かながわ地球市民メッセンジャーからのお便り(2018年2月28日 和田 潤児さん)

掲載日:2021年7月16日

氏名:和田 潤児 (シニア海外ボランティア)
滞在国:タイ
職種:障害児・者支援
メッセンジャー委嘱予定期間:2017年6月から2019年6月

タイトル:タイ最北部チェンラーイ県の特別支援教育センターから
日付:2018年2月28日

タイの地図

写真付きのレポートはこちら [PDFファイル/1.26MB]

こんにちは。JICAシニア海外ボランティアの和田潤児(わだじゅんじ)と言います。

タイ最北部、チェンラーイ県の特別支援教育センターに着任して8か月がたちました。首都バンコクに比べると私の住むチェンラーイという町は本当に田舎で、はるか遠くに見える山々と点在する古い寺院が印象的な小さく静かな町です。

配属先の特別支援教育センターは、通所利用者80名に対して在宅訪問の子どもが500名近く在籍し、学校などで教育を受けることができない障害児を訪問して支援を行うことが大切な仕事になっています。そのため活動の多くは職員の車に同乗してチェンラーイ県内を走りまわっていて、毎日が旅行のようです。往復3、4時間かけてミャンマーやラオスの国境近くまで行くこともありますが、遠くで待っている子どもたちや保護者の方々がいると思うと、とてもやりがいのある活動だと感じています。

子どもの障害は脳性まひ、ダウン症、自閉症、発達障害、盲、聾など多岐にわたり、職員はいろいろな障害に対応する必要があります。また通所、訪問といっても日本のように毎日といったわけではなく、通所の場合で多くて週に1、2回、訪問にいたっては月に数回といったレベルで、日本の障害児が受ける教育の機会に比べるべくもありません。障害児を受け入れる学校が少ないこと、交通が不便なことのほかに、貧困など家庭環境も大きな要因のようです。

毎朝頑丈な4WDに教材や楽器、理学療法に必要な道具や集会で使う音響機器、またミルクやおむつなどの支給品を車に積みこんで出発します。長い道のりを走りようやくたどりついた家で理学療法や学習指導を行い、保護者の方の話を伺います。また地域の保健所などで保護者のための職業訓練プログラムを行ったり、子どもたちのための集会活動を行ったりします。山道を長時間移動し、行きついた先で様々な活動を行うことは想像以上に気力体力を消耗し、夕方センターに戻る頃には頭がぼんやりしてきます。でも以前から関心のあった少数民族の障害児の教育支援に関わることができていること、今まで続けてきた教師の経験がとても役に立っていることが本当に嬉しく、充実した毎日です。

中進国と言われるタイですが、障害児教育の分野においては国の発展から取り残された部分が多くあります。一人でできることは限られていますが、今は重い障害の子どもたちの活動場面を増やすことを自分の課題にしています。障害が重くなると何か取り組ませたいと思っても親や教師から「この子には無理」「やらなくていい」と言われてしまう現状なので、それを少しでも変えていきたいと思っています。子どもの笑顔を見てもらうのが一番、といろいろな活動を提案し取り組んでいるところです。同じ考えを持つ先生たちがいることもわかり一緒に改善していきたいと言ってくれることも増えてきています。少しずつ自分の思いが伝わっているような気もしていて、それを励みにこれからも前に進んでいきたいと思っています。

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