災害に警戒すべき場所 地震のページ地震は、主にプレートの運動によって起こりますが、神奈川県周辺には、フィリピン海プレート、太平洋プレート、北米プレートという3つのプレートが集中しているため、多くの地震の発生が指摘されています。その中には、プレート境界型地震もあれば、内陸型地震もあります。

神奈川県で想定される地震

 神奈川県に影響を与える地震には、次のようなものがあります。

  • 都心南部直下地震(南関東地域のM7クラスの地震)
    モーメントマグニチュード7.3、内陸型地震、切迫性あり
  • 三浦半島断層群の地震
    モーメントマグニチュード7.0、活断層型地震、切迫性あり
  • 神奈川県西部地震
    モーメントマグニチュード6.7、内陸型地震、切迫性あり
  • 東海地震
    モーメントマグニチュード8.0、プレート境界型地震、切迫性あり
  • 南海トラフ巨大地震
    モーメントマグニチュード9.0、プレート境界型地震、切迫性あり
  • 大正型関東地震
    モーメントマグニチュード8.2、プレート境界型地震、発生時期は100年から200年先

※モーメントマグニチュードとは、地震は地下の岩盤がずれて起こるものですが、この岩盤のずれの規模(ずれ動いた部分の面積×ずれた量×岩石の硬さ)をもとにして計算した、地震の規模のことです。

神奈川県の活断層

ある地層面を境にして、両側の地層にずれが見られる地質構造のことを「断層」といいますが、その中でも、過去数十万年の間、繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層のことを「活断層」といいます。

活断層は一定の時間間隔で繰り返しずれ動くように活動し、地震を起こします。その時間間隔のことを、活断層の活動間隔と言います。活断層の活動度とは、活断層の活動の活発さの度合いのことで、活断層研究会編『新編日本の活断層』では、1,000年あたりの平均変位速度によって、次のとおり活動度が大きく3段階に分類されています。

活動度A:1,000年あたりの平均的なずれの量が1m以上10m未満の活断層

活動度B:1,000年あたりの平均的なずれの量が0.1m以上1m未満の活断層

活動度C:1,000年あたりの平均的なずれの量が0.01m以上0.1m未満の活断層

県内には、活断層が約30本存在しています。そのうち、主要な活断層の概要は以下のとおりです。

なお、内容は平成27年4月に地震調査研究推進本部から公表された「関東地域の活断層の長期評価(第一版)」に基づいて記載しています。

  1. 三浦半島断層群主部 衣笠・北武断層帯(A級)
    最近では6世紀から7世紀に活動。平均活動間隔は1,900年から4,900年程度。次の活動までに300年以上の時間があると推定される。
  2. 三浦半島断層群主部 武山断層帯(A級)
    最近では約2,300年前以後、約1,900年前以前に活動。平均活動間隔は1,600年から1,900年程度。次の活動は今後300年以内に起こる可能性が高い。
  3. 三浦半島北断層群南部 南下浦断層・引橋断層(B級)
    最近では約26,000年前以後、約22,000年前以前に活動。平均活動間隔は不明。
  4. 伊勢原断層(B級)
    最近では5世紀以後、18世紀初頭以前に活動。平均活動間隔は約4,000年から6,000年程度。次の活動までに3千年以上の時間があると推定される。
  5. 塩沢断層帯(A級)
    最近の活動時期は不明。平均活動間隔は約800年程度以上。
  6. 平山-松田北断層帯(B級)
    最近では約2,700年前に活動。平均活動間隔は4,000年から5,000年程度。次の活動までに1千年以上の時間があると推定される。
  7. 国府津-松田断層帯(A級)
    最近では12世紀以後、14世紀前半以前に活動。平均活動間隔は約800から1,300年。海溝型地震と共に活動。

このように、神奈川県には複数の活断層があるほか、東海地震や神奈川県西部地震などの発生の切迫性も指摘され、さらに首都直下地震の発生も懸念されています。また、未知の活断層の存在も否定できず、県内には絶対に安全なところはないというのが現実です。

とはいえ、事前対策を行うことで被害は軽減できますので、日頃からの防災対策が大切です。

参照