第16回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

掲載日:2018年4月20日

概要

第16回対話の広場Live

テーマ

ともに支えあう社会づくりを目指して

第3弾:子どもの体力向上で健康寿命日本一! -子どもの頃から未病対策-

日時 平成27年10月27日(火曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 128名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。

※参加者配布資料はこちら[PDFファイル/2.71MB]からダウンロードできます。





実施結果(テキスト版)

※参加者配布資料はこちら[PDFファイル/2.71MB]からダウンロードできます。

司会

皆さんこんばんは。本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。ただ今から、第16回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」を開催いたします。本日は、知事のあいさつ、ゲストのプレゼンテーションに続きまして、会場のみなさまとの意見交換と進めてまいります。

まずは、本日のゲストをご紹介いたします。

笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 副主任研究員の工藤保子(くどうやすこ)様。

続きまして、秦野市立しぶさわ幼稚園 教頭の北村亜弥(きたむらあや)様。

お二人の略歴は、配布資料にございますので、どうぞご覧ください。本日はよろしくお願いいたします。

お待たせいたしました。黒岩知事からごあいさつを申し上げます。知事、よろしくお願いいたします。

知事

こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。本日はようこそ神奈川県本庁舎へお越しいただきまして、ありがとうございます。この県民との“対話の広場”、これは定期的にやっておりましてね、その都度その都度テーマを決めておりますけれども、今年の大きなテーマというのはですね、「ともに支えあう社会づくりを目指して」ということでありまして、今回は「子どもの体力向上で健康寿命日本一! -子どもの頃から未病対策-」ということをテーマにしていますが、なんでこんなテーマを選んだのかということを若干ご説明したいと思います。ちょっと見てください。ここから始まります。

人口ピラミッドこれは神奈川県の人口なのですが、1970年は上のグラフのような形でした。85歳以上はほとんどいらっしゃらなかったんですね。それが2050年になりますと、まったく逆になります。なんと、一番多いところが85歳以上です。これくらい変わるんですね。このままの態勢で行ったら、こういう時代になったならば、絶対に医療そのものが持たないですね。高齢者になってみんな病院に行ったならば、もう病院が崩壊しますね。これでは、今のうちに何とかしないと間に合わないぞ、という危機感がある。神奈川県はこの進み方が一番速いんですね。だからものすごい危機感を持っているんです。じゃあどうするかと言った中で、「未病」という考え方が非常に大事だと。病気を治しているんじゃ間に合わないですよ。未病から治していくということなんだけれども、未病って何ですかと言った時に、こういう定義をしました。

「健康ですか? 病気ですか?」

会場の方にきいてみましょうか。健康な人。病気の人。どっちも手を挙げなかった人。じゃあ、完全に健康な人。完全に健康な人と言われると、ちょっと手を下げちゃう人もいますね。そういう人は未病ですね。我々の実感からすれば、健康と病気の間にスパーンとこんな線(「未病とは」左図)があるわけじゃないですよね。未病というのはこれです。グラデーション(「未病とは」右図)。健康から病気って、だんだん病気になってくる。この中のいろいろなところを行ったり来たりしているんですね、人間というのはね。どこにいても、少しでも白い方に寄せていこうというのが、未病を治すということなんです。未病を治すことによって、病気にならなくするという。健康な時代を長くするということが、超高齢社会を乗り越えていくために一番大事じゃないですか。どんなに皆さんが、ご老人がどんどん増えても、みんな元気でいてくだされば、何の問題もないわけですね。それを目指していこうと思っているわけです。

未病スケール

それでは、未病を治すために何が大事なのかというと、これです(「未病を治すかながわ宣言」図)。食、運動、社会参加。こういったものが大事だということ。食ってすごく大事ですよね、食生活って。それから運動習慣、これも大事だ。社会参加、こういったものも大事。社会から孤立してご老人が一人きりでずっといると、どんどん具合が悪くなってきますね。

食・運動・社会参加そんなことも含めてこの3つを「未病を治すかながわ宣言」ということでやってまいりました。これを今、県の主な政策として強力に進めているわけです。

この間は、この未病というのを英語にしてしまおうと、“ME-BYO”として、未病の国際サミットも開きました。つい先週ですけどね、「未病サミット神奈川2015in箱根」というのをやりました。未病コンセプトを世界に発信していこう。超高齢社会を乗り越えるモデルを神奈川から作っていくんだ、という話をしているんですが、今まではこの話では、私がターゲットと考えていたのは中高年齢層だったんですね。中高年齢層の皆さんに未病を治すことは大事だというふうに訴えたつもりなんですが、ドキッとしたことがありました。子どもは大丈夫なのかということですね。最近の子どもたちの基礎的な運動能力の低さというのは大変なことなんだ、と整形外科の先生が言っていました。しゃがむと後ろに転んでしまうんですって。和式トイレが少なくなったからかもしれませんけどね。しゃがめないといって。まっすぐ手を真上に上げる、これもできない。そんな簡単な動作がなんでできないんだと言ったら、この間、文部科学省の調査が出てまいりました。運動能力のデータを調べてみた時に、この神奈川県はなんと、運動能力からすれば、小学生が特にものすごく低いんですね。小学校5年生の女子は、なんと全国都道府県でビリですよ。えーっと思って、「食・運動・社会参加」が小学生、子どもに抜けているのか、と考えてみると、食生活は大丈夫ですかね。すごく偏食している子っていう話はありますよね。あれ、社会参加は大丈夫か。みんなスマホばかりいじって、あまり友だちとも会話しないで、遊びまわらないで。これも危なくなっているんじゃないのかなと思うと、未病を治す3つの要素が無い状態で子どもの時期を過ごしたら、この子が大人になったらどうなのか。そこから、さあ未病を治すためにこれが大事ですよと言ってもできますか、ということですね。だったら、これは子どものうちからやっていかなければいけないのかなと思って、それで未病を治すのは子どもの時代からという話を始めて、それを皆さんとともに話してみようと。いろいろな現場でいろいろなことを感じていらっしゃる皆さんもいるだろうし、若い皆さんはどんなふうに考えているかといったことも、この“対話の広場”で1回やってみたいなということで、今日こういう場を設けた次第であります。

この“対話の広場”というのは、全然ストーリーがありませんから。皆さんとの対話によって進んで行きます。私は元キャスターですから、それをうまくさばきながらですね、今日は結論に持っていきたいと思いますので、最後までご協力よろしくお願いいたします。

工藤 保子 氏(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 副主任研究員)

皆さん、こんばんは。笹川スポーツ財団の工藤と申します。今日はこのような貴重な機会をちょうだいし、本当にありがとうございます。

私がこの場に立っていますのは、おそらく3年前から2年間ほど、神奈川県教育委員会保健体育課の「子どもの体力向上に係る検討会」というところで委員を仰せつかりまして、その関係でこうやって立たせていただいていると思います。

今日、私は「子どもの体力低下の現状と体力向上への取組みについて」ということで、国及び神奈川県の全般的な状況を、皆さまにご紹介したいと思います。ただ、時間が限られておりますので、今日はちょっと駆け足でまいりますので、ついて来ていただければと思います。

体力とはでは初めに、体力の定義についてここでおさらいをしたいと思います。体力とは、体の総合的な力のことを申します。具体的にはこちらにありますとおり、肉体的な要素、それから精神的な要素、さらにそれぞれ行動体力と防衛体力という2つに分かれていきます。

