決算審査等の結果・平成26年度分

掲載日:2018年5月28日

決算審査

一般会計・特別会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性に関する意見

平成26年度の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書及び実質収支に関する調書の計数並びに財産に関する調書の内容は、正確なものと認められた。

2 予算管理及び決算整理の適正性に関する意見

平成26年度の予算管理及び決算整理については、関係法令等に照らし、適正に行われたものと認められた。

3 決算内容に関する意見(抄)

決算の内容に関しては、収入未済額の縮減について次の意見がある。

平成26年度の一般会計と特別会計の収入未済額の合計は322億8,797万余円で、前年度と比較すると30億7,101万余円減少(△8.7%)した。

収入未済額については、地方自治法第199条第10項に基づく組織及び運営の合理化に資するための意見として、「回収見込みのない私債権の管理に関し、組織及び運営の合理化が図られるよう、破産等の法的処理が既に終了しているなど将来にわたり回収の見込みのないものについては、時効の到来を待たずに適切な時期に不納欠損処分が円滑に行われるための方策を検討することが望まれる」旨を、平成25年10月に「平成25年定期監査結果報告書」に添えて提出したところである。

このことに関して、平成26年12月に制定された債権管理条例が翌年1月から施行されたところであり、この条例に基づく債権の放棄は平成26年度には行われていないが、収入未済額に係る債権については、引き続き適切かつ効率的に管理するよう努める必要がある。

4 財政状況に関する意見(抄)

今後の施策や事業の展開に当たっては、県の役割を踏まえつつ、経済性、効率性及び有効性の観点に、より一層意を用いることが重要である。防災対策や医療・福祉の充実など県民に深く関わる課題の解決、県政発展に欠かせない分野の施策・事業についても上記の観点に十分留意して着実に推進していく必要がある。

平成27年7月に策定した「行政改革大綱」では、平成27年度に、「今後の本県の財政収支を推計した中期財政の見通しを作成・公表し、今後見込まれる財源不足額、県債等の情報共有を徹底」するとしており、引き続き節度ある財政運営が求められる。

そして、将来にわたり、本県財政を安定的に運営していくためには、国が適正に負担すべき地方交付税をはじめとする財源の確保に努めることはもとより、中長期的には、地方分権改革の理念に沿って、国から地方への権限移譲等を進め、国と地方の適正な役割分担に応じた地方税財源の充実強化を図ることが必要であり、これらの実現に向けて、引き続き、粘り強く国等に働き掛けていくことが重要である。

(1) 県債発行の抑制

県債残高については、県債管理目標として「平成35年度までに県債全体の残高の減少」を掲げているが、平成26年度末現在高は3兆6,438億余円(満期一括償還に係る積立額控除後。このうちほぼ5割は臨時財政対策債)で、平成25年度末から341億余円増加している。ただし、この増加額は臨時財政対策債が発行されることとなった平成13年度以降最小となっており、目標達成に向けた取組は着実に進められている。

今後ともプライマリーバランスの黒字を維持するとともに、県債残高の減少に向けて引き続き県債の発行抑制に努める必要がある。

また、平成27年度は、地方交付税の交付額が増額され、地方交付税の代替措置とされている臨時財政対策債の発行可能額は当初予算額より約2割縮減されているが、なお、その額は多額であり、引き続き国に対しては、臨時財政対策債を廃止して、本来の姿である地方交付税に復元するよう強く働き掛けていくことが重要である。

(2) 県の債務状況の分かりやすい表示

現行の決算制度は、県の債務の状況を表示することとされていない。しかしながら、平成29年度には地方公会計の本格導入があり、これに向けて、県債残高の状況とその償還に向けた管理目標について県民に分かりやすく示すことが重要である。

公営企業会計決算に対する意見

1 決算の正確性及び決算表示の明瞭性に関する意見

平成26年度の水道事業ほか5事業の公営企業決算書及び決算諸表の計数は正確なものであり、経営成績及び財政状態を明瞭に表示しているものと認められた。

なお、地方公営企業法施行令等の一部を改正する政令(平成24年政令第20号)及び地方公営企業法施行規則等の一部を改正する省令(平成24年総務省令第6号)により地方公営企業会計基準が変更となっており、これに伴い決算表示の継続性は平成25年度と平成26年度の間で失われ、両年度の比較は困難になっている。このことについて、前年度の本意見書において、「平成26年度決算に当たっては、会計基準の変更による影響と経営成績によるものを明確に区分できるよう平成25年度決算を新基準により試算するなど前年度比較に努め、県民に誤解が生じないよう努めるべきである。」と述べたところであり、今後決算の説明に当たっては、前年度の意見を踏まえ、同一基準による対前年度比較を示すなど、資料の充実に努められたい。

2 企業経済性の発揮及び公共福祉の増進に関する意見(抄)

