第19回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・外国籍県民支援事業小委員会「審議結果」

掲載日:2021年3月31日

審議(会議)結果

審議会等名称

第19回国際言語文化アカデミア外部評価委員会小委員会(外国籍県民等支援事業)

開催日時

平成31年1月29日(火曜日)11時00分から12時00分

開催場所

神奈川県立国際言語文化アカデミア 102研修室

出席者【会長・副会長等】

城島 理子((公社)青年海外協力協会 あーすぷらざ館長)【代表委員】

中 和子(ユッカの会 代表) 

矢部 まゆみ(横浜国立大学非常勤講師)

次回開催予定日

平成31年6月

所属名、担当者名

国際言語文化アカデミア 白石

掲載形式

議事録

審議(会議)経過

議事録
【議題】 2019年度事業計画の評価に関する意見交換
* 講座群Ⅴ 外国籍県民等支援ボランティア養成講座 について
《事務局説明》
・ 国の外国人材受け入れ拡大施策に伴い、多くの外国人労働者が新たに流入し、長期に滞在することが予想されるため、地域の外国人を孤立させず、ともに暮らす地域づくりが急務である。このため、日本語ボランティアのための諸講座の内容に、外国人材受け入れ拡大により見込まれる地域日本語への影響や新たに生まれる共生の課題を反映させることに加え、外国籍県民への生活サポートを組み込んだ具体的な教室活動についての講座を新設し、さらにボランティア以外の地域住民に対しても外国人と共生するための考え方や異文化対応のノウハウなどを伝える講座を設けて、地域社会での外国人受容力の向上を図り、ともに暮らす地域づくりに貢献する。
・ 日本語ボランティア入門講座で、受講者アンケートで、講座で学んだことをもとに外国から来た人のために、日本語ボランティア活動をしてみたい人の割合が、講座開始時より講座終了時に低下している場合がある。ただし、講座終了時から3か月後のアンケートだと、半数以上の人がボランティアを始めている。過度に慎重にさせず、日本語ボランティア活動の魅力を伝えられるような講座内容を工夫したい。
・ 「やさしい日本語でつながるコミュニケーション・シート」を公開したので、日本語教室等の現場での活用につながるよう、シートの活用を主眼とした講座を新設する。
《意見交換内容》
(矢部委員) 全体計画の講座群Ⅱ「コミュニケーション支援ボランティア養成講座」は、外国語を使ったコミュニケーション支援であるが、コミュニケーション支援というコンセプトは講座群Ⅴ「外国籍県民等支援ボランティア養成講座」と重なる。日本語教育ということを独立させたところが違いだと思う。
(事務局) コミュニケーション支援ボランティアという言葉は、異文化理解支援事業が先に使った言葉である。コミュニティ通訳ができるはずがないという議論があり、それに代わる言い方としてコミュニケーション支援が使われた。
(中委員) その中にやさしい日本語が含まれているのかなと考えていた。
(矢部委員) 枠組みとしては、多言語の中にやさしい日本語があり、市民のボランティア活動という意味ではそちらに近いのかなという気がする。
(事務局) ご指摘の視点で今後の事業を考えてみる。なお、地域に暮らす外国人の声に学ぶ講座については、コミュニケーション支援ボランティア養成講座の受講生にも案内をしている。
(城島委員) 日本語ボランティア養成講座の中で、総合的な支援力向上を目指した講座は、 日本語だけにとどまらない社会参加の支援ができる活動へとつなげることを目標としているが、実務に活かせるタイムリーな講座なので、強くアピールしていいのではと思った。
(事務局) 一生懸命になるほど、先生に近づきたくなる。知識の足りなさが活動の不満足につながると思ってしまう。そうでない活動の仕方を紹介するようにしている。
自分が継続的に活動できるか不安という高齢の方がいたが、今は、団体の裏方をすることで活動している。そういうやり方もある。
(矢部委員) ボランティアが活動しやすくなるのには、ボランティアを育成した先の、体制整備が必要である。どんな体制でボランティアをするのかが見えないと、受講者も路頭に迷ってしまう。
(事務局) 日本語くらぶで、施策が変わることにより我々にどういう変化がくるのか、何もわからなくて困っているという意見が出た。細かなことは政令で決まるので、私たちにわかることはお伝えするということしかできない。
体制ということだが、体制は誰が作るのかという問題がある。アカデミアでは作れない。例えば、厚木市の体制は厚木市の人権男女参画課が作ることになると思う。
(矢部委員) どういう活動がありえるのかというイメージやパターンが見えるといいのかなと思う。
(事務局) 行政サービスの「やさしい日本語」等研修講座で、日本語教室について紹介する講座を行う。日本語教室は、それぞれの生活を補足して地域づくりに活かすための有効な場だと思う。行政のアプローチがあれば、日本語教室もそれに応じた変容があると思う。行政の人に、日本語教室は時間のある人たちがただ漫然とやっているわけではないということを知ってもらいたい。
《まとめ》
・ コミュニケーション支援は第Ⅱ群の講座にかかわるだけではなく、やさしい日本語などは多言語のツールになるので、第Ⅱ群の講座との連携を図っていったらいいのではないか。
・ 日本語ボランティアが講座を受けた後、地域の中でどうやって活動していくのかイメージが作りにくいのではないかということに対しては、行政サービスの「やさしい日本語」等研修講座の中で、日本語ボランティアの人は暇な市民がただやっているのではなく、意義を感じながらやっているということを、行政の人に知ってもらう講座を新たに展開していくということなので、地域づくりの一端を担う役割を紹介していってほしい。

