障がい者雇用のための企業交流会「はじめの一歩」(6)(川崎)【終了しました】

掲載日:2018年3月30日

「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、従業員50人以上の企業を対象に、障がいのある方を2%以上雇用することとしています(障害者法定雇用率)。この法定雇用率は、平成30年4月1日から引き上げられ、民間企業の障がい者の法定雇用率は2.2%に、さらに平成33年4月までに2.3%になることが決まっています。
一方、中小企業の皆様からは「どうやって障がい者雇用を進めたらいいか分からない」といった声も聞こえてきます。
そこで、県では、企業の体験談を聞きながら、参加企業間のつながりも作れる企業交流会を開催します。
障がい者雇用を進める「はじめの一歩」として、ぜひご参加ください!

今回は、川崎市「短時間雇用創出プロジェクト」と連携した内容です!

本イベントは終了しました。ご参加いだたきありがとうございました。
当日の概要を掲載しました。

  • 日時:2018年1月23日(火曜) 13時30分から16時45分まで
  • 場所:川崎市産業振興会館9階第3研修室(川崎市幸区堀川町66-20)
  • 参加者:28名

プログラム(当日の様子)

川崎市「短時間雇用創出プロジェクト」紹介

  • 川崎市健康福祉局障害保健福祉部障害者雇用・就労推進課

川崎市「短時間雇用創出プロジェクト」参加企業の報告1:医療法人啓和会(川崎市川崎区)

啓和会の報告

医療法人啓和会は、35年前の昭和58年に川崎市川崎区の小田というエリアに開業いたしました。最初は小さな、入院施設のない整形外科のクリニックとしてスタートしました。当初は20人足らずの組織でしたが、現在は500人のスタッフが医療だけでなく介護の事業に参加する法人に成長しています。

啓和会には、採用のポリシーと言いますか、守らなければいけないルールがあります。例えば、外国籍の方や生活保護を受けている方、それから、障がいのある方、そういう方々が本当に一生懸命仕事をしたいという気持ちをお持ちであるのであれば、不遜な言い方になっていたらお許しいただきたいのですが、そういう方々に頑張っていただく、仕事をしていただく場を提供するのが我々の務めではないかということで、院長がいつも私どもに言い続けていることです。

これまで生活保護を受けているとか、障がいがあるといったことは、採用担当としては意識せずに、一つの個性と感じて採用を続けてまいりました。ところが、ある時、精神障がいの方を採用した際、患者様や介護事業のご利用者様に対してご迷惑をかけてしまったり、スタッフにも影響してしまったことがありました。誰にでも門戸を開いているつもりでしたが、私どもの不勉強がそうさせてしまったのかもしれません。先ほど川崎市さんの話の中で、精神障がいについては、情報の少なさが当事者との関わりを遠ざけているというお話がありましたけれども、最初は全然そのようなことはなかったのに、いつの間にか一時、私どもと一緒に働くスタッフで障がいのある方は身体障がいと知的障がいの方だけになっていました。

今回、川崎市さんから短時間雇用創出プロジェクトのお誘いがあったとき、「精神障がいの方は…」といった気持ちもありましたが、「それは考えすぎですよ」というお話があり、就労支援の専門家の方も紹介してくださいました。最初の方はご本人の体調の都合で辞めてしまいましたが、その次の方は1年以上、理学療法士のアシスタントをしております。今や、その方がいないと患者さんから、「今日あの方はいらっしゃらないの」というようなお声があるほど、患者さんとコミュニケーション取れるまでになっておりまして、私どもの仲間の一人として一緒に仕事をしております。

法人全体の障がい者雇用の状況としては、平成30年1月現在で知的障がいの方が2名、精神障がいの方が1名、身体障がいの方が7名、合計で10名が一緒に働いています。知的障がい者の方は主に介護業務に従事しています。コミュニケーションに問題はなく、適切な指示を出すことで、仕事をこなすことができます。しかし、全てがうまくいくというわけではなく、特に認知症のご利用者様に対しては認知症への理解や応用が必要になりますので、対応に苦慮したり一緒に悩んだりもします。皆さん感受性がとても豊かで一緒に笑ったり、話を聞くことがとても上手です。高齢の方の前でレクリエーションを行ったり、個性を活かした働きをしています。次に、精神障がいの方が1名短時間雇用で働いています。こちらの方は、性格に落ち着きがあり、簡単な作業であれば淡々とこなすことができます。後ほど詳しくご説明いたします。次に、身体障がいの方は、主に心臓機能障がい、直腸機能障がい、聴覚障がいの方が働いています。身体障がいの方には特別な配慮はしておりません。介護施設の夜勤もバリバリこなしている方もいます。

