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県立図書館では、ボランティア入門講座をはじめとした初めてボランティアに参加する方のための講座や図書館朗読ボランティアの支援をしています。
一見すると、無関係に思えますが、ボランティアも生涯学習の一つと言えます。
学んだことを活かして社会と関わってみるのはいかがでしょうか。

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令和5年度
「県立図書館ボランティア朗読会」のご報告

県立図書館ボランティアによる第1回朗読会が行われました

6月10日(土曜日)、県立図書館本館4階学び⇔交流エリアにて県立図書館ボランティアによる第1回朗読会『明日へ』が行われました。
当館本館1階ギャラリーにおいて6月9日(金曜日)から始まった企画展示「関東大震災100年 神奈川の被害と復興」と連携し、震災や復興をテーマとした6作品をボランティアが朗読しました。朗読会のタイトルは『明日へ』。「私たちは、歴史的な記憶を忘れることなく、その都度、立ち上がり、あすへ、あしたへ歩み続けるだろうと思います。」という冒頭の力強い語りの後、朗読者一人一人が選んだ作品を朗読していきました。今回選ばれた作品は、関東大震災の発生を克明に記した図書から震災の被害にあった人物が家族にあてた書簡、復興していく街々や東日本大震災を扱った物語や絵本などさまざまでした。関東大震災から100年という長い年月を朗読者が作品を通してつないでいく形で構成されたプログラムからは、震災の恐ろしさだけでなく、復興を目指す人々の思いや希望をも感じていただけたのではないでしょうか。
朗読会本番に向けては、一か月前から準備を重ねてきました。テーマに沿った選書は、ボランティアの皆さんが一番苦労していたところです。また、準備は朗読の練習だけでなく、著者が過ごした時代や著作の背景についても調べるなど、選んだ作品の読み込みをさらに深める工夫をしてきました。
当日来館し、視聴していただいた皆様には、どのように伝わったでしょうか。朗読者を通して、著者の思いがうまく伝えられたとしましたら幸いです。

第1回朗読会で読まれた作品

  1. 関東大震災(吉村 昭 著)
  2. 書簡 菊栄から母・姉 宛 震災報告 1923年9月3日(山川 菊栄)
  3. 銀座復興(水上 滝太郎 著)
  4. 横浜の時を旅する ホテルニューグランドの魔法(山崎 洋子 著)
  5. タンポポ あの日をわすれないで(光丘 真理 著)
  6. フラダン(古内 一絵 著)

写真:第1回朗読会の様子

第2回朗読会~県立図書館本館1周年を記念して~

9月2日(土曜日)、県立図書館本館4階学び⇔交流エリアにて県立図書館朗読ボランティアによる第2回朗読会を実施しました。
朗読ボランティアは、本と図書館、そして朗読の魅力を多くの人に伝えるために活動しています。今回の朗読会では、昨年度実施した朗読講座の講師北村浩子氏にも朗読者としてご参加いただきました。また、6月に開催した第1回朗読会の経験をもとに、事前の広報活動にもより一層力を入れてきたこともあり、当日は30名を超える皆様にご来館のうえ、聴いていただくことができました。
朗読会のテーマは、県立図書館の展示等に沿って毎回、皆で相談して設定し、選書、朗読をしています。第2回の今回のテーマは「おめでとう」。前日の9月1日(金曜日)に県立図書館本館が開館1周年を迎えたことからこれを記念し、2年目を歩み出した図書館を「盛り上げたい」、「お祝いしたい」との思いが込められています。
ただ、テーマが決まってからの選書が大変でした。聞いてくださる方一人一人にテーマに対する朗読者の思いが届くように、あえて大きく設定したテーマ「おめでとう」でしたが、思った以上に大きかったのです。
誕生日、就職、結婚…。「おめでとう」という言葉から連想することは幅広くありますし、そうした中で自らの「おめでとう」の思いを朗読で表現できる1冊を選ぶのは難しいことでした。
8月の活動日には、各自が選書した本を持ち寄り、朗読する部分や朗読の順番、全体の構成などを決め、リハーサルまでを行う予定でおりました。ところが、無数にある本の中の6冊であるにもかかわらず、選書が重なってしまったのです。折角お越しいただく聴き手の皆様に1冊でも多くの本をご紹介したい。1カ月前にして、振り出しに戻ってしまいました。
そこから、館内を探し回り、司書の力を借りつつ、ようやく決定したのが、今回の6冊でした。ご参加いただいた方からは、「自分では選ばないであろう本だが、朗読を聴かせてもらったことで興味が湧いた」など新たな本との出会いの機会となったとの感想をいただきました。
次回12月16日(土曜日)の第3回朗読会のテーマは「日々のこと」です。朗読予定者は各々の思いを胸に既に選書作業に入っています。次回も本と図書館、そして朗読の魅力をより多くの皆様に伝えられるように頑張っていきます。

第2回朗読会で読まれた作品

  1. 幸田文しつけ帖 『祝い好き』(幸田 文 著)
  2. 朝のあかり  『花嫁』(石垣 りん 著)
  3. 高峰秀子 ベスト・エッセイ『高峰家から松山家へ5年の歳月がかかった』(高峰 秀子 著)
  4. 誕生日の子どもたち(Truman Capote 著)
  5. つめたいよるに 『スイート・ラバーズ』(江國 香織 著)
  6. たいのおかしら 『二十歳になった日』(さくらももこ 著)

