポーツチームの指導者が集まり、指導者交流会を行いました。様々な指導者が集まる機会はあまりないため、とても有意義な交流会となりました。

その他に、自治会では、健康体操を実施しています。様々な形で地域資源を活かし多くの人が運動に触れる「きっかけづくり」、「子どもの運動習慣づくり」に関わりを持つ方を増やす活動をしています。

これまで活動してきた中での出来事をご紹介します。

定期運動教室での話です。「目標を考えてきた。」と小学校3年生の女の子が小さな手紙をくれました。その中には、「人の話をよく聞き、スポーツを楽しくやる。」と書いてありました。「私たちはもっとできるよ」という子どもたちの声が聞こえてくるようです。その後の練習でも声を出して友だちを応援する姿などが見られました。他にも、放課後のグランドで外遊びをする子どもが増えたり、お迎えシステムを導入し学童教室の子どもたちも入部できるようになりました。総合運動部をきっかけに、運動やスポーツに興味を持ち地域のスポーツ団体に入部する子ども、プロスポーツチームで本格的にスポーツに励む子どもたちも出てきました。

次に、保護者からのお声を紹介します。「運動が苦手だった娘が『楽しい』、『できるようになってうれしい』と毎週楽しくスポーツクラブに通っています。走る、飛ぶ、投げるなど運動の基礎はもちろん、あいさつの大切さ、話を聞く姿勢なども一緒に身に着けることができ、学校生活でも自然とできるようになりました。」

「娘が1年生の頃そうしてもらったように、3年生となった今、下級生に教えてあげる姿がみられるなど、成長を感じています。」

「できたときの喜ぶ顔、できないときの悔しい顔、様々な表情を見られることが楽しみとなっています。」

「小学校の先生から整理整頓がよくできているとお褒めの言葉をいただきました。『すごいね』と子どもに伝えたところ、総合運動部で上級生がしているからと、他学年との交流により学んでいます。」運動能力以外の面での子どもの成長が期待できるのも総合運動部の魅力です。

子どもたちの運動習慣は、運動を好きになることにつながります。その中で社会性を育み、心身ともに将来の健康につながっていくのではないでしょうか。子どもたちの運動習慣づくりは、子どもの頃からの未病対策です。

ゆいすぽ3最後に、子どもの運動習慣づくりについての展望と課題です。松田ゆいスポーツクラブは、活動の場を松田町だけでなく、県西地域全体に広げます。県西地域の魅力を活かして、「運動が好きになる」場をつくり、発信していきます。そのためには、地域とのつながりを強くしたいです。

また、子どもたちが希望している海遊びやスキー等も行いたいですが、そのためには、スタッフが足りません。関わって下さる地元の方が不足しています。皆さん、是非一緒にやっていただけないでしょうか。子どもたちと関わりながら一緒に成長すること、多世代交流を行うことが運動習慣につながります。スポーツマンならぬ運動マンを育てることが私の使命だと思っています。ご清聴ありがとうございました。

知事

二人のお話を聞いて、そういう時代なのだと、改めて実感しました。僕らの世代は、自然にスポーツを楽しんでいたし、食生活もきちんとしていたのに、わざわざ運動やスポーツ、食生活の改善に取り組まなければならないとなると、今の時代はどうなっているのかと思いました。
松下さんが子どもの頃には、NPO法人が行う運動教室はありましたか。

松下朗大氏(NPO法人総合型地域スポーツクラブ松田ゆいスポーツクラブ理事長)

地域にサッカーや野球などのクラブチームはありましたが、NPO法人を立ち上げてやっているところはなかったと思います。

知事

なぜ今、それが必要なのですか。

松下朗大氏(NPO法人総合型地域スポーツクラブ松田ゆいスポーツクラブ理事長)

昔の子ども会、地域スポーツクラブを現代版にして、子どもたちや保護者が参加しやすいようにしています。

知事

宮川さん、最近の子どもたちの中で偏食をする子がいます。考えられないような食べ合わせをするなど、どうなっているのでしょうか。

宮川 萬寿美氏(小田原短期大学保育学科教授)

時間になったら食べるが、お腹が空いて仕方がなくて、ご飯食べたい、という経験が少ないというのが原因の1つにあると思います。それから、「好きだから」「嫌いだから」という二者択一的な暮らし方をしていることも関係すると思います。変化の過程、連続性のなかにあるのではなく、これは美味しそう・まずそう、これは嫌い・好きという2つに分ける考え方が基本にあると感じています。