それらが相互に密接して体力を形成しております。

この後、国等の体力テストの結果をご報告するんですけれども、それは主にこの図のブルーのライン、身体的な要素の行動体力の機能の部分の、筋力ですとかバランスですとか持久力、そういったものの結果をご報告しますので、体力という意味ではごく一部の数字だということを認識していただければと思います。

体力の現状では早速、子どもの体力の現状を把握できる図としてこれをご紹介します。これは、文部科学省が1964年(昭和39年)から実施している体力・運動能力調査の結果です。子どもの体力・運動能力レベルが最も良かったと言われるのが、一番左にあります1985年(昭和60年)になるんですが、これを100%としまして、それから今現在どのようなレベルになっているのかを比べることができる図になっています。30年近く経った2012年、図の一番右側の数字を見てください。一番上のブルーが50m走です。それが2012年になりますと98%。次の黄色の部分が立ち幅跳びで91.9%。下の赤の部分のボール投げはなんと81.2%まで低下しています。このボール投げに関しては、実測値で30年前は平均で25m投げられていたものが、現在約5m短くなりまして、平均で20mしか投げられないという状況になっています。

これらの結果から子どもの体力の傾向としては、1985年から1997年までに急激に落ちて来て、その後、今は横ばい、もしくは項目によっては向上傾向を示しているというのが国の現状になっています。

新体力テスト次に「新体力テスト」というものが行われております。その新体力テストの合計点数が、2002年と2012年、10年間でどれくらい変わっているかを示した図になっています。子どもの新体力テストというのは8項目で行われるんですけれども、握力とか上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、50m走、立ち幅跳び。その他にボール投げですとか、20mシャトルランなどが入った8項目で構成されています。

その合計点数を見たものなんですが、図の見方としては、横軸が6歳から19歳という年齢になっています。縦軸が合計点数になっています。ちょっと見づらいですが、下の折れ線グラフが2002年です。上が2012年です。概ね2012年の方がすべての年齢で2002年を上回っております。今の傾向としましては、1985年よりは依然体力は低いけれども、体力テストの合計点数を見てみると徐々に向上しているというのが現状になっています。

もう一つ、子どもの体力の現状を詳細に把握できるデータとして、文部科学省が小学5年生と中学2年生に毎年実施している「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」というものがあります。体力・運動能力テストの合計点の分布を出しているんですが、体育の授業と通学の時間を除いて1週間の総運動時間が420分以上の人、これは1日平均1時間以上動いているという人と、420分未満の人に分けて示しています。

体力の二極化これは中学2年生の男女の結果ですけれども、青い棒グラフが420分未満の人のグループです。黄色のグループが420分以上の人たちです。見ていただくと、右側は女子ですが、山が違う形をしていますよね。緑の線が見えるのが分かりますでしょうか。これは何もグループを分けないで分布させたときには、普通に山なりになっているんですけれども、実はよく見ると、よく体を動かしているグループとあまり動かしていない人の点数が全然違うんですね。男子では9.5点平均が違います。女子は11.2点も差が出てくるんです。これで何が分かるかというと、体をよく動かしている子と動かしていない子で二極化が始まっているということ。特に女子はすごいと思います。男子はやっている子の方が多くて、やっていない子が割と少ないんですけれども、女子は半分くらいやっていなくて、半分くらいよくやっているというようなデータになっています。

この図から分かることは、今の中学校では、これは小学生も同じ傾向なんですけれど、体力が二極化している。で、体力の平均値を下げているのは、実はあまり体を動かしていない子の平均値がどんどん悪くなっているからなんです。平均というのは、良くも悪くも足して割りますので、この体を動かしていない子たちを、これからいかに少しでも体を動かすような施策をとっていかなければいけないかというのが、この図表から見て取れると思います。

こういった問題を踏まえて、文部科学省でも2012年に発表した「スポーツ基本計画」の中で、子どもの体力・運動能力の目標を発表しています。ちょっと読ませていただきます。「今後10年以内に子どもの体力が、昭和60年(1985)頃の水準を上回ることができるよう、今後5年間、体力の向上傾向が維持できる、確実なものを目標とします」となっています。2012年に発表されていますので、2022年までに30年前の水準まで戻すぞと。2017年までには、まずこの向上傾向を維持できるようなものをやっていきますと宣言をしています。

神奈川の体力次に神奈川県のデータをご紹介します。先ほど知事からもご紹介がありました小学5年生と中学2年生の調査の最新、2014年の結果です。皆さま、神奈川県の順位は近隣の県と比べていかがでしょうか。知事がおっしゃっていました小学5年生の男子は全国46位、女子は47位。中学2年生の男子で全国44位、女子が46位です。

さて、同じ関東にある千葉県、埼玉県の5位とか4位という順位。なぜこんなに違うのでしょう。実は、このことについて私が関わらせていただいた先ほどの検討会で、何回も議論をいたしました。その結論の一つとして今挙がっていますのが、真面目に一生懸命に体力テストに取り組まない児童・生徒が多いのではないか。本当にそうなんです。ということは、逆に言うと、真面目に一生懸命にみんなが体力テストで走ったり、投げたりすれば、おそらく神奈川県の順位はあっという間に上位の方に上がってくると思います。これは児童・生徒だけの問題ではなくて、そのように取り組む姿勢につなげる教師や保護者の関わり方というのも、関係してくると考えています。

ハンドブックただ、このことについては神奈川県では既に取組みがなされていますので、そのいくつかの事例を今日はご紹介いたします。

皆さん、こちらのハンドブックをご覧になったことはありますでしょうか。今、私の手元にあるんですけれども、左の緑の方が中学生用です。手前が教師用になっていまして、奥が生徒用になっています。また小学生用と中学生用がありまして、小学生用は低中学年用と高学年用に分かれ、すごく丁寧に作られているものです。今から5年前の平成22年に東海大学の小澤治夫(おざわはるお)先生の研究室の協力のもと、神奈川県として体力テストで力を出し切るための解説書ということで、県内の全小中学校に配ってあるものです。見たことがある方、いらっしゃいますか。数名いらっしゃいましたね、ありがとうございます。

ハンドブック教師用ちょっと中身をご紹介したいんですけれども、こちらは、教師用の中身の一部で、右下に「Teacher’sMemo」として、指導者の方がどういうところをポイントにすればいいかというアドバイスが書かれています。例えば握力なんですけど、握力についてはこう書かれています。握力は、腕の筋力だけでなく、全身の筋力の指標となります。握る前に反対の手を強く握ると、測定側の手に力が入ります。ということは記録が良くなるということなんです。また、小学生などはタイミングが分からないので、生徒に対して「せーの、はい」と声をかけてあげましょう。こんな丁寧なコメントが書かれているんです。

これは他の県からも素晴らしいということで、ぜひ参考にさせていただきたいという希望があったということをうかがっています。実は私の息子たちも、当時このポイントを伝えましたら、実践すると良い結果が出たよと報告してくれたんですが、残念なことに私は千葉に住んでいますので、神奈川県のデータには貢献できなかったということがあります。

その他、次の取組みとしまして、これも検討会で出たアイデアの一つなんですが、今「夏休み みんなで朝ラジ!!」プロジェクトというのをやっています。県内には意外と大人の方たちがラジオ体操に親しんでいらっしゃるグループが非常に多いということが分かりましたので、大人の健康づくりのみならず、多世代で効果が期待できるということで、昨年度からこういったプロジェクトも始まっています。健康寿命日本一に向けて、子どもも大人も一緒にということで、このプロジェクトが進んでいます。

