第三セクター等指導調整指針

掲載日:2018年5月18日

第三セクター等の指導、調整等に関する要綱第5条において、第三セクター及び損失補償法人(県が債務について損失補償を行っている法人)の抜本的な見直しや効果的・効率的な事業展開、収支健全化に向けた経営改善等を図るため、適切な指導、調整等を行うこととしており、本指針では、そうした指導、調整等を行うに際しての基本とすべき事項を明らかにする。なお、本指針における県主導第三セクター等の用語の定義については、第三セクター等の指導、調整等に関する要綱の定めるところによる。

本指針は、県主導第三セクター及び自立した第三セクター並びに損失補償法人を対象とし、その他の第三セクターは、必要に応じて、本指針を参考にしつつ事務を取り扱うこととする。

1 指針の目的

第三セクターは、これまで県民サービスの維持・向上、県内産業の振興等広範な分野において重要かつ多様な役割を担ってきた。

しかし、規制緩和の進展や、市民活動の高まりによるNPO等の公的サービスの担い手の拡大、県民ニーズの著しい変化等に加え、指定管理者制度の導入や公益法人制度改革等、第三セクターを取り巻く環境は大きく変化してきた。

これまで、より簡素で効率的な県政の実現を目指し、更なる行政改革を進めるため、第三セクターの必要性等を検証し、法人ごとの今後のあり方を明らかにするとともに、そうした法人の今後のあり方を踏まえた抜本的な見直しを行い、あわせて効果的・効率的な事業展開を図ってきた。

しかし、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号。以下「地方財政健全化法」という。)により、地方公共団体は健全化判断比率の公表が義務付けられ、その比率の算定に当たっては、損失補償法人の債務の一定割合が算入されるため、こうした損失補償法人の安定的な経営も求められることになった。

こうした第三セクター等に対する取組を効果的かつ有効なものとするためには、県として統一的な視点から的確な指導や適正な支援等を行うことが必要であることから、本指針を策定したものである。

2 適正で健全な法人運営に向けた取組

県主導第三セクター及び自立した第三セクターは、法人運営に当たって関連法令等を遵守するほか、地方自治法(以下「法」という。)に基づく包括外部監査制度による監査等のチェック手段及びその結果を有効かつ適切に活用し、自らが責任を持って設立の目的や趣旨を踏まえた適正で健全な法人運営に努めるとともに、県民への情報の公開・提供等に積極的に努める必要がある。

(1)基本財産等資産の管理運用、保全

所管局長は、県主導第三セクター及び自立した第三セクターが次の事項に留意し、適切に基本財産等資産の管理運用及び保全を行うよう、指導、調整等を行うこと。

ア 基本財産等資産の管理運用は元本の確実な回収を基本として、固定資産としての常識的な運用益が得られ、又は利用価値を生ずる方法で、安全かつ確実に行うこと。

イ 基本財産等資産の管理運用に関する事項を明確にするとともに、資産の運用に係る情報の収集・分析及びチェックを適切に行う体制を確保すること。

ウ 資金の性格、規模に応じた適切な運用方法を選択し、適宜見直しを図ること。

(2)組織づくり、権限配分等

所管局長は、県主導第三セクター及び自立した第三セクターが次の事項に留意し、組織づくり、権限配分等に係る取組を適切に行うよう、指導、調整等を行うこと。

ア 内部規程を整備し、内部のチェック機能が形骸化しないよう定期的な点検を行い、意思決定の過程や責任の所在を明確化すること。

イ 職務執行上の分担や権限、人事評価等の見直しを図り、職員がやる気を持って働けるような職場環境づくりに努めること。

ウ 人材の新陳代謝による組織の活性化も考慮し、社会経済情勢や法人の状況に応じた適切な定年制度の運用を図ること。

エ 法人の役員には、「県職員の法人役員就任の見直しについて」(平成20年9月11日付け総務部長通知)を踏まえ、原則として、知事、副知事又は委員会の委員(以下「知事等特別職」という。)を含めた県職員を充てないこと。

オ 監事等には原則として専門的な人材(公認会計士等)を登用することとし、チェック機能の拡充を図ること。

カ 法人が県の事業を受託する場合には、法の兼業禁止規定により、県議会議員(法第92条の2)、知事(法第142条)、副知事(法第166条第2項)又は委員会の委員(法第180条の5第6項)は、主として県に対し請負をする法人(法人の事業のうち半分以上を占めるものをいう。)の無限責任社員、取締役若しくは監査役又はこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない(ただし、知事等特別職については、県が50%以上を出資している法人の場合には、兼業禁止規定の適用が除外される。)ことに留意すること。