知事

食べるものがたくさんあって苦労しないということも関係するのでしょう。SDGsで1番にあったのは、「飢餓をなくそう」これは、今の日本人にはピンと来ません。飢餓を経験したことがないからです。世界では、飢餓があり、食べるものがなくなって死ぬかもしれない人もいます。逆に食べ物がたくさんある環境で育つと、食べることに必死にならない。自分の好きなものばかりに食事が偏ります。その結果、身体に良くないことにつながります。そんな時代だと改めて感じました。

意見交換

これから、皆さんと対話をしていきたいと思います。私はこんなことをやっているというアピールでも良いです。

参加者1(男性・山北高校生徒)

現在、山北高校では未病やVR体験を通じて認知症について学んでいます。今後は、その経験を活かし、地域の人と関わっていきたいと思います。未病や認知症に関して高校生が参加できるイベントを、県として行っていますか。

知事

VR体験を通じた認知症の体験とはどんなものですか。

参加者1(男性・山北高校)

VRゴーグルという機械を身に付けて、他人が作った世界に入り込むことができ、認知症の方に見ている世界を体験できます。VRゴーグルを身に付けている自分には、認知症の方が経験している幻覚などが見えていますが、VR体験中に登場する周りの人には幻覚が見えておらず、理解されないことは、辛いと思いました。

知事

私も同じものを体験したことがありますが、VRゴーグルを身に付けると、360度の視界で、認知症の方が見ている世界や、そこにいない人が座っているように見えるなどという幻覚が体験できます。認知症の人の見え方を理解し、その人との向き合い方をVR体験を通して理解できます。そういった高校生向けのイベントがあるのかというご質問ですが、そのVR体験がまさしく県の事業ですし、今日、皆さんが来ている「対話の広場」も、高校生に参加してもらえる県のイベントです。また、県議会では「ハイスクール議会」があります。夏休みに、県議会の本会議場で高校生たちが議員となり議論し、最終日には知事が答弁します。皆さんも参加してみてください。

参加者2(小田原市・女性)

小田原児童館連合に所属しており、4人の子どもがいます。小田原市には赤ちゃんから大学生まで幅広い年代が集まることのできる場所がないので、近隣の公民館を使い、移動型児童館を実施しています。他にも月1回、親子食堂をやっています。小田原市内には、青少年が集まれる居場所もなく、多世代で交流できる場所が少ないです。松下さんがおっしゃったように、多世代で交流することは、子どもたちが自然と未病について考えたり、理解する機会になります。宮川さんの保育施設の事例でどんど焼きがありましたが、私は東京都杉並区の出身でどんど焼きの習慣を知りませんでした。今は団子づくりを経験するお母さんも少ないので、地域の人達と一緒にどんど焼きに参加するまでをサポートしたりもしています。ボランティアでシニア世代も関わってくれて、工作ができる場所もあります。多世代で交流できる居場所があると、未病の考えなどももっと根付きやすいと思います。そういう居場所づくりを市民や県民の皆さんがしやすいように、今後、施設の整備などをお願いしたいです。

知事

活動はすべてご自身でやっているのですか。

参加者2(小田原市・女性)

はい。活動を始めて3年目になります。子どもたちを抱えながらやっています。杉並区には児童館が41箇所あり、多世代で集まることができるなど、制限がありません。小田原市には子育て支援センターはありますが、6歳までしか入れません。兄弟がたくさんいると一緒に入れる場所がないのです。

知事

小田原市役所の人、いますか。どんな感じですか。

参加者3(男性・小田原市職員)

率直に申し上げます。小田原市としては、全体的に施設の面積を縮減する方向性で計画を立てています。ただ、子どもや福祉の分野については、従前より施設の面積としては少ないと感じています。小田原市の場合、公民館は民間の自治会が運営しているため、公共施設としての面積は少ないですが、自治会が持っている公民館を移動型児童館のように利用していただいている現状があります。

知事

居場所が少ないという生の声は届いているのですね。是非、工夫をして、県と一緒になり、居場所を作ってください。

参加者4(女性)