* 講座群Ⅵ 行政サービスのための「やさしい日本語」等研修講座 について
《事務局説明》
・ 災害対応、公衆衛生、母子保健、福祉等における情報提供の際、対象者に外国籍県民が含まれることが予想されるが、表現上の配慮や言い換え・書き換えの方法が十分認識されているとはいえない。
・ 2018年度は厚木保健福祉事務所大和保健センターの指導用資料、総合療育センターの案内パンフレットの書き換え等にあたり助言を行ったが、そうした相談に対応することを積極的に広報していきたい。
《意見交換内容》
 (中委員) 地域の中では外国人の存在に対して関心が薄い。県の社会福祉協議会も以前は、日本語教室マップを作ったり、福祉的な視点からの対応が非常に早かった。
今は、少子高齢化の中そちらのかかわりが多く、外国籍県民に係る視点が少なくなってしまっている。
災害対応等で外国籍県民に情報提供する場合の表現上の配慮、言い換え、書き換えなどは大切なことだが、関心がまだまだ低いので、行政の人がアカデミアの講座で気づいてくれるのが大切である。かながわ国際交流財団が作っている多言語の資料を、行政の窓口の担当者の方々が知らないことが多い。
神奈川県では多文化共生と言われているが、地域の中のサロン的な集いの中では、高齢者、障碍者の方もという会話は聞かれても、その中に外国人も「ともに」という発想はなかなか聞かれない・・。まだそういう現実がある。
その中で、地道にアカデミアは発信している。大きな役割を担っている。
(矢部委員) 人材不足の中で外国人材が増えるということで、多言語情報サービスが総合政策の中に入っていて、行政のほうもこの絡みでやっていかなくてはいけないという意識が高まると思うのだが。
(事務局) 具体的になにをやるか、そのお金をどうやって持ってくるのかまだわからない。
(矢部委員) ニーズに応えようとするときに、今までの蓄積がある中で、そういった枠組が必要と言われるようになったと認識している。
外国人材を受け入れる企業、技能実習生を受け入れる会社が責任をもたなくてはいけないということは認識されるが、そういったことの相談をアカデミアが受ける可能性はあるのか。それとも企業のことだからと切り離すのか。それとも、行政を通じて、そういうことの情報収集、現状把握、外国籍の人が直面する問題と、企業の制度的な確認にかかわるのか。
(事務局) そういうことは産業労働局だと思う。これまで聞いた話では、技能実習制度について県のかかわる余地はない。監督義務もない。制度的な事情で他の部署のことにかかわることはできないので、そうしたことにはかかわらず、日本語等の相談があれば対応するつもりである。社会福祉分野でも、特定技能の登録支援団体が社会福祉士を雇うことになるのかなということでアンテナをたてている。世の中全体が、一大ビジネスチャンスが来ていることは感じているようた。
アカデミアは特定企業のに利益をもたらすわけにはいかないので、自治体経由であれば相談に乗る。
4月以降にどういう仕組みを作るかという中で、登録支援機関からアカデミアに問合せがあるのか、あるいは県はどういうふうにかかわるのかという仕組みづくりを今後議論していかないといけないと思う。その場合は、アカデミアではなく、県全体として改正法が施行されたものにどう対応するのか、アカデミアが担当する分野もあれば、医療や福祉やいろいろな分野がある。そのへんの対応のしくみをどう考えるのかは県全体の大きな話になる。
