更新日:2024年3月13日

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平成29年度 黒岩知事との“対話の広場”地域版(川崎会場) 実施結果

平成29年度黒岩知事との“対話の広場”地域版(川崎会場)の開催記録です

H29対話の広場川崎

集会の概要

  • 日時 平成29年10月26日(木曜)午後6時30分から午後8時
  • 会場 ソリッドスクエアホール
  • テーマ スマイルかながわ
  • 地域テーマ 川崎流おもてなし-東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて-
  • 参加者数 112名
  • 内容
    1. 知事のあいさつ
    2. 事例発表
      中村 紀美子 氏(水神社宮司、川崎区文化協会会長)
      土岐 一利 氏(株式会社チッタエンターテイメント取締役・プロモーション本部長)
    3. 意見交換
    4. 知事によるまとめ

知事あいさつ

こんばんは。お越しいただきまして、ありがとうございます。この対話の広場は、共通したテーマがありますが、それは、「スマイルかながわ」というものです。ちょっと、その背景をご説明したいと思います。

人生100歳時代

人生100歳時代、最近になって、政府が人生100年時代だと、言っています。一番に言い始めたのは、神奈川県なのですが、昨年の正月に人生100歳時代の設計図を描いてみましょうと訴えかけてみました。1963年に全国で100歳以上の人は、153人でした。それが、急激に伸びていって、2016年は6万6,000人くらいです。この後、2050年になりますと約70万人が100歳以上という時代に向かっています。この時には、人口は減っているという予測ですから、142人に1人は100歳以上、圧倒的な超高齢社会がやってくるということです。この100歳時代となった時に設計図はできているのか、ということです。それは皆さん、個人個人の生き方で、100歳時代の設計図はできているのかということです。

今までは、若い時に勉強をして、学校を出たら働いて、60歳がだいたい定年で、あとは老後という感じだったのですが、100歳まで生きる時代が来るのに、60歳が定年だと、その後40年間もあります。どうしたらいいのかという中で、生き方そのものも考えていかなければいけないのではないかということです。これを、昨年の共通テーマとして、皆さんと対話を進めてまいりました。そして、行き着く先の社会はどんな社会にしたらいいのか。100歳の人が142人に1人のような時代で、どんな時代だったらいいですか。みんなが、寝たきりになったら、とても大変です。暗い時代になります。そうではなく、明るい100歳時代を作って行こう。みんながニコニコしているようなそんな100歳時代を作って行こう、我々は、「スマイル」を目指していきましょうということで、いろいろな政策を展開しています。

スマイルかながわ

その中で、いろいろな政策を、「スマイル」という言葉でまとめてみました。「共生でスマイル」、「未病改善でスマイル」、「マグネット力でスマイル」。今年の共通テーマは、この「スマイルあふれるかながわの実現に向けて」の中で、それぞれの地域の実情に応じて、この3つの中から、1つを選んで、皆さんと対話をしています。そして、この川崎で選んだスマイルは「マグネット力でスマイル」です。マグネットというのは、磁石です。磁石のように引きつける力を持ちたいということです。つまり、川崎に行きたいな、住みたいな、と引きつけられるように集まってくる、そんな中でスマイルがあふれる、そんなところにしていきたいなという意味を込めて、「マグネット力でスマイル」でまとめています。

今日はそんな中で、「観光」に焦点を当てたいと思います。

旅行者数

最近、外国人観光客が増えています。2011年から見ると、4倍になって2,400万人を超えました。今後、4,000万人に届くのではと言われていて、これは、大変ありがたいことです。では、神奈川はどうなっているのか。日本全国ではこんなに来ているのに、神奈川はこれだけなのです。これでも、一応、2012年と比べると2倍にはなっている。全然、伸びてないといった方がいいです。日本全体には多くの外国人観光客が来ているのに、神奈川県にはあまり来ていないということなのです。どうしましょう。そういうことを、皆さんと話をしていきたいということであります。川崎にも、いろいろな魅力的なものがいっぱいあるではないですか。どうすれば、この外国人観光客の流れを川崎へと持って来ることができるのかというようなことをテーマに、皆さんと話をしていきたいと思います。

まずは、2人の事例発表者の方に事例をご紹介いただきたいと思います。外国人観光客を迎えるためには、「おもてなし」がとても大事です。それについて、成果を上げていらっしゃるお二人の話を聞いて、それから、皆さんと議論したいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

事例発表

司会

はじめに、水神社宮司、中村 紀美子さんをご紹介します。

中村さんは、これまで若宮八幡宮5代目宮司を務められたこともあり、現在も神職を通じて日本の伝統文化の継承や大師地区の活性化に尽力されています。毎年行われる祭事は年々にぎわいを増し、今では国内外のメディアで取り上げられるまでになっています。更にそのにぎわいを地域全体に広げようと、地域商店街とのコラボ企画など、毎年様々な取組みを行っていらっしゃいます。

また、中学校・高等学校教諭のご経験があり、教育に高い関心をお持ちです。

現在は、水神社の宮司を務められながら、川崎区文化協会会長、人権擁護委員、教誨師、川崎区民会議委員などとして幅広くご活躍です。

それでは中村さんよろしくお願いいたします。

中村 紀美子氏(水神社宮司、川崎区文化協会会長)

皆さん、こんばんは。中村でございます。今、ご紹介をしていただきました。早速話をさせていただきます。

まず、「かなまら祭」をご存知の方、手を挙げてくださいますか。半分くらいですかね。では、聞いたことのある方は。行ったことのある方。噂では聞いたことのある方。

この「かなまら祭」というのはどういうものかと言いますと、最初に、私どもの若宮八幡宮は県内にあります。三が日に川崎大師は450万人がお見えになります。昭和50年のお正月に若宮八幡宮は、三が日で100人にも満たなかったです。片や450万人、こちらは100万人ではなく、100人以下。このなんと情けないことということから始まりました。

たまたま境内に金山神社というのがございまして、その特色を生かして、何かできないかということから始まり、歴史的に見て、川崎宿の飯盛女(めしもりおんな)の皆さんが病除けで、夜ひっそりとお参りをしていたと言い伝えられていましたので、そこに目をつけて、なんとかしていこうと始まったのが、「かなまら祭」のきっかけです。

このお祭りは4月の筍の芽吹く、いろいろなものが芽吹くその力を利用して、病を吹き飛ばそうという人の集まりだったものですが、その勢いをなんとか、私たちもお祭りにつなげたいということが「かなまら祭」のきっかけでした。

最初は10人にも満たないお祭りを夜にひっそりと行っていました。昭和の50年代くらいは、夜に少しの人数でやっていました。今ではこれは考えられないと思うのですが、「地べた祭」と呼んでいました。

これは、巫女舞の子たちです。

これが地べた祭の雰囲気です。このように行われてきましたが、現在のかなまら様のお祭りはと言いますと、大勢の方たちがいまして、お神輿がちょうど帰って来るところです。今年は約5万人と言われています。10人から始まって、5万人です。現在は、昔のように地べた祭ができなくなってしまっていて、5万人といううれしい悲鳴なのですが、非常に複雑なところがあります。

この祭は、外国人が多いと言われていまして、このように外国人の方が楽しんでいる。それから、外国人の方に着物を着せてあげて、お祭りに参加をするという参加型でございます。このようにして、皆さんが楽しんでいます。

なぜ、外国人が多いのかというと、アメリカ人の方が日本に来た時に、何もわからない。たまたまうちのお祭りに来た時に、これは面白いから外国人に教えてあげたいということで、東京のホテルにNHKか何かが入りまして、取材をしたのがきっかけで、外国人が多くなってきました。

7年前には、BBCが取材に入りまして、日本人のわからないところがいっぱいあるということで、取材に入って、長崎の「子泣き相撲」と岐阜の「裸祭り」、私どもの「かなまら祭」を1時間番組にしたいというので、取材に入りました。