その他、簡単に名前だけご紹介しますが、現在ですと「子ども☆キラキラプロジェクト」、「子どもJoy!Joy!プラン」、「チャレンジデー」というのがあります。皆さん、チャレンジデーをご存じの方、いらっしゃいますでしょうか。ありがとうございます。

チャレンジデー今日はお手元にチラシも配らせていただいているんですけれども、笹川スポーツ財団が日本の窓口となっている、市民総参加型のスポーツイベントになります。チャレンジデーは毎年5月の最終水曜日に世界規模で実施されている、人口規模がほぼ同じ自治体間で争う、住民の参加率を競うイベントです。今年は日本全国で130自治体、約280万人が15分間以上体を動かしてくださいました。神奈川県は2012年に逗子市で始めていただきまして、今年度は10市町で実施していただきました。県内で約17万人が体を動かしてくださっています。幼児のほかにも小学生、中学生、高校生もこのイベントをきっかけに体を動かしてくださっています。チャレンジデーの狙いはスポーツに親しんでもらい、健康づくりの意識を高めてもらうということで、わざわざ平日の水曜日にやっているんですけれども、医療費の削減ですとか、健康寿命の延伸などが期待されますので、今後も県内でチャレンジデーにどんどん参加していただける自治体が増えればうれしいなというふうに思っています。

では最後に、今年の10月にスポーツ庁というのが文部科学省の中に設置されました。皆さんもご存じだと思います。その新しいスポーツ庁で、来年から子どもの体力と健康を考える「子供の体力向上課題対策プロジェクト」というものに予算を2億1千万円、今、要求をしています。来年度、子どもの体力の向上に向けて、国としても調査研究事業、実践事業、それからプログラムの開発を進めていくということです。調査研究では、黒岩知事がおっしゃっている、体力がその後の健康にどのような影響を与えていくのかについて調査を始めるようです。

ただ、子どもの体力については、これからも継続して、国ができること、県ができること、市区町村ができること、学校ができること、家庭ができること、そして一人ひとりが個人で、またそれぞれの立場でできることに継続して取り組んでいく、本当に大切な大きなテーマであると考えています。そのことを最後に述べさせていただきまして、私の発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

北村 亜弥 氏(秦野市立しぶさわ幼稚園 教頭)

これから本園が行ってきた健康体力づくりの取組みについてお話をさせていただきます。秦野市立しぶさわ幼稚園教頭の北村です。よろしくお願いいたします。

教師の悩み本園は開園40年目を迎えた公立幼稚園です。年少、年長2クラスずつ、園児数は127人。2年保育です。

さて、これは教育現場の先生の悩みの一部です。幼稚園から大学まで、どの学校の先生の悩みだと思われますか。実はこれはすべての学校に当てはまります。驚くことに、幼稚園に入園したての4歳児でもすでに大きな体力の差があります。経験の少ない子が、自分から体を動かそうとしないまま大きくなっていくと、運動しない子とする子の二極化はますます進んでしまいます。

そこで、私たちはみんなが運動することが楽しいと感じられるような保育を考えてきました。

しぶさわ幼稚園では元気な体つくり、健康な生活習慣づくりをするためにこの5つに重点を置いて、保育に取り組んでいます。

5つの重点

36の基本動作順番に説明します。まず遊びの中での36の基本動作の習得についてです。

山梨大学、中村和彦(なかむら かずひこ)教授による人間の基本的な動きを36に分類した表です。【図の拡大】この基本動作を繰り返し行うことで発達段階に必要な動きが獲得できます。遊びを通して、色々な動きを経験することで、運動能力+けがをしない丈夫な体づくりにつながると考え、実践してきました。まずは日頃、経験しにくい動きが取り入れられるような環境作りをしました。

また、先ほど幼児の経験の差の話をしましたが、親子の触れ合い遊びが少ないことも原因だと考えています。安心して体を任せられるお父さん・お母さんと、でんぐり返しで逆さ感覚を味わう、おんぶで振り落とされないようにギュッとしがみつく、高い高いをしてもらった時に脇を締めるなどの体験も十分にできるよう、保護者に遊びの紹介をしています。

壁当て次は、教師が投げかけた遊びです。全国的な傾向としてボール投げの数値が低下しているため、投げる動作を経験できるような遊びを考えてきました。

これは、昨年担任していたもも組の幼児が、ボールを壁に当て、跳ね返ってきたボールを捕って遊んでいるところです(「壁当て」図)。一日5分、冬の間、繰り返し行ってきました。

文部科学省の調査でも使われるMKS幼児運動能力検査の結果、もも組の幼児は、年少の6月の時点では3.0と全国平均と同等でした。それが年長の3月には男児は平均3.2、女児は3.8という結果でした。女児が大きく平均を上回ったのは、男児ほどボール遊びが盛んではなかったのが、このような活動の中で投げ方のコツや面白さを感じ、繰り返し取り組むようになったからだと思います。また、特徴としては以前と比べて、遠くに投げられる子、投げられない子の差が小さくなったことが挙げられます。ほんの少しの働きかけで幼児が変わるということを実感しました。

小さなことでも何かができるようになると、子どもたちは「やればできる。頑張ったらできる」という自信を持ちます。自信が運動意欲を向上させ、意欲が運動する機会の増加につながり、その中で回りの人に認められるという良いサイクルができます。運動経験の少ない子こそ、日々の遊びの中で、スモールステップで自信を積み重ねていくことが大切だと考えています。

次は、自然との関わりについてです。本園は徒歩圏内にさまざまな自然体験フィールドが広がっています。豊かな自然の中で子どもたちは心を躍らせ、のびのびと全身を動かして遊びます。半日遊ぶと大人でも歩数にして10,000から15,000歩くらいになりますので、幼児の足だと20,000歩は下らないと思います。

次に、人とのつながりについて説明します。本園の課題として、降園後の運動時間が短いことや、親子で一緒に体を動かして遊ぶ機会が少ないことが挙げられます。そこで保護者の方を子どもたちの遊びに巻きこむ工夫をしました。まず、「わくわくタイム」と称し、月に1回、降園後1時間程度、親子で運動できる場をつくりました。回数を重ねるごとに、子どもと一緒に運動を楽しもうという意識が高まっていくことを感じます。また、降園後、幼稚園の園庭を開放し、遊びの場を提供しています。親子で遊べるよう、バドミントン、ボールなどを自由に使えるようにしました。お父さんやお母さんが遊びに加わってくれることで、いつもと同じ遊びがさらに楽しく感じます。

また、幼稚園の職員は女性が中心ですので、なかなか男性のようなダイナミックな動きや刺激を子どもたちに与えられません。そこで力いっぱいぶつかって行っても受け止めてくれる、頼もしいお父さんやお祖父ちゃんに保育に参加してもらう機会を作っています。

ジョイジョイ通信子どもたちの健康な生活習慣や生活リズムづくりを目指し、家庭への意識づけや園生活の見直しを行ってきました。保護者への啓発として、「JOYJOY通信」を発行しています。その時々で、内容は変わり、関心を持ってほしいことを掲載します。本日の配布資料にも1部付けてありますので、後ほどご覧ください。

