障がい者雇用のための企業交流会「はじめの一歩」(5)(湘南西部・県西)【終了しました】

掲載日:2019年2月5日

 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、従業員45.5人以上の企業を対象に、障がいのある方を2.2%以上雇用することとしています。
 一方、中小企業の皆様からは「どうやって障がい者雇用を進めたらよいか分からない」、「どこに相談したらよいのか分からない」といった声も聞こえてきます。
 そこで、県では、すでに障がい者雇用を進めている先輩企業の体験談や質問会を通して、普段は聞けない事柄を自由に聞きながら、参加企業間のつながりも作れる企業交流会を開催します。
 障がい者雇用を進める「はじめの一歩」として、ぜひご参加ください!

 本イベントは終了しました。ご参加いただきありがとうございました。

 当日の概要を掲載しました。更新

プログラム(当日の様子)

先輩企業の現場見学

万葉倶楽部株式会社において、障がい者の就労現場(本社ビルの清掃業務)の見学を行いました。

先輩企業の事例紹介1
万葉倶楽部株式会社 総務担当 周佐英彦氏、業務推進本部ビル管理 佐藤澄子氏 

障がい者雇用のための企業交流会事例発表1

(周佐氏)

弊社は温泉事業を行い、設立は平成9年2月です。同じ年の4月に1号館がオープンし、現在9館を営業しています。優れた温泉を軸に、温・泊・食・遊・癒の5つの要素を盛り込み、充実した時間を過ごせる居心地のよい空間とサービスの提供に努めています。

障がい者雇用のきっかけは、約7年前にハローワークから障害者雇用率の不足について指摘があったことです。全社的な障がい者雇用の方針を受け、本社部門を含め全施設で、施設ごとに雇用を進めました。本社部門としては、総務、人事、経理と色々あるのですが、自社ビルの清掃部門で雇用を検討することになりました。まずハローワークに相談したところ、障害者支援センターぽけっとを紹介されました。最初は単純に求人を出せばよいと思っていたのですが、障がい者の方を採用するにあたって、どういった募集をしたらよいのかがわかりませんでした。本社部門以外では、温泉施設での清掃、バックヤード、調理洗い場に障がい者雇用の実績がありますが、今回は本社部門の事例を紹介します。

本社部門では、本社ビルの共用の廊下、トイレ、フィットネスクラブ内での清掃を業務として雇用を進めました。最初に、ぽけっとの担当の方と面談し、職場の状況を見ていただきました。ぽけっとの担当の方と職場体験実習の打ち合わせを数回行い、3名の実習候補者の社内見学、顔合わせを行った後、実習を3日間行いました。これらを振り返った上で、2名が3か月のトライアル雇用に進みました。2名のうち、1名は精神障がいの方で職歴があり、仕事の指導は少しだけで適応した方でした。もう1名は、知的障がいの方で職歴はほぼゼロで、最初は不安がありました。結果として、雇用が今も続いているのは後者の方です。前者の方は体調を崩されてトライアル雇用の期間満了前に職場を離れました。続いて、「障がい者雇用 現場から」ということで、身近で接してきた佐藤から説明します。

(佐藤氏)

最初は、障がい者の方がどのような感じかがわかりませんでした。障がい者の方に接したこともなかったのですが、私に課せられたことなのでとりあえずやってみようということから始めました。作業ですが、新人の方には、ある程度の作業ができるようになるまで必ず誰かが付きます。もちろん、この方も同じ状況で、しばらく誰かが付いて一緒に作業していました。当時の仲間は、子育てが終了した人ばかりで親子ほど年齢が違い、一生懸命に声かけもしてくれて、協力的であったのがよかったと思います。作業自体は、毎日の繰り返しで、トイレのパターンは少し違いますが、内容はほぼ一緒ですので、一つ教えると次もできるという感じでどんどん自分の身に付けてもらいました。最初は話しかけると、涙を見せることがありました。きっと思いを言葉にできなくて涙になっていたのだと思います。でも、皆でたくさん声をかけて、数か月後には涙がなくなりました。一番驚いたのが、ぽけっとの支援者の新しい方が見えたときに、自分から「よろしくお願いします」と言ったことです。ぽけっとの担当の方も驚いていました。教えた訳ではないのですが、見よう見まねで修得して、成長している姿が少しずつですけれども感じられるようになりました。