長崎の「子泣き相撲」は、なぜ、子どもを泣かすのだということで、向こうでは虐待と思われたそうです。それから、「裸祭り」というのは、クリスチャンの方たちには「ん?」と首をひねられた。私どものところでは、私が色々と日本人の神に関する話をしたところ、「よくわかった」と言って、素敵な映像にしてくださいました。

それから、オランダの報道の人も来たのですが、その方は「私たちはクリスチャンで、このような恥ずかしいことをなぜするのか。」と私に問いかけて来ました。私は、「恥ずかしいとはどういうことでしょうか。」と。私たち日本人はおおらかでイザナギとイザナミという神様がお互いに認め合って、日本は生まれたということなので、私には捨てては置けないと思って、「あなたはご両親の恥ずかしい結果ですか。」と言ったら、首を傾げていましたが、2年後には正式に取材を申し込んできました。

それからもう一つは、皆様もご存知かも知れませんが、「youは何しにニッポンへ?」という番組で、外国人が来て、「youは何をしにニッポンへ?」と聞いたら、「かなまら様のお祭りに来たのだ。」と。男の子2人、女の子2人だったのですが、女の子たちはいやだとか言っていたのですが、男の子2人が取材をOKして、うちのお祭りに参加し、お神輿なんかも担いで、帰りがけに「私たち外国人はふざけたような面白半分のようなことだったと思う。しかし、日本人はそれを神として、お祭りをしていることが、素晴らしい。」と言って帰りました。これは、日本人よりも外国人の方が、感じるのだと私は思いました。ですから、日本人の人たちにもう少し理解をしてもらえればいいなと思っています。

これからの「かなまら祭」はどうすればいいかと言いますと、今やっと地域の人たちに広がってきまして、地元のお店に立ち寄っていただいたりして、コラボをすることで、どうしたら、地元に入ってもらえるかなと私どもも提案をし、地元の人たちにやっと「若宮さんのおかげで街が潤いました。」と言われてきています。これは、とてもうれしいことです。もう一つは、地べた祭を復活させたいなと思っております。

それから、観光のおもてなし、今日のテーマを考えますと、外国人、高齢者、障がい者の方たちにどういうおもてなしをしたらいいのかなということで、少し聞いてみました。

外国人にはおもてなしというより、思いやりなのかなと思いました。「こんにちは。」や「元気?」などと何でも良いから声をかけて欲しい。そして、コミュニケーションをとってほしい。日本人は下がってしまうので、もう少し積極的にしてくれたら、それがおもてなしだと思うと言っていました。

それから、高齢者の方たちは、「お子様ランチがあって、なんで、シルバーランチがないの。」と。食べるものについての思いやりとして、残したくない、少しでいいのになと、その辺を考えてほしい。ですから、川崎のお店がそういうことを考えて、シルバーコースを出してくれるといいなと思いました。

障がい者の方たちにも聞きました。やはり、バリアフリーということ。一部はいいけれど、全体はだめということで、どこにいても全てがOKというところはなかなかないので、障がい者の方たちと行って、こういうところはこうしてくださいと話し合いをすることがおもてなしにつながるかなと思っています。以上、雑ぱくではございますが、事例発表と提言をさせていただきました。ご静聴ありがとうございました。

司会

続いて、株式会社チッタエンタテイメント取締役・プロモーション本部長 土岐一利さんをご紹介します。

土岐さんは、今年で21回目を迎える国内最大級のハロウィン・イベント「カワサキハロウィン」の制作責任者を初回から務められています。エンタテイメント事業やイベントを通して、まちぐるみで川崎を盛り上げようと、精力的に活動されています。

また、川崎市の未来につながる「ムーブメント」を創り出すための「かわさきパラムーブメント推進フォーラム」の委員としても、ご活躍されています。

それでは土岐さんよろしくお願いいたします。

土岐一利 氏(株式会社チッタエンタテイメント取締役・プロモーション本部長)

チッタエンタテイメントの土岐でございます。よろしくお願いします。

まず、簡単に会社の説明をさせてください。チッタグループの企業理念と書いてありますが、チッタグループというのは、駅前で「ラチッタデラ」という商業施設を運営している私どもの「チッタエンタテイメント」という会社と、その中にシネコンが入っていて、「チネチッタ」というのですが、これを運営しているのが「株式会社チネチッタ」、ライブホールの「クラブチッタ」を運営するのが「株式会社クラブチッタ」で、あともう一つ蒲田にもボーリング場とかアミューズメントをやっている会社があって、「株式会社レックス」という会社なのですが、それらを全部総称して「チッタグループ」と呼んでおります。その企業理念が「エンターテイメントと文化を通して、都市に新鮮な感動と活気を提供すること」です。

実は歴史のある会社で、創業が1922年です。95年前です。日暮里で映画館の運営をスタートしました。そこから、都内に色々と映画館、たくさん映画館の運営をしていたのですが、どこか1か所に集めて、街を作りたいというような夢が創業者にあったらしく、そこで見つけたのが川崎の駅前。1936年、川崎に拠点を移しました。以来、川崎に根付いて80年ということで、川崎でずっとお世話になっている企業です。

ここは、今のトピックをいくつか紹介しているのですが、少しだけ説明すると、歴史ですね。昭和40年代は映画が斜陽になって、ボーリング場を運営し、昭和60年代に日本初のシネコンと言われる「チネチッタ」をオープン。その次の年に「クラブチッタ」をオープン。そして、平成14年に「ラチッタデラ」をオープンさせています。

このような昔懐かしの、懐かしいと言っても私も生まれていないのですが、貴重な古い写真も残っております。

「ラチッタデラ」は今、この上の右の写真です。

私どもチッタグループが、一番力を入れ、地域密着で川崎市とも一緒にやっている一番大きなお祭りが、この「カワサキハロウィン」というイベントになります。

これは、去年の様子です。ご存知の方も多いと思うのですが、こんな感じでパレードで盛り上がっていたり、映画の「スターウォーズ」、ディズニーさんとコラボレーションを去年はしました。

ここもパレードの様子です。沿道に13万人いて、結構集まりました。過去最高です。パレードの参加は、全国から集まって、2,700人が参加しています。

「カワサキハロウィン」が結構有名になってきていて、規模でもそうなのですが、仮装のクオリティーが特に高いということで、結構注目されています。ご覧いただいても、すごくないですか。過去の仮装コンテストの入賞者たちなのですが、こういうとんでもない仮装者たちが全国から集まってくる。それを見るのが楽しくて、沿道にたくさんのお客さんが集まってくるという、そんな構図になっています。

ハロウィンパレードは小学生以上のパレードなのですが、未就学児の「キッズパレード」というのも実はやっていて、これがまた年々大変盛り上がって、参加者が増える一方となっています。

それ以外に地域密着ということで、大型商業施設が全部で10店舗、ラゾーナやアゼリア、アトレなど、チッタももちろんそうなのですが、そこでスタンプラリーだとか、商店街も一緒になって、いろんな販売促進の取組みを行っております。

キービジュアルを作るのも、日本のトップクリエーターさんたちがやってくださっています。

元々、「カワサキハロウィン」をなぜスタートしたかというと、首都圏から若者を呼び込む起爆剤となるイベントを立ち上げたいということで、私どもの会社で、21年前に小さくスタートしました。最初の年は参加者150人。今は3,000人くらいになっています。

これが経緯というか歴史なのですが、左側だけちょっと見ていただくと、主催団体の数です。スタートの時、1997年は、チネチッタ通り商店街単体でやっていたのですが、ずっと5年間くらい。それからだんだん人が集まるようになってきたので、ちょっと広げて、3商店街で開催。2009年には、23団体で一気に大きな規模になりました。今は26団体です。そんな感じで、急に大きなイベントではなく、21年間少しずつ大きくなってきたというのがこのイベントの歴史になっております。

これがパレードの参加者の推移なのですが、当然1回目からずっと右肩上がりで、最初150人でスタートして、10年くらいかけて、3,000人くらいになるのですが、これから少し右肩下がりのように見えますが、これは警察からキャパシティがオーバーだから、これ以上増やすなと言われています。100%の安全を確保するためには2,500人くらいが今のコースのキャパシティではちょうどいいということで、泣く泣くという感じなのですが、2,500人にあえて留めています。

