障がい者雇用のための企業交流会「はじめの一歩」(4)(湘南西部・県西)【終了しました】

掲載日:2018年3月30日

「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、従業員50人以上の企業を対象に、障がいのある方を2%以上雇用することとしています。
一方、中小企業の皆様からは「どうやって障がい者雇用を進めたらいいか分からない」といった声も聞こえてきます。
そこで、県では、先輩企業の体験談を聞きながら、参加企業間のつながりも作れる企業交流会を開催します。
障がい者雇用を進める「はじめの一歩」として、ぜひご参加ください!

本イベントは終了しました。ご参加いだたきありがとうございました。
当日の概要を掲載しました。

  • 日時:2017年10月25日(水曜)13時30分から17時まで
  • 場所:ひらつか市民活動センター会議室A・B (平塚市八重咲町3-3 JAビルかながわ2F)
  • 参加者:14名

プログラム(当日の様子)

先輩企業の事例紹介1
社会福祉法人恵伸会サンレジデンス湘南 施設長 野北緑郎氏

恵伸会公演写真


私ども社会福祉法人惠心会は、地域のお客様の人生に寄り添って、未来を担う子供達と人生の先輩である高齢者のお客様が豊かな生活が送れるようにご支援をすることによって、地域との共生を目指して活動している社会福祉法人です。

設立は平成9年で、本部が平塚市内にあります。特別養護老人ホーム『サンレジデンス湘南』のほか2箇所の高齢者施設と認可保育園4箇所、学童保育施設2箇所を平塚市内と大磯町内で運営しています。職員数は、常勤職員が178名、非常勤職員が229名と、平成29年9月末現在で計407名です。


障がい者雇用に関する取組と経緯をお話しますと、かつては、法人全体として障がい者雇用に関する意識が薄かった実情でした。というのも、法人の常用雇用労働者が150名前後で推移しておりましたので、当時は「障害者雇用納付金」の対象外であったこと、そして、認可保育園と高齢者施設という専門職が多い職場という雰囲気もあって、なかなか、障がい者雇用の動きが進まなかったことが現実にあったと思います。

取組のきっかけは、平成24年10月に、ハローワーク平塚の所長と雇用指導官が来所し、このまま翌年6月時点で障がい者の雇用が0人の場合には、「障害者雇入れ計画書」の作成命令と数年間の継続的な指導対象になりうる旨、お話がありました。

これを受けて、すぐに施設の責任者、施設長の方々にも協力をいただいて、まずは1名を雇用する方向で平塚養護学校を訪問し、障がい者就業・生活支援センターサンシティさんにも相談に伺いました。

養護学校では、ちょうど翌春に卒業する方々が実習をしているタイミングでしたので、そこから話が進み、年明け1月と3月の計2回の実習の受け入れに至りました。結果として、平成25年4月に、お一人を1日6時間、週5日(週30時間)の勤務条件で施設内の清掃業務に迎え入れることが出来ました。

その後も、法人内の別の施設に付いているデイサービスセンターで、お客様が帰られた後の夕方4時から6時くらいまでの時間帯に生じる清掃業務があり、それまでパートの方が従事されていましたが、不在にされる日には、施設の職員が残業して、皆で手分けをして清掃の対応をしていた事情もあって、何とか業務の切り出し(選別)をして、他の業務も付加した上でハローワークに求人し、障がい者雇用に繋げられました。

また、このときに採用した当事者の就業面と生活面でのサポートを、現在の障がい者就業・生活支援センターのご担当者からお力添え頂いたことがご縁となり、その後、現在でも就労を継続されている別の障がい者の方を紹介していただくなど、支援機関から様々な面でご支援をいただけるようになりました。

私たちが採用までに実施したことは、まずは、いわゆる業務の切り出しです。そして、養護学校を訪問して、就労支援をしていただきたいというお願いをしました。また、同じように障がい者の雇用、就業支援をされている社会福祉法人にも訪問し、取組の参考にしました。業務の切り出しが出来たら、ハローワークへ求人票を提出して、それを見て応募していただくという流れです。

中でも、私たちが重要に思っていたのは、業務の切り出し作業です。当たり前のことですが、現場が本当に助かるという実感を持ってもらうために、そして、現場が積極的に関わるようにするために、現場が必要としている業務を軸にして組み立てていくことを意識しました。現場もその方が定着すれば助かると思うので、懸命に教えてくれることにも繋がりました。