何とかして仕事をものにしてほしいとの気持ちから、一人でも仕事ができるように声かけをしました。掃除はすぐに結果が出ます。汚れが残っていたらそのままです。悪いところ、できていないところは本人を呼んで話をして、やり直してみよう、こうしたらどうだろうと本人が納得できるようにしています。たかが掃除、されど掃除で、なるべく光っているものは光っているままでおきたいという私の理念から、頑張って掃除させていただいています。ビルのテナントの方々には、障がい者の方が入るのでよろしくお願いします、とお伝えしました。誰がとは言いませんが、新人は顔ぶれが違うからわかります。とりあえず挨拶は皆さんにしましょうということから始まり、そのうちに「トイレはどこですか」と聞かれると、ニコニコしながらきちんと受け答えができるようになっていて、涙を流していた人はどこにいってしまったのかというぐらい、成長が感じられます。現在では、主力、戦力となって、机などの重たいものも運びますし、「寸法はどうしたらいいですか」とか「掃除機をかけますね」と言ってきます。自分より後に入ってきた方には、「次はこうしたらいいのではないですか」と言えるくらい成長して、ありがたいと思っています。

ただ、社会に接している部分が少ないからか、言葉遣いが適切でないことがあります。例えば、私が気軽に誰かを「〇〇ちゃん」と呼んでしまうと、この方も、自分より目上の人でもそのように呼んでよいと思ってしまいます。でもそうではなく、あなたは「さん」を付けないといけないということを伝えます。振り返ってみると、「こんなことができなかったけれど、こんな風になってきた」といったことを、このお話しをするにあたって、思い出すことがありすぎて、一言でお話しすることはできません。逆に、そういう楽しみというものも味わせていただいています。この仕事、この方を受け入れるということに対して感謝しています。私からは以上です。

(周佐氏)

最後に、障がい者雇用はやってみないとわからないことが多々あります。職場体験実習やトライアル雇用を実施した方の全てが長く続く訳でもありません。ただ、実際に職場になじめる方と巡り会えて、その方が大きな活躍をすることもわかりました。コミュニケーションが後から付いてくることもあり、仕事ができることに着目して、少し長い目で見て進めてもよいと感じています。雇用にあたっては、今後も支援機関やハローワークと相談をして進めていくのがよいと考えています。また、面接では得意なことなどは書面上ではわかりますが、障がいの特性は一緒に仕事をしてみないとわからないと感じました。職場体験実習を1日でもいいので実施する方が雇用する側と障がい者の方の双方にとって有益だと感じました。職場体験実習の後は、トライアル雇用に移行して一定期間の中で適応を見極めることがよいと思います。トライアル雇用の期間中も疑問を感じた時は支援機関の方、それからハローワークの方に相談しながら進めてきました。

今後、皆さんが障がい者雇用でお考えになることは色々あると思いますが、支援機関やハローワークの方に相談し、障がいの特性を理解しつつ、思いやりを持って接してもらえたらと思います。そうすれば、すぐにはとは言いませんが、いずれ立派な会社の戦力として活躍できると感じています。

先輩企業の事例紹介2
株式会社葦 総務部長 小瀬村佳三氏

障がい者雇用のための企業交流会事例発表弊社は、昭和34年2月に設立された洋菓子の製造販売の会社です。湘南地域のブランドということを重要視しており、湘南地域に10店舗、さらに本社ビルで中華料理店、平塚市内の2店舗でベーカリーの販売を行っております。

障がい者雇用に至るまでの道のりについてお話をします。弊社では、平成27年より前は障がい者の雇用を全く行っておりませんでした。法定雇用率を達成しないと納付金が発生するということで、初めて採用の検討に入りました。いざ社内で検討会を開いたところ、現場からは、どの部署でどういった作業ができるのか、そもそもなぜ雇用しないといけないのか、といった意見も出ました。これは、我々が障がい者の方の雇用に関して、何をどうしたらいいのかわからなかったためだと思います。当時は、菓子製造の現場では障がい者雇用を受け入れてもらえませんでした。そこで、弊社では高年齢者の方が先頭に立っている清掃業務はどうかと考えました。採用する方が若い方であれば、お孫さんのように感じてもらえるのではないかと思い、現場に話したところ、了解を得られ、清掃業務での採用を進めることになりました。

初めての障がい者雇用では、元々お取引があり、障がい者の支援をしている進和学園さんを社長とともに見学させていただきました。障がい者の方はどのようにして働いているのか、どういう勤務ならできるのかを知ろうと見学に行ったところ、そこでは、職員の方が障がい者の方に支援をして、その支援された方がまた後輩の新人さんを支援している様子を見ました。すばらしい取組で、帰りの車の中で、社長と頑張って採用してみようという話をしました。1人は進和学園さんから、もう1人はハローワークの合同面接会に参加して採用することになりました。