NPO法人子育ての輪Leiに所属しています。県西地域を中心にコミュニティの構築や居場所づくりの活動、子どもたち向けの防災の啓発やコミュニティ食堂の運営をしています。中井町で2年ほどやっており、先日秦野市でも開催し、50人近くの方が参加してくれました。子ども食堂とは区別して、あえてコミュニティ食堂と言っています。誰でも参加できることを一番大事にし、笑顔がみんなにあふれる場をつくりたいと、楽しくみんなで食べることを目標に活動しています。子どもたちがみんなで楽しく運動して、たくさん遊べば、自然におなかもすくし、お母さんのご飯がおいしく食べられるのではと思いました。秦野市でのコミュニティ食堂に参加してくれたお母さんが「この場はいいね。今までこんな場はなかった。」と言ってくれました。地域の方が集まって何かをするということが減っていて、大人が子どもたちに機会を提供することが大事です。この活動が、私たちだけでなく、地域全体、神奈川県全体に広がればいいと思います。

知事

素晴らしいですね。コミュニティ食堂では、食材はどうしていますか。

参加者4(女性)

中井町に関しては、農家の方で、活動に賛同してくださる方が食材を提供してくださったり、現金を寄付してくださる人もいます。作る人ですが、私たちは場を提供しているだけで、地域のお母さんたちが足りないものを買ってきて、一緒に作ってくれます。子どもたちもみんなで一緒に作って食べています。子ども食堂との違いはそこかなと思います。先日も小学生が「何かすることはありますか。」と聞いてくれて「おにぎりを作って」と頼んだら喜んで作ってくれました。参加費は大人は300円、小学生200円ぐらいの価格設定でやっています。

知事

このような話を聞くと、私もやってみようという人が出てきます。「なるほどな」と思ったのは、運動することが食べることにつながっていることです。「食、運動、社会参加」とありましたが、運動する中でふれあい、コミュニティができる。これらの輪がつながらなければいけません。

参加者5(男性・吉田島高校生徒)

ボーイスカウトの小田原第一団に所属しています。そこでは野外活動も行っています。現在、高校生は私一人だけで、小学生も4人しかいません。指導者の方に話を聞くと、かつてはすごく人数が多かったと聞きました。私が入った頃もメンバーが20~30人いましたが、1年足らずで半分になり、気が付いたら私と兄の2人だけしか所属していないこともありました。知事にお聞きしたいのですが、ボーイスカウトのことはご存じでしょうか。

知事

私は、神奈川県ボーイスカウト連盟の本部長で、子どもの頃にカブスカウトに入っていました。ボーイスカウトとは、自主的に何かを考えて行うもので、やりなさいと言われてするものではありません。自分たちでいろいろと企画してやってみてほしいです。確かにボーイスカウトの数はどんどん減っています。構造的な問題です。なぜ減るのだと思いますか。

参加者5(男性・吉田島高校生徒)

私は、小学生の時から入っていました。同世代の子たちは、家の中でゲームをして遊ぶ方が外で遊ぶより楽しいと思っていました。この傾向が年々強くなっているのだと思います。

知事

この中で、過去にボーイスカウトまたはガールスカウトに入っていた人はいますか。

参加者6(男性・高校生)

カブスカウトに入っていました。小学校1年生の頃でした。当時は人数も多かったので、みんなで手をつないで歌ったことなど楽しい想い出があります。楽しさは入るとわかるのですが、入る前に食わず嫌いしてしまい、家でゲームをしている方が楽しいと考え、入らない人が増えていると思います。食わず嫌いの精神が身についているのだと思います。

宮川 萬寿美氏(小田原短期大学保育学科教授)

今の子どもたちは、忙しいからだと思います。子どもが子どもらしく使える時間は、意外とありません。ボーイスカウトの活動にまで、気持ちが行かないという気もします。

知事

子どもたちはなぜ忙しいのでしょうか。塾とか習い事があるからでしょうか。

宮川 萬寿美氏(小田原短期大学保育学科教授)

今の子どもたちは、昔より長時間、学校にいます。土曜日授業がなくなったので、学習時間は他の曜日にいっていますし、いろいろなイベントもありますので、子どもたちが自分たちで好きなことを選択してできる時間は少なくなっているように思います。

知事

松下さんのスポーツクラブには、子どもたちが来ていますね。なぜボーイスカウトに参加する子どもは少ないのでしょうか。

松下 朗大氏(NPO法人総合型地域スポーツクラブ松田ゆいスポーツクラブ理事長)

保護者の方と話す機会がありますが、周知ができていないことが多いです。周知されると行きたいと思う人も出てくると思います。「ボーイスカウトは楽しい。」ということをもっと知ってほしいです。