保護者アンケートや朝の子どもたちの様子から、登園時まだ脳や体が完全に起きていないという印象がありました。脳と体を目覚めさせるため、登園後すぐに、教師や友達と一緒に体を動かして遊ぶ「あさいち運動」の時間をつくりました。約20分の短い時間ですが、体を動かした後は、集中して話を聞いたり、意欲的に次の活動に取り組んだりしており、生活リズムづくりに効果があることを実感しています。

あさいち運動あさいち運動の様子です。上は年少クラスがジャンプやくぐる、渡るなどの動きを取り入れ、室内で遊んでいるところです。下は寒い季節に体を温めるために、みんなでマラソンをしているところです。マラソンというと苦手意識を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、このマラソンは競争ではありません。音楽1曲分の長さ走るということと、疲れたら年少児はコースから出て休む、年長児はペースを落とし足は止めないというルールがあるだけです。これだけのルールですが、年長児は自然に10周走るなど、自分なりの目標を持っていきます。自分で立てた目標をクリアすると、自信につながっていきます。マラソンの後は、それぞれのクラスで壁あて、タイヤ跳び、縄とびなどをして遊びます。あさいち運動で行う活動と日ごろの遊びは相互に作用し合い、興味が広がって、より運動あそびが盛んになっていきます。

最後に食習慣です。子どもや保護者への食育教室を開催したり、JOYJOY通信で朝ごはんの大切さについて取り上げたりしています。しかし、子どもがあまり食べてくれないなど悩みを持つ保護者も多いので、気負わずに取り組めるよう、まずは何かを口にするところから始め、主食+1品などという具合に増やし、徐々に栄養バランスを考えてみるように提案しています。

また、自分で栽培、収穫したものを食べる喜びを味わえるような体験を大切にしてきました。手をかけたものは一段とおいしく感じ、残さず食べようという気持ちにもつながります。

さまざまな取り組みの中でいろいろな変化がありました。子どもの中では、「『やればできる』という自信が持て、進んで体を動かして遊ぶようになった」、「苦手意識や抵抗感を持ちにくくなり、いろいろな運動遊びに挑戦するようになった」、「体力がついたこと、運動遊びの面白さを感じることで遊びの持続時間が伸びた」、「あさいち運動を楽しみにし、遅刻しがちだった子が余裕を持つて登園するようになった」、「一日の平均歩数が増加した」といった変化がありました。

保護者の中では、「生活習慣、食習慣に対する意識が高まった」、「体を動かす楽しさを思い出し、進んで運動する姿がみられるようになった」といった変化がありました。

歩数の変化平均歩数の変化を示したグラフです。平成24年度に比べ、25年度は、園児の1日の歩数が大きく変化しました。園だけではなく、家庭における運動量も増加しており、保護者の意識の変化も一因であると考えられます。

そして私たち教師も、「36の基本動作」を踏まえて、これをしたら楽しそう!など教師自身も楽しみながら、遊びの環境や保育を工夫するようになり、やればできるという自信が持てるよう、小さな変化を見逃さず、その子にあった援助や一人一人を認めるような言葉がけをするようになりました。

今後も、私たち教師も幼児とともに体を動かす楽しさを味わい、元気で生き生きとした子どもたちを育てていきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

知事

ありがとうございました。

本当に私が言った通りだったでしょう。子どもたちの運動の能力がこんなに落ちている。なんだか意外な感じがしませんか。神奈川って、この間、東海大相模が優勝したし、スポーツが強いという印象がありますよね。

だから、強い人はすごく強いのだけれども、基礎的な体力がすごく落ちているというのは、まさにその通りであるし、しかしそういう現状の中で、やはり北村先生などは子どもたちを一生懸命巻き込んでやったら、ちゃんと成果は上がってくるということですよね。

5つの重点逆に言うと、やらなければいけないことはいっぱいあるのかな、なんでそれができていないのかな、そもそもなんでこんなふうになっているのかな、これからどうしていけば良いのかな、といったことを皆さんとともに議論したいと思いますけどね、さっき本当にビックリしたのは、この図ですよね。先ほど私が見せた未病を治す3つの要素と実によく似ていますよね。先ほど言った3つは「食と運動と社会参加」だったんですね。まさにそうですね。「食習慣」は食ですね。「人とのつながり」というのはまさにこの社会参加ということなんでしょうね。「遊びの中での36の基本動作の習得」、これがまさに運動というところなんでしょうね。こういったもの、やっぱりこれによって子どもたちの元気な体と生活リズムをつくっていこうと言って、逆に言うとできていないという現状があるということが、見事に浮かび上がってまいりました。食・運動・社会参加

さあ、これから皆さんとともに現状を分析しながら、どうしていけば良いかということを議論していきたいと思います。

ここから先は、先ほど言ったようにシナリオがありません。皆さんの感想、例えば、私はこんなことで問題があると思うんだとか、子どもたちの現場は今こうなんだということでも良いし、こうしたら良いんじゃないですかとか、何でもけっこうです。さあ、行きましょうか。

 

参加者1

私は港北区から参りました、日本ステッピング協会のフジノと申します。

いつも黒岩知事とお話をさせていただいておりますが、この13cmの踏み台なんです。これを、私どもは、黒岩知事が提唱されております健康寿命日本一、それから介護予防、認知症予防、それから未病対策に10数年前から取り組んでおりまして、結果を出しております。

今日はお子さんの時から未病対策ということで、私どもは今まさにそれを実行しております。で、3つ、今日はご報告と提案を申し上げたいと思います。

その1つは、私の知人の息子さんが小児科の先生です。で、先ほどの北村さんのところの秦野の国立病院機構神奈川病院。小児科の先生なんです。ご存じのように、今、小児科の子どもの糖尿病が多いんですね。まさに大人と同じくお腹が出ている子どもが多い。それで困っておられる。私どものステッピングをお母さんから息子さんの先生にお伝えして、皆さん子どもさんはゲームに専念する。運動は嫌い。で、先生がそこで一案を考えたのは、運動をさせるためにゲームをやってもいいよと。そうしたらステッピングをやりだしたんですね。たった13cmの台ではございますが、歩くウォーキングの3倍から4倍の筋力がつくことは実証されております。ですからその先生は、これをぜひ子どもにやらせたいと。で、かなりの結果が出たようでございます。

それからもう1点は、目の悪い方、横浜にも訓盲学院がございますけども、そちらに参りまして、私どものこの台だったら外に行かなくても実際できますからいかがですか、って提案にまいりましたら、既に私どものホームページをご覧になって、取り入れておられました。まあ、そういうことがございました。

3点目は、小田原在住の小学校と幼稚園児のお母さんがこのステッピングを実際体験していただいたんです。で、私どもはコグニサイズもそうですけれども、歌を歌いながら、数をカウントしながら、子どもが昇って、たった30段で「お母さん、こんなに温かくなったよ」と。こういう結果も出ておりますので、幼稚園でも、北村先生のところでいろんなことを今拝見しまして、ぜひ運動、遊びの後に、最後にステッピングを取り入れていただくと相乗効果がすごく上がりますので、それを一度ご検討いただいて、またいつでも応援に駆けつけます。実は12月の19日に小田原の諏訪の原公園から依頼がございまして、未病対策にぜひステッピングを、イベントに組んでいきたいということで、私の方は大人だけじゃなくて子どもも参加するように、今提案しております。

