平成30年度中小企業労働環境改善訪問の概況

掲載日:2019年5月31日

 かながわ労働センターでは、中小企業等の労働者の労働条件や労働環境の改善を図ることを目的として、毎年度次のような内容で県内の中小企業等を訪問しています。

 経営者や管理監督者の方から、採用、就業規則、労働時間、育児や介護制度への対応などに関するお話をうかがいながら、改正された労働関係の法律や制度について情報を提供し、契約書の作成方法等や就業規則の改訂等、今後に向けたアドバイスをさせていただくものです。

 平成30年度における中小企業労働環境改善訪問の概況は次のとおりでしたのでお知らせします。

1 訪問事業所数

389件(県内の中小企業や個人事業の事業所など)

2 事業所の業種

製造業、サービス業、医療・福祉 等

3 概要

採用、就業規則、労働時間、育児や介護制度への対応などの状況に加え、平成30年度は長時間労働の抑制と年次有給休暇の取得促進対策の状況などを重点的にうかがいました。

(1)長時間労働の抑制と年次有給休暇の取得促進

労働時間の把握方法

労働時間の把握方法は、タイムカードが43%、自主申告が20%、管理職現認が14%、ICカードが11%、パソコンの使用時間が2%、その他が10%となっています。

労働時間の把握方法

過去1年間において1か月間で長時間労働を行った従業員の有無

過去1年間において1か月間で長時間労働を行った従業員の有無は、60時間以上80時間未満が15%、80時間以上100時間未満が7%、100時間以上が4%、該当者なしが75%となっています。

長時間労働を行った従業員の有無

長時間労働の原因

長時間労働の原因は、一時的業務増が33%、人手不足が22%、季節的要因が22%、急なトラブル対応が19%となっています。

長時間労働の原因

長時間労働への対応方法

長時間労働への対応方法は、当該従業員の応援・業務見直しが35%、職場全体の業務見直しが19%、産業医との面談が17%、季節的・一時的業務増のため特に対応しなかったが11%、人手不足で対応できなかったが10%となっています。

長時間労働への対応方法

長時間労働の抑制対策

長時間労働の抑制対策は、業務の見直しが29%、退勤時刻の終業呼びかけ等の実施が20%、事前申請等残業の手続きの厳格化が18%、対策はしていないが12%、残業時間等の数値目標の設定が10%、ノー残業デー等の設定が6%、その他が6%となっています。

長時間労働の抑制対策

年次有給休暇の取得促進対策

年次有給休暇の取得促進対策は、対策はしていないが26%、取得率が低い社員への取得勧奨が24%、業務の見直しが16%、計画的付与制度の導入が11%、時間単位での年次有給休暇制度の導入が11%、取得日数等の数値目標の設定が5%、その他が6%となっています。

年次有給休暇の取得促進対策

(2)「働き方改革」のうち同一労働同一賃金の考え方

非正規従業員の賃金、手当、福利厚生等の見直しについては、見直しているが42%、検討中が35%、見直していないが23%でした。

(3)職場のハラスメント対策についての状況

職場のハラスメント(セクハラ・パワハラ・マタハラ等)対策のうち、セクハラ対策を行っている事業所は全体の73%、パワハラ対策を行っている事業所は全体の72%、マタハラ対策を行っている事業所は全体の63%でした。

(4)その他職場環境を整えるための取組により、業績やモチベーションの向上につながった主な事例、労働時間の短縮の取組の主な事例、非正規従業員の処遇改善の取組の主な事例

  • 最低賃金の改定にあわせ、全体の賃金水準を見直している。
  • 非正規従業員の福利厚生を原則正規従業員と同じにしている。
  • 非正規従業員を雇用して1年経過後無期雇用としている。また、賃金もステップアップできる体制をとっている。
  • 様々な働き方を推奨し働きやすい就労形態をとっている(勤務時間、配置の多様性)。
  • 実施義務はないがストレスチェックの実施を検討。
  • ハラスメント対策として、全社員対象の会議でハラスメントを取り上げ、具体的事例や相談窓口を説明。
  • 夏季に連続休暇取得を奨励し、年休取得促進を図る。
  • 同一の業務を複数の社員が対応できるようにして、年休取得促進を図る。
  • 毎月中旬に残業時間が一定の時間を超えていないか、代休を1か月以内に消化しているか、4週4日の休日が取れているか確認している。
  • 業務に必要な資格取得に支援を行い、社員のスキルアップを図る。
  • 人材確保のため、定年の65歳延長と、定年後の可能な限りの継続雇用を検討。