これは、見に来ているお客さん、ギャラリーです。ギャラリーはさすがにうちでコントロールできないので、ずっと右肩上がりが続いています。去年は、13万人ということで、過去最高になりました。

パレードに参加している人たちの居住区なのですが、北は北海道から南は九州大分から、これはたまたま去年ですが。あとは、最近は海外からの参加も多く、今年は今週末がパレードですが、すでに海外から10人くらい申し込みがあると聞いています。

メディアが大きく取り上げてくださっていて、だいたいキー局のワイドショーや報道はほぼ全局、取材に来てくださっています。

去年あたりからの取組みなのですが、社会課題への取組みということで、誰でもが参加できる「ハロウィンパレード」というのを目指して、車いすユーザーの方が参加できるパレードというのを去年初めてやりました。今年もさらに拡大しようと思っています。

そして、ハロウィンが日本中でわりと大ブームになり、社会問題のように捉えられて、渋谷の交差点が大騒ぎになった、ということがありましたが、この「カワサキハロウィン」は1回目から、ゴミ問題には結構気を遣っておりまして、これは去年お掃除をやっている風景ですけれども、150人のお掃除チームがイベントが終わった翌日ゴミを拾っているところです。

以上が簡単ですけれども、「カワサキハロウィン」の紹介なのですが、チッタグループは、ハロウィン以外にも色々と地域と連携したいろんな取組みを行っていて、その事例をいくつかご紹介します。春先、ゴールデンウィークに毎年やっている「はいさいFESTA」。これは、沖縄をテーマにしたイベントです。なぜ、沖縄かというと、川崎に沖縄出身の方がとても多いということに注目して、地域の沖縄の方たちと一緒に行っているイベントが年々大きくなって、来年15周年になります。ゴールデンウィークにだいたい20万人の人が集まるのですが、こういったこともやっております。

それと川崎の観光資源として、臨海部の工場夜景というのがとても人気があります。これはつい先週やったイベントですが、「ブレードランナー」という明日公開の映画をテーマにしたイベントを工場夜景の真ん中で実施するというチャレンジをしました。工場夜景に囲まれた空間で、映画を語り合う、そんなイベントをやりました。

それ以外で、今年のこれからの取組みなのですが、「ダイバーシティ」というテーマを掲げております。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、「ダイバーシティ」とは「多様性」という意味ですが、いろいろな違いのある人たちが、ともに楽しめる街づくりということを、特にイベントを通じて、実現したいということで、今の車いすの方が参加できるパレードもそうなのですが、いわゆるセクシャルマイノリティー、LGBTという方たちにも我々は注目をしていまして、今年のハロウィンパレードは、LGBTの人やアライと呼ばれている人たちが参加するパレードを初めて実施します。

最後に、インバウンド。これもかなり注目しておりまして、今、具体的な取組みとしては、小さな取組みなのですが、私どもがたまたま着物と浴衣をいっぱい持っていました。50着くらい。これ、何かに使えないかなと思っていたところ、近くにインバウンドをターゲットにしたホテルができまして、「オンザマークス」と言うのですが。そこに宿泊に来た外国人さんに着物を着てもらって、川崎の観光名所みたいなところを楽しんでもらうみたいな取組みを始めています。これを2020年に向けて、少しずつ広げていきたいなと思っています。こんなチラシを作っていて、外人さんが着物を着て、川崎大師など、いろいろな名所を楽しんでくださいというようなチラシを作って、取組みを始めたところです。

「おもてなし」というテーマとずれてしまったかもしれませんが、一応私どもがどんな思いでどんなイベントをやっているかを簡単にご説明させていただきました。以上です。どうもありがとうございます。

意見交換

知事

それではここから皆さんと、議論を始めたいと思います。2つの事例をお聞かせいただきましたが、同じような成功事例です。最初は本当に小さく始まったものが、巨大なものに発展していったということ。すごいです。ほんの10人規模から、100人規模からというのが、何万人も集めるような大イベントになっていったという、そういう成功事例があったわけです。その秘密を、今聞きながら、皆さんの頭の中いろいろなことが広がっているかもしれません。

私が、追加で少しお話を聞きたいと思います。中村さんのお話を聞いて、結局全然わからなかった人がいるのではないですか。あえておっしゃらなかったですよね。どんなお祭りなのか。写真もお客さんばかり映っていたから、何が御神体なのか、避けられたから。中村さんは、皆さん当然わかっているだろうという前提で話されたと思いますけど、何のお祭りなのだろうって。これちょっと恥ずかしいからなのか。私がはっきり申し上げますと、御神体は、男性の性器です。なぜおっしゃらなかったのですか。ちょっと気が引けましたか。その巨大なものを持って回るという、お祭りですよね。

だから、「何だろう。」といって、最初みんなすごい抵抗感であるとか、「何をやっているのだろう。」というものが、なぜか外国人の皆さんにたいへん関心を集めて、お客さんの半分ぐらいが外国人だということになっています。地元の皆さんがその祭りに親しんでいたのかどうかは、また別の話でもあるけれども、外国からの人を、まさにさっき言ったマグネット、引きつけていることだけは間違いない。

しかし、ものがものだから、最初は興味本位かもしれないけど、さっきの話の中で、必ずしも興味本位ではなくて、「あ、日本人はこういう精神性があるんだ」と感動して帰っていくということなのですよね。その辺り、もうちょっと詳しく説明いただけますか。

やっぱり最初来るときは、なんかちょっとおもしろそうだなというか、そんなことってあるのみたいな、そんな感じで来られるのでしょう。それで何をどう感動されるのですか。

中村 紀美子氏

日本人は、イザナギとイザナミという、男の神様と女の神様がお互いすばらしいと認め合って、日本の国が生まれたというプラスの考え方です。

ところが、外国人は、キリスト教の考え方として、アダムとイブが禁断の実を食べて、楽園を追われるという、マイナスなのです。

ですから、性に対しては非常に敏感でして、小学校などでも性教育が始まる時に、クリスチャンの人たちはいやだと言ったそうですが、そもそもの考え方が最初から違いますので……。

それで、「日本人のそのおおらかさは何なのだろう?」ということに、たぶん興味があって来ているのだと思います。そして、見て、「えっ、これはなんだ、一体?」と思い、「信仰が必ず根底にある。」と思うのでしょう。特に日本人は、宗教は無宗教だと皆さんおっしゃっていますが、これこそが本当の宗教ではないかと感じている外国人もいます。

知事

お祭りを見ながら、誰かが説明するのですか。

中村 紀美子氏

BBCの入った時には私が説明しましたけれども、普段は全部説明するわけではありません。一応、英語と中国語の通訳はいます。

知事

お祭りにずっとお客さん来られますよね。そこに突然、男性性器が出てくるわけです、大きなのが。その時にこれはこういうもので、こうだこうだということを誰かが説明されるのですか。

中村 紀美子氏

会場内で一応の簡単な説明はします。ですが、ずっと流しているわけではありません。

知事

その祭りを体験しながら、皆さんが感じ取っていくということですか。

中村 紀美子氏

そうですね。日本人と一緒にお神輿を担いだりしながら、楽しんでいるという、そこに「信仰」があるということです。

知事

日本人の反応はどうなのですか。

中村 紀美子氏

日本人は、最初は遠くから見るような感じでしたが、最近は春の一番最初のお祭りということで、皆さん理解してくださっているようです。

知事

男性と女性の観客はどうですか。

中村 紀美子氏

男性の方がちょっと恥ずかしそうな部分はあります。どちらかというと、女性の方が堂々としています。

知事

逆ではないのですね、おもしろいですね。それはなぜかわかりますか。

中村 紀美子氏

どうでしょう?来たことのある人に聞いてください。

知事

誰かこの辺で、私はこう思うみたいな。

お祭り行ったことある人で何か、どんなこと感じたかちょっと言いたいなという人いますか。高校生の皆さんは行ったことがありますか。

中村 紀美子氏

たぶん、高校生はないと思います。

知事

18歳は入ってはいけないというわけではないですよね。

中村 紀美子氏

現在は5万人ぐらいの参拝者があり、境内に入るのに制限がかかってしまい、行きたいけど入れないという人がいます。それこそカワサキハロウィンと同じで警察の指導が入って、将棋倒しになったりすると困るので、入場制限があります。だから、並んでいてもなかなか入れないことがあります。