この3点を、ちょっとご報告かたがた申し上げました。

知事

はい、ありがとうございます。

もうステッピングもすごいですよ。シャツまでステッピングと書いて、やっていらしてね。一番、健康に熱心に取り組んでいらっしゃる。

でも、子どもたちは、これはつまらないんじゃないですか。

参加者1

だから歌いながらやるんです。リズムを取りながら。

知事

歌いながらやると楽しいんですか。なるほどね。コグニサイズの子ども版ね。コグニサイズというのは、認知症にならないようにするために、歩きながら歌を歌うとか、歩きながら計算するとか、そういうことなんですけどね。

ステッピングを紹介していただきました。はい、他にどうぞ。

参加者2

神奈川総合高校から来ました、横浜市旭区に住んでいるコバヤシと申します。ちょっと話が長くなっちゃったら、3分で切っていただいてけっこうなので、すいません、長くなっちゃったら申し訳ないです。

工藤さんのプレゼンであった話で、神奈川県の子どもの体力の現状は、っていうところで思ったんですけど、神奈川県の順位が低かったということに関して、1つの見解として、まだ本気を出していないだけ、みたいな感じのことをおっしゃっていたと思うんですけれども、それって、本気を出していないのであれば、本気を出せばできるのだから、わざわざ運動能力のスポーツテストとかの結果を気にする必要はないんじゃないかな、と捉えることができてしまって、その後に話されていた取組みで、Let’sEnjoy!のやつなんですけど、それも、なんかその、体力テストに合わせて作ったやつで、体力テストだけ良ければいいみたいな印象を私は持ってしまったんですね、この説明だと。

なので、後のお話にあった北村さんの幼稚園のように、そこだけじゃなくて、全体的に、そして続けていけるようなものをやっていったら良いんじゃないかな、もっと良くなるんじゃないかなって思いました。以上です。

知事

鋭い指摘ですね。鋭い、すごい。僕もなんとなく感じたようなところでもありましたけど、まあそれはそういうものかな、なんて思っていましたけれども。ちょっと工藤さん、どうですか。なかなかシャープなズバッとくる質問でありましたね。

工藤 保子 氏(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 副主任研究員)

今日はちょっと時間が無くて言葉足らずのところもあるんですけれども、やはり体力テストというのは1つの指標で、47都道府県が自分たちの立ち位置を感じ取るテストでもあるので、それが悪くてもずっと無視していいだろう、というものではなくて、1つの基準としてある程度肌感覚に合う数字が出てこないのはなんでだろう、というところはやっぱり探っていくべきだと思うんですね。

ハンドブックの一番最後にいろいろ書いてあるんですが、新体力テストも、やっぱり楽しくやろうっていう、そのための仕掛けが書かれてあり、東海大学の小澤先生をはじめキャラバン隊で回ったりされているんです。例えば、握力はなんで測る必要があるんだろう、反復横跳びはなんで必要なんだろうというのも、本来ちゃんと説明をして測ると違ってきますよね。反復横跳びは体の向きを変えたりする身体の動きに対しての俊敏性を測るっていう1つの目安になるので、それを測っているとか。20mのシャトルランは、普通の持久走よりも持久力が最大酸素摂取量という心肺能力とすごくリンクしている効果が測れるよ、ということが分かっているので、20mのシャトルランを小学生からするんだとか。握力は手だけなんですが、実は体全体の筋肉量の目安になったりするんですね。で、そういうものなんだよということも、ちゃんとやっぱり子どもたちにも教えながら、ただ単に記録を伸ばそうじゃなくて、自分が去年、例えば小学4年生の時はこういう記録だったけど、1年間頑張ったらこの部分は伸びなかったけど、この部分は伸びたんだとか、自分の中での達成度というのもあると思うんですよね。

なので、あのハンドブックを使いながら、いろいろ子どもたちに問いかけもできるし、そういう意味ではすごくいい素材が神奈川県にはあるということを、ちょっとご紹介したかったのです。ぜひこのハンドブックを、今ご発言いただいたように、どうやったら楽しく継続してできるかなという時の素材として使っていただきたいと思います。ありがとうございます。

知事

これね、僕も同じ疑問を持っていたんですよ、実は。今やっていることは、数字が上がるコツっていうのがあるんですよね。コツっていうのがあって、さっき握力の時、反対の手をぐっと握るという話がありましたよね。要するに、ああいうのはただ単なる技術じゃないか。受験で言えばテクニックみたいなことじゃないか、って僕も正直思ったんです。同じことですよ。

でも実際やってみて、人間というのは、良い結果が出ると楽しくなるじゃないですか。そうするともっとやってみたいな、って思いますよね。そもそも神奈川の子どもたちが、体力テストの時に本気を出さないというのはなんでなのかな、ということを考えると、本気を出した時の楽しさ・喜びというのを、あまり知っていないからじゃないかな、というふうに僕は感じたんですね。本気を出したらもっともっと行くぞと。ほら、記録ってそうじゃないですか。なんであんなにスポーツを一生懸命に走ってやっているんだといったら、ちょっとでも記録が伸びたら楽しいでしょう。だから苦しい練習にも耐えて、記録をどんどん伸ばしていこうとするわけじゃないですか。

それはやはり基本的な動機づけがない。どうせこんなこといい加減にやってりゃいいんだろ、みたいな子は、やはり運動習慣というのはついていないのかな。それが1つの指標として分かるのかな、というふうに僕は解釈したんですけどね。

参加者3

神奈川総合高校から来た、港北区に住むホンダといいます。

私は18年間、生まれてからずっと今住んでいる家に住んでいるんですけど、さっきの記録の中で、ボール投げの記録がどんどん落ちていると言っていたじゃないですか。ずっといて思ったのは、どんどんボール遊びできる場所が少なくなっているな、って思うんですね。小さい頃、よくお姉ちゃんに連れられて外でボール遊びしたり、友だちとボール遊びをしていたんですけど、今一番下の妹が小学4年生で、全然ボール遊びする場所がないから、全然外にも行かないし。私の場合は、小学校の時、外でバスケを習っていたんですね。チームに所属してやっていたんですけど。その時思ったのは、小学校の校庭ってけっこう開放されているんですよ。でも中学校になっちゃうと、今度は校庭を部活が使っちゃうじゃないですか。だから帰宅部の子だったり、文化部の子だったり、そういう子って運動する場所が本当に無いんですね。だから、そういう運動できるような場所を、ボール投げができるような場所をもっと作っていただきたいなと思いました。

知事

良いことを言いますね。これも、僕も感じていたことですね。

僕なんかが小さい頃って、必ず野球というかボールを投げていましたよね。公園に行って野球をやったりとか、僕は元々神戸なんだけれども、道で野球をやっていましたよ。今だったらできないでしょうね。交差点のところで、ボールを投げて野球をやっていましたよ。もう壁にボールをぶつけて、毎日やってました。壁のところにストライクゾーンを描いて、そこに当てるようにして投げていましたよ。公園に行ったら、ボールを投げて打ったりとかやっていましたけど、今、公園に行ったら「ボール投げはしないでください」って書いてありますよね。

僕は自分が父親になってから、うちは2人の息子がいるんだけれども、公園に行ってやってましたよ、実は。ボールを投げちゃいけないと言いながらも、柔らかいボールなら良いだろうと言って。柔らかいボールで柔らかいバットで、ばーんと打ったりして、それはすごく楽しかったというのはあるけれども、最近の公園に行くと「大きな声で騒がないでください」って書いてあるんですよね。