2点目としては、基本的には一人でやっていただく業務にして、誰かに依存することのないようにしました。過去にいくつかの実例をみてきた中で、当事者が特定の現場職員に依存してしまうようなことが出てくると、定着が難しくなってしまった経験がありました。また、事務部門の補助業務に従事していただいた事例もありましたが、部門自体が繁忙期を迎え、納期に追われると、職場の緊迫した雰囲気だけでなく、現場で当事者に作業を急かしたり、突発的な作業をお願いしたりする状況が重なることで御本人にも悪影響が出てしまい、結局、出勤が難しくなってしまった経験がありました。この経験を踏まえて、そういう環境からは切り離して、淡々と普段どおりの仕事をしていただけるような業務を選んで仕分けをするようにしました。

それから3点目としては、ここが最も重要であると捉えていますが、いつ、どこを、どのように、どんなふうに仕事をするかという事柄をできるだけ細かく記載したものを業務マニュアルとして作ることです。例えば、清掃業務のマニュアルであれば、どこを、どういうふうに清掃するのかを、時間軸とともに作業の手順に従って書き起こし、簡単な言葉を使ってシンプルかつ明確な指示となるように記載しています。

マニュアルの存在は、日々の業務に関して、現場と障がい当事者のお互いが立ち返る拠り所となります。マニュアルを介した日常の振り返りや、改善に向けて変更、更新する際に、お互いが話し合いを行う中でコミュニケーションが生まれるなど、意思疎通の重要なツールになっています。

当事者の職員は大変嬉しそうに、楽しそうに仕事をしておりまして、逆に他の職員が自然と刺激を受けているように思います。また、別の当事者の方も、清掃業務にあたりながら施設のお客様に元気よくご挨拶をしてくださり、今では馴染みのお客様もいて、歌を褒めたり、感謝の言葉をかけられたりと、お客様と上手にコミュニケーションを取りながら長らく勤めていただいております。

採用した後、就業の継続に向けて気をつけている点に少し触れますと、まず、先ほどからお伝えしている業務の切り出しとタイムスケジュールの管理です。当事者の方は、臨機応変に何かをやるというのは苦手なところがあるので、決められたことを決められた順番でやっていただけるように整理し、できれば、ゆっくりやっていただくことを心がけています。ゆっくり作業していただくのは、日によって体調面の管理が難しい場合もあるらしく、いつも同じ調子でやっていただけるわけではないので、予め、少し余裕を持ったスケジュールを組むことで、ご本人には休み休みでもゆとりを持って作業していただくことを意識しています。

それから、ご本人の理解者、協力者を現場に作るという意味でも、現場を巻き込んで対応にあたることです。特に雇用当初は、現場のリーダーともう1名程度を担当者とし、業務の切り出しをした者がコミュニケーション相手となるように、当事者の相談等に対しても出来るだけ現場でチームを作って対応しています。障がい者雇用全体を管理する立場としては、現場で当事者に頻繁に声を掛けたいところですが、常に離れず対応するのは難しいので、基本的に、出来るだけ現場の担当者に任せて、さらに何かあった時や現場でなかなか言えない話題があれば、私に伝えてもらうような形にしました。

最後に、私どもで介入するのが難しいところ、つまり、その方の個人的な病状や身のまわりなどに関する部分は、やはり支援してくださる専門家の方々を頼りにしています。当事者の方々も体調管理が難しい面があるようで、私達では日頃の声掛けをすることくらいしか出来ず、現場でもかなり苦労するところですが、自分たちで抱え込まないようにしていたようにしてきたつもりです。試行錯誤しながら取り組んでいる現状ですが、日頃から支援機関の方々に積極的な情報提供を行って、援助していただけるようにお願いしています。

 

先輩企業の事例紹介2
南開工業株式会社代表取締役社長 中村仁氏

南開工業講演写真


弊社の概要をご説明しますと、本社は南足柄市内にあり、事業内容は、国内の主な取引先である富士フイルム様や富士ゼロックス様等との関わりの中で、複写機やプリンター消耗品などのリユース・リサイクル事業を中心に行っています。事業所はほとんどが国内にありますが、海外にも1箇所だけ拠点があります。

弊社の仕事の仕方や考え方には、多分に富士フイルム様や富士ゼロックス様から教えていただいたところがあり、障がい者雇用の取組であったり、社会貢献という面でも、そういった影響を受けてきています。