知事

そういうことなのですね。わかりました。

土岐さん、「カワサキハロウィン」という、最初は小さかったイベントが大きくなり、今の話を聞いていて、最近この「ハロウィン」というのは日本でものすごくブームになってきました。以前はここまでではなかったですよね。

クリスマスは、街全体がクリスマスの雰囲気に包まれるというのはよくありましたが、ハロウィンという祭りが、日本でポピュラーになったというのはつい最近のことだと思います。その一番の原点だったということですか。

土岐 一利氏

たぶん、私どもが始めたときには、商業施設で「ハロウィン」をテーマに何かやるということはなかったです。

知事

それは何年のことでしたか。

土岐 一利氏

1997年です。

知事

1997年、今からもう20年前のことですね。そのときに「ハロウィン」を持ってこようと思ったきっかけは何だったのですか。

土岐 一利氏

ちょうど私どもの施設は映画館がメインですから、夏と冬は結構繁忙期です。ちょうどチネチッタというシネコンが10周年で、「何かやろう」、「やるなら秋がちょうどいいね」、「秋の何かネタないかな」と言った時に、誰かが、「そういえばハロウィンってあるよね」と。私どもはどちらかというとへそ曲がりというか、ひねくれているというか、よそでやっていないことをやりたかったので、「あ、ハロウィンは誰も手を付けていない」という、実はそんな理由がきっかけです。

知事

そのメンバーの中に「ハロウィン」のことをよく知ってる人がいたのですか。

土岐 一利氏

全くいなかったです。だから、「ハロウィン」が何をする日かも誰も知らず、「なんか仮装する日だよね」ということと、「なんかちょっとおばけが出てくるよね」、「あ、それ、おもしろいじゃん」という、本当にくだらないスタートだったのですが、映画館やライブホールがあったので、仮装パーティーができる、ホラー映画ができる、うちに合うという、そんな感じでした。

知事

それを最初にやる時に、「ハロウィン」のことをみんなも知らない、でも「ハロウィンやろうよ」と言った時に、どうやって「ハロウィン」らしさをみんなでつくり上げたのですか。

土岐 一利氏

それで当然、「ハロウィン」なので、仮装者がいっぱい集まってくれないといけないので、仮装が集まる仕組みを作らないといけないということで、いろいろあったのですが、最終的には「パレードをやろうか」ということで、「仮装パレードをやろう」となりました。

実は仮装パレードの参加者を一般募集したら、全然集まりませんでした。昼日中に川崎の駅前、当時は、わかる方はわかると思うのですが、警察の許可が取れなかったので、チネチッタ通りを行って帰って来るだけでした。

それでもなんとか頑張って、警察へ10回ぐらい行き、なんとか許可を取り、「行って帰って来て、だいたい300人ぐらいのパレードをやります」と、結構大きな風呂敷を広げてですね。

当時、ネットのない時代ですから、チラシの裏が申込用紙で、チラシをいっぱい配って、「応募いっぱい来るかな」と思ったら、10日前までほぼゼロみたいな感じでした。

「やばい」ということになって、最終的には、社員みんなに無理矢理仮装をさせたり、ちょっと劇団に、「なんか変な格好して参加してくれ」などと声をかけたり、今だから言えるのですが、そんな感じでなんとか。あとは一般の人も50人ぐらい参加してくれました。

だから、真っ昼間に外で仮装して歩くなんて、世の中が考えられないという、そういう時代だったのですね、今思うと。

知事

その時、浮いてなかったですか。

土岐 一利氏

とても浮いていました。仕方がないので、僕も言い出しっぺですから、僕も女装させられました。ただ、無理矢理やらされた人たちがみんな結構楽しかったのです。それで、「あ、このイベントおもしろい」と我々も実感できたので、2年目からはわりと堂々と仮装を「楽しいよ。」と言えました。

知事

今でこそ、みんなで仮装して楽しいが、みんな普通のかっこうをしているのに、仮装した変な人たちが歩いていたら、「ハロウィン」を知らないですから、みんな白い目で見る、そんな感じだったのではないですか。

そこから、よくここまで大きくなりましたね。何か大きな転期って感じることありましたか。

土岐 一利氏

1年目がそれで150人のパレードをして、無理矢理のパレードでしたが、その時に少しテレビがおもしろがって取り上げてもらいました。

そして2年目はわりと自分から参加したいと言ってくれる人が100人ぐらい集まって、それでも100人では足りないので、また相変わらず社員が全員仮装だといって、足して200人ぐらいになって、その次の年300人になって、600人になってみたいな感じで、少しずつ増えていって、1,000人越えた辺りから、一気に増えました。世の中、ディズニーランドなどもちょうど我々がスタートした時期と同じ年ぐらいに「ハロウィン」というのを始めたので、やはりディズニーの影響も大きく、ハロウィンが日本に根付いていったという感じだと思います。

知事

今なんか逆に、渋谷の交差点のところ、あそこはおばけだらけという状態になっているではないですか。そうすると逆に負けている感覚はないですか。

土岐 一利氏

いや、それは実はあまりなくて、最初たぶん7、8年前に、渋谷の交差点がすごいことになっていると、テレビの報道が取り上げたのですが、その交差点にいる人たちをよく見ると、その前の週にハロウィンパレードに出てた人たちばかりなのです。

つまり、うちのパレードに参加するために一生懸命に仮装した子たちが、川崎のパレードだけでは、せっかく良い衣装を作ったのにもったいないといって、渋谷に繰り出したり、六本木に繰り出したり、といった入口を常に「カワサキハロウィン」が作っていたと、実は密かにちょっとほくそ笑んでいたというか、「あ、カワサキハロウィンが全部の入り口になってるんじゃない」という思いで、7、8年前は見ていました。今はもう全然そんなことはないのですが。

知事

なるほど。こうやって、新しいものを作っていけるのだということですね。これもおもしろいです。今はみんなそんなことを知らなくても、なんか一人がやろうじゃないかと言って、やろうやろうってみんなが集まってくると、それが新たな一つの新しい文化になってくるというような、そんなことを感じさせるエピソードであります。

そういう方が川崎にいらっしゃるということを踏まえながら、外国人観光客が増えているといえども、冒頭に言ったように、神奈川県には全然来ていないと言ってもいいくらい、呼び込めていないです。

神奈川県に呼び込むためにどうすればいいか、ここからは皆さんと対話をしていきたいと思います。このテーマの中で、何でも結構です。要するに、こんなことをしたらどうでしょうかという話でも、提案でもいいですし、質問でもいいですし、それから、私はこんなことをやっていますというようなことでもいいですし、対話をしていきたいと思います。

どこにシナリオが行くかは全くわかりません。皆さんが黙っていると、この会は全く進行しませんので、どんどん話をしていただきたいと思います。

参加者1(川崎市幸区・男性)

最初から苦言で申し訳ありません。話のタイトルは「県立川崎図書館でおもてなし」ということです。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、県立川崎図書館を活用して、国際交流や、科学イベントを行い、おもてなしの寄与や、日本の科学や技術のお伝えをし、より世界に誇れる図書館にしたい。

例えば今、東大で非破壊の超高速スキャナが開発されているので、こういうもので全資料の電子バックアップを取り、消失を防ぐ。

できればKSPではなく、もっと便利な場所に再建してほしい。

私は昔から海外のエンジニア、留学生、学者の方などと交流しております。日本の技術史などをご説明させていただくことがあります。例えば昨年、ベトナムの理系留学生の方に、昔のコンピュータについて話したところ、たいへん感謝されました。