まさに場所がないですよね。場所がない。今、小学校の校庭って、いっぱい開放をしているんですか。

スポーツ課長

スポーツ課の浦邊と申します。

学校の開放につきましては、神奈川県では、小中学校ではほぼ100%の学校で行っています。事情がある場合を除いてですね。それから高校についても、約90%の高校で行っています。ただ、先ほどお話がありましたように、特に中学・高校ですと部活動というのがありますので、なかなか開放できる時期だとか時間が限られているというのも現状であります。そういったことは確かに、課題となっているという現状にございます。

知事

朝はどうですか。早朝は。

スポーツ課長

早朝の開放というのはやっていないんじゃないかと思います。

知事

以前この場で、全然別のテーマで出た話だけれども、子どもの居場所がないという話があって。僕なんかが小学校の頃って、朝早く学校に行って、とにかくドッヂボールを一生懸命やってましたよ。陣地を取って。ドッヂボール、朝早く行って。

ところが今は、そんなに早く行っても学校が開いていないっていいますね。

スポーツ課長

そうですね。決まった時間よりも前には来ないでくださいという学校もあるというふうに聞いています。

知事

こういう問題があるんですよね。この辺をどうすればいいか、皆さんと考えていきたいと思いますが。

参加者4

広野台(座間市)から参りましたカワムラと申します。

ちょっとボール投げに絡むお話で、現在座間市公立の保育園8ヶ所と地域が連携して、ボール投げを通して自信の種を授けて卒園させようというプログラムを実施して10年になります。それのお話を、ちょっとボール投げの話がありましたので、お話ししたいと思います。

そもそも私は神奈川県座間市の方で、少女ソフトボールを25年指導してまして、その縁がありまして中学校の部活動に5年関わりました。そこで目の当たりにしたのは、運動の苦手意識を持った子たち、それから基礎運動をしていない子たちにもたらされる不利益がものすごく大きい。特に肉体的とか体力的な問題以上に精神的な積み重ねの被る不利益が大きいということに気づいたことと、それが学校の先生に負担になっているし、また一方で、その現実をお母さんたち、保護者の方が知らないということに気づきまして、それでこの問題を解決するためにということで、私の小学生を教えていた時のプログラムを使いまして、少女ソフトボールの指導をするときに、運動の苦手な子もどんどん入ってくるわけですけど、その子たちにまず自信をつけさせるためにボールを投げるということのプログラムを段階的に作って、そのステップを上がらせて自信をつけてからいろんな練習に取り組むということをやっているんですが、それを運動の苦手なお母さんや、ボール投げのできない保育園の先生方に、初めの一歩が教えられるようなプログラム「なるほど投球塾」というのを作りまして、それを保育園で実施してもらいましたら、それが効果を生んで、今年々やるところが増えて8保育園になったと。

で、そこでの効果と言いますのは、子どもたちが遠くに投げられるとかっこいいとかいうことは当然あるんですが、一番大事なことは卒園するときにどのくらいの子どもたちがボールが投げられる、またはドッヂボールが好きになったかということをバロメーターにしているんですけど、今年の春の調査では、男子の95%、女子の85%が、ボール投げ・ドッヂボールが好きと言って卒園していったということがございます。

実は、そこまでは良いんですが、もう一つそれがうまくいった背景にですね、座間市には20数年続く保育士会が主催するドッヂボール大会っていうのがありまして、このドッヂボール大会向けの練習を、勝つための練習だったのを、全員がボールが投げられるようになって自信をつけさせるという練習の基に大会に臨むというプログラムに変えてしまったという。

まあ、そういうことが一つの参考になればというふうに思うんですが、今まさにお話が出てました。小学校に行ってから投げる場所がないということが、次の大きな課題になっているという話でございます。

知事

ありがとうございます。

ボール投げとおっしゃっているのはドッヂボールが中心ですか。

参加者4

ドッヂボールと小さいボール、小学校で使う両方をやっています。体力テストの時に、2mのサークルの中でワンステップしてボールを投げたりすることも、保育園のところからやっているということです。要は、ボールを投げるという球技の種目が学校で多いということで、人に見られる、投げられない、恥ずかしいということをクリアにしてあげるということが大事ということですね。それからドッヂボールに関しては、痛い、怖い、投げられないというのが嫌いになる要素なので、それをクリアにしてあげて取り組んでいるということです。

知事

そうですか。

(高校生に)皆さんたちはボールを最近投げてますか。投げている人。あ、みんな投げているの。なんでボール投げているの。バレーボール部。なんだ(笑)。それはそうだけどね。小学校の時ってボール遊びは何をやっていたの。ドッヂボール。ドッヂボールをやっていた人。ドッヂボールは今みんなやるんだ。これはやっているんですよね、ドッヂボールはね。ドッヂボールというのは一番簡単だし、そんなに広い場所もいらないし、僕なんかの頃はドッヂボールは、もう死にもの狂いでやってましたけどね。

参加者5

横浜市港北区から来ました。子どもが自分の体を思い切り使って遊べる場所を増やしていこうということで、乳幼児期からの子どもたちがいつでも自由に参加できる遊び場をたくさん作ってきています。

私たちがその活動を始めたのは、公園で遊ぶ子が少なくなったという危機感からです。その活動をしてもう20年以上になりますが、お母さん・お父さんたちが子どもを小さいうちから外で遊ばせるという意識が無くて、0歳児の時に3人くらいお友だちができると、ほとんど建物の中で遊んでいます。建物のあるところに遊びに行っています。で、そうすると、子ども自身が目いっぱい体をつかって遊ぶチャンスが無いんですね。それをできるだけ公園で遊ぶような、いろんな地域のボランティアの人たちが活動を始めて、乳幼児期から幼稚園の終わった午後の時間、それから小学校の放課後の時間、土曜・日曜も、自由に何の約束もなくそこに行けば好きなように遊べるという空間を作ってきています。

おかげさまで横浜市はそういう活動をできるいろんな施策をしてくださいまして、その場所が増えたんですが、神奈川県域でもそういう活動をしている団体が20ヶ所くらいあるので、できれば県の方でももっと活発な遊びができる工夫をしていただきたいのですが。

知事

ありがとうございます。

それはどうやって皆さんが自由に遊べる空間を作るんですか。

参加者5

自分の責任で自由に遊ぶ、ケガと弁当は自分持ちという合言葉をみんなで言って、好きに遊びましょうねというふうに。

知事

どういう場所ですか。

参加者5

最初は普通の雑木林でスタートしました。そのうち、公園が良いよね、というふうに普通の公園に行ってやったんですが、そうやると公園にある遊具よりは、私たちが仕掛けたロープ遊具の方がとても面白いので、それを使って遊ぶようになり、木登りするようになり、それから水を使って遊ぶようになり、斜面を駆け回って遊ぶようになり、子どもって基地作りが大好きなんです。木の上や茂みの陰に基地を作ったり、それから高いところに登って遊んだり、本当に基本的な遊びの中で自主的に体力をつけていきます。で、外遊びは子どもの健康な体を作る生ワクチンだと思っています。まず、外に出て遊ぶ。その機会を社会の意識改革として、していかなきゃいけないなというふうに思っています。

