第23回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・異文化理解支援事業小委員会「審議結果」

掲載日:2021年3月31日

審議(会議)結果

審議会等名称

第23回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・異文化理解支援事業小委員会

開催日時

令和2年8月26日(水曜日) 11時30分から12時20分

開催場所

神奈川県立国際言語文化アカデミア 104研修室

出席者【会長・副会長等】

◎渡邊 愼介(横浜国立大学名誉教授)【代表委員】
福富 洋志(放送大学神奈川学習センター所長)

次回開催予定日

-

所属名、担当者名

国際言語文化アカデミア 西田

掲載形式

議事録

議事概要とした理由

-

審議(会議)経過

【議題】 2019年度事業実績の評価に関する意見交換
* 講座群Ⅱ コミュニケーション支援ボランティア養成講座
《事務局説明》
・ 本講座も昨年度で5年目を向かえ、英中西仏の4言語を初歩・基本・発展の3段階に分けて学んでいただく講座になっている。言語だけでなく文化的背景も理解した上で、訪日外国人や県内在住の外国籍県民をサポートする人材の育成を目指してきた。
・ 課題の1番目にある「成果指標の結果に基づいた講座内容と教授方法の改善」については、成果指標は英語基本編・発展編で数値目標を設定しているが、2018年度と2019年度を比べると、全体として数値が上がっているとは言えず、明確な成果とは言えない結果であった。様々な要因が考えられるが、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックという大きなイベントのボランティア募集が終了したことで、受講者の意欲面が前年度とは違ってきたことも大きな要因かと考えている。
・ 2番目の「地域資源に目配りするとともに、高い共生意識を醸成する講座内容及びプログラム等の一層の充実」は、「アジア・南米の言語」関係の講座で大きな成果が出ている。2018年度のアンケート結果では低かった「受講後の意識変化」に対し、担当講師と綿密に打合せ、共生意識の醸成促進を目的に、本県との交流や本件在住者の抱える問題などに焦点を当てた内容などを盛り込むことにより、「受講後の意識変化」に関する肯定的な回答が84.3%と大きく上昇した。
・ 3番目の「講座修了者が必ずしも実践活動に結び付いていない状況への対応」は、講座中も活動に向け背中を押すとともに、「講座修了者・受講者のつどい」を開催し、多くの人が何らかの活動を行っていただけるようにサポートしていたが、2019年度はアカデミア廃止後の事業展開がまったく決まっておらず、参加者への説明ができないということで「講座修了者・受講者のつどい」を実施できなかった。充分なサポート体制も敷けず、活動への動機づけがうまくされなかったということがある。
・ 自己評価については、まず柱となる英中西仏の4言語における人材育成の数値目標を立てており、5年間で合計1,380人の育成を目標としていた。実績としては合計1,539名を育成しており、目標を達成することができた。
・ 英語に設定している成果指標としては、Can-do調査の事前調査から事後調査への推移として、「10項目の平均値が1段階上がる」ことを目標としているが、基本編は1段落上がり、発展編は1段階までは行かないものの、ある程度の成果は出ている。もうひとつの指標である、「70%以上が積極的な回答」については、基本編・発展編とも下回っており、60%台であった。2018年度と比較しても低い数字に留まってしまっており、改善の必要があると考えられる。
・ 2019年度の受講修了率は91%、受講満足率は85%と、2018年度と同様高い結果が得られている。
・ 2020年度の対応事項として、組織廃止を見込み、英中西仏の初歩編を廃止している。また、2019年度の初歩編修了者が発展編まで学習できるよう計画していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により上半期の講座が実施できず、下半期で基本編・発展編を受講することは分量的に無理なため、基本編までしか受講できなくなってしまった。
・ 上半期に実施する予定だったその他講座で、時期をずらせるものについては、ずらして実施している。また、一部講座についてはオンライン講座として実施している。撮影した講座動画を当所のYouTubeチャンネルに限定公開として掲載し、申込者に動画URLをお知らせして視聴してもらった。通常の講座は90分だが、動画で90分だと長すぎて飽きてしまうため、1回分として15分~20分の動画を4つ掲載することにした。自分の好きな時間に繰り返し見られるというのが良かったようだ。

《意見交換内容》
(福富委員) 受講満足度というのはよい指標だと思うが、大学ではシラバスの中に、後で自分が評価できるよう達成目標を入れることが多い。「何々について説明できるようになる」など具体的な目標を入れる。満足度とは違った指標として、本人が自己点検できるという意味でもあるといいと思う。多くのシラバスでは内容しか書いていないが、この講座は何を目的として、何ができるようになるということまで書くと、そこが合格ラインになる。
(事務局) 英語の成果指標であるCan-Do調査には例文をつけて、具体的にこのようなことが言えるかというのを確認している。初回と最終回に同じ調査票に回答してもらい、成果指標の数値としている。
(福富委員) 募集のときに提示したほうがいいと思う。無試験で受講できる講座というのは、受講者のレベル差が大きくなるが、受講者が自分に適した講座かどうか確認する意味で出していただく。そうすることで受講者のレベルが揃ってくるし、効率的にできると思う。
(事務局) 受講者のレベルという意味では、こういったことができる方が対象というのは示しているが、確かに募集のときにはざっくりとした概要しか出しておらず、やはりレベル差は出ている。
(福富委員) 先生方の自己評価に使えるデータかというのが大事であり、どういうレベルの人たちに教えているかというのは分かっていたほうがいい。
(渡邊委員) 昨年度の成果としては、アジア・南米関連講座を充実し、評価されたということでよいか。
(事務局) その他講座についても改善を図り、成果は出ているところだが、特筆すべき点として、アジア・南米関連講座が非常に高い評価を得たということである。