戦争で、中高年の方が多数亡くなられ、技術も消えているからだそうです。皆さん国を再建すべく、必死で勉強されています。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、日本の技術への関心が高まっています。特にアジア圏などでは、日本の公害への取組資料を必要としております。

私にとって、県立川崎図書館を守り抜くことが最大の持続可能なおもてなしです。イベントもたいへん良いことですが、私は障がいがあるので、現在の県立川崎図書館が移転してしまうと、個人的には研究や国際交流にたいへん支障があります。私のような方々もいらっしゃると思いますので、バリアフリーの面をよろしくお願いいたします。

知事

川崎図書館をマグネットの核にしようという、お話でありましたが。実はこの川崎図書館のことをちょっとお話をしますと、非常に老朽化しています。60年近く前の古い建物でありまして、エレベータもありません。これは建物も限界にきているということで、今、移設をしようとしています。

場所は同じ川崎なのですが、川崎の高津区にあります「かながわサイエンスパーク(KSP)」に持っていこうとしています。来年5月、開館をいたしますけれども、今、そのための準備をしています。決して川崎図書館の機能そのものをなくしてしまおうということではなく、老朽化しているので、KSPの方へ持っていって、その蔵書等を生かしていこうとしているわけであります。

KSPの方はエレベータもあります。身障者用のトイレ等もあって、バリアフリー対応もしっかりできていて、駐車場もあり、そういう移動も便利になっています。

それとともに、現在は図書や資料が地下1階から地上4階までありますが、KSPに行きますと、すべて1フロアになっていますので、むしろ使いやすいようになっています。

ですから、場所は変わりますが、おっしゃったように、そこを新たなマグネットの拠点にしていくということは、我々も目指していきたいです。図書館だってそういうマグネットの力があるのだということの例を示せるかもしれないです。

実は、図書館と言いますと、昨日すごい図書館を見てきました。大和市ですが、「シリウス」を知っていますか。これは、昨年の秋にできました。シリウスは、日本で一番お客さんが来る図書館になっています。わずか1年で300万人来ているそうです。どういう場所かというと、1階から5階まで図書館になっています。ツタヤでやっている図書館を知っていますか。民間がやっているものです。スターバックスなどが中に入っていて、今までの図書館の概念を全部崩したツタヤの図書館をもっと進化した図書館が、シリウスです。だから、本がいろんな形で並んでいて、そして好きな本を取ってきて、コーヒーを飲みながら、ご飯食べながら見ることもできます。複合的な施設になっていて、そして子供たちが遊ぶスペースなどもあります。プラスチックのボールがいっぱいあるプールのようなものがあって、子供たちが遊んでいます。

図書館に行ったら、騒いではいけないというイメージがあるではないですか。ところが、シリウスは話しても構わない。そのかわり、うるさいのがいやな人は、別の空間に行くと、とても静かな場所もあります。

会話しても全然問題ない、そんな図書館ができていて、年間300万人です。これに併設された、すばらしいホールもあって、すごいと思いました。

だから、まさにおっしゃったとおり、図書館も、そうやってまちのおもてなしという雰囲気を醸し出して、人をどんどん引きつけて、そういう個性を表すようなところにもなり得るということです。

ツタヤの図書館というと、武雄市を知っていますか。武雄市というのは佐賀県です。武雄温泉というのがあるのですが、みんなあまり知らない時に、ツタヤの図書館というのができて、そこに何十万人もの人が行くようになりました。まさに図書館もマグネットになり得るということであります。

どうもありがとうございました。

参加者2(男性・川崎市国際交流協会)

私ども協会で、おもてなしの講座を始めておりますので、少しご紹介させていただきたいと思います。平成28年度から、ボランティア養成事業について、少し力を入れようということで、観光分野と災害分野に関して、観光ボランティア通訳セミナーというものと、災害時通訳ボランティア講座というものを作っていこうということにしました。

観光ボランティア通訳セミナーにつきましては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、通訳ボランティアを養成していこうということで、川崎市観光協会や、NPOの歴史ガイド協会、あるいは神奈川善意通訳者の会などの皆さんと協力しまして、講座を作ってきました。

その講座を作るに当たっては、地域の社会的、公共的な目標のために、職業上のスキルを生かすボランティアの皆さんの会議を開きまして、その英知を集めました。

シルバーガイドの会とか、川崎歴史ガイド協会の皆さんに、川崎の歴史などを学んで、あるいは前の経済労働局長に来ていただいて、キングスカイフロントなどの川崎の最先端の部分のご紹介や、あるいは観光協会や神奈川善意通訳者の会(KSGG)の皆さんには、外国観光客へのアプローチをどういうふうにしていったらいいのか、そういうところの戦略を学びました。

そして、まず川崎の魅力を我々自身が知ることが大切だということを考えて、それからいろいろな外国人を案内する通訳の技術を鍛えていこうということになり、今年の2月に講座を実施いたしました。その講座の終了後は、自主的にボランティアグループが立ち上がっております。

その2月にあったセミナーは、英語の通訳の経験のある方と限定して、エキスパートのトレーニングというような機会にいたしましたので、今年度につきましては、もう少し裾野を広げるような、一般の方でも受けられるような、やさしい中学生程度の英会話を基本とした、おもてなしの講座を作ろうと考えています。

もう一つは、地域の商店街と連携をいたしまして、中原区商店街連合会、あるいは地元のモトスミ・ブレーメン通り商店街と連携して、地域の商店街の皆さんにも、おもてなしができる英会話の講座を提供しようと考えております。

知事

ありがとうございます。どのくらいの人数が育っているのですか。

参加者2(男性・川崎市国際交流協会)

最初の通訳セミナーでは、30人ぐらいの方が来ていただいて、自主的なグループは10人以上の方がグループを作られています。

知事

年齢層はどういう感じですか。

参加者2(男性・川崎市国際交流協会)

年齢層はわりと中高年の方が多くなります。

知事

若い人はあまり来ないですか。

参加者2(男性・川崎市国際交流協会)

そうですね、経験のある方とその時は設定いたしましたので、比較的中高年の方が、キャリアのある方が多いです。

知事

今、言葉は英語だけですか。

参加者2(男性・川崎市国際交流協会)

そうですね、英語だけです。

知事

これを広げていくのですか。

参加者2(男性・川崎市国際交流協会)

もう少し広げていきたいと考えております。

知事

2019年になるとラグビーワールドカップの決勝戦が横浜であります。ラグビーワールドカップというのは皆さん、あまりピンときていない方もいらっしゃるかもしれないですが、これは大きなイベントです。なぜなら、世界3大スポーツイベントという、「オリンピック」と、「ラグビーワールドカップ」、それと「サッカーワールドカップ」、世界3大スポーツのイベントだから、オリンピック並みのビックイベント、その決勝戦が横浜であるということはすごいことです。世界中からお客さんがやってきます。しかも、ラグビーのお客さんは、お金持ちが多いそうです。

ラグビーというのは、イングランドで始まった英国紳士のスポーツです。だから、私もロンドンのラグビーワールドカップを見に行きましたが、すごいです。これは、試合は毎日ありませんが、来たら、だいたい20日間ぐらい滞在します。試合と試合の合間は観光に行くのです。しかも、ラグビーのお客さんは、食事はしっかりとしたディナーです。立派なホテルに泊まって、お金を落としてくれる。だから、この人たちをしっかり捕まえないといけません。

それ捕まえないとどういうことになるかというと、試合と試合の合間に中国へ行ってしまうかもしれない、韓国へ行ってしまうかもしれない。これはあまりにももったいないですよね、せっかく日本に来ているのですから。

だから、このお客さんを逃がすなと言っている中で、今みたいな通訳ボランティアの方などがいらっしゃるといいですよね。観光ってやはりそうじゃないですか。ただぼうっと見ているだけでは、何かわからないけれども、いろいろと説明をしてくれるとわかるというのがあります。だからやはりとても大事なお仕事だと思います。若い人もどんどん参加してほしいです。