(1) 水道事業

ア 漏水率の増加傾向

配水施設の効率性を示す漏水率については、平成24年度以降の本意見書においても言及し、前年度の本意見書では「配水施設の効率性を示す漏水率は6.4%となっており、平成22年度に比べ0.9ポイント、前年度に比べても0.2ポイント増加している。漏水の発生は、給水コストへの影響や断減水だけでなく、二次災害の危険性もあることから、効果的な漏水調査の実施と計画的な老朽管の更新など漏水の防止対策をさらに推進する必要がある。」と記載している。平成26年度の漏水率は事業報告書上6.7%と、年度末に東日本大震災が生じた平成22年度に比べ1.2ポイントの増、前年度に比べても0.3ポイントの増となっており、近隣の水道事業者(横浜市、川崎市、横須賀市)では漏水率が減少傾向(平成23年度から25年度まで)にある中で、増加傾向が続いている。

漏水については、企業庁においてもその的確な把握をするために配水系統別の計数管理に新たに取り組んでいるところであるが、漏水率上昇傾向の原因の把握に努めるとともに、より的確な漏水の防止対策に努める必要がある。

3 経営に関する意見(抄)

(1) 水道事業

今後の経営環境は、水需要の減少傾向に加え、中長期的には給水区域内の人口が減少に転じ、営業収益はさらに減少することが想定される一方、営業費用の約3割を受水費が占めていることや電力料金の値上げによる動力費の増加に加え、浄水施設等の耐震化などの大規模地震に備えた災害対策のさらなる推進が求められるとともに、高度経済成長期までに整備した水道施設の老朽化に伴い、更新費用の増大が想定されることから、これまで以上に厳しい状況が見込まれる。

こうしたことから、「神奈川県企業庁経営方針」(平成26年度からの10年間)及び水道事業経営計画に沿った取組を着実に推進し、経営の安定化及び効率化を図り、更なる経営改善に努める必要がある。

(4) 病院事業

汐見台病院については、平成27年度末の現指定管理期間終了後、総合病院として存続することを前提に、県以外の設置・運営主体に移譲することとしており、公募により平成27年7月に移譲先が決定している。

今後は病院利用者及び地域住民、加えて病院職員への十分かつ丁寧な説明に留意しつつ、病院機能の円滑な引継ぎが行われるよう、移譲の手続を進めるとともに、移譲に当たっての約束が遵守され、総合病院としての機能が発揮されるよう、県として継続的に関与していく必要がある。

競輪組合一般会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性に関する意見

平成26年度の神奈川県競輪組合一般会計歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書及び実質収支に関する調書の計数並びに財産に関する調書の内容は、正確なものと認められた。

2 予算管理及び決算整理の適正性に関する意見

平成26年度の予算管理及び決算整理については、特に問題は認められなかった。

3 決算内容に関する意見

決算内容に関しては、競輪振興法人に対する交付金の支払猶予分について次の意見がある。

競輪施行者は自転車競技法第16条の規定に基づき、競輪振興法人に対して、売上の一定割合を交付金として納付しなければならないこととされている。

この競輪振興法人へ納付する交付金には自転車競技法第17条の規定に基づく執行猶予制度があり、競輪事業の収支が著しく悪化した状態にある場合、改善に必要な方策を定めた「事業収支改善計画」を策定し、経済産業大臣の同意が得られれば、最長5年間の特例期間中、交付金の支払が猶予される。そして、計画期間終了後、競輪の開催を停止する場合、産業構造審議会の審議を経て、経済産業大臣の同意が得られれば、猶予されていた交付金を競輪の停止に必要な経費に充てることができるとされている。(平成24年度の法改正により第17条及び第21条の規定は廃止されたが、既に同特例制度の適用を受けている施行者については、経過措置が講じられている。)

組合の交付金支払猶予分については、平成27年8月に上記手続により競輪の開催の停止に必要な経費に充てることが認められており、今後、神奈川県監査委員として、県における事後の会計事務が的確に行われているかについて、県の監査の中で注視していくものである。

健全化判断比率等の審査

健全化判断比率審査

1 健全化判断比率の正確性に関する意見

審査に付された健全化判断比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく健全化判断比率は正確なものと認められた。

2 健全化判断比率の動向に関する意見

 

実質赤字比率と連結実質赤字比率は、実質収支額が黒字であることから昨年度と同様に算定されない。

実質公債費比率は昨年度より0.8ポイント増加し悪化しているが、これは、後年交付税措置される臨時財政対策債の償還債の発行が急増していることによる過渡的なものである。

一方、通常の県債の残高が傾向的に減少していることにより、将来負担比率は昨年度より18.5ポイント減少し改善している。

資金不足比率審査

1 資金不足比率の正確性に関する意見

審査に付された資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく資金不足比率は正確なものと認められた。

2 資金不足比率の動向に関する意見

いずれの会計も昨年度と同様に資金不足が生じておらず、特に意見はない。


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