なお、指定管理者による公の施設の管理は「代行」であり「請負」には該当しないため、法の兼業禁止規定は適用されないが、指定手続の透明性・公平性の確保という観点から、法の兼業禁止規定に準じて扱うことに留意すること。

(3)人材の確保・育成等

所管局長は、県主導第三セクター及び自立した第三セクターが次の事項に留意し、適切に人材の確保・育成等に向けた取組を行うよう、指導、調整等を行うこと。

ア 社会経済情勢の変化等に対応しうる優秀な人材を確保し、また、選考過程等の透明性を確保する観点から、職員を採用する場合には、原則として公募とすること。

なお、効率的で柔軟な執行体制を整備する視点から、できる限り多様な任用形態の活用にも留意すること(指定管理者として県の公の施設の管理を行う、又は予定のある法人については、業務量の大幅な変動もあり得ることから、特に柔軟な執行体制の整備に留意すること。)。

イ 役職員の任用に当たっては、職務内容や責任にふさわしい人材を広く求めることが適当であり、役割に応じて民間の経営ノウハウや経験を有する人材の登用に努めること。

ウ 職員の研修機会の充実、法人相互の人事交流を図る等、計画的な人材の育成に努めること。

エ 県職員の派遣及び県退職者の紹介を要請する場合には、法人運営上の必要性や県職員の派遣の必要性を十分に勘案するとともに、県職員の就任等が法人職員の登用を阻害しないよう考慮すること。また、県が整備している神奈川県退職者キャリアバンクを利用して県退職者を雇用する場合の雇用期間は、「神奈川県退職者キャリアバンク実施要領」(平成18年4月1日付け総務部長通知)に基づき、65歳に達した日以後における最初の3月31日を超えることがない範囲において決定すること。

(4)情報公開等

所管局長は、県主導第三セクター及び自立した第三セクターが次の事項に留意し、情報公開等に努めるよう、指導、調整等を行うこと。

ア 法人の運営が県民に開かれたものとなるよう、情報提供の推進に努め、法人の主たる事務所及び県政情報センターに定款、役員名簿、決算諸表、事業計画書、経営改善計画等を備え置き、一般の閲覧に供すること。

イ インターネット等を活用し、最新の業務・財務等に関する資料のほか、法人の経営改善計画等やその進捗状況、県からの支援の状況・経営状況等について積極的に公表するとともに、利用者アンケートの実施等により法人の運営に県民の意見を反映させるよう努めること。

ウ 情報公開に努めるとともに、神奈川県情報公開条例(平成12年神奈川県条例第26号)第26条第3項の規定に基づき指定された第三セクターについては、必要な規程を整備し、適正に運用するよう努めなければならないことから、「出資団体等の情報公開に関する要綱」に基づき必要な指導、支援を行うこと。

エ 法人の個人情報の取扱いについては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)並びに神奈川県個人情報保護条例(平成2年神奈川県条例第6号)及び事業者が保有する個人情報の取扱いに関する指針(平成17年4月1日公告)に基づき適切に取り扱うこと。

(5)その他の県の指導、調整等

所管局長は、県主導第三セクター及び自立した第三セクターが次の事項に留意するよう、指導、調整等を行うこと。

ア 各法人の根拠法令の規定に基づく検査並びに別に定めるチェックリスト及び当該チェックリストに基づくヒアリングの実施により、適正で健全な法人運営状況等について定期的に把握し、法人に対する適切な指導、調整等を行うこと。

イ 公益社団・財団法人及び一般社団・財団法人については、「新公益法人及び移行法人に対する監督の基本的考え方」(平成24年5月11日神奈川県公益認定等審議会決定)に基づき文書課が実施する指導、監督の情報を把握し、必要に応じて連携を図ること。また、文書課が実施する立入検査には、法人の同意を得た上で所管局が原則として陪席すること。

ウ 会社法法人については、出資者の権利としての議決権の行使等、会社法に基づくチェック手段を有効かつ適切に活用すること。議決権の行使に当たっては、出資等の目的を前提としつつ、株式が貴重な県有財産であることに鑑み、企業価値及び株式価値の向上等の観点も踏まえて行使すること。

なお、資本の額が5億円以上である等一定の要件を満たす会社法法人については、会社法の規定に基づき会計監査人を設置することが義務付けられていること、また、公益法人については、公益的事業を行うために必要な経理的基礎のひとつである情報開示の適正性として、外部監査の受検や費用及び損失の額又は収益の額に応じて監事を公認会計士又は税理士が務めること等が推奨されていることに留意すること。

