ホーム > 教育・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 文化交流・国際交流 > 第20回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・外国語にかかる教員研修事業小委員会「審議結果」

更新日:2021年3月31日

ここから本文です。

第20回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・外国語にかかる教員研修事業小委員会「審議結果」

審議(会議)結果

審議会等名称

第20回国際言語文化アカデミア外部評価委員会小委員会(外国語にかかる教員研修事業)

開催日時

令和元年6月11日(火曜日)11時40分から12時05分

開催場所

神奈川県立国際言語文化アカデミア 101研修室

出席者【会長・副会長等】

服部 孝彦(大妻女子大学教授)【代表委員】、粕谷 恭子(東京学芸大学教授)

次回開催予定日

令和元年8月

所属名、担当者名

国際言語文化アカデミア 沢登

掲載形式

議事録

議事概要とした理由

-

審議(会議)経過

<意見交換の内容>
(服部委員) 教育は未来に対する投資であり、すぐに結果が出るようなものではない。教員の研修はその核となる部分のため、無くなると困る。
(事務局) アドヴァンスト研修修了者からも、神奈川で教員をやる利点は、アカデミアのような組織があることだと思っている等の意見をいただいている。
(服部委員) シンギュラリティ、AIが人間を超えるときは2045年といわれていたが、AIの進化が早くなっているため、最近は2040年ではないかといわれている。多様な時代が来ることを見越して、教育していく必要がある。その時にグローバル教育が必要。クリティカルシンキング、クリエイティブな思考はAIにはできない。
 ソサエティ5.0のキーワード3つは、ビッグデータとIOT(Internet of Things)とAI。今まではサイバー空間とフィジカル空間で分かれていて色々な情報を人間が分析していた。しかし、これからはAIが全部やってくれて、必要な時に届けてくれるような時代がすぐそこまできている。その時の教育は、学校の先生がしっかりとしていないといけない。
 ソサエティ5.0は、ドイツのインダストリー4.0とかチャイナのメイド・イン・チャイナ2025等よりもSDGsに結びついているので良いと思うが、それを教育現場で活かせない。したがって、教員研修で先生達にこれから一斉授業は無くなりますよねと話している。病院に行ったらカルテがあるように、これからは、スタディログ(学習記録)があり、各個々人がやるものであって、一斉授業や同一学年が同一のものをやるのは古い。学校だけにおける教育ではなくて、社会にでていってもらい、大学だけでなくインターンをどんどんやってもらい、社会から学び取る。
 また、知識がありそれを活用するのでなく、これからのソサエティ5.0は自分がやってみて何の知識が足りないかを認識し、そこで知識を得る。それをサポートするのが学校であり、個々人に目を向ける。そのような教育をやらなければならない。残念なことに神奈川の今の方向は、このようなことから逆行している。
 今、教員を変えなくては子供たちが犠牲者になる。その教員を研修する組織を他組織に吸収してしまおうという発想は正直に言うとがっかりした。
(事務局) 教員研修事業を別の組織に引き継ぐにしても神奈川の独自性が分かるような形で引き継いでいかなくてはいけない。
(事務局) 中身の検討はこれからである。知事が議会で話したのは、方向性についての考えで、最終的には議会に諮り、廃止の条例が議決したところで、決まる。具体的にどうするかはこれからというところで、本庁主導で検討しているが、今までやってきたことや現場のことについては我々の方が詳しいので、そういった意見や考えをまとめて本庁に伝えていく。大きな考え方についてはすでにお伝えして、これから細部の検討に入るときには、色々なやり方がある中で、今までの成果やプラスの面をどうやって引き継げるかを伝えながら、いいものができるように実現していきたい。
(粕谷委員)県の別の組織に引き継がれる場合は、課か部か総合教育センターか分からないが、独立性が保たれるよう名称等もしっかりと考え、今後も事業を続けられるようなものにしなくてはならない。他の教科から、なぜ英語だけが特別なのだと言われないよう、理解を得ることが肝心である。
(服部委員) 今、高等学校はグローバル路線にいくか、サイエンス路線にいくかを選ぶが、グローバル路線の学校はすごく英語が必要になる。だが考え方で、クリティカル、クリエイティブについてはサイエンスもグローバルも同じ。
 アメリカの大学院生と日本の大学院生で能力の差はないと思う。ただ、あきらかに違うのが、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、ラテラルシンキングはこちらの方が弱い。その教育を考える組織を作らなくてはならない。このような発想は教育センターにはまだないのではないかと思う。英語だけが良い思いをするのではなく、グローバルのような形で、必要なものは入れて、センターの他の事業の一部を取り入れるなどするやり方も一つのストラテジーとしてあると思う。

<まとめ>
(服部委員) 教員研修講座の名前が分かりやすく、目標と内容が明確になっている。
 アドヴァンスト研修は成果がでているので、組織が変わっても現状のままの状態で、やるべきであり、他の都道府県にはないものであるため、ぜひ継続するべきだ。
 小学校の英語は市町村教育委員会の支援で、色々な事情があるが、2017年度が240名で2018年で388名ということで、限られた教員の中で、良く成果がでていると考えられる。
 今後の課題としては、アドヴァンスト研修だけでなく若手教員の指導をしていくにあたって、県の長期的な計画に基づいて考えていく必要がある。その時にソサエティ5.0を見据えてAIにはできない力を育成していく。その中で英語教育がやれることはかなりあると考えられるので、先をいくような研修ができると良い。
 また、組織が縮小される場合はeラーニングに頼らなくてはいけない。その時にeラーニングの弱点を理解しながら、本来の講座をサポートするものを開発していく必要がある。

以上で閉会した。
 

 

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は国際文化観光局 国際課です。