障がいのある方の職種ですが、リハビリ助手、介護事務、総務事務、ドライバー、介護職と多岐にわたります。総務事務や介護補助では、企業インターンの受け入れも積極的に行っております。積極的にインターンを受入れしている理由としては、職場のチームワークが向上し業務効率が上がるため、そして、職員の教える力が向上し人間力も向上するためです。また、部署内に優しい雰囲気が広がった気もします。働き方としては、正職員やパート、短時間雇用問わず本人の意向や法人との業務ニーズに合わせています。体調によって長時間働けない方であれば短時間であったり、正職員で安定した雇用機会を望んでいる方もいて理由は様々です。

短時間雇用創出プロジェクトの事例をお話しします。当法人で働いている短時間雇用の職員は週に2日、午前中に働いています。職種はリハビリ助手で、具体的には、リハビリ器具の装着や患者様の誘導です。整形外科ならではの職種であると思いますが、機械の操作やお客様の誘導と言えば、他の業種でもイメージがしやすいと思います。雇用で配慮したことは、周りの職員がフォローすること、また、責任者だけではなく一緒に仕事をする仲間との意識の共有が必要です。それから、作業開始時にできることとできないことを把握することが、わかりやすい作業指示につながり、円滑な関係が築けます。

障がい者雇用において、法人として大切にしていることをお話しします。一つ目は障がい者だからといって偏った見方をしません。一人の人として障がいに関係なく同じように接します。特別扱いはしません。二つ目は、できることを尊重し、できないことは無理にさせないようにしています。普段できることでも、体調や障がいの特性でペースがゆっくりになったり、思うように作業ができないことがあります。でもそれは誰でも一緒で、体調不良で業務効率が落ちることがあります。失礼な言い方かもしれませんが、「できなくて構わない」と思うことで丁寧な支援ができます。三つ目は、障がいを見るよりも人間性を重視します。障がい者ですと雇用する側は及び腰になってしまいがちですが、できることに目を向けると業務の幅は広がります。対人援助職では、相手を思いやる人間性が求められます。業務遂行能力の高い乱暴なスタッフより、多少ゆったりしたペースでも魅力的な人柄のスタッフの方が患者様に親近感を持ってもらえます。四つ目は、日頃から感謝を伝えるようにしています。やりがいをお互いに感じるために、「助かりました。ありがとうございます。」と職員間でも感謝の気持ちを伝えるようにしています。

障がい者雇用の感想です。一つ目は、障がい者も私達と同じ気持ちで、必要とされたい、役に立ちたいという気持ちは一緒であり、障がい者が社会に出る環境作りをしていく役割を担っていると再認識させられました。二つ目は、配慮すること、対応方法は人によって様々です。個人の性格が違うように障がいの特性も様々です。外見からは全く症状が分からない人もいます。一緒に働く仲間だからこそ理解し尊重しなければなりません。三つ目は、障がいのある方は、色々な業務に対応ができます。最初は手探りで本人のやりがいを見つけることに苦労しました。今でも新しい発見ばかりですが、慣れれば相互理解が深まり業務の幅は広がります。四つ目は、なかなか理解が進まない場合は教え方にも問題があるということです。指示の出し方、言葉の受け取り方もそれぞれです。的確な指示を出せているのか見直すきっかけになり、意外とわかりにくい指示の出し方をしていることに反省しました。五つ目は、少しの優しさが必要だと考えます。コスト・ベネフィットという面から考えても、周りの職員の少しの優しさで立派に仕事をこなせると思います。気にかけてあげる余裕を持つことも大切です。六つ目は、働く意欲があるならば働く機会を提供するのが地域密着の法人の使命であること。これは、院長の教えですが、地域密着の法人として医療や介護のサービスを提供するのはもちろんですが、法人として障がいのある方や生活保護を受けている方などに平等に働く機会を提供する社会的役割を再認識しております。七つ目は、奉仕の心を持っているか。患者様とスタッフ、スタッフ同士、先輩と後輩、どんな関係でも相手のことを思いやり、また相互に尊敬しあうことが優良な職場環境を作るということを実感しています。これも院長がいつも我々スタッフに投げかける言葉です。

最後に、障がい者雇用は特別なことではありません。最初から雇用ではなく、障がいのある方の職場体験を受け入れることも「はじめの一歩」です。わからないことは就労支援の専門家に相談すれば難しいことはありません。本日お話させていただいた内容がこれから障がい者雇用を始める企業の皆様のご参考になれば幸いです。

川崎市「短時間雇用創出プロジェクト」参加企業の報告2:株式会社スタックス(川崎市中原区) 