エ 法人の役員には原則として県職員は就任しないこととするが、やむを得ず就任する場合には必要最小限の人数とし、地方公務員法の営利企業等への従事制限規定を遵守するとともに、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律により、県職員である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであることとされていることに留意すること。

また、当該法人が県の公の施設の指定管理者に応募する場合には、指定の手続き等における透明性・公平性を確保する視点から、適切に対応すること。

オ 公平性・透明性を確保するため、法人が外部委託等契約の相手方を選定するに当たっては、原則として入札によるよう指導、調整等を行うこと。なお、入札に当たっては、競争性の確保に配慮しつつ、法人が県施策を推進するための公的サービスの主体として、県行政と密接な関連を有することを踏まえ、県内に本店又は支店、営業所を有する事業者への発注に最大限努めること。

カ 常勤の理事長、取締役等の報酬額又は報酬の上限額については、理事会、取締役会の議決による等手続きの透明性を確保するとともに、適正な水準に決定するよう指導、調整等を行うこと。

キ その他、関連法令や社会常識に照らし不適切な取扱いが生じないように留意するよう指導、調整等を行うこと。

(6)県議会への報告等

所管局長は、次の事項に留意し適切に取り組むこと。

ア 県の出資又は出捐等(以下「出資等」という。)の比率が2分の1以上の第三セクター及び法人の基本財産等の2分の1以上の額の債務について県が損失補償を行っている法人については、県議会への経営状況説明書の提出が義務付けられているため、所管常任委員会において経営状況説明書により説明すること。

イ 出資等の比率が4分の1以上で、かつ、出資等の比率が最も大きい第三セクターについては、所管常任委員会において事業概要報告書により説明すること。 

3 法人の今後のあり方を踏まえた見直し

引き続き全ての県主導第三セクターについて、今日的視点からの必要性、法人運営面での自立度の2つの視点から検証を行い、法人設立の経緯や関連他団体との関係等を踏まえ、法人ごとに今後のあり方を明らかにし、そうした今後のあり方を踏まえた抜本的見直しを進める。

所管局長は、次の事項に留意し、必要に応じて、法人の今後のあり方を見直すこと。

なお、自立した第三セクターについては、県としての必要性という視点から、出資等のあり方を見直す場合等、必要に応じて適用する。

(1)検証における視点

ア 必要性

公益性、県行政との密接関連性及び民間代替性について検討し、県施策を推進する上で法人の役割が必要で、かつ民間法人等での代替が困難かといった必要性について判断する。

(ア)公益性

公益的な事業の占める比率が高いか(公益法人には、当該法人の経常的経費に占める公益目的事業の実施費用額が2分の1以上であることが求められる。)。

(イ)県行政との密接関連性

県の総合計画等に県施策の実施主体等として位置づけられているか、又は県施策を推進するための公的サービスの提供主体として県行政を補完・代行する法人か。

(ウ)民間代替性

法人が行っている事業について、関連法令等により民間事業の参入規制が緩和されているか、民間事業者やNPO等による市場が形成されているか。

イ 自立度

法人に対する県からの支援の状況や、法人の経営状況(単年度収支の状況・累積損失の有無等)及び将来の経営状況の見込み等を踏まえ、県からの支援に依存することなく健全で安定的な法人運営が可能かといった自立度について判断する。

(2)今後のあり方の基本的分類

前項の2つの視点からの検証結果を踏まえた法人の今後のあり方については、次の4つの基本的分類が考えられる。

I「法人の自立化」

≪県としての必要性が高く、自立度が高い場合≫

検証の結果、県としての必要性が高く自立度も高い法人は、早期の法人の自立化を目指す。

法人の自立化とは、県からの支援を見直し法人運営の自立化を促進することにより、県から財政的支援、人的支援又はその他の支援を受けることなく事業を展開することが可能な状態である等、県から自立した第三セクターとなることをいう。

なお、自立化の達成の判断は、県からの支援の状況だけではなく、法人の健全な運営が継続的かつ安定的に確保されると見込めるか等について、行政改革推進本部(以下「推進本部」という。)が総合的に判断する。

II(ローマ数字の2)「法人運営の効率化」

≪県としての必要性が高く、自立度が低い場合≫

検証の結果、県としての必要性は高いが自立度が低く、自立化を目指すことが難しい法人は、今後とも、県施策を補完・代行する県主導第三セクターとして存続させる必要があり、健全で安定的な法人運営に資するため、県から必要な範囲で支援を行う。

