決算審査等の結果・平成27年度分

掲載日:2018年5月28日

決算審査

一般会計・特別会計決算に対する意見

1 決算計数の正確性に関する意見

平成27年度の一般会計及び特別会計の歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書及び実質収支に関する調書の計数並びに財産に関する調書の内容は、正確なものと認められた。

2 予算管理及び決算整理の適正性に関する意見

平成27年度の予算管理及び決算整理については、関係法令等に照らし、適正に行われたものと認められた。

3 決算内容に関する意見(抄)

この決算の内容に関し、次のとおり意見がある。

平成27年度の一般会計と特別会計の収入未済額の合計は303億6,670万余円で、前年度と比較すると19億2,127万余円減少(△6.0%)しており、6年連続で改善している。

平成27年1月に施行された神奈川県債権管理条例は、知事及び公営企業管理者に県の債権を適切かつ効率的に管理することを求めるとともに、債務者の破産や所在不明等で回収が見込めない一定額以下の債権について、議会の議決を得ずに、知事等の権限で債権放棄することができることを定めている。平成27年度に債権放棄した額は、母子父子寡婦福祉資金会計歳入の(節)母子父子寡婦福祉資金貸付金返納など8件、1,143万余円で、当該条例に基づき、平成27年9月及び平成28年2月に県議会に報告されているところである。

特別徴収推進の取組については、県内全市町村において、平成28年5月に、特別徴収義務者となるべき事業者に対して、特別徴収義務者の一斉指定(特別徴収税額の通知)が行われており、制度の適正な運用に向けて、今後順調に進むことが望まれる。

滞納初期における適時適切な措置など引き続き滞納の段階に応じた対策を徹底するとともに、生活保護制度における住宅扶助の代理納付の効果が見込まれる6市に対し、積極的に実施を働きかけていくなど、収入未済額の縮減に努めていく必要がある。

 

4 財政状況に関する意見(抄)

今後の施策や事業の展開に当たっては、県の役割を踏まえつつ、経済性、効率性及び有効性の観点に、より一層意を用いることが重要である。防災対策や医療・福祉の充実など県民に深く関わる課題の解決、県政発展に欠かせない分野の施策・事業についても上記の観点に十分留意して着実に推進していく必要がある。
そして、将来にわたり、本県財政を安定的に運営していくためには、国が適正に負担すべき地方交付税をはじめとする財源の確保に努めることはもとより、中長期的には、地方分権改革の理念に沿って、国から地方への権限移譲等を進め、国と地方の適正な役割分担に応じた地方税財源の充実強化を一層図ることが必要であり、これらの実現に向けて、引き続き、粘り強く国等に働きかけていくことが重要である。

(1)県債発行の抑制

平成2年度以降増加してきた県債残高は、平成27年度末で平成26年度末から427億余円減少した3兆6,011億余円(満期一括償還に係る積立額控除後)となっており、これに占める臨時財政対策債の割合は初めて5割を超えている。県債残高については、県債管理目標として「平成35年度までに県債全体の残高の減少」を掲げていたが、8年前倒しして目標を達成したため、新たに「平成35年度までに県債全体の残高を2兆円台に減少」を目標として設定している。
地方交付税の代替措置とされている臨時財政対策債については、新規の発行が平成28年度まで延長されているところであるが、国に対して再延長せず期限である平成28年度をもっての廃止を強く求め、本来の姿である地方交付税に復元するよう強く働きかけていくことが重要である。

 (2) 県の債務状況の分かりやすい表示

現行の決算制度は、ストック情報に欠けるところがあり、県の債務の状況を表示することとされていないが、平成29年度に本格導入される地方公会計に基づく財務書類については、県債残高の状況が表示されることになる。この財務書類の公表に当たっては、県債残高の状況と併せて県債の償還に向けた状況についても県民に分かりやすく示すことが重要である。

公営企業会計決算に対する意見

1 決算の正確性及び決算表示の明瞭性に関する意見

平成27年度の水道事業ほか5事業の公営企業決算書及び決算諸表の計数は正確なものであり、経営成績及び財政状態を明瞭に表示しているものと認められた。

なお、平成26年度から、地方公営企業法施行令等の一部を改正する政令(平成24年政令第20号)及び地方公営企業法施行規則等の一部を改正する省令(平成24年総務省令第6号)により地方公営企業会計基準(以下、改正後の基準を「新会計基準」といい、改正前の基準を「旧会計基準」という。)が変更となったことにより、26年度決算では、新会計基準の適用に伴い、引当金の計上方法の変更等による過渡的な影響(以下、「基準変更の影響」という。)があり、27年度は、基準変更の影響がない決算の初年度となっている。