* 講座群Ⅲ 行政職員コミュニケーション能力向上講座
講座群Ⅳ 青少年向け異文化理解・コミュニケーション能力向上講座
《事務局説明》
・ 行政職員コミュニケーション能力向上講座は、職員キャリア開発支援センターからの依頼により行っており、英語研修とグローバルコミュニケーション研修を実施している。
・ 英語研修については、1部会のネイティブ教員により、ニーズに合わせて細分特化した内容となっている。昨年度は4科目を実施し、満足度も95.3%と高い数値となっている。
・ グローバルコミュニケーション研修については、3部会の英語教員が担当し、幅広い部署の職員が参加する難しい研修だと思うが、満足度は72.5%となっている。受講希望も多く、職員の異文化理解の向上に繋がったのではないかと考えている。
・ 今年度は同様に実施予定で、日程も決定していたが、新型コロナウイルスの影響により、職員キャリア開発支援センターが中止の判断をしたため、今年度の実施はなくなった。
・ 青少年向け異文化理解・コミュニケーション能力向上講座は、以前から高校生にいかに来てもらうかというのが大きな課題となっており、2018年度は休止して対策を検討し、2019年度に再開した。
・ 内容としては、現在も将来も役に立つという視点を大切にし、英語に関する実践的な内容に、異文化を加味したものを提供することとして、4技能入試導入も視野に入れながら、高校の授業内容を混乱させないことも考慮した。
・ 結果として2017年度を上回る参加者があり、満足度も79.7%と高い数値となった。ある程度高校生のニーズを捉えることができたのではないかと考えている。
・ 2020年度もさらなる改善の上で実施予定だったが、こちらも新型コロナウイルスの影響により、開催できなくなった。

《意見交換内容》
(福富委員) 行政職員向けの英語研修とグローバルコミュニケーション研修の受講対象者は別なのか。また、指名するのではなく募集を行っているということか。
(事務局) 職員研修には指定研修と選択研修があるが、英語研修は業務上で英語を使用する所属の職員が対象となっている。グローバルコミュニケーション研修はすべての所属が対象で、本人の希望により受講することができる。
(福富委員) 英語研修とグローバルコミュニケーション研修は内容的にどう違うのか。
(事務局) 英語研修は、ネイティブ教員による、業務上利用する実践的な英語を学ぶ研修となっている。一方グローバルコミュニケーション研修は、異文化に関する理解を深めるための、日本語による研修となっている。職員もいろいろな国の方と接する機会が増えており、異文化理解や心構えなど職員にとっては大切な部分であり、人気のある研修と聞いている。
(福富委員) 最近は自動翻訳機なども出てきており、言葉というよりも文化的、基本のスタンスを理解するということが大事になってくるかもしれない。
(事務局) そういう意味でも、このような研修を受けていただくと全然違うと思う。
(渡邊委員) 青少年向け講座についてだが、高校生対象というのは非常に難しいと思う。
(福富委員) 学校によりレベルも全然違う。
(事務局) レベルの高い高校の生徒が来てくれていたようである。午後に開催したところ、途中で帰ってしまったり、来なかったりということがあったので、今年度は午前中に実施と考えていた。
(福富委員) 1コマ何分で行ったのか。また、テキストはどういったものを使ったのか。
(事務局) 高校の授業と同じ50分で行った。テキストは、独自の内容となっているので、各講師が作成したパワーポイントで行った。
(福富委員) 来年度以降は、県として高校生向けの講座はやらないということになるのか。
(事務局) やらないと思う。
(渡邊委員) 高校生は、学校で習っていることや成績に直に繋がることでないと、興味を示さないのではないか。
(事務局) そういったことを含め、2019年度は入試等にも役立ち、さらに先々にも役立つということを考えて実施したところである。
今年度実施したオンライン講座について、参考に受講者数をお知らせする。「英語コミュニケーションためのワンポイント・アドバイス」は55名、「中国語圏の文化と社会Ⅰ」は13名が受講した。動画URLをお送りし、1週間の間に視聴していただく形としていたが、ほぼ毎回受講者数を上回る視聴回数となっており、1回だけでなく繰り返し見ている方も多いと考えられ、上手く活用してもらっている。
(福富委員) 動画というのはどのような形のものなのか。
(事務局) 「英語コミュニケーションためのワンポイント・アドバイス」は講義形式で、ホワイトボードに書きながら、カメラに向かって講義を行ってもらった。「中国語圏の文化と社会Ⅰ」はテキスト・リーディングということで、パワーポイントに音声を入力したものを流す形で行い、動画の最初と最後に講師が話しているところを撮影したものを加えた。
(福富委員) あちこちでいろいろなトライアルをやっているが、横浜国大でも音声付きのパワーポイントというのは非常に好評だったようだ。講義形式だとモニター画面上ではボードの字が見づらいと思う。
(事務局) なるべく大きな字でとはお願いしていたが、スマートフォンなど画面が小さいとどうしても見づらくなる。ただ講義形式の方が通常の講座に近く、ライブ感という意味ではこちらのほうがあると思う。


以 上