参加者3(川崎市宮前区・女性)

川崎市内で、あるいは神奈川県内で走る観光周遊バスがあったらいいなといつも思っております。

年に何回か、私の場合は、外国の友達が日本に来て、一緒に旅行する機会があります。私も方向音痴だし、知識がそんなにないので、例えば京都の駅に行って、たくさんの日帰りツアーとか、一日コースとか半日コースを利用して、旅行しています。京都に限らず、例えば金沢とか、最近行ったのは島根県の松江市なのですが、松江駅から出発のバス、ゆるキャラのしまねっこも一緒で楽しかったです。

なので、川崎市内や県内にそういうきれいなラッピングをされている観光の周遊観光バスがあれば、もっと私も友達に紹介しやすいです。

また、今、神奈川県には美しいところがたくさんあるのですが、バスだとかを乗り換えなければならない、交通の便が少し不便なので、観光の周遊観光バスがあれば、どんどん外国人も来るのではないかなと思っています。

知事

ありがとうございます。川崎に観光周遊バスはないのですか。

県は今、ラグビーワールドカップ、それからオリンピック・パラリンピックに合わせて、1,000通りの観光ツアーを作ろうと言っています。なぜなら、さっき言ったとおり、お客さんが海外から大勢来るわけです。この人たちを神奈川から出すなと、神奈川で全部周っていただこうということで、「バスツアー」を作っていこうとしています。

「1,000通り作る」と言うと、県庁職員が泣いていました。1,000通りなんかできないですよ。でも、やるのだって言うとどういうことが起きるかというと、いわゆる観光スポットじゃないところも観光地にしていく。例えば、代表的なのが商店街です。商店街というのは観光スポットになり得る。

商店街というのは、元々は地元の人がものを買いに来るところでしたが、外から来た人にしてみれば、地元の生活の匂いを感じられる場所です。そこを解説して周ってくれる人がいれば、こんなおもしろいところはありません。だから、ツアーの中に商店街を入れていく。「商店街観光ツアー」、これを実験的にずっとやっていたのですが、大好評です。

例えば、お弁当箱を渡して、商店街へ行って、お昼時にここの商店街のどこのお店でもいいから、おかずを集めてきてもらいます。コロッケを売っているところでコロッケを頼んだり、シューマイを入れたり、全部その商店街ずっと周りながらビュッフェです。

それをみんなで集まって食べる時に、「あそこのコロッケ屋さんのおばちゃんは、こんな人で」とか、「あそこのパン屋のあれはね、こんなあれで」という話を聞くと、とてもおもしろくなってくるではないですか。そういうのをやっています。それをバスで周っていくなど、バスというのはこれから非常に重要な要素になります。川崎市もぜひ検討していただければと思います。

参加者4(男性・かわさきベトナム留学生支援会)

我々はかわさきベトナム留学生支援会と申します。毎週日曜日、ラゾーナの向こうにある、ベトナム料理店の中で、ベトナム人の留学生に日本語や日本の大学に入るための日本留学試験の勉強を教えています。

日本人大学生の留学生ボランティアや私のような社会人を卒業した者が支援をしています。今、知事のお話をお伺いして、我々はその近くにある商店街の皆さんでハッビーサークルという商店街の十数店舗の皆さんが作っている会があります。そこの方々とコラボをしたり、そのベトナム料理店では毎月一回、夜、地域の子供たち向けに無料の食事会をしたりしております。地域の子供たちがお年寄りの方と一緒に夕食を食べると、そんなこともしておりますので、今の知事のお話をお伺いして、まだまだ我々もやれば、広がりができるのかなと思いました。

それから、我々は、先ほどボランティアの通訳の話もありましたが、そういうこともベトナムからの観光客、旅行者の方がいらっしゃれば、是非やりたいと言っておりますので、そういうところもご活用いただければと思います。よろしくお願いします。

少し付け加えさせていただきます。

参加者5(男性・かわさきベトナム留学生支援会)

かわさきベトナム人留学生支援会という名前でやっているのですが、ベトナムだけではなくて、今年だとインドのお祭り「ラタジャトラ」というのを、川崎の第3庁舎のところで行わせていただいたり、ベトナムに限らずいろんな海外の方が川崎に住んでいたり、僕らのコミュニティに参加していただいたりというのがあるので、そういうイベントを通してでも、外国人観光客を巻き込めるのではないかなと考えています。

例えば、インドのお祭りだと、「ラタジャトラ」というのは、インドではとても有名なお祭りらしいのですが、日本に来てしまうと、そういうことができないというので、海外の地元のお祭りを川崎に持ってくることで、現地の人たちも集まりやすくなるんではないかと思っております。

知事

そうですか。3人はベトナムから来られたのですか。せっかくですから、前に出てきてください。アオザイすてきですよね。川崎に住んでいるのですか。川崎の魅力とはどういうところに感じますか。

参加者6(女性・在日ベトナム人)

川崎の魅力というところは、生活しやすいところです。留学してアルバイトをするところを探すのに、ハローワークなどが活躍してくれて、仕事がしやすいです。

知事

日本人は優しいですか?

参加者6(女性・在日ベトナム人)

うちの旦那は日本人です。

知事

旦那さんは優しいですか?

参加者6(女性・在日ベトナム人)

日本人は優しいです。しかし、しっかりしないと怒られます。

知事

川崎の魅力はどういうところに感じますか?

参加者7(女性・在日ベトナム人)

川崎で何かわからないことがあったら、ちゃんと教えてくれるところです。

知事

今は学生さんですか?

参加者7(女性・在日ベトナム人)

はい。

知事

何を勉強しているのですか。

参加者7(女性・在日ベトナム人)

今、日本語学校で日本語を勉強しています。

知事

どうして日本に来たいと思ったのですか。

参加者7(女性・在日ベトナム人)

日本の技術や文化などを勉強したいと思い、日本に来ました。

知事

川崎とか神奈川県とか、もっともっとベトナムの人も来てくれそうですか。

参加者7(女性・在日ベトナム人)

そうですね、最近はベトナム人がだんだん増えてきています。

知事

そうなのですよ。ベトナム人留学生の数というのは急増しています。今、神奈川県の国別で言うと、2位です。すごいです。

神奈川県ではベトナムフェスタというのをやっていますが、知っていましたか。

参加者6(女性・在日ベトナム人)

知っています。

知事

行きましたか。

参加者6(女性・在日ベトナム人)

行きました。参加しました。

知事

参加していただきましたか。何をしてくれましたか。

参加者6(女性・在日ベトナム人)

私はボランティアとして、少しお手伝いをしました。

知事

あなたにとって、川崎の魅力は何でしょう。

参加者8(女性・在日ベトナム人)

東京より優しいと思います。心の温かさを感じました。

知事

観光、川崎とか神奈川全体で、観光地としてどこが好きですか。

参加者8(女性・在日ベトナム人)

最近はお祭りをしたことがあります。みんなを見て元気になりました。

知事

日本のお祭りはおもしろかったですか。

参加者8(女性・在日ベトナム人)

おもしろいです。日本に来てから、私は3年半ぐらいになりました。

でも、少し個人的過ぎて、最近、ベトナム人向けのボランティアのグループを探して、初めてお祭りに参加しました。そこで初めて、日本人は温かいとか、日本人は普通の人だと思いました。

知事

こうやって来てくださって、本当にありがたいです。わざわざ前に出てきてくれて、どうもありがとう。

今、ベトナムと神奈川県は、とても太いパイプができ上がっています。神奈川県の中小企業で、海外進出したいという企業がいっぱいあるのですが、今一番人気があるのがベトナムです。ベトナムに行きたいと。なぜなら、ベトナム人と日本人、すごく相性がいい、そうではないですか。もう結婚されているのですから、相性いいですよね。

既にベトナムに進出している会社、それを見に行ったことがあります。飛行機のドアを造っている会社でしたが、ラインで作業しているのですよ。その全員がベトナム人の労働者。これベトナムの話ですよ。全員がベトナム人の労働者、会社は日本の企業。それを見ていたら、本当に一生懸命やっていました。