知事

生ワクチンですか。すごいですね。なるほどね。

こういう遊び場は、横浜市はやっていて、神奈川県はあまりできていないんですか。

スポーツ課長

県でやっていることは、外遊びの奨励は行っています。例えば、こういうような外遊びがありますよというような情報を出して、あともう一つ今お話があったように、公園を持っている市町村の方に、ぜひ公園を使っていろいろと外遊びについて奨励していきましょうというような働きかけは行っていますけれども、直接的なアプローチというのは、そういった外遊びの周知といったものが中心になっています。

知事

今のお話みたいに、ここを自由に遊べる場にしようというふうな話は、市町村の話ということですね。

スポーツ課長

そうですね。基本的には施設を持っているところでまずはお願いしますということです。

知事

何を言っているかというと、市町村の権限のところなので、県はやりましょうと呼びかけているという話をしているわけです。

参加者5

県立公園もありまして、私たちは県立公園も使っているのですが、公園法というのがあって、基本的にやっちゃいけないんですよと言われながら、とりあえずやっても良いですけどね、というとてもあいまいな状況で実施しています。

そこで問題なのは、1人でもクレーマーがいるとダメですって言われるんです。それって子どもにとってどうなのでしょうかね。例えば地域の100人の人が良いことだね、って言ってくれているのに、1人のクレーマーがいると遊べなくなってしまう。だから公園で騒がないでくださいとか、木登りはいけませんよとか、公園の水道を使って遊ばないでくださいとか言われるんですよ。

知事

いや、その通りですね。本当に最近、子どもの声というのは騒音かという議論があるじゃないですか。わーっと騒いでいたら、子どもの声がわーっとあるというのが生活のノイズというか、これがあるのが当たり前と思っても、それがやっぱり神経に障る人がいるわけですよね。冗談じゃない、と言って行政に持ってこられるわけですよね。何をやっているんだと言って。あと例えば、公園の中でも、ちょっと事故が起きたといったら、管理責任はどうなっているんだと言ってくるから、問題が起きないようにしよう、起きないようにしようとすると、みんなが駆け回ったり大騒ぎしたりする場がだんだん無くなってくるという。そういう社会の問題が子どもたちのところにどんどん来ているんですよね。いやあ、いろいろ浮かび上がってまいりますね。

参加者6

横須賀から来ましたニイボリです。

いつもサッカーで審判をやっているんですけれども、小学生の。今問題になっているのは、先ほど来ご説明があったように、女子の、特に中学生からの女子が運動不足。まあ、バレーボールをやられている方はそんなことはないと思いますけれども、やはりスポーツをやるというんじゃなくて、何か楽しみたいとか、今は世の中が変わっていますから、例えばEXILEですか、E-girlsですか、あのダンスとかあるじゃないですか。ああいうのが非常に盛んになっていて、うちのかみさんもそういうのを見るのが大好きで、真似するのが好き、見たことはないんですけど、そういうようなことで世の中も変わっている、ケータイも変わっている、楽しみ方も変わっているんで、例えばそういうもので何か集う場を作ったりとかすると、参加して体を動かすことができるんじゃないかなと。僕なんか、ちょっとこれ、思いつきで思ってるんですけれども、なんかやっぱり世の中そういう意味では楽しいなって見てるのが、そういう音楽とダンスだとかっていうのが女子はけっこう惹きつけられるんじゃないかな、と思うんで、その辺に焦点を当てて何かやったら楽しめるんじゃないかと思います。以上です。

知事

ありがとうございます。

今日はなんだか女子高校生がたくさん来てくださっていますから、どうですか、皆さん。ダンスとか音楽とかだったら、もっと楽しく運動できるんじゃないのって。今、ダンスは授業に入っているんですか。楽しいですか。あんまり楽しくないの(笑)。

参加者7

横浜平沼高校から参りました女子バレーボール部のイケドと申します。

ダンスのことなんですけれども、私が中学生の頃に「中学生RisingSunProject」といって、EXILEの方々と一緒に被災地の方々と一緒に踊るという企画がありました。自分も参加したんですけれども、やっぱりダンスとなると全員が参加ということはできなくて、体育の成績でダンスの時に活躍した人たちとか、そういう人たちが集められてやるということでしたので、全員がということではありませんでした。

少し話が変わってしまうんですけれども、私としては高齢化が進んでいるということは不安がすごく大きくて、これからどうなっていくんだろうな、私たちがおじいちゃん・おばあちゃんになった時にどうなっていくんだろうなというのがすごくあって、ですが、今こうやっていろんな対策をされているということを聞いて安心するということもありました。なので高校に戻った時に、みんなにこういう活動があるんだよということを伝えていきたいなと思っております。

知事

はい、ありがとうございます。

高校生で高齢化のことで不安を覚えると言ったら、高校生で不安を覚えられたら、大人はみんな不安になっちゃいますよね。でも、みんなで知恵を絞りながら、ぜひいろんな問題を解決していきたいなと。

ダンスは全員では出られなかったんだ。どの競技でもそうですよね。全員は出られないけれどもね。さっきから言っているように、東海大相模が優勝するわけですよ。でも、そうじゃなくて、もっと基礎的なレベルのところをどうやって底上げするかということですよね。

参加者8

はじめまして、鎌倉高校から来ました大和市民のミヤイと申します。

僕は現在鎌倉高校で弓道部に入って、今、弓道に元々興味があったということもあって一生懸命頑張っているのですが、やっぱり運動を始めることにおいては、内面的な気持ちというのも非常に大事だと思うんですね。その気持ちのところで、やはり運動に興味がないと行動に出すことっていうのは不可能だと思うんですよ。その、何て言うんでしょうか、

自分がやりたいなという運動がなければ、運動自体を始めることが個人個人によってはすごくやりにくいものであるので、その運動を始めることについて、個人が運動を始めることについて、興味を持たせるためには、県で何かアドバイスというか、そういう活動を行えないのでしょうか。

知事

弓道というのを始めるというのには、何か動機があったわけですよね。どうしてですか。

参加者8

僕は幼少期は大阪に住んでいたんですね。大阪に住んでいた時は、あまり記憶というのは残っていないのですが、ニュースで鎌倉の流鏑馬(やぶさめ)が行われているのを見て、その頃からずっと弓というものにあこがれを持っていたんですね。そこからずっと弓道を追いかけて、鎌倉高校に入って弓道部に入ったということです。

知事

すごい人ですね。じゃあ流鏑馬をやりたいわけだ。

参加者8

はい、流鏑馬も機会があればぜひやってみたいと思っています。

知事

すごい動機づけですね。そういった動機づけというのは、すごく大事なことですよね。何かきっかけがあると、すっと入って行けるという。

今やっている「子ども☆キラキラプロジェクト」というのも、実はその最初の入り口の動機づけをやっていこうとしているんですね。だから、さっき指摘があったように、ある種の、運動・体力テストの点数を上げるための、秘策も教えたりするんですね。で、それがただ単なるテクニックかというとそうではなくて、それをやって点数が上がると、「ああ、面白い」ということで、どんどん運動をやってくるという一つの入り口になってくるというか、そういうことがありますよね。

