更新日:2023年5月2日

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第3回レポート

カナカモミール

インタビューの第3回目は、看護師として病院に務めているシングルマザーのみきさん(仮名)に、お話をうかがいました。

  • シングルマザーみきさん(仮名)
  • 40代県内在住
  • 3年間の看護学校での学びを経て国家試験に合格し、看護師として働く
  • 家庭では、小学校5年生と2年生の男の子の子育て中

「祖父の介護がきっかけで看護師に」

  • 看護師になろうと思ったきっかけは?

(みきさん)「祖父の介護を手伝ったときに、看護師の仕事に憧れを感じたことがきっかけの1つです。その頃、祖父の介護の役に立つと思い、ヘルパー2級の資格を取得し、看護助手として働き始めました。でも看護師ではないので、任せてもらえる仕事は限定的です。一緒に働く看護師を見て、もっと患者さんのために働きたい、自分も看護師になりたいと思うようになりました。」

第3回レポート写真1
  • 看護師になるためには、養成のための学校に入学し国家試験に合格しなければならないということで、看護学校に入学したのですね。子育てしながらの、学生生活はどうでしたか?

「2人の息子を小学校と保育園へそれぞれ送り出してから、自転車で通学していました。テストや実習がある期間は忙しく、たくさんの看護実習の記録を書かなければいけなかったので、寝不足続きでした。最初は夕食を作って子どもたちに食べさせていましたが、だんだん大変になり、実家の親に夕食をお願いして、子どもを家まで送ってもらっていました。子どもがなかなか寝付かないと、一旦一緒に寝て、夜中に起きて、勉強していました。あんなに、頑張った3年間はなかったですね。」

  • 看護学校に通うにあたり、奨学金制度を利用されていましたか?

「私は、看護学校1年から、無利子の奨学金である『神奈川県看護師等修学資金貸付金』と、シングルマザー等が資格取得にあたって受給できる『高等職業訓練促進給付金』を同時に受けていました。3年からは、病院からの奨学金も受けていました。これは1年間働けば返済不要の奨学金です。
『高等職業訓練促進給付金』は、返済不要のため、今は、『神奈川県看護師等修学資金貸付金』のみ返済をしています。」

精神科の病院へ就職

  • 現在の病院へ就職した理由をお聞かせください。

「以前から心理学に興味があったこともあり、少しでも精神的に辛い人の力になりたいなという思いがありました。また、看護学校の先生からも、この病院は子育てへの理解もあるし、残業がないと聞いていたことも理由の1つです。面接や見学で何回か訪問したのですが、部長や副部長がとても親切で、笑顔が絶えない病棟だなと感じました。」

  • 病院では、どんな仕事をされていますか。

「急性期病棟が私の職場です。症状が重い方もいますが、回復が早く治療が進み、短期間で、退院されていく方も多くいます。病状が目に見えて変わっていくのを見ることができる病棟で、症状の重かった人が、回復し、『ありがとう』と言って退院していくこともあり、やりがいを感じます。」

第3回レポート写真2

  • 出勤日は朝何時に家を出ていますか?

「朝は、7時40分くらいに子どもたちと一緒に家を出ます。帰りは18時くらいになるので、子どもにはそれまで実家にいてもらいます。」

  • お休みはどのくらいあるのですか?

4週8休で、その月の土日の数だけお休みがあります。祝日はお休みではありませんが、有給は全て消化しています。大変助かるのが、勤務している病院では1時間単位で有給を使えることです。朝、登校班の付き添いなども、できるのでとても便利です。半休にして、午後の授業参観に参加することもできます。

  • 看護師になる前とくらべて、生活にゆとりはできましたか?

「はい。勉強しなければならないことはたくさんありますが、仕事中に学ぶことができます。専門技術を高める職場の研修に参加する場合も勤務時間として設定してもらえるので、学校のときよりゆとりができました。時間的余裕も、子どもに関わる時間もできています。準夜勤(夕方から深夜までの勤務)も始めたので、手当もボーナスももらえ、経済的にもゆとりが出てきました。」

  • 看護師になりたいという方へのメッセージをお願いします。

「私は、学年最年長で40代で看護師の国家資格を受験しました。私の年でも合格できたので、みなさんにも諦めないで欲しいです。看護学校に社会人の方が10人くらいいて、励まし合いながら頑張りました。周りの人に支えてもらいながら、みなさんも頑張って欲しいです。」

今回インタビューをお受けいただいたみきさんが勤務されている公益財団法人積善会曽我病院は、従業員のための子ども子育て支援を制度化している事業者として、神奈川県より「かながわ子育て応援団」の認証を受けている職場です。

利用した支援制度

  • 神奈川県看護師等修学資金

県内にて看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)の業務に従事する有能な人材を育成するため、養成施設等に在学し、卒業後は「県内で看護職として従事する」意思がある方へ、選考の上、修学資金をお貸しする制度です。

  • 高等職業訓練促進給付金等事業

母子家庭の母又は父子家庭の父が看護師や介護福祉士等の資格取得のため、1年以上養成機関で修業する場合に、修業期間中の生活の負担軽減のために、高等職業訓練促進給付金が支給されるとともに、入学の負担軽減のため、高等職業訓練修了支援給付金が支給されます。

神奈川県では、従業員のための子ども・子育て支援を制度化している事業者を「かながわ子育て応援団」として認証しています。公益財団法人積善会曽我病院は、県西地域の病院では、唯一認証を取得しています。

認証制度について

かながわ子育て応援団として認証を取得した事業者のご紹介ページへリンク

子育て支援に取り組む事業者の認証制度についてページへリンク

この病院は、小田原市の精神科病院であり、患者一人ひとりのニーズに応じた医療サービスを提供するほか、看護師の教育・人材育成にも力を入れて取り組んでいます。

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