ただし、法人運営に当たっては、県の支援の必要性を常に検証し、県施策と連携した効果的・効率的な事業展開を図り、更なる経営改善に取り組むよう求める。

III(ローマ数字の3)「第三セクター以外の法人への移行等」

≪県としての必要性が低く、自立度が高い場合≫

検証の結果、県としての必要性は低いが自立度が高い法人は、一般の民間法人として独自の法人経営が可能となる方向で経営の一層の効率化を図り、県が所有する法人株式の売却等、出資等の見直しを行い、出資等を行わない第三セクター以外の法人への移行等を目指す。

IV(ローマ数字の4)「法人の廃止」

≪県としての必要性が低く、自立度が低い場合≫

検証の結果、県としての必要性が低く自立度も低い法人は、県の第三セクターとして引き続き運営する必要性が低く、また単独での経営が難しいため、法人を廃止する方向で取り組む。

(3)「法人の統合」「事業移管」の考え方

法人の今後のあり方を踏まえた見直しに当たって、法人が単独で施策・事業に取り組むより、類似性を有する複数の法人が一体となって施策・事業を推進していくことで効果的・効率的な事業等が展開され、県民サービスの向上等を図ることができると判断される場合には、法人のあり方や組織・事業の見直しの方策・手段として「法人の統合」や他の法人への「(一部)事業移管」(以下「統合等」という。)を検討する。

(4)法人の今後のあり方等の検討

ア 所管局長は、前各項の検証結果を基に次の事項を勘案し、法人と見直しの実施可能性を考慮したうえで、法人の今後のあり方及び見直しの方向性を総合的に判断すること。

(ア)法人の設立に係る経緯等

(イ)法人の見直しに係る関係団体等との関係

(想定される関係団体等)

県以外で法人に出資等を行っている者(以下「共同出資者」という。)

事業を実施する上で関係する団体

法人の債権・債務者

法人施設の利用者等

類似事業を実施する団体

関係する市町村等

(ウ)県の将来的な施策展開の方針・方向性との関係

(エ)法人の今後の経営状況(将来的な収支状況)

(オ)当該法人としての意向・考え方等

イ 所管局長は法人の今後のあり方及びそれを踏まえた見直しの方向性について総務局長と調整し、総務局長は推進本部に諮るものとする。

(5)見直しに向けた計画的な取組

法人は、法人の今後のあり方を踏まえ、法人自らが責任を持って中・長期的な視点に立った経営改善計画等を策定することにより、見直しに向けた行程等を明らかにし、計画的な見直しの取組や経営の改善に努めること。また、経営改善計画等の進捗状況や経営環境の変化等に応じて、適宜、経営改善計画等を見直すこと。

法人は、毎年度、今後の法人のあり方を踏まえた見直しの取組状況や経営改善計画等の進捗状況等について、経営諸指標を活用した経営状況の分析を行う等、客観的に点検・把握し、適時適切に県に必要な事項を報告すること。なお、法人の経営状況の分析等に当たっては、必要に応じて外部の専門家を活用し、より専門性・客観性を高めるよう努めること。

(6)再検討等の実施

所管局長は、法人のあり方について、県民ニーズの変化、県の施策の変更、関連法令の改正等、法人を取り巻く環境の変化や見直しの取組状況等を踏まえて、適宜、再検討を行い、環境の変化等に応じた見直しを進めていくこと。

なお、自立した第三セクターについても、適宜、県としての必要性を検証する必要があり、諸条件が整った時点で第三セクター以外の法人への移行等を目指すことも考えられる。

4 「法人の自立化」「法人運営の効率化」に向けた取組等

法人の自立化、法人運営の効率化に向けて、見直しの取組を進め、自立化を達成した第三セクターについては、法人経営等の自主性・自立性を尊重しつつ、県の出資等の状況に応じて必要な関わりを行うこと。

所管局長は、法人が次の事項に留意し取組を進めるよう適切な指導、調整等を行うとともに、県の支援を見直すこと。

なお、(1)「法人の自立化」「法人運営の効率化」に向けた取組の各項は県主導第三セクターのみに適用し、(2)自立した第三セクターに対する県の関わり等の各項は自立した第三セクターのみに適用する。

(1)「法人の自立化」「法人運営の効率化」に向けた取組

3(4)イの推進本部における審議の結果、自立化を目指すこととした法人については、経営改善計画等に基づく取組を促すとともに、計画的に県の支援を見直すこと。

また、引き続き県主導第三セクターとして存続し、運営の効率化を目指すこととした法人については、県の支援の必要性を常に検証し、県施策と連携した効果的・効率的な事業展開を図り、更なる経営改善に取り組むこと。