2 企業経済性の発揮及び公共福祉の増進に関する意見(抄)

(1) 水道事業

ア 漏水率の減少

東日本大震災が生じた平成22年度から続いていた漏水率の増加傾向については、監査委員としても注視を続けてきたところであるが、27年度は6.3%であり、前年度に比べて0.4ポイント減少している。漏水率は、送水量全体から有収率、有効無収率、調定減額水量の割合を差し引いたものであり、前年度と当年度で比較すると、有効無収率及び調定減額水量の割合がそれぞれ0.1ポイント減少しているのに対し、有収率は0.6ポイント増加しており、評価に値する結果である。これは、平成26年3月に策定した「神奈川県営水道事業経営計画」(計画期間:平成26年度から30年度まで。以下「水道事業経営計画」という。)に基づき、漏水が多発している小口径管の解消や、複数の小口径管の統合等に取り組んでいることに加え、各水道事業所における日々の水量監視の強化など、漏水発見の強化策を講じている成果によるものと考えられる。今後も引き続き、更なる漏水率の減少に向け、計画的かつ着実な老朽管の更新や効果的な漏水調査の実施等に取り組んでいく必要がある。

3 経営に関する意見(抄)

(1) 水道事業

今後の経営環境は、水需要の減少傾向が続き、給水区域内の人口が減少に転じていくことが見込まれる中で、営業収益は更に減少することが想定されるとともに、営業費用の3 割以上を受水費が占めていることや、大規模地震に備えて浄水施設等の耐震化などの災害対策を推進する必要があること、さらには高度経済成長期までに整備した水道施設の老朽化に伴い更新費用の増大が想定されることから、厳しい状況が続くと考えられる。
こうしたことから、「神奈川県企業庁経営方針」(平成26年度からの10年間)及び水道事業経営計画に沿った取組を着実に推進することにより、長期的な視点で水道施設のあるべき姿を示し、施設の長寿命化、統廃合、規模の適正化等を通じ、更なる経営改善に努める必要がある。

(2) 電気事業

今後、電力システム改革の第2段階「小売及び発電の全面自由化」に伴い、発電事業者として、「発電計画の事前作成及び売電先等への通告」や「30分単位での売電電力量の計量及び配送電事業者へのデータ送信」に対応するため、発電所の集中監視制御システム等の改修事業を予定しているが、卸規制の撤廃により総括原価方式が廃止されたことから、売電価格は市場価格により料金が決定されることとなり、売電収入が不安定となることも予想されるため、安定的な収入を確保するために適切な売電先及び契約方法について検討するとともに、これまで以上に契約の確実な履行について監視していく必要がある。

健全化判断比率等の審査

健全化判断比率審査

1 健全化判断比率の正確性に関する意見

審査に付された健全化判断比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく健全化判断比率は正確なものと認められた。

2 健全化判断比率の動向に関する意見

 

実質赤字比率と連結実質赤字比率は、実質収支額と連結実質収支額が黒字であることから前年度と同様に算定されない。
実質公債費比率は、平成21年度以降悪化してきており、前年度に比べて0.1ポイント増加している。これは、後年交付税措置される臨時財政対策債の発行が一時期急増したこと等による過渡的なものであり、直近3か年の平均で算定する前の単年度でみると、前年度に比べて1.9ポイント減少し、改善している。
   将来負担比率は、臨時財政対策債以外の県債残高が減少していること等により、前年度に比べて10.6ポイント減少し、改善している。

資金不足比率審査

1 資金不足比率の正確性に関する意見

審査に付された資金不足比率の算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されており、それに基づく資金不足比率は正確なものと認められた。

2 資金不足比率の動向に関する意見

病院事業会計を除く各会計では、前年度と同様に資金不足が生じておらず、特に意見はない。
   平成27年度末をもって廃止された病院事業会計においては、流動負債が流動資産を上回ったため資金不足が生じているが、これは、廃止に当たって病院債の一部を繰上償還したこと及び汐見台病院の民間事業主体への移譲に伴う影響が主な原因である。

 

 


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