スタックスの報告

今日は短時間雇用プロジェクトで1年間雇用を継続しております1名の方の採用から現在までの経過を、少しエピソードを交えながらお話させていただきたいと思います。弊社は、金属加工をしている製造業の会社です。産業機器等の部品を作っている会社で、1個の種類のものを大量生産するのではなく、たくさんの種類のものを少しずつ作っている会社です。最低個数1個というのを得意としていて、多くても数十個単位という仕事をしています。この仕事のスタイルもこの後の障がい者雇用の話に繋がってきます。少し覚えておいてください。

なぜ短時間雇用創出プロジェクトにトライすることになったかというお話をします。実はプロジェクトのお話をいただく前から、社内で業務の切り出しをやっていました。会社の中の仕事を緊急度と重要度で4つのマトリックスに分けて考えた時、「重要かつ緊急」の仕事と「重要ではないが緊急」の仕事はどんどん片付いていきます。不思議と「重要ではなく緊急ではない」仕事も「重要かつ緊急」の仕事と「重要ではないが緊急」の仕事に引っ張られて片付いていくのですけれど、「重要だが緊急ではない」仕事が社内に多くあり、ほとんど着手できていないことがわかりました。

具体的にどのような仕事かを分析すると、「いつかはやりたい」仕事と「いつかはやらなければいけない」仕事の2種類で、特に「いつかはやりたい」仕事は、これができれば、例えば当社は製造業なので、ライバルに差を付けられるかもしれないとか、お取引先にもう少し良い評価をしてもらえるかもしれないといったことが期待される仕事でした。こうした仕事の中で、より利益が期待できる仕事は、毎日少しずつやっていく仕事で、溜まったからまとめてやってしまうとか、先の分も一緒にやってしまうということができない種類の仕事で、こうした仕事は全く手が付いていないという状態でした。

そのような時に、川崎市さんから短時間雇用創出プロジェクトのお話を聞きました。1日2時間、週5日くらいの仕事がないですかというお話だったので、ぜひお願いしたいということになりました。その時に、今回は精神障がいの方の雇用を考えてほしいと言われました。弊社は知的障がいの方と身体障がいの方の雇用実績はあるものの、精神障がいの方は実績がなかったので、よくわからなかったのですが、色々なお話を川崎市さんとしていると、先ほど申し上げた利益を生みそうな仕事と、特定の精神障がいの方の特性がマッチしそうだなと思いました。

「重要だが緊急ではない」仕事で、いつかはやりたい仕事は、検査業務の一つです。先ほどお話したように弊社はたくさんの種類を数少なく作っている会社で、そのたくさんの種類の中に重要管理品目と言われる、必ず全数をチェックしなくてはいけないという製品があります。何をチェックするかというと、寸法を測定するだけではなく、傷がついてないか、変形してないかを全部チェックしなくてはいけないのですが、その傷がすごく微細なものなのでよく見ないといけない。従来は、作った人間や梱包する人間がチェックしていたのですが、結果としてお客様の手元に不良品と言われるものが流出するというようなことが、ゼロではないが多くはないという状況でした。この重要管理品目のチェックは1日2時間くらいのボリュームなので、その仕事をしてほしいというのが時間の面でマッチしました。

さらに、今お話したように、ただ見るだけでの仕事なので慣れてくると楽な方法を探したり、見た気になって次に移ってしまったりということがあります。そこで、手順にすごいこだわりがある、もっと言ってしまえば、手順どおりやらないと我慢ができないというような性格というか特性をうまく強みとして活かせないかと思い、川崎市の方にそういった希望を伝えて、採用に移っていきました。

採用の際は、業務に合った特性の方4名に見学と面接に来ていただきました。面接の際は、障がいの特性を大まかには聞いていましたが、実際会って、短い時間ですけどお話して、何となく傾向を掴みました。そして、働きたいと言ってくれた方に就労体験という形で1週間くらい実習をしてもらいました。

実習の際は、私と現場の責任者は、ご本人の仕事ぶりよりも周りの従業員との融和性というか、コミュニケーションがうまく取れるかどうか、仕事がスムーズにいくかどうかに注目していました。わからないことがあったら聞く、それはそれでよいのですが、それがずっと繰り返しされてしまうと業務上支障があるし、わからないから放っておくのも支障があります。

実際に採用した1名の方は、特性と業務がマッチする度合いがかなり高くて、繰り返し同じことを手順を変えずにやってくれますし、正確性も非常に高いです。試験的に不良品を紛れ込ませても必ず発見できるので、能力は非常に高いのですが、ここからが、障がい者雇用の難しいところです。