なお、こうした取組を進めるに当たっては、必要に応じて民間の経営経験を有する人材を登用する等民間の経営ノウハウの活用を図ること。

ア 事業の見直し

法人の全ての事業について、社会経済情勢の変化等を踏まえ、必要性、効率性・有効性、計画性、健全性といった視点から点検・評価し、他法人や民間事業者等との役割分担も踏まえ継続の必要性を検討すること。継続の必要性が認められた事業についても、効果的・効率的な事業展開の観点から実施方法等の見直しを行うこと。

特に、見直しを行わないまま漫然と継続して実施している事業については、事業のあり方をあらためて見直すこと。

イ 簡素で効率的な執行体制の整備に向けた取組

(ア)業務内容や業務量等を踏まえた必要最小限の人員配置とし、執行体制のスリム化・効率化を徹底すること。特に、役員及び管理職の配置の必要性を検証し、必要最小限とすること。

(イ)多様な任用形態の活用や外部委託化、法人相互の協力等により、業務量の増減に柔軟に対応できる執行体制の整備を図ること。また、常勤職員の採用は、長期的視点から慎重に取り扱うこと。

(ウ)より迅速な意思決定を可能とするため、実務責任者への決定権の付与等執行体制を簡素化すること。

ウ 給与の適正化

(ア)法人の経営状況や性格、規模、事業内容等を踏まえた適切な給与制度とし、職員給与及び役員報酬については、職責や業務内容に見合った額で、同等の職責を有する他団体等の役職員と比較する等により適切な水準とすること。

なお、役員の報酬の額は、その職務と責任の特殊性から定額制をとるべきものであるので昇給制度は適用しないこと。特に、累積損失が生じている会社法法人の場合には、役員報酬のあり方について十分に検討すること。

(イ)特殊勤務手当等の手当は、県や他団体等の状況・社会情勢を踏まえ必要性を検討し、統合、廃止、金額や支給率の適正化を図ること。また、常勤役員の諸手当は通勤手当及び期末手当のみを支給し、期末手当の支給率は原則として県の職員の支給率を上回らないこと。

(ウ)退職金は、県の基準を上回らない範囲で、法人の経営状況を踏まえ決定することとし、退職金に係る功労加算及び功労金(慰労金を含む。)は支給しないこと。

(エ)県を退職し法人に再就職する役職員の法人における退職金(退職慰労金等を含む。)は支給しないこと。また、平成13年10月16日付け総務部長及び行政改革担当部長通知により、県退職者以外で、平成14年度以降、県主導第三セクターの役員に就任する者についても、当分の間、退職金(退職慰労金等を含む。)を支給しない等の要請をしていることに留意すること。

エ その他の経費削減等に向けた取組

(ア)事業執行方法を見直し、外部委託化を積極的に推進するとともに、維持管理経費や職員の福利厚生費について県に準じた見直しに取り組み、経費削減を徹底すること。なお、外部委託等契約の相手方の選定に当たっては、原則として入札によること。

(イ)事業収入や会費、寄附等の収入の拡大に努め、民間資金の活用についても検討すること。ただし、公益法人の場合には、収益事業は公益目的を実現するための付随的な活動として認められるものであることに留意すること。

オ 法人相互の協力

横断的な協議会等の積極的な活用により、職員の交流や業務の共同実施等、効率的で柔軟な法人運営や施策展開に向けた法人相互の協力に努めること。

カ 県職員の派遣

(ア)所管局長は、法人への県職員の派遣について、「公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」(平成12年法律第50号)等の趣旨を踏まえ、派遣目的、職務、人数、期間等を明らかにし派遣の是非を検討すること。

(イ)現に派遣されている場合には、適宜、派遣の必要性や規模を検証し、事業や執行体制の見直しに合わせ派遣のあり方を検討すること。

(2)自立した第三セクターに対する県の関わり等

ア 基本的考え方

自立した第三セクターについては、民間の自由な発想により、より一層機動的かつきめ細かなサービスの提供が求められることから、経営状況等の把握に努めつつ、法人運営の自主性・自立性を尊重していく必要がある。一方、出資等の状況に応じた責任に基づき、引き続き関与する必要がある。

また、独立した法人として適正かつ健全に法人を経営することが求められており、法人自らが、適切かつ有効にチェックする体制を整える必要がある。

なお、自立した第三セクターについても、当該法人を取り巻く環境の変化等を踏まえ、県としての必要性を検証していく必要があり、将来的には第三セクター以外の法人への移行等を目指すことも考えられる。