写真:第2回朗読会の様子

第3回朗読会~日々のこと~

令和5年12月16日(土曜日)、県立図書館本館4階学び⇔交流エリアで県立図書館朗読ボランティアによる朗読会が行われました。3回目となる今回も多くの方にお越しいただき、ボランティア・担当者一同大変嬉しく感じております。また、参加者の中には、「前回の朗読会に参加し、また来ました。」という方や「次回も楽しみにしています。」といった期待の声もいただき、次の朗読会に向け、より一層身の引き締まる思いでおります。
さて、今回、第3回の朗読会のテーマ「日々のこと」は、県立図書館本館3階の企画棚シコウの窓の同時期のテーマ「日記」に合わせて設定しました。県立図書館には、日記の形式で書かれた図書が数多く所蔵されています。今回朗読を担当した4名は、テーマに合わせて、どの図書をどのように読んだら図書館と本の魅力を伝えることができるのか、選書に悩み、著者について調べ、朗読の練習を繰り返すなどして本番を迎えました。また、司会や広報など運営を担当したボランティアも、朗読会に来てくださる皆様にとって有意義な時間となるよう、前回までの経験を活かし、アイデアを出し合いながら朗読会を作りあげていきました。当日、参加いただいた皆様にはどのように届いたでしょうか。
本朗読会に携わる図書館朗読ボランティアは、令和4年度に当館で実施した『Lib活「本を選び、本を読み、本を朗読する講座」』の受講生です。その後、同館で実施した『ボランティア入門講座』を受講し、令和5年度は続く実践活動篇として学びの成果を活かして朗読会の計画・運営を行っており、集まっていただいた方たちの前で朗読することの難しさや魅力を実感されているようです。県立図書館としても、この朗読会を通して、一人で行う読書とは違った感動を共有すること、参加者とボランティアがともに新たな価値を見出すことができる機会となることを期待しています。
今年度の朗読会も残すところあと1回です。次回、第4回朗読会は3月9日(土曜日)になります。ぜひ県立図書館にご来館いただき、図書館と本・朗読の世界を楽しんでいただければと思います。

第3回朗読会で読まれた作品

  1. 方丈記(鴨長明 著 髙橋源一郎 訳)
  2. 病牀六尺(正岡子規 著)
  3. ぶぅぶぅママ(小路智子 著)
  4. 無人島のふたり~120日以上生きなくちゃ日記~(山本文緒 著)

写真:第3回朗読会の様子

令和5年度最後の県立図書館朗読会

令和5年度は6月からこれまで3回の朗読会を実施してきました。3月9日(土曜日)には、令和5年度最後となる第4回朗読会は「ともに…」をテーマに実施しました。県立図書館ボランティアによるこの朗読会も少しずつ図書館利用者をはじめとした皆様に知っていただけるようになり、今回の朗読会には、予想を超える多くの方がお越しくださいました。朗読会に参加された皆様からは、「今まで読んだことの無い本だったが、興味が湧きました」「耳で聴くことの幸せを感じました」「気持ちが揺さぶられ、思わず涙が出てきました」などの感想をいただき、朗読会に携わったボランティア、職員一同大変うれしく感じております。また、朗読会終了後には、朗読された本を借りたいとの問い合わせもあり、朗読会を通じて、本を介したつながりが広がっていくのを実感することができました。
今回の朗読会に朗読者として参加していただいた北村浩子氏には、Lib活「本を選び、本を読み、本を朗読する講座(以下、「朗読講座」)」の講師を令和4年度から2年間にわたり務めていただきました。朗読会後の振り返りでは、ボランティア一人一人に丁寧に選書や朗読についての助言や講評をいただくなど、実践の中で色々なことを教えていただきました。活動してきた11名の県立図書館ボランティアの方々も、「たくさんの人の前で朗読する貴重な経験ができ、とても充実した実践活動になった。今後も朗読を続けていきたい。」と話してくれました。
さて、県立図書館ボランティア朗読会は、令和6年度も開催することが決まりました。同時に令和6年度Lib活「朗読講座」の受講者も募集します。朗読会の開催日時やLib活「朗読講座」の募集については、県立図書館ホームページ等でお知らせしてまいります。
今後も県立図書館をご利用いただくとともに、ホームページもあわせてご覧いただき、当館が皆様にとってより身近な学びの場となりましたら幸いです。

第4回朗読会で読まれた作品

  1. 「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 著
  2. 「バスが来ましたよ」由美村嬉々 著 松本春野 絵
  3. 「知多幸惠 アイヌ神謡集」知里幸惠 著 中川裕 補訂
  4. 「6ヵ国転校生 ナージャの発見」キリーロバ・ナージャ 著
  5. 「手話でいこう ろう者の言い分聴者のホンネ」秋山なみ 亀井伸孝 著
  6. 「くまとやまねこ」湯本香樹実 著 酒井駒子 絵
  7. 「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」ジェーン・スー 著

写真:第4回朗読会の様子