ハローワーク主催の合同面接会への参加は決まりましたが、どういう勤務体系で仕事をしていただいたらいいのかわかりませんでした。仕事内容は清掃業務で、最初は1日3時間、週3日でスタートして勤務時間を少しずつ伸ばしていければと思って募集をしました。当日、面接会に行くと、弊社のブースだけ20、30人並んでいました。しかし、それだけの人に面接に来ていただいたのに採用はほとんどできず、仕事内容と勤務時間をしっかり明示して募集することが大切だと勉強になりました。この面接会では何とか精神障がいの方を1名採用することができました。この方は、段々仕事に慣れ、勤務時間も長くなり、順調でした。しかし、しばらくすると気持ちが落ち込むのか無口になったり、逆に感情的になったり、コミュニケーションが難しくなり、退職しました。精神障がいについて、我々は全くわからない状態でした。もう1人、就労支援機関とのつながりで知的障がいの方を採用しましたが、仕事のスピードについていけず、この方も退社しました。

雇用はしましたが職場定着ができず、障がい者雇用が頓挫するのではないかという状況になりましたが、その年、平塚養護学校さんから高卒求人の方を1名採用することができました。我々もよくコミュニケーションを取るように努力し、この方が順調に職場に馴染んだことが転機となり、今の障がい者雇用に繋がっています。障がい者雇用の人数は現在4名、今年で5名になります。来年度の新卒採用では、養護学校の生徒で、トライアル雇用、職場体験を通じて弊社に入社希望の方を採用する予定です。

障がい者の方を採用してよかったことは、我々が忘れている仕事に対する姿勢、仕事をしていて楽しい、もっと色々なことを吸収してできるようになりたいという気持ちを思い出させてくれることです。ある障がい者の方が働く製造の現場では新人はネット帽を被るのですが、技術が一定のレベルに達するとコック帽を被ります。この方は、自分もレベルアップして、早くコック帽を被りたいと、一生懸命仕事をしています。また、ご家族から聞いた話ですが、1回目の研修でできなかったことが、2回目の研修でできるようになったことを家でキラキラの笑顔で話されたそうです。こうした話を社員にして、我々も頑張っていこうと話をしています。障がい者の方の働いている姿に勇気づけられ、勉強させていただいています。

また、障がい者の方は離職が少ないです。なぜ辞めないのか、尋ねたことがあります。すると、この仕事が好きだから、もっとできるようになりたいという答えでした。本当に涙が出ます。そういう言葉を現場にフィードバックして、このような言葉が出る環境を作っていかないといけないと思います。弊社でも新入社員の離職は課題です。洋菓子の製造販売ですので、パティシエ、パティシエールになりたいと入社してくる人は多いのですが、プロの職人になりたいという人は少ないと感じます。そういった人たちに希望や夢を持たせてあげること、これは会社としての大きな宿題だと思います。障がい者の雇用を通じて大切なことを会社として勉強させていただいています。

弊社の場合、各養護学校さんと良好な関係を築けています。就職担当の先生から聞いた内容によると、学校の先生も、親御さんも就職する会社はどういう会社で、どういう業務があって、どういう業務をするのかを大変心配しています。ですからできるだけ職場体験やトライアル雇用を活用することで、生徒さんに積極的に仕事の内容を見ていただいて、仕事の内容を知っていただくということが重要です。特に学卒求人で入社する方は、初めての就職でご本人もご家族も大きな心配があると思います。よくコミュニケーションを取り、心配を払拭することで、学校も生徒を紹介しやすいと思います。こうしたことも障がい者の方の離職率が低くなってきている理由の1つと考えています。

採用担当者として感じたことをお話しますと、養護学校さんの見学や求人の説明会の際に、学校側からどのような生徒がいるか、どのような就職先を希望しているのかを話していただく時間があるといいと思います。こうした情報があれば、より企業が障がい者雇用に積極的に取り組むことができるのではないかと思っています。本日は、会社というより採用担当者として個人的な実体験を元にお話をしました。皆さんの今後の障がい者の方の雇用に少しでも手助けになればと思います。

グループワーク

自社において、どのような仕事が障がい者の方にできそうかを考えるグループワークを行いました。
また、参加企業間で悩みや困り事などを共有し、自由に意見交換を行いました。

交流会 

参加者間で自由に情報交換等を行う交流会を行いました。

募集ちらし(実施終了しました)(PDF:162KB)

主催・共催

【主催】神奈川県
【共催】神奈川労働局  ハローワーク平塚  ハローワーク小田原  ハローワーク松田
    障がい者就業・生活支援センターサンシティ  障害者支援センターぽけっと
    平塚市障がい者自立支援協議会就労支援部会

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