イ 自立した第三セクターに対する県の関わり

(ア)経営状況や経営改善計画の内容及びその達成状況等を定期的に把握し、既存事業の廃止や新規事業への参画等法人経営の根幹に影響を与える事業の見直し等を行う場合には報告を求めること。

(イ)意思決定における責任の明確化、適正な事務処理に向けた規程整備、監事等への外部の専門的人材の登用、積極的な情報公開等適正で健全な法人運営に向けた体制整備等について、定期的に確認等を行うこと。

(ウ)県の出資等の比率等に応じた経営状況の議会への説明や法に基づく監査については、自立化した後も引き続き同様の取扱いとなることに留意すること。

5 「第三セクター以外の法人への移行等」「法人の廃止」に向けた取組

所管局長は、見直しの円滑な推進に向けて法人とも十分に検討・協議を行い、法人が次の事項に留意し取組を進めるよう適切な指導、調整等を行うこと。

なお、自立した第三セクターについては、県としての必要性という視点から県の出資等のあり方を見直す場合等、必要に応じて適用する。

(1)「第三セクター以外の法人への移行等」に向けた取組

ア 第三セクター以外の法人への移行等に当たっては、関連法令等を遵守し、事務手続き等に漏れがないようにすること。

イ 新たな法人形態へ転換を図る場合には、法人の事業内容や見直し後の事業の運営方法等を十分に考慮し、最良の法人形態を選択すること。

ウ 県保有株式を譲渡する場合は、譲渡先の選定や譲渡価格の算定を適正に行うこと。

エ 第三セクター以外の法人への移行等に当たり、現在法人が行っている事業を廃止することとした場合は、その事業の継続や実施主体等について、適切に対応すること。

オ 第三セクター以外の法人への移行等に向け、他の民間事業者等と対等に競争できるような競争力を確保し、健全で安定的な運営が可能となるよう、適切な人材育成等に努めること。

カ 第三セクター以外の法人への移行等に当たり、雇用問題への対応が必要とされる場合は、4(2)「法人の廃止」に向けた取組の項目を参照すること。

キ 関係団体等に対し、法人の見直しの方針について、その理由・必要性の他、第三セクター以外の法人への移行等に向けた手続き、また、見直し後の法人の事業内容、執行体制、経営改善計画等について、十分に説明し、理解を得ること。

(2)「法人の廃止」に向けた取組

ア 法人の廃止に伴う事業の取扱い

(ア)法人の廃止に伴う事業の取扱いについては、事業内容や継続の必要性、他法人等での代替性等を個別に十分に検証し、継続すべきもの、法人の廃止にあわせ終了させるもの等、それぞれの事業について適切な対応を図ること。

(イ)法人の廃止後も継続すべき事業がある場合は、当該事業について知識・経験を有する職員を活用し他法人等で実施する方法や、県自らが実施する方法等、様々な方法を検討し、円滑な事業の継続に努めること。

(ウ)法人の廃止に伴い事業を終了させることとした場合は、事業を適切に清算すること。

イ 法人の廃止に向けた手続等

(ア)法人の廃止に当たっては、関連法令等を遵守し、事務手続き等に漏れがないようにすること。特に、法人の債権・債務、資産等については、関連法令等に基づき適切に処理をすること。

(イ)関係団体等に対し、法人の廃止の方針について、その理由・必要性の他、廃止に向けた手続き、また、法人が行ってきた事業の廃止後の取扱い等について、十分に説明し、理解を得ること。

ウ 法人の廃止に伴う雇用問題への対応

法人の廃止に伴う職員の雇用問題については、県は法人の職員と直接雇用関係はないことから、法人自らが労働基準法(昭和22年法律第49号)等の関連法令を遵守し対応する必要がある。

所管局長は、次の事項について法人の自助努力を促すこと。

(ア)職員に対する転職のための自己啓発の実施

(イ)勧奨退職制度の活用

(ウ)経営移譲する場合の後継法人への引継ぎ

なお、所管局長は関係局長と協力して、再就職支援に関する情報が必要な場合はその提供に努めること。

6 「法人の統合」「事業移管」に向けた取組

所管局長は、見直しの円滑な推進に向けて法人と十分に検討・協議を行い、法人が次の事項に留意し取組を進めるよう、適切な指導、調整等を行うこと。

なお、自立した第三セクターについては、県としての必要性という視点から県の出資等のあり方を見直す場合等、必要に応じて適用する。

統合等に当たっては、これまで各法人が行ってきた事業がより効果的・効率的に実施できるような新たな執行体制の構築と事業実施方法の見直し等を図り、統合等の効果を増大させるとともに、その効果を明らかにするよう努める必要がある。