たとえば、愛知県や岐阜県は協議会を設置した。その協議会には、行政、経済団体、社会福祉系の団体など、いろいろな団体が入って、自分の地域はどういうふうな制度をやっていくのか考えている。同じようなことが求められるのかなと考えている。その時に、今回の法制度上の位置づけがどうなっていくのか、市町村がこの制度上どう位置付けがなされるのか。
改正法にでてくるのは国と地方公共団体という言葉で、県や市町村という言葉はでてこない、地域のことは地域の実状に応じてやってくださいと書かれている。国は基本方針を定めることになっているが、どういうふうに今後受け入れの方針をやっていくのか、まだ全然わからない。
現状では情報収集しながら、改正法の枠組みがどう運用されるのか、登録支援機関ができるがどのように機能していくのか、どういう課題が生じるのか、そういったできごとに、県やアカデミアはどういうふうにかかわっていくのかを考えていく。
(矢部委員) アカデミアは改正法のパブリックコメントを出したのか?
(事務局) 組織としては出していない。
(中委員) アカデミアからのこういうことができたらという展望が私たちに見えると、私たちも微力ながら、地域の力になっていくというエネルギーが湧いてくる。
(矢部委員) 今まで専門機関として地域の日本語教室をやってきた中で、日本語教育のビジョンを示すことがアカデミアの役割ではないのか。学会などで発信すべきではないか。
(事務局) アカデミックなことより、行政の人々の生の声を聴き、地域特性を共有して、現場に役立つことをしたい。
(矢部委員) こういう状況で講座を作っているとか、紀要も知っている人が少ない。
調査研究のために講座を減らすのであれば、発信をしてほしい。
(事務局) 学会に出すとなるとそれなりのプロセスが必要になる。たまたま見つけたから発表できるわけではない。自治体の担当者の思いを行政の人々の中で共有していきたい。
《まとめ》
・ 外国人労働者の拡大については改正法の運用を見守りながらになるが、行政の役割が高まる。
・ アカデミアに、展望やビジョンを出してもらえると助かる。
・ 国、中間、地域に差があり、中間のアカデミアはそのギャップがわかると思うので、情報発信をしてほしい。

* 講座群Ⅶ 生活の自立を図るための日本語・日本社会理解向上をめざす講座 について
《事務局説明》
・ 法改正を意識している。「社会とつながる日本語」は、自治体の求めに応じた日本語教室が出前講座として開催可能であることを広報する。
・ 「日本語能力試験N1を目指す講座」はハードルが高すぎるので、「N2を目指す講座」にする。今までも、「N2を目指す講座」を勉強したほうがいい人が「N1を目指す講座」に来たりしていた。
(矢部委員) 「社会参加のための日本語」は、講座の内容を受講希望者に伝えるのに苦労するのではないか。
(事務局) 受講希望者は、講座のレベル設定は気にするが、講座の内容にはあまり興味を示さない人が多い。
(矢部委員) ヴィジュアルにわかりやすく、学ぶことの内容や教室のイメージを伝えるといいのでは。
(事務局) 1講座に1枚のチラシを作っている場合は工夫できるが、今はそこまでは対応できていない。
(矢部委員) ホームページにイラストを載せるようにすればいいのではないか。

《まとめ》
・ 「日本語能力試験N1を目指す講座」を「N2を目指す講座」に変える。
・ 講座の内容を訴えるのが難しいということがあるが、工夫しながらやっていってほしい。

以 上