遡りますが、富士フイルム様のレンズ付フィルム商品があり、その使用済みのものが日本全国から回収され、これを分解し、また使える部品を組み立て、再度検査をして使っていくリユース・リサイクル事業を、富士フイルム様の工場内に作られたラインにおいて、オペレーションをやらせていただいておりました。現状で多いのは、富士ゼロックス様のコピー機の消耗品、俗にトナーカートリッジと言われるものが日本全国から回収され、やはりそれを分解し、洗浄をして、検査をして、また富士ゼロックスブランドで市場に戻す資源循環事業の裏方の部分を担わせていただいております。

富士フイルム様、富士ゼロックス様から仕事をいただけているから、こうして障がい者の方にお仕事をやっていただくチャンスをいただいていると認識しているところもあります。また、企業ですので利益を出していかないといけない面もあり、こうした社会貢献の取組、例えば、障がい者雇用それだけを一所懸命やっていてもなかなか立ち行かず、現状も率直にいって本当に厳しいと思う部分も多々ありますが、それだけでもいけないし、日々思い悩みながら取り組んでいるのが偽ざる現状です。

経営理念を紹介しますと、『当社は、人類の幸福と豊かな生活の実現に向け事業に取り組み、“社会に貢献する”事業に関わる全員が高い価値観に共感し、お客様第一主義を貫き、物心共に豊かな生活の実現を目指す。』としており、創業者がこうした理念にこだわりながらやってきて今に至ります。

また、社是・社訓もあります。社是は『誠実』です。そして、社訓が5つありますが、その中で強いて挙げるとすれば、『助け合える仲間、ここに関係ある人が幸福になる会社にする』という社訓があり、例えば、障がい者の方の雇用の話題など、いざ社会的な貢献の取組に関する議論をしていく際、大義というか、何のためにやっているのかの整理が必要となったときに、価値観のあり方として立ち戻れるものと考えています。

具体的な障がい者雇用の話に触れると、弊社における初めての雇用は、1985年くらいに、工場敷地の地主様からの依頼により、知的障がいのある方をお預かりしたことがきっかけでした。当時は障がい者の雇用がどういうものかもよく分からないままに受け入れ、その方にできることは何かというところから動き出したという状況でした。

実際には、なかなか集中力が保てなかったり、目を離すとどこかにいってしまったりと色々ありましたが、元々、創業者が本当にゼロから事業を進めてきて、社員の区別なく、家族の延長のような雰囲気でやってきたので、それほど大きな問題になることもなく、比較的、社内の皆が自然に受け入れてくれました。1985年以降、毎年ではありませんが、年によっては1~2名の方にご入社いただいてきたところです。

現状は、約480名の社員が国内にいます。正社員の方が大体190名、その中で障がい者の方が10名です。これまで、延べ数で34名の障がい者の方に入っていただき、平成29年9月末時点で10名というのが現状です。

ここに至るまでに、失敗事例にはなりますが、2005年には6名の障がい者の方を一度に採用させていただいたことがありました。このときは、それぞれの方の性格や特性をしっかり理解しないまま採用してしまい、作業場所から離れてしまうとか、休憩時間後に戻ってもらえないとか、出勤途中で気が変わられて帰られてしまうとか、一番の問題は、作業者同士がうまくコミュニケーションを取れないことでした。例えば、自分の悪口を陰で言っているなどという認識ができてしまい、ギクシャクした雰囲気になってしまったケースもありました。

こうした問題が生じたときには、その都度、障害者支援センターの方や養護学校の先生方にもご相談させていただき、ジョブコーチの方にも定期的にお越しいただきながら色々支援してもらいました。結果的には、6名を採用させていただいた時には1名しか残りませんでしたが、この1名の方は、現在も引き続き働いています。こうした失敗の教訓から、自分たちだけでは分からないことは、各支援機関に積極的に教えを請いに伺い、色々なご支援をいただきながらやってきているという状態です。

養護学校さんには、採用の際に推薦していただく時もありますし、職場体験のお話をいただく時もあります。実際に、弊社の中で適応出来るかどうかを、その方自身にも、また、先生方にも見ていただく場にもなりますし、我々としても、社内で馴染んでもらえるのかを見る機会にもなっています。

ハローワークさんには求人や雇用後の相談を、障害者支援センターの方々には何か問題が生じた場合の相談とアドバイスを頂いたり、求職者の紹介を受けたりと、色々なご支援をいただいています。

当事者の実際の作業ですが、トナーカートリッジと言われているもののリユース・リサイクル業務の関連に従事いただいている方が多くいらっしゃいます。実際のところ、トナーを扱うので、黒い粉が舞ったりと結構大変な職場ですが、そこで働く他の数百名の社員と同じような形で、作業しています。作業の体制は、障がい者の方だけの作業場を設けてそこに誰かが張り付いて作業するのではなく、通常どおりのラインの仕事に入ってもらって周りの方のサポートを受けながらやっています。