知事

私が小さい頃にカブスカウトに入ったのは、制服にあこがれて格好良いと思ったからです。最近は、ボーイスカウト自体を見かけないから分からない人も多いのでしょう。

参加者7(男性・小田原高校)

小田原高校放送部に所属しており、先ほどまで、この建物の正面にある小田原市役所でFMおだわらのレギュラー番組、「小田高放送部ツナガリズム」の収録をしておりました。毎週水曜日の午後10時から30分間、FMおだわらで放送しているので皆さん聞いてください。2年前に、小田原高校の放送部が作った「小田高生徒会の挑戦」という映像をかなチャンTVで取り上げてくださり、ありがとうございました。ここから本題に入ります。放送部では、大会のために5~8分のラジオドキュメント番組を作っていて、そのテーマを探すのに困っています。どうしたら高校生が興味を持てる、地域の情報を得ることができるのか、テレビでご活躍をされていた黒岩知事にヒントをいただけたら、うれしいです。

知事

高校生が興味を持てるドキュメント番組のテーマをどうやったら探せるか、ですか。あなたが知りたいと思っていることや、関心を持っていることが答えではないでしょうか。テーマを探すには取材材しかありません。放送の原点は取材です。また、この会場の面白いところは、高校生やご年配の人も来てくださる、多世代交流の場です。ご年配の方が高校生と同じテーブルで話すことはなかなかないですよね。大先輩の言っていることを聞き、「昔は、そうじゃなかった」と話した時、皆さんは知らない昔を知ることで、自分たちの置かれている現状が何となく見えてきます。番組を作るために大事なことは、切り口です。たくさんの議論や取材を重ねること。今日、この会場にもたくさんのヒントがあるでしょう。食をテーマにしても、おいしい食を伝えたいのか、食物アレルギーの問題を伝えたいのか、など。地域の食文化という切り口もあります。小田原のかまぼこは小田原市民にとってどんな意味があるのかなど。また「かなチャンTV」で放送しますので、頑張ってください。

参加者8(女性)

NPO法人子育ての輪Leiに所属しています。コミュニティラジオでパーソナリティをしながら、地域のお母さんたちと一緒にコミュニティ作りの活動をしています。今、空き家を借りて、子どもたちとペンキを塗ったり、改修を行いながら居場所を作っています。昔は、空き地があれば子どもたちが考えて遊んでいました。豊かさゆえに人とつながることを面倒くさがり、恐れている社会になっているのではと思います。その辺りをどのように考えているのか、先生方に伺ってみたいと思いました。

知事

人とつながることを恐れている。人と関わることがうっとうしい。一人の方が楽しい。そのような感じはありますか。

松下 朗大氏(NPO法人総合型地域スポーツクラブ松田ゆいスポーツクラブ理事長)

難しいですね。大人になるといろいろな部分が見えてきますが、子どもの時は何も考えていなかったです。

参加者6(男性・小田原高校)

小学生の頃、私は物静かな方で、人とつながることが怖かったです。人との関わり方が下手で、ちょっとしたいじめに遭いました。小学校高学年のときだったので、客観的に考えて、次からこうしようと学びがありました。今の子どもはひ弱で、一回倒されると立ち上がれません。それが人とつながることを恐れる原因ではないかと思います。

知事

なるほど、と思います。昔は「ガキ大将」がいて、子どもたちならではの独特の社会があり、いじめの状態を放置することは、今に比べれば少なかったように思います。

参加者9(男性)

通勤の輪ネットワークに所属しています。私の地元はここではなく移ってきました。特に神奈川県は、移ってくる方が多いと思います。昔は消防団や子ども会などを通じてつながりがありました。今は中々移り住んできた方が溶け込めないことがあります。児童館なども、子ども一人で行くことはなく、親御さんが最初は付き添い、そこでつながりを作るのだと思います。急に子ども同士がつながれるようになるわけではなく、親が最初にきっかけを作るはずで、そこがつながらないことが問題だと思います。たくさん活動が行われていても情報がなく、つながる場所への足場がない。広報に力を入れることが1つの解決策になると思います。

知事

今日は、地域で自主的に活動されている方がたくさんいます。今は、SNSで情報発信できる時代です。みなさん一人ひとりが広報マンとなってみてはどうでしょうか。神奈川県庁には「かなチャンTV」というインターネット番組がありますので、活動をアピールする場として提供させていただきたい。