統合後の法人の名称は、これまでの法人が行ってきた実績・経緯や統合後の法人の事業内容等を十分に考慮し、適切なものとすること。

(1)統合等先の法人の選定、統合方法等

ア 統合等の相手方については、法人の事業目的・内容、経営状況等を十分に精査し、これまでの事業が円滑に継続されるとともに、より効果的・効率的に実施ができる最良の法人を選定すること。

イ 統合の方法は、現存する法人を全て廃止し、新たな法人を設立する方法と、一つの法人を存続させ、その他は廃止する方法(以下「吸収合併」という。)が考えられるが、法人の事業内容や今後の法人の事業の目的、実施方法等を十分に考慮し、最良の方法を選択すること。

(ア)新たな法人を設立する場合には、今後の法人の事業目的を達成するために最良の法人形態を選択すること。

(イ)吸収合併する場合には、今後の法人の事業目的、実施方法等を踏まえて十分に検討し、存続法人として適した法人を選択すること。

(2)統合後の執行体制の整備等

ア 統合後の法人の執行体制は、業務内容や業務量等を踏まえた必要最小限の人員配置とし、執行体制のスリム化・効率化を徹底すること。特に、役員及び管理職の配置の必要性を検証し、必要最小限となるようにすること。

イ 多様な任用形態の活用や外部委託化、法人相互の協力等により、業務量の増減に柔軟に対応できる執行体制を整備すること。

ウ 迅速な意思決定を可能とするため、実務責任者への決定権の付与等執行体制を簡素化すること。

エ 統合後の給与制度は、経営状況や事業内容等を踏まえた適切なものとすること。

オ 統合等に当たっては、運営の効率化に努めること。

(3)統合等に向けた手続き等

ア 統合等に当たっては、関連法令等を遵守し、事務手続き等に漏れがないようにすること。

イ 統合等の推進に当たっては、必要に応じて、各法人を構成員とする検討会議等を設け、各法人の課題等について意見交換や検討を行うこと。

ウ 統合等による新たな執行体制が構築されるまでの間は、任期付き雇用等多様な任用形態を活用することとし、原則として常勤職員は採用しないこと。

エ 統合等に当たり、雇用問題への対応が必要とされる場合は、5(2)「法人の廃止」に向けた取組の項目を参照すること。

オ 関係団体等に対し、法人の統合等の方針について、その理由・必要性の他、統合等に向けた手続き、また、統合後の法人の事業内容、執行体制、経営改善計画等について、十分に説明し、理解を得ること。

カ 統合後の法人の名称や事業内容等について、様々な広報媒体を活用し、幅広く周知を行うこと。

7 その他

(1)経営悪化時の対応

ア 経営悪化法人

第三セクターが次のいずれかに該当する場合は、所管局長は経営悪化状態にあると整理し、速やかに経営悪化の原因を検証するとともに、問題を先送りすることなく、法人としての存廃を含め、早期に抜本的な経営の改善に向けた徹底した指導や法人のあり方の見直しを行うこと。

(ア)資本金を設定している場合、累積損失が当該資本金(資本剰余金を除く。)の2分の1を超える法人

(イ)設立時の事業計画又は経営改善計画を超えて連続して単年度損失を計上した法人

(ウ)その他、行政改革推進本部幹事会(以下「幹事会」という。)及び推進本部の議を経て総務局長が指定した法人

イ 所管局の取組

経営悪化状態にあるとされた第三セクターの所管局長は、法人に対し速やかに事態の解消に向けた具体的な取組内容及び解消時期等を明確にした新たな「経営改善計画」の提出を求め、次の取組を進めること。

(ア)経営改善により事業を存続させることが適当と判断した場合は、「経営改善計画」の着実な実施等について徹底した指導を行うこと。

なお、法人の指導に当たっては、必要に応じて外部の専門家を活用し、より効果的な改善が得られるよう努めること。

(イ)経営の改善が見込まれないものの何らかの形で事業を存続させる必要があると判断した場合は、その手続き・内容についての公平性及び透明性を確保する観点から、会社更生法(昭和27年法律第172号)、民事再生法(平成11年法律第225号)、特定債務等の調整のための特定調停に関する法律(平成11年法律第158号)等の法的整理を視野に入れた検討を行うこと。

