ホーム > 教育・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 文化交流・国際交流 > 第16回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・外国語にかかる教員研修事業小委員会「審議結果」
更新日:2021年3月31日
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第16回国際言語文化アカデミア外部評価委員会小委員会(外国語にかかる教員研修事業)
平成30年2月3日(土曜日)11時00分から12時30分
神奈川県立国際言語文化アカデミア 104研修室
服部 孝彦(大妻女子大学教授)【代表委員】、狩野 晶子(上智大学短期大学部准教授)
平成30年6月
国際言語文化アカデミア 沢登
議事録
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議事に入る前に、服部委員を小委員会の代表委員として選出。
また、欠席された粕谷委員よりメールにて以下のご意見を頂いた。
【議題】 平成30年度事業計画の評価についての意見交換
1 英語教育アドヴァンスト研修について
《事務局説明》
《意見交換内容》
(服部委員) 研修の波及効果を拡大するために、結果をもっと積極的にアピールできないものか。素晴らしいことをやっているが、宣伝がまじめで地味である。研修の報告書も、表紙以外は地味すぎる。もっと全面的に派手にし、Webページなどでは受講者の感想を最初に持ってくるなど、工夫が必要である。全国の他の教育委員会にはアカデミア所属のような教員は少ないため、アカデミアのような省察的な研修はできない。高校まで指導に出かけて、アクションリサーチに対してコメントし、さらに授業力を付けさせるというやり方は素晴らしいのだから、その効果をフォローアップして、目に見える形でホームページ上に示せたらよいと思う。
(事務局) Webページでのアピールの仕方を考えて行きたい。
(狩野委員) 参加した先生方が次の研修会の講師を務められるようになるといい。
(事務局) アクションリサーチの学会等の研究大会での発表や、センターの初任者研修での発表等、いろいろな場面で活躍の場を設けている。
(事務局) 波及効果ということに関しては、近年のアドヴァンスト研修の受講者は若いので校内での発言力が弱いことが課題である。来年度は必ず校内研修会を開いてもらうよう校長会などで呼びかけて、校長のお墨付きで現場に波及させるようにしていくなどの方策も考えたい。また、研修のモジュールとして組織的改善の進め方を加えることとしている。
2 英語講座(夏期・平日)について
《事務局説明》
《意見交換内容》
(狩野委員) 大学入試のプレテストが始まると何が必要なのか実感するのではないか。
(服部委員) 思考力、判断力、表現力がないとこうしたテストでは点がとれないだろう。
先生方の中で意識が低いと思う点は、4技能全部が統合されたものでなくてはならないのに、無理に切り離そうとしていることである。その意識を変える必要がある。
(事務局) アカデミアの講座の名前も4技能で切ってあるが、講座内では必ず統合するようにと話している。
(服部委員) プレゼンテーションを授業に取り入れる私立高校は増えてきているが、公立の先生にもプレゼンテーションということを意識させるのは良いと思う。
(狩野委員) ICTの活用についてはやってみると敷居が低いことに気付くことができる。ネットから素材を抽出して授業に応用する講座などは素晴らしいと思う。
(事務局) ICTについては需要があり、年配の方にも積極的に来てくれる方がいる。
3 小学校英語研修について
《事務局説明》
《意見交換内容》
(服部委員) 小学校英語研修をやめてしまうこともできるが、現場のニーズはあり、続けていくべきである。4月には外国語活動から教科へ移行するので、やれる範囲でやっていく必要がある。
(狩野委員) 現場の先生方も移行措置があることをあまり意識できていない。
(服部委員) 教科になると先生は評価しなければならなくなり、もっときちんとした研修をやっていく必要がある。
(狩野委員) 小学校英語関係者の中には、外国語活動から教科になることで、小学校でも従来の中学・高校の英語と同じ感覚でそのまま教える先生が増えてしまうのではとの懸念がある。外国語活動の段階ではそれを崩して、違う形で子供たちに英語を教えることになってきたので、外国語活動の上に築いていく教科なのだということを理解するのが、移行期の意義のはずであるが、それが理解されていないので、指導法等の研修で意識してもらう必要がある。
(事務局) 小学校研修で、今年から指導要領についての話も入れてくださいとの要望が増えた。小・中学校合同の研修が増えてきて、小中学校の英語教育の繋がりについて話すことができた。来年度も同じ話をしてほしいとの要望もあったが、来年度になった時に慣れている先生とそうでない先生が一緒に研修に来た場合、どちらの先生にも嬉しくない講座になってしまわないかと懸念している。
出張研修において、実際に生徒の前で手本として実施して欲しいとの依頼もあったが、波及効果という点で疑問が残ったのでその点は再考するよう提案した。
(服部委員) アカデミアの教員が外国語活動を基にして中学校に結びつくような授業をやると、それをみた現場の先生はすぐその感覚がつかめるのではないか。それをなるべく地域全体、教育委員会全体の先生に見せれば、自分にはこれはできないが、これはできると分かってもらえるのではないか。
複数回の研修では色々なやり方があるが、ワンショットの研修はインパクトを与える必要がある。
(狩野委員) ワークショップはニーズがある。そこに色々大事なところをちりばめればよいと思う。
小学校や中学校教員研修がなかなか機能していないと話は聞くのだが、指導する立場の先生も手探りでやっている。人数が少なくても、アドヴァンスト研修の手法を小学校に活かすことで、そこから育てていくことができるのではないか。
(服部委員) むしろ小学校の先生の方がアクティブラーニングをしっかり行っている先生が多い。
(狩野委員) 他の教科ではアクティブラーニングができているのに、英語になると一方的な文法訳読なってしまう。ワークショップによって、他の授業でやっていることを英語でも使える事に気づけると良い。
(事務局) 小学校の先生が持っている強みを生かしてもらうアプローチを考えて行きたい。
4 研究事業について
《事務局説明》
《意見交換内容》
(服部委員) ディベートについては、その前提になるプレゼンテーションの能力が無いのが問題である。最後はディベートに行くにしても、その前に、むしろ、ディスカッションやプレゼンテーションの力を高めることが必要ではないか。
(狩野委員) ショートプレゼンやセッションのような形でも良い。ディスカッションまではやりやすいが、ディベートはむずかしいと捉える先生も多いのではと思う。その後の人間関係に響くので、日本人は人の弱みに突っ込むのは避ける傾向が強い。
(服部委員) 子どもたちが将来に使える力を身に付けて欲しい。ディベートに行きつくまでに身に付けるべき力は社会に出ても使える。
(狩野委員) ディベートのコンテストで上位に入っている高校生が、どのような指導を経て、その力を付けたのかという資料収集ができれば面白いのではないか。
(事務局) 今回伺った意見をもとに担当教員と話し合ってみたい。
5 まとめ
(服部委員) 今、英語で先生たちが身に付けなくてはいけないキーワードが全部入っている研修講座体系になっていると思う。指導法もさらに工夫をしていかなくてはならないが、アクティブラーニングというのは深い思考力を育成する学習の総称であるという前提に立って講座を開いていることについて、とても良いと思った。
思考力を育てる英語の授業については、単発的でなく系統的な講座になっており、素晴らしい内容といえる。
小学校への研修は今の範囲で良いのでつづける意味はある。アドヴァンスト研修の省察的なやり方はいずれ小学校にも応用できる。
(狩野委員) 夏期の研修については受講者を呼び込める外部講師を増やすことも検討するとよいと思う。
以 上
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