更新日:2022年1月17日

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船員技術の伝承教養

相模湾 延縄 漁業 はえ縄 調査 船 相模湾試験場 西村竜雄

漁業調査指導船「江の島丸」はえ縄調査

漁業調査指導船「ほうじょう」航海士 西村竜雄

私と岩本機関士は、「ほうじょう」に異動する前、水産技術センター(三浦市)所属の「江の島丸」に乗船していました。
「江の島丸」には、40年以上船員として働いている先輩方が多数いて、豊富な経験と高度の技術を保有しています。

この度、はえ縄調査をすると言うことで、私と岩本機関士は「江の島丸」に乗船し、技術向上に努めてきましたのでその時の状況をお知らせ致します。

出航前、捕獲が予想されるマグロの種類や危険な海洋生物の指導を再度受けました。
「歯が鋭いミズウオや、カジキマグロの角には気をつけろ。」
「モロ(アオザメ)はサメの中で一番危く水面でジャンプする。全身を使って暴れるから気をつけろ。」
「ヨシキリは身体が柔らかくたてに暴れる。」
「ヒラガシラは頭を横に振る。」
「オナガは尾で叩く。」
それらを聞いていると、少しびびるのです。ガブっと噛まれたら痛いだろうなって。

「ほうじょう」では普段岩本機関士と一緒に仕事をしていますが、「江の島丸」では、私は甲板部、岩本機関士は機関部の仕事に属するため、お互いに会話をすることもなく別々に出航準備を手伝い、「江の島丸」は相模灘に向かいました。

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画像右は岩本機関士(右端)が通信長からエサの付け方を教わっています。
ハリのかけ方も色々あり、魚が泳いでいるようにしなくてはなりません。
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いよいよ投縄開始です。私は枝縄を幹縄に繋げる作業を手伝いました。
画像ではわかりにくいですが、風速10m以上の北風があり、2mの波があります。
操業地点の海洋データを収集するために、観測も行われます。(右画像)

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投縄終了後、はえ縄先端の大旗を回収し、いよいよ揚げ縄です。
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枝縄を回収している私ですが、危険とされる海洋生物に噛まれるのことで頭がいっぱいです。
気合は入れていたのですが、残念ながら海洋生物を捕獲することはできませんでした。
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三崎港へ戻る途中、イルカが後をつけてきていました。前方からはクジラに似た潜水艦が航行しています。
右画像は「江の島丸」司厨長が調理したカレーライスです。。美味しくてやみつきになります。
波で船酔いすることは皆無ですが、司厨長の料理にはみんなが酔い、ついつい大盛りによそってしまいます。

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帰港後、私と岩本機関士はワイヤーを刺す指導を受けました。
ワイヤーの先端部に輪を作るため、一旦ほぐしてから6本のワイヤーを交互に刺していきます。
右画像は、岩本機関士が、船員歴50年の高橋操舵手からの指導を受けている様子です。
これが正に神奈川県船舶職員の伝承教養の姿です。
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完成です。
伝承教養を受けることは私たちにとっての責務であり、貴重な財産となるものです。

今後も網の補修や漁具作成など、少しでも漁業に関する知識や技術を向上させていきたいと考えています。

漁業調査指導船「江の島丸」のホームページ

このページの所管所属は 水産技術センター相模湾試験場です。