(ウ)経営の悪化が深刻であり、将来の経営改善の可能性が見込めず、事業存続が困難であると判断した場合は、債権者等関係者との役割分担を明確にしつつ、事業の廃止を検討すること。

さらに、法人の清算については、その手続きについて責任分担の透明性の確保等の観点から、法的手続き(破産、特別清算)の活用を視野に入れ早急に対応方策を検討すること。

ウ 推進本部における検討

所管局長は、上記の取組の状況(経営の状況、改善措置の内容、指導の状況等を含む。)を総務局長に報告すること。総務局長は、必要に応じて、事業の存廃を含む法人のあり方等を検討するため、幹事会及び推進本部に諮ること。

エ 県の責任

所管局長は、法人の解散、統廃合等に伴い債権債務関係の整理を行う場合には、県が出資等を行う者として負う責任はあくまでも出資等の範囲内であり、これを超えた責任は存在しないことを、当事者間はもとより対外的にも明確にするよう努め、県が過度の負担を負うことがないよう留意すること。

オ 関係者間の密接な連携

所管局長は、複数の地方公共団体等が出資等を行っている第三セクターについては、法人の存廃等の判断やその後の取組に当たり、関係者間で連携を密にしつつ、出資等の比率に応じて責任を持った対応をとること。

(2)第三セクターの設立等

出資等により第三セクターを設立する場合、又は既存の第三セクターに対して新たな出資等を行う場合は、次の点について所管局長があらかじめ十分な検討を行い、総務局長と調整の上、幹事会及び推進本部に諮り、推進本部において次の点を検討する。

ア 法人の設立

(ア)第三セクターを活用して実施しようとする事業について、県の施策・事業や民間事業との役割分担、責任の明確化等の観点から、県行政における必要性や県の役割をどうするか。また、当該事業を既存の第三セクター等の事業として位置付ける等、新たな法人を設立せずに効果的に事業を実施できないか。

(イ)中・長期的視点から他の事業実施方式(行政直営方式、公営企業方式、PFI方式等)と比較検討した結果、第三セクターの設立が最も効果的であるか。

イ 法人の形態

(ア)第三セクターを設立する場合は、設立目的、実施する事業の性格、事業分野の特性、公共性及び公益性の度合い等から総合的に判断し、一般社団・財団法人又は公益法人、会社法法人等それぞれの特色を踏まえ、適切な法人形態を選択すること。

(イ)特に、会社法法人の形態を選択する場合は、広範囲に及ぶ資金調達や市場原理に基づく独立採算を原則としているので、県として参画、関与することの必要性や意義、中・長期的な採算性の見通し等について慎重に検討すること。

ウ 県の出資等

(ア)県の出資等の額は、第三セクターの設立目的、事業内容、設立の経緯、行政と民間との役割分担、採算性の度合い、中・長期的な収支見通し等から総合的に判断すること。

(イ)県の主導性を確保する必要がある場合には、県の出資等の比率が一定規模以上となるよう配慮すること。

(ウ)一般社団・財団法人又は公益法人を設立する際に拠出する財産の額は、第三セクターの運営に要する基本的な経費を賄うことができる規模や、類似団体等の状況、経済状況、共同出資者等との関係等を勘案して決定すること。

(エ)会社法法人の設立に当たっては、適正な事業内容や規模に見合った適切な資本金を設定し、中・長期的な採算性の見通しを踏まえた上で、県の責任や役割に応じた適切な額の出資とするよう慎重に検討すること。

エ 県議会への報告

県の出資等の比率が2分の1以上の第三セクターを設立しようとする場合は、法人の設立目的、出資等の形態、設立の時期等基本的な事項について、あらかじめ所管常任委員会に報告すること。

(3)損失補償法人の取扱い

損失補償法人のうち、地方財政健全化法に基づく健全化判断比率の算定において、法人の債務が正常償還見込債務以外の債務と分類される等、行政管理課長が別に指定する法人については、引き続き県主導第三セクターとして存続し、法人運営の効率化を目指すこととされている法人と同様に、「4(1)「法人の自立化」「法人運営の効率化」に向けた取組」に掲げる取組を進めることとし、そうした取組を「3(5)見直しに向けた計画的な取組」を踏まえ計画的に進めること。

また、収支健全化を図るため法人のあり方の見直しが必要な場合の検討については「6「法人の統合」「事業移管」に向けた取組」により、情報公開等の取扱いについては「2(4)情報公開等」により、経営悪化時の対応については「7(1)経営悪化時の対応」によること。

その他の損失補償法人については、法人の経営状況の把握に努め、経営悪化時の対応については「7(1)経営悪化時の対応」によること。