話を聞いていて驚いたのは、ずっとラインで回ってくるでしょう。最後に本当にしっかりできているかどうか、検査するのですよ。最近、この検査のとこで、日本の大事な会社がいい加減なことやっていて、大問題になっていますが。

検査の時に、不良品だと下ろされる。驚いたのは、全員日本人の工場のラインよりも、全員ベトナム人のラインの方が、失敗する率が低い。だから、どんどんベトナムに来ています。

そういうこともあるので、神奈川でベトナムフェスタ、毎年秋やっておりまして、県庁本庁舎とその周辺をベトナム色一色でやっております。それでたいへん盛り上がり、効果も上がり、今年度、初めて神奈川県にベトナムの企業が進出しました。これが今年度2社も。今度、ベトナムから進出した企業のオープニングセレモニーがありますが、神奈川に来てくれたということもあって、これでどんどん交流が進んでいますので、これから是非ね、皆さんも、ベトナムとの関係を深めていくために、まさに橋渡し役としてがんばっていただきたいと思います。

ベトナムから来られた方に、川崎の人優しいと言われたら、なんかうれしいですよね。東京より優しいって、よかったですね。みんな優しくしましょう。それがおもてなしの原点ですから。

参加者9(川崎市幸区・女性)

私は現在、幸社協のふれあいデイサービスのボランティアや、社会福祉の祭りのイベントボランティア等に積極的に参加していまして、市民活動も結構参加させていただいて、今勉強中です。

障がい者の作業所で、ものづくりだとか、いろいろな経験をさせていただきまして、そういうことも学んでいます。

私は、小学校のときは横浜にいまして、横浜では、横浜の金沢文庫から、登山で鎌倉に歩いて、鎌倉からは電車で帰って、登山も楽しんで、金沢文庫から八景の海で遊んだりとか、いろいろ金沢動物公園で動物を見たり、楽しく過ごしました。

小田原の鈴廣かまぼこや、横浜のフェスティバル、平塚の七夕祭りなどもあります。この平塚の七夕祭りでは、観光ボランティアに参加しました。平塚で食べたメロンなどの果物もおいしかったですし、三浦半島のマグロ市場や、湯河原温泉なども楽しく過ごすことができます。

川崎には、ビジネスホテルとかラブホテルとかそういうのは多いですが、民宿やホテルなどがあまりありません。民宿などもそうですが、低額でくつろげるようなところが少し少ないかなと思っています。

東京はビルとテナントが多いです。私の母の田舎の沖縄県は首里城とかすごく立派な建物だなと思いますし、私の父の田舎の青森県は、わりと畑などが多くて、畑の農作物が良いところだなと思います。

最近は、体の不自由な方のためにも、トイレが和式しかないところには、洋式トイレがあるといいなと思います。また、階段で昇らないといけないところに、エスカレーターやエレベータができるといいなと思います。

知事

ありがとうございます。

なんか沖縄から、東北から、すごいですね。いろいろな観光の現場に行ってらっしゃるから、おもてなしの現状をよくご存じですね。

今ご指摘いただいたとおり、川崎はホテルが少し弱いですよね。立派なものができるといいなと、私もずっと思っています。

参加者10(川崎市川崎区・女性)

私は車椅子をいつも利用している障がい者です。

今ちょうどホテルの話が出ましたけど、例えば地方の友人から、川崎方面に、横浜東京方面に行きたいので、車椅子で泊まれるホテルを紹介してくださいと言われることがあるのですが、なかなかありません。

インターネットを一緒に見てみると、改めてバリアフリーのホテル、部屋があるところが少ないということを感じました。

今度オリンピックのときに、外国の選手を等々力の競技場の方に誘致というのでしょうか、スポーツ施設として誘致するという話を聞いているのですが、パラリンピックの選手も同じようにいらっしゃった場合、どちらに泊まるのかなと、少し心配になっています。

観光については、さっき通訳のガイドの研修を行っているとお話がありましたが、ここにバリアフリーとかに詳しい障がいを持った人たちをセットにして、一緒にツアーを組み、ひとつのおもてなしができるといいと思っています。

また、公共交通機関がとても大事ですが、自分で車を運転する車椅子の障がいを持った人たちもいらっしゃいますので、そういう人たちが運転しやすいようにということで、隣にもう一人車椅子の男性がいるので、その方に説明していただいてもよろしいでしょうか。

参加者11(川崎市高津区・男性)

パラリンピアンの方々がたくさんいらっしゃると思うのですが、公共交通機関だけではなく、世界中のパラリンピアンの人たちは、レンタカーを使って移動しているというのが現状でございます。ただ、日本全国どこを見ても、障がい者の人が自由に使えるレンタカー屋さんというのはありません。そういったものを神奈川県、川崎市でも取り入れていただけたらなと思っております。

知事

ありがとうございます。

そうですか。川崎には車椅子で泊まれるホテルはあまりないのですか。それは、川崎市の大きな課題として受け止めないといけません。

それと、やはりレンタカーは、障がい者の方は借りられないのですか。

参加者11(川崎市高津区・男性)

そうですね、非常に少ないです。障がい者だと、特殊な改造をした車両しか乗れないというのが多くて、なかなかハードルが高いようです。

知事

なるほど。確かに、たくさん車を回さないといけないから、そういう車は少ないかもしれません。貴重なご意見いただきました。しっかり我々で受け止めていきたいと思います。ありがとうございました。

参加者12(川崎市宮前区・男性)

ご提案なのですが、やはり観光資源が少ないので、お客さんが少ないというイメージを持っております。外国人は歴史的なものが好きだと思うので、江戸時代の川崎宿などの、例えば川崎宿ホテルのようなものを造って、江戸時代の体験、例えばわらじを履いて、ちょんまげや日本髪のカツラなどを被って写真を撮れたり、東海道五十三次のポスターを貼ったり、版画を貼ったり、そういう江戸時代の雰囲気を出したり、再現できるようなものをやれたら良いと思います。

知事

ありがとうございました。これはとてもいいご提案です。本当はこういう話で、今日ここにいていただきたかったのは、元参議院議員の斎藤文夫先生、89歳ですかね。

浮世絵の大コレクターでありまして、川崎のご出身でありますから、本当は今日来ていただける予定でしたが、転ばれて大変な怪我をされて、今入院中なのです。実は私も中村さんも、時間差はありましたが、今日お見舞いに行ってきました。重傷なのにもかかわらず、もう元気で、あの人は鉄人です。すごいなと思いました。

斎藤先生は、江戸時代のそういうものを全部持っていらっしゃいますから、大コレクターなのです。そういうものを使って、まさに観光の核にもなりますね。お伝えしておきます。

ありがとうございました。

参加者13(川崎市川崎区・女性)

仕事の関係で海外に行かせていただくことが少しございまして、海外の観光資源を見たときと、川崎にいらっしゃる外国の友人などから聞いたことで思ったのは、外国の方というのは、思ったよりも歩いて見て周ることがお好きな方が多いと思いました。

かなまら祭りについても、大師線とそれから臨港バスですね、こちらの方は増発もして、いろいろな方が多く使われているということなのですが、ここ2、3年では、外国の方は川崎の駅から歩いて川崎大師の方まで行かれている方も多いようです。

それを踏まえまして、臨海部の工場夜景などを見るというのもすごく魅力的なものではあるとは思うのですが、バスで周るものに関しまして、取っていただく時間が少し短いと感じるものもあり、また歩いて周れるところのアナウンスも少ないかなと思います。

そして、もう一つ魅力が少ないと思うところは、バスで観光地まで行くときの車窓から見える風景というものが少し整っていないところが多いと思います。きちんと作られたものというよりは、例えばゴミが少ないとか、雑草などをきちんと処理をするだけでも、見ていて楽しいのではないかと思います。

先ほど神奈川県でもバスツアーをたくさん作る計画があるということでしたが、日本の方の観光という感覚では、とても一つ一つの場所に取っていただく時間が短いなと私も思います。