採用後1年間にトラブルが何回かありました。一つ目はまず手順について。今回は手順のこだわりが強い人がほしいとお伝えして、実際そういう方が来てくれたのですが、逆にイレギュラーで手順を飛ばしてほしいという時に一切受け付けてくれないということがありました。臨機応変はやはり特性上難しいようで、そういったところは中々お願いができない。

二つ目は、いわゆる空気が読めないので、その方の先輩が「A,B,C,D,Eという手順を踏むのはわかるけれども、BとCは似ているからまとめた方が効率がいいのでは」とアドバイスをしてくれた時に、「僕のやり方とは全く違うので、そのやり方はやりたくありません」とはっきり言ってしまうのですね。先輩からするとためを思って言ったことが、否定された上に拒否されるということがありました。私はその方の個性だということはわかっていたので、最大限フォローしてその場は矛を収めてもらいました。業務に能力的にマッチする人間として採用しているので、ある程度こうしたことは覚悟していたのですけれども、覚悟よりもかなり高いものが出てしまったなというのが正直なところでした。ただ、それ以降は関わり方を周りの人に考えてもらって、指導をする時は一回私を通してもらう形にして解決するようにしています。

最後三つ目は、先ほど川崎市さんからもお話出ましたが、本人の能力が高いので色々なことをお願いしたくなってしまうのですね。勝手にこちらの判断でできるだろうと思ってお願いしてしまうのですが、画一的でないものの判断は難しい。例えば、数値で管理されているものが数値どおりかどうか見てもらうのは間違いなくできるのですが、ここを綺麗にしてくださいといった指示を出すと「綺麗ってどういうことですか」ということになり、同じことを何回も確認しに来ることを招いてしまったこともありました。こうした障がいの特性と業務の特性を考えた上で仕事をお願いしていかなければいけないことを改めて気づかされました。

採用から1年が経ちまして、最初は1日2時間週5日から始まり、ちょうど今週から1日4時間、週20時間になりました。ご本人が障がい以外に体調面に不安があるので、ここから1年くらいかけて30時間まで延ばしていきたいという意向があります。会社は明日からでも週30時間働いてもらいたいのですけど、本人の意向を尊重していこうと思います。

業務の方も、目視で検査するという仕事だけでなく色々な業務をやっています。今、あるシートを作ってもらっているのですが、6ミリ幅の両面テープを148ミリの長さに切ったものを60枚分紙に貼ってもらっています。この方の作ったものは、端の線がきれいにまっすぐ揃っているのですけど、他の誰がやっても揃わない。金属に貼り付ける部品なので、テープが1ミリずれると品物にならなくて、従来は使えるものを選んで貼っていたのですが、この方が作っているものは全部使えるので、選別する手間、作り直しの手間が省けるようになりました。

このように、戦略的に障がいの特性が業務に合う方を雇用できています。実際に不良品が出るか出ないのかに検査がどれくらい活きているかはわからないのですが、不良品のコスト、つまり、作り直す物理的なコストと人的コスト、対お客様の信用を失うという見えないコストは、1回数十万円と考えています。それを1日2時間働いてくれる方が週5日来て、不良品を1件でも2件でもつぶせるかも知れないと考えると、かなりコストパフォーマンスがいいと判断しています。さらに、業務の無駄が省けるので、うまく能力と業務を結びつけることができると、単なる社会貢献とか、法定雇用率をクリアするためではなくて、より戦略的に障がい者の方の特性を活かして、お互いWIN-WINの関係を築いていけると思います。

もしこれから障がい者雇用をご検討されている企業の方は、障がい者の方を雇うからこういうことお願いしようというよりは、こういうことをお願いしたいから、こういう障がい者の方いないかなといった視点に立ってみてもよいと思います。

川崎市「短時間雇用創出プロジェクト」参加企業に聞く!(質問会)

プロジェクト参加企業に直接いろいろ聞くことができる座談会形式の質問会を行いました。

質問会質問会

グループワーク

自社において、どのような仕事が雇用につながるかを考えました。

グループワークグループワーク

 

 

 

交流会

参加者間で自由に情報交換等を行う交流会を行いました。

募集ちらし(受付終了しました)

ちらしはこちら[PDFファイル/95KB]

主催・共催

【主催】神奈川県
【共催】川崎市神奈川労働局ハローワーク川崎ハローワーク川崎北

川崎南部就労援助センター中部就労援助センター百合丘就労援助センター

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本文ここまで
県の重点施策
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • 未病の改善
  • さがみロボット産業特区
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  • かながわスマートエネルギー計画
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  • ラグビーワールドカップ2019