私どもは当事者の方々に対する捉え方で、「障害者」というような表現はせず、「特徴がある」という捉え方をしています。それぞれの当事者が皆、頑張ってやってくださいますが、実際には周りにいる方のサポートがあって成り立っています。現場で周りにいる方々のおかげで、障がいのある方々が働いていただける状況を作ることができている認識があります。

時折、言うことを聞かないとか、作業が遅いことに対して、よく面倒を見てくださる方もいれば、そうしたことに不満を述べられる方もおりますけれども、そうしたときは社訓にある「助け合える仲間」、「ここに関係のある人が幸福になる会社にする」という価値観に立ち返ります。

それぞれ、人によって性格も集中力も違います。その方に合ったものを探しながら、作業内容や作業場所の変更をすることもあります。何かしらその方が持っている力を発揮いただける面があり、そうした作業が社内にあるのではないかと、粘り強く対応します。

今感じている課題を挙げれば、社内で障がい者の雇用に関する専門知識を持つ人材が存在しているわけではなく、専門の教育をしっかりやっているわけではないので、ご本人とのコミュニケーションの取り方において、どう対応していいか分からないというのはあります。お休みの時に連絡が無いままお休みにしてしまうとか、通勤途中で家に戻ってしまうこともあります。写真を交えた手順書を作って丁寧に作業の説明をしても、理解してもらえなかったり、返事をしてもらっても行動が伴わなかったりと、現場での困りごとは様々にあります。

問題への対処として、まずは、一緒に働く現場の社員によく理解してもらうことです。それぞれの方に性格や特性の違いがありますが、この前提を持たずにコミュニケーションを取っていると、お互いが理解できなくなってしまったり、会話も続かなくなったりして関わりが無くなってしまうことも生じます。そうならないように、日頃から一緒に働くことの理解をしてもらうことです。

また、写真や図など、目で見て理解できる掲示物を作成して、作業を理解してもらうことも重要であると考えます。

そして、障がい者の方のご家族の協力です。入社に至る経緯の中でご家族とコミュニケーションを図りながら、入社後も継続して協力していただくことです。会社でのご本人の行動はご家庭には分からず、逆にご家庭でのご本人の状況は我々には分からないところがあります。そこで、「連絡ノート」なるものを作って、日頃から連絡を取り合うことで、ご本人の行動、状態を把握し、お互いに一体となってやっていきましょうという、いわゆるご家族との間の信頼関係の構築です。これが上手くいくと、比較的、徐々に好転していくケースが多いと思っています。

それから、作業場での指示・命令者を決めておくことです。過去の経験から、ご本人に対する指示者を複数にすると、混乱やトラブルを生むことを学んでいます。会社側で指示者は一人と決めて、「誰々さんの言うことをしっかり聞いてください」と接することでスムーズなやりとりに繋がります。

あとは、ご本人に根気よく接して、理解してもらうことです。また、少しでも従業員が専門的な知識を得られるように、研修などに参加し勉強することです。これは、今後に向けての我々の課題でもありますが、こういったところを心がけています。

色々な問題が日々起きますが、根気よく対応しながら、諦めずに継続して努力を積み重ねていこうと考えています。こうした取組をなぜやっているのかというと、まずは、弊社であれば、会社の代表である私自身が、様々なことがあっても、何とか障がい者の方に一定数、働いていただこうという姿勢でいることが非常に大事だと思います。逆に、現場の上長をはじめ、周りでサポートされている方には感謝の気持ちをもって、そういった方々のおかげで、今こうした状態を作れていることを認識しながら、日々取り組んでいます。

 

先輩企業に聞く!(質問会)

先輩企業に直接いろいろ聞くことができる質問会を行いました。
質問会1質問会2

グループワーク

自社において、どのような仕事が障がい者の方にできそうかを考えるグループワークを行いました。
GW1GW2

交流会

参加者間で自由に情報交換等を行う交流会を行いました。

募集ちらし(実施終了しました)

こちら[PDFファイル/91KB]

主催・共催

【主催】神奈川県
【共催】神奈川労働局ハローワーク平塚ハローワーク小田原ハローワーク松田障がい者就業・生活支援センターサンシティ障害者支援センターぽけっと

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本文ここまで
県の重点施策
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  • 県西地域活性化プロジェクト
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