魅力をじっくりと味わっていただくためには、一つひとつゆっくりと説明をしていただきながら、又はこういうふうな楽しみ方があるよという提案をしていただきながら、ゆっくり見られるお時間を取っていただける方がよろしいのではないかと思いました。

知事

ありがとうございました。

まさに、外国人目線での発想ですよね。こういうのがないと、我々日本人目線で、「こうだ」、「これがおもてなしだ」と作っても、完全に外してしまうということは、結構あります。非常に貴重なご意見でありました。ありがとうございました。

参加者14(川崎市宮前区・男性)

今日お話を聞いて、今日来ている先生方というのは、文化の面でも専門だと思うのです。「川崎流のおもてなし」と聞いた時に、すごく独特の文化が川崎にはあると思うので、外国人に対する文化面での理解というのをするというのが、ひとつ「おもてなし」としてできるのではないかと思っています。

それは、具体的にどういうことかというと、例えば最近、成田空港や羽田空港などでいろいろな宗教の方のための「お祈りルーム」というのを作ったそうです。スモーキングルームのような感じで、異宗教というか、宗教圏が違う人のために、「お祈りルーム」というのを作って、それが好評だったというので、お祈りルームみたいなものを作ったらいいのではないかと思いました。

知事

ありがとうございました。まさにこれも、外国人目線に立った形での対応をしなければいけない。特にイスラムの方たちなどは、決まってお祈りをされる、そういう場所が必要だ。そのお祈りルームもそうですけど、食事もそうです。イスラムの方は、豚などを食べてはいけないということが規律であります。ハラル料理、そういうものがぱっと見てわかるように、今、そういうものを神奈川県でも進めています。そういうやっぱり外国人の方のそれぞれの宗教、文化、背景に合わせた形での対応というものを進めていきたいと思います。ありがとうございました。

参加者15(男性・高校生)

さっき神奈川の観光資源が少ないと言われている方がいたと思うのですが、僕は多いと思っていて、神奈川県には鎌倉や箱根などがあるではないですか。例えば、京都は歴史的な金閣寺、京都といえば大仏とか、歴史的なイメージがあると思うのですが、神奈川には、いろんな観光資源がありますが、神奈川と言えばといったら、思いつきません。だから、そういうものを作っていけたら、もっと神奈川に来たお客さんなどを引き留められるのではないかなと思いました。

知事

すばらしいですね。京都は大仏ではないです。大仏は奈良ですよ。

鎌倉の大仏もありますが。確かにそうです。神奈川はいろいろなものがあります。神奈川県をよく、私は日本の縮図だと言っています。全部あります。横浜、川崎のような大都会もあれば、山もあれば、湘南の海もあるし、古都鎌倉もあるし、世界有数大温泉地箱根もあります。だから、神奈川に来てくれると、もう旅行に行かなくていいですよと言っています。僕と同じ思いです。ありがとうございます。

参加者16(男性・川崎高校校長)

本日は新城高校の生徒、それから川崎高校の生徒を一緒に連れてきたのですが、やはりおもてなしをする際に、今10代、そしてたぶん東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開かれるころに、10代後半から20代になる若者たちに対して、やはりどういう形でこのイベントに対して貢献できるだろうかというところを、もし知事としての視点の中から、こんな期待を持っているということがあれば、教えていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

知事

ありがとうございます。教えなくてもどうですか、皆さん自分で何ができますか。いろいろ話を聞いていると、きっと何かできますよね。

何ができると思いますか。

参加者17(男性・高校生)

自分は英語が苦手なのですが、今、高校生になって英語が難しくなり、みんな英語を学ぶうえで、ボランティア活動をしていければ、かなり英語の知識が深まるのではないかと思います。高校生の中でも、そういうボランティア活動に参加するというものを作っていけば、自分たちの知識も上がるし、おもてなしにもつながるのではないかと思います。

知事

良いこと言うじゃないですか。あなたは何ができると思いますか。

参加者18(女性・高校生)

私も英語が苦手なのですが、学校の勉強は英語の文法ですが、実際に外国人の方と話すとなると、英語が実際にそこまで上手に話せなくても、ジェスチャーで何とかなると思うから、高校生や大学生になって、自分からそういうボランティアにもっと参加してみたら、外国人とのかかわり方を学べるかもしれないので、そういう機会が増えるといいなと思います。

知事

いいですね、いきなり当てているのに。私が教えるというよりも、やはり、皆さん絶対に何かありますよ。自分たちはこんなことをやろう、あんなことをやろう、それが大事なのではないですか。

実は、言葉は大事だけど、関係ない。私は知事になる前にフジテレビに長いこといたのですが、そこでおもしろい人がいて、語学がとても得意で、英語から何からとても得意なのです。その彼と一緒にドイツへ行きました。全然英語が通じない。ドイツ語はさすがに知らない。そして、一緒に店に入ったのですが、全部日本語で注文する。「おばちゃん、おばちゃん、ちょっとこっち来て」や「これ何。」とやって、それで、全部通用するのです。びっくりしました。

だから、言葉は大事で、できた方がいいですが、やはりハートです。人間同士で、実際にやってみてください。外国の日本語が通じない人に対して、全部日本語で話しても通用することもあります。それがやはりコミュニケーションというか、そうやって一生懸命話して、何かをやってくれるのが、「おもてなし」ではないですか。そういうことを是非、実践することにしようというのが私の答えでいいですか。皆さんの力をお借りしてお答えいたしましたが。

皆さんとずっと話しをしてきましたが、最後にもう一人だけという人はいますか。

参加者19(川崎市川崎区・女性)

先ほど図書館がおもてなしの拠点としてあるということがわかりまして、高津区に新館ができるということでした。それで、神奈川県立川崎図書館は老朽化してしまったので、できればもう一つ、おもてなしの拠点を作っていただきたいなと思います。

実は私は、公共図書館で初めて使ったのが、神奈川県立川崎図書館なのです。ということで、できればもう一つ、おもてなしのすばらしい拠点を作ってほしいと思います。外国人も使えるような。よろしくお願いします。

知事

気持ちはよくわかりますが。さっきお話をした、その新しい図書館というのは、民間と一緒になって作っていくという、そういう新しい形もありますから、いろいろな工夫をしていきたいと思います。

今日、全部聞かれて、最後に感想はいかがですか。

中村 紀美子氏

まだお話したいことがある方がたくさんいらっしゃると思います。私もいろいろお聞きして、「あ、そうだよね」というのがたくさんありました。

今日、少し残念だったのは、ベトナムの方がいらっしゃいますが、もう少し外国の方がいらしたら、もっと幅広い意見が聞かれたと思いますし、障がい者の方も今日は車椅子の方だけでしたが、ほかの障がいの方たちもいらしていただけると、もっといろいろな意見があったのではないかと思います。これを川崎だけではなく、他の方にも是非、知事、いろいろなところでお聞きください。よろしくお願いいたします。

土岐 一利氏

川崎は、これからもっとおもしろくなっていくと思うので、本当にこれからが楽しみな街で、来たる2020年というのはあっという間なので、今何かしないと間に合わないぞという、そういう思いで、一緒におもしろい街にしていけたらいいなと思っています。

知事

ありがとうございました。今日は本当に皆さんと、いろいろな形でお話をしてまいりましたが、誰かが何かをしてくれるという話ではなく、自分で何をするかということ、これが一番大事なことだと思います。それが「おもてなし」ということだと思います。さっきベトナムの方が優しい言葉、声をかけてくれたというだけで、ここ日本が大好きだとなるわけです。

もちろん、行政もいろいろなことをしなくてはいけないですが、行政がいろいろなことをやっても、最終的にはやはり皆さんが温かい気持ちでお迎えする、その気持ち、「自分が何かするのだ」というのがあってこそ、初めておもてなしの気持ちのあふれた、マグネット力あふれる地域になっていくのではないかと思います。

今日は皆さん、ご参加いただきまして、ありがとうございました。

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