決算審査等の結果・平成28年度分

掲載日:2018年5月28日

決算審査

一般会計・特別会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性について

平成28年度の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書及び実質収支に関する調書の計数並びに財産に関する調書の内容は、正確なものと認められた。

2 予算管理及び決算整理の的確性について

平成28年度の予算管理及び決算整理については、関係法令等に照らし、適正に行われたものと認められた。

3 決算の内容について(抄)

決算の内容に関し、次のとおり意見がある。

(1) 収入未済額の縮減について

平成28年度の一般会計及び特別会計の収入未済額の合計は260億6,203万余円で、前年度と比較すると43億466万余円減少(△14.2%)しており、7年連続で改善している。

平成28年度に10億円以上(徴収猶予額を除く。)の収入未済が発生している「節」(税にあっては「目」)は、一般会計歳入の個人県民税(「(項)県民税」「(目)個人」)、県営住宅管理事業会計歳入の「(節)家賃収入」及び母子父子寡婦福祉資金会計歳入の「(節)母子父子寡婦福祉資金貸付金返納」である。

ア 一般会計歳入の個人県民税(「(項)県民税」「(目)個人」)

一般会計における平成28年度の収入未済額は228億1,953万余円で、前年度に比べて40億3,012万余円減少(△15.0%)しており、このうち個人県民税の収入未済額は137億5,929万余円で、前年度に比べて30億1,410万余円減少(△18.0%)している。

個人県民税の収入率は96.7%であるが、現年度課税分に限れば98.8%となっており、それぞれ前年度に比べて0.6ポイント、0.1ポイント上昇し、個人県民税の収入率は過去最高となっている。

これは、市町村による税収確保や、県内市町村に県職員を派遣し当該市町村の職員と協同して個人住民税などの滞納整理を実施する「短期派遣制度」など県による市町村支援の効果のほか、個人住民税の特別徴収の完全実施を目指す県内全市町村との協同の取組として、平成28年5月に行われた特別徴収義務者となるべき事業者に対する特別徴収義務者の一斉指定(特別徴収税額の通知)により、給与所得者に対する特別徴収の割合が80.5%と前年度に比べて4.2ポイント上昇したことが寄与しているものと認められる。

今後とも市町村と連携して効果的な取組を推進し、一層の税収確保に努めていくことが望まれる。

イ 県営住宅管理事業会計歳入の「(節)家賃収入」

県営住宅管理事業会計における平成28年度の収入未済額は13億3,087万余円で、前年度に比べて1億7,867万余円減少(△11.8%)しており、この大部分を占める家賃収入の収入未済額は13億893万余円で、不納欠損額の増加により前年度に比べて1億7,909万余円減少(△12.0%)している。

家賃収入率は、新規の調定に係る分に限れば98.3%で前年度と同率であるが、全体としては86.8%で前年度に比べて0.4ポイント下落し4年連続で悪化している。

したがって、滞納初期における適時適切な対応など引き続き滞納の段階に応じた対策を徹底するとともに、生活保護の実施機関である県市が生活保護受給者に代わって家賃を納付する生活保護住宅扶助費代理納付の効果が見込まれる6市に対し、積極的にその実施を働きかけていくなど、収入未済額を縮減させ、家賃収入率を上昇させるよう努めていく必要がある。

ウ 母子父子寡婦福祉資金会計歳入の「(節)母子父子寡婦福祉資金貸付金返納」

母子父子寡婦福祉資金会計における平成28年度の収入未済額は12億1,569万余円で、前年度に比べて8,425万余円減少(△6.5%)しており、この大部分を占める母子父子寡婦福祉資金貸付金返納の収入未済額は12億564万余円で、前年度に比べて8,396万余円減少(△6.5%)している。

母子父子寡婦福祉資金貸付金返納の収入率は25.6%であるが、新規の調定に係る分に限れば81.9%となっており、それぞれ前年度に比べて0.5ポイント、9.4ポイント上昇し、共に2年連続で改善している。

これは、債権回収業務委託による回収金額が増加したほか、平成28年4月から口座振替制度を導入し口座振替の勧奨に努めたことなどによるものであり、引き続き収入未済額の縮減に向けて積極的に取り組む必要がある。

(2) 債権の適正な管理について

債権の看護師等修学資金貸付金については、平成29年定期監査の職員調査において、決算年度末の債権額が当該債権に係る個人別の債権額から確認できず、債権管理の事務処理に適正を欠く点が見受けられた。

これを受けて、保健福祉局において、理学療法士等修学資金貸付金及び厚生関係育英奨学資金貸付金を含め、債権額の精査を行った結果、財産に関する調書に記載されているとおり、前年度末現在額を修正するため、当年度の決算年度中増減額において所要の調整が行われている。

また、債権の退職手当返納についても、財産に関する調書に記載されているとおり、前年度末現在額を修正するため、当年度の決算年度中増減額において所要の調整が行われている。

したがって、以上のような修正が行われていることに鑑み、今後はこうしたことがないよう、関係局において債権の適正な管理を徹底することが必要である。

4 財政状況について(抄)