参加者10(男性・小田原高校生徒)

生徒会の活動についてお話します。小田原高校生徒会では、未病を改善するため、また、地産地消を推進するために、毎年6月の文化祭で小田原名産の食材を使ったおでんを販売しています。現在は、来年の文化祭に向けて、お茶を使ったスイーツ作りに取り組んでいます。お茶が小田原の名産だと知っている人は少なく、生徒会でも知っている人は全然いませんでした。このような取組を通じて、小田原名産を知っていただき、小田原を活性化できるようにしていきたいです。

知事

他の事例ですが、自分たちで実績を作るだけでなく、大手のスーパー、コンビニと手を組み、実際の商品づくりをすることもあります。いろいろと調査してみてください。

参加者11(女性・山北高校PTA)

私は未病という言葉を聞いたことがなく、大変申し上げにくいのですが、校長から聞いて初めて知りました。PTAの運営委員会のたびに、校長が「未病、未病」というので、興味が出てきました。先日開催された山北高校の文化祭でも、未病改善への取組を行いました。また、「子ども劇場」という活動をしており、子どもたちと一緒に田んぼを借りて農作業を体験する、焼き芋を作って食べるなどの活動をしています。私のように知らず知らずのうちに地域活動、子ども会の活動を通じて未病改善への取組を行っている人もいると思います。「未病」という言葉を広めるだけでなく、一般の人に分かりやすくすることも大事だと思います。

知事

「未病」というのは、もともと中国の漢方の言葉です。私たちが新しい解釈を加え、白・赤(健康か、病気か)ではなく、グラデーションを表す言葉にしました。最初は猛反対されましたが、「未病」という概念が大事だと考え、私自身が「未病、未病」と言い続けました。海外で「未病」の話をした時、世界の医学の権威の人が、目から鱗が落ちたような顔をしていました。皆さん、白・赤(健康か、病気か明確に区別する考え方)にこだわりすぎている。実感としては、グラデーション(健康と病気の間を連続的に変化する状態)であると話しました。白、赤モデルは、実は感染症モデルです。病気の状態と健康な状態がはっきりと区別できます。しかし、超高齢社会においては、生活習慣に関わるいろいろな病気を抱えている人がいて、そういう人たちに対して、白・赤モデルでは対応できません。電通の調査によると、「未病を知っているか」という設問で、全国の52.5%の人が知っているとのことで、60歳代の女性では、71.9%の人が知っていました。神奈川県だけだと、もう少し高いと思います。自分事として食生活、運動習慣の改善に取り組むことは大切ですがそれにはコミュニティがつながっていなければいけません。そうすると、みんなで未病を改善し、健康になり、その結果、みんなが笑っている超高齢社会になります。

参加者12(男性・吉田島高校生徒)

昨年から、子どもと一緒に川で遊んだり夏休みの宿題を手伝うボランティアに参加していて、今年の夏休みは小田原合同庁舎で災害関連の知識を身に付けるためのボランティアに参加しました。かながわブランドの特派員の活動もしており、かなチャンTVで紹介したり、カナさんの畑というFacebookで、県のブランド農産品「開成弥一芋」という開成町の特産品の情報を発信しています。「未病」について、私もあまり知りませんでした。積極的に未病改善の取組に参加するにはどうしたら良いでしょうか。ゆくゆくは教える側に立ちたいと思っています。

知事

未病バレー「ビオトピア」は、楽しみながら「未病改善」に関する体験ができる施設です。また、来年の4月には県立保健福祉大学の大学院として「ヘルスイノベーションスクール」を設置します。未病コンセプトを徹底的に教えます。

今日は、高校生がたくさん発言してくれました。高校生の発言にはいつも刺激されます。今日参加された皆さんも、高校生の考えを聞き、驚きや発見がたくさんあったでしょう。「食、運動、社会参加」がどうしたらつながるのかについて、今日は掘り下げていきました。今の時代、一人ひとりが孤立しがちですが、誰かが立ち上がりその間をつないでいくということがあります。今日この会場には自らアクションを起こしている人がたくさんいました。そうすると切れていたものがつながり、良い循環になっていきます。生まれた赤ちゃんがずっと笑顔で過ごせる社会がきっと築けると思いました。

今日は素晴らしい意見をありがとうございました。お二人の先生もありがとうございました。

参加者からのご意見

参加者アンケートによるご意見(PDF:271KB)

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