今後の経済情勢によっては、当初予算に計上する県税収入の確保が困難になることも懸念され、また、今後も急速な高齢化などに伴う介護・医療・児童関係費などの義務的経費の増加に加え、老朽化した公共施設の維持修繕コストにも多額の費用が確実に見込まれることなどから、本県財政は依然として厳しい状況が見込まれる。

したがって、以上のような状況等を踏まえ、県有財産の有効活用や国庫支出金の獲得など、様々な手法で歳入を確保するとともに、既存施策・事業の見直しによる歳出の抑制や民間活力の導入にこれまで以上に取り組む必要がある。

そして、将来にわたり、本県財政を安定的に運営していくためには、国が適正に負担すべき地方交付税をはじめとする財源の確保に努めることはもとより、中長期的には、地方分権改革の理念に沿って、国から地方への権限移譲等を進め、国と地方の適正な役割分担に応じた地方税財源の充実強化を一層図ることが必要であり、これらの実現に向けて、引き続き、粘り強く国等に働きかけていくことが重要である。

(1) 県債発行の抑制

平成2年度以降増加してきた県債残高は、平成28年度末で平成27年度末から333億余円減少し3兆5,677億余円(満期一括償還に係る積立額控除後)となっており、前年度に引き続き減少となったものの、これに占める臨時財政対策債の割合は依然として5割を超えている。県債残高については、県債管理目標として「平成35年度までに県債全体の残高の減少」を掲げていたが、8年前倒しして目標を達成したため、平成28年3月に「平成35年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」を目標として設定しており、県債残高の減少に向けて引き続き県債の発行抑制に努める必要がある。

地方交付税の代替措置とされている臨時財政対策債については、平成29年度地方財政対策において、新規の発行が平成31年度まで継続することが決定されているが、本来の姿である地方交付税に復元するよう引き続き強く働きかけていくことが重要である。

(2) 県の債務状況の分かりやすい表示

現行の決算制度は、ストック情報に欠けるところがあり、県の債務の状況を表示することとされていないが、平成29年度決算に本格導入される地方公会計に基づく財務書類については、県債残高の状況が表示されることになる。この財務書類の公表に当たっては、平成28年度決算における試行の結果も踏まえ、県債残高の状況と合せて県債の償還に向けた状況についても県民に分かりやすく示すことが重要である。

公営企業会計決算に対する意見

1 決算の正確性及び決算表示の明瞭性について

平成28年度の水道事業ほか4事業の公営企業決算書及び決算諸表の計数は正確なものであり、経営成績及び財政状態を明瞭に表示しているものと認められた。

2 企業経済性の発揮及び公共福祉の増進について(抄)

(1) 水道事業

ア 漏水率の減少

東日本大震災が生じた平成22年度から5年連続で増加傾向にあった漏水率については、平成27年度に6.3%と減少に転じ、平成28年度は5.4%と前年度に比べて0.9ポイントの減少となり、平成22年度の5.5%を0.1ポイント下回った。これは、漏水調査に係る取組の強化や充実を図るとともに、管路の長寿命化を図りながら老朽管の更新に取り組んできたことなどによる成果であると考えられる。今後も漏水率の減少に向け、更なる老朽管の更新や効果的な漏水調査の実施等に取り組んでいく必要がある。

3 経営について(抄)

(1) 水道事業

今後の経営環境は、大規模地震に備えて浄水施設等の耐震化などの災害対策を推進する必要があることや、高度経済成長期までに整備した水道施設の老朽化に伴い更新費用の増大が想定され、厳しい状況が続くと考えられる。こうしたことから、計画的に施設の更新を進めるとともに、適切な補修・維持管理や施設の長寿命化等、中長期的な視点に立った管理運営を通じ、更なる経営改善に努める必要がある。

(2) 電気事業

電力システム改革の「小売及び発電の全面自由化」に伴う卸規制の撤廃により総括原価方式が廃止されたことから、売電価格は市場価格により決定されることとなり、売電収入が不安定となることも予想されることから、今後、再生可能エネルギー発電事業を含め、安定的な収入を確保するために適切な売電先及び契約方法について検討を進めるとともに、これまで以上に契約の確実な履行について監視していく必要がある。

(3) 公営企業資金等運用事業(資金運用)

公営企業で既往に生じた余剰資金を運用する本事業は、金利動向の影響を大きく受けることから、今後も金融政策や金利動向を注視しつつ、適切かつ効率的な運用に一層留意する必要がある。

健全化判断比率等の審査

健全化判断比率審査

1 健全化判断比率の正確性について

審査に付された健全化判断比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく健全化判断比率は正確なものと認められた。

2 健全化判断比率の動向について

実質赤字比率と連結実質赤字比率は、実質収支額と連結実質収支額が黒字であることから前年度と同様に算定されない。
実質公債費比率は、平成21年度以降、悪化してきていたが、本年度は前年度に比べて0.6ポイント低下し、改善している。これは、一時期急増した臨時財政対策債の発行が減少したこと等によるものである。
 将来負担比率は、退職手当支給予定額に係る一般会計等の負担見込額の減少及び充当可能財源等の増加等により、前年度に比べて5.3ポイント低下し、改善している。

資金不足比率審査

 審査に付された資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく資金不足比率は正確なものと認められた。

 いずれの会計も前年度と同様に資金不足が生じておらず、特に意見はない。

 


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