そういうところはどうなんですかね、皆さんは。じゃあ、バレーボールをやっている皆さんは、何がきっかけだったんですか。あなたはどうですか。

参加者9

自分の出身校が兄の出身校なんですけど、中学校の時に部活を決める際に、兄に勧められて入って、高校でも続けています。

知事

他に、私はこういう動機づけだったんだという人はいますか。

参加者10

私は中学の時に、部活を決める時に、特に小学校からしていたスポーツとかは無くて、とりあえず運動部には入りたいなと思ってて、でもなんか、どの部活にするかとかいろいろ考えていたんですけど、中学の時にバレー部に体験に行った時に、先輩がとても面白い人だったんですね。だから、バレーが好きで入ったというよりは、きっかけとしてはその先輩だったんですけど、その後で、中学の3年間が少し不完全燃焼だったので、だから高校でも続けてやっていきたいなと思って、今続けています。

知事

やっぱり何か動機づけがあるんですよね。あなたは何ですか。

参加者7

私は高校からバレーボールを始めています。小学生の頃はまた違ったスポーツ、サッカーであったりバスケであったり、中学でテニスをやって、高校で今バレーボールを始めたんですけれども、やっぱりメディアの力というか、全日本のバレーボールをテレビで見てあこがれて、今度はこういうスポーツがやってみたい、今度はこういうことがやってみたいっていうことが、一番のきっかけであって、一番それに大きくあるのはやっぱりかっこいいからというのがあって、そうなりたいというのはすごくあります。

知事

そうですね。動機づけというのはすごく大事なことであって、僕らの小さい頃ってほとんどみんな野球だったんじゃないですかね。サッカーというより野球だったですよね。なぜかと言ったら「巨人の星」ですよね。星飛雄馬といって、あれを見て、そういうのがやっぱりきっかけだし、あの当時またバレーボールをやる女性たちがたくさん出てきて、「サインはV」とかね、「アタックNo.1」とかね。ああいうのがあって、それがきっかけとなって、やってみたいと思うことがあったり。サッカーで言うと、Jリーグが立ち上がったということが大きかったですよね。Jリーグで、あ、何かサッカーってかっこいい、カズはかっこいい、みたいな。かっこいいというのは、やはりみんなの動機づけになってくるという。これからラグビーが増えてくるんじゃないのかな、なんて思ってますけど、確かにそういうきっかけづくりというのはありますね。

だけど、運動部に入らなくても日常的な運動を始める動機づけというのも、どこか必要なんでしょうね。

参加者11

神奈川県横浜市のコジマクミコと申します。よろしくお願いします。

今、運動のことで盛り上がっているところだったんですけれど、私はちょっと社会参加とか別の意味の体力のことについても少しお話ししたいなと思ってきました。

子どもの成長、まあ人全般なんですけど、さまざまな体験が必要だと思います。特に五感を相互に組み合わせたような動きや感じ方などはとても大切かと思います。で、運動もその中の1つなんですが、今大人が避けて通るところをちょっと行ってみたいと思います。

どういうことかというと、火を使った遊びというか体験がとても大切だと思っています。個人で行くキャンプでアルコールランプを使ったランタンを用意したんですが、初めて使うランタンなので大人がいろいろ試行錯誤して、セットをして、火を点けて、燃やしておいた。その様子の一部始終を、小さな6歳の男の子が見ていたんですけれど、だんだん暗くなって、大人は台の上の真ん中にそのランタンを置いて、ずっと火を点けて置いているところを見ていた。誤ってぶつからないような場所に置いたにもかかわらず、その子は爪先立ちをして手を伸ばして明るいところを触るんですね。で、親も大人も他の人たちも、まさかそんなことをするなんて、ということで分からなかったんですが、その子の家はオール電化でした。炎を見たことがないということで、明るいものは電気しかなくて、それで触ってみた。やけどした。もうびっくりで、びっくり仰天、大人もびっくりしましたが、そういうことがありました。

あとは、また別の6歳の男の子なんですけど、インターネットで、学校の調べ授業で調べものをして、一生懸命自分で手書きで鉛筆書きで書いてきました。私は自由遊びをしている場を作っているんですが、そこにその子が遊びに来て、木工のコーナーで器具を作って、その後私のところに来て、火熾し具を作ったんだということで、それをやってみたいと言われたんです。さて、どうしようか、火を熾してしまう。まあ、手作りの器具で火を熾すなんてとても難しくて、結局はできなかったんですが、まあそういったことも体験の一つとしてとても重要なことなのではないかなというふうに思っています。

そういったことも、そういう場を作るというのは、ボール投げをする場がないというのもあるんですが、そういう体験をする場も、見ることもないっていうのもちょっと問題なのかなと思っています。

知事

いや、ありがとうございます。

確かにオール電化の家に住んでいた子は、炎の熱さが分からないというような。便利な世の中にどんどんなってくると、人間が基本的に知っていないといけないところに触れないまま成長する環境が出来上っているのかもしれないですね。

参加者12

横浜緑園総合高校から来ました瀬谷区に住んでいるイシガイというものです。

私が思ったのは、子どもを運動させようっていうことを今聞いたんですけれども、自分が思うのは最近の保護者の方もちょっと過保護になり過ぎているっていうのを感じたんですね。本で読んだのもあるんですけど、ケガさせたくないとかいろいろさせたくないということがあるので、自分のおじとかおばに聞いたのは、昔の方々というのは、すごくドロドロになって夕方に帰ってきて、お風呂に入って、ご飯を食べてっていう、遊びがもう一番大切だったみたいなことを聞いたんですね。で、保護者の方々のためにも、さっきのしぶさわ幼稚園さんのボール投げのような政策をもっと増やして、保護者の過保護になり過ぎているというのをなくしたら良いと思います。以上です。

知事

確かにそうですよね。今少子化だから、子どもがお一人といったら、もうお母さんは一生懸命に見て、ケガしないように何しないようにと。過保護とはまさにそうなんでしょうね。今ほら、NHKの朝の連続テレビ小説をやっているけれども、あの女の子、小さなころから木登りをしていて。木登りなんてしたことないでしょう。僕もしたことないけどね(笑)。だんだん遊びそのものも変わってきて、保護者がこう過保護になってきていることもあるんでしょうね。

参加者13

茅ヶ崎市の東海岸小学校の教員をしているヤギと申します。

先ほどしぶさわ幼稚園のお話で、このようなのをというのを私もすごく聞いていて、遊びの中で36の動作の習得、とても良いなと思いました。そういうふうに遊びで楽しむ子たちが小学校に入ってきたら、今もっともっと小学校で子どもたちを遊ばせることができるなと感じました。

知事が子ども時代のように、朝来たら、朝の準備もせずにカバンをそのままポイッと置いて外に遊びに行って、ドッヂボールをしている子がいます。実際今日もそれで叱ってしまいました。そういう子はお昼休みになれば、外に一番に飛び出て、やはりドッヂボールをしています。今小学校5年生です。

その子たちは、たまたまですね、私どもの学校は、今年5月に「体力テストキャラバン隊」(※「子ども☆キラキラプロジェクト」の取組みの一つ。直接小学校に県教委の体育の指導主事を派遣したりする事業。)に来ていただきました。そういう子たちは、やはりコツを教えてもらって伸びるんですね。50m走を4月に測った時より5月に測った時の方が伸びていた。「うわあ、やったー。もうこれを僕は忘れないように生きていきます」とかですね、「生かしていきます」とかですね、「弟に教えます」とか、すごく前向きでした。

ただですね、私がもう一つ注目したのが、クラス全員で外に走りに行くならば行くけれども、ドッヂボールには参加したくないという男の子です。もう5年生にもなれば、やりたい遊びってそろそろ変わってきますね、それぞれに。それも尊重したいと思います。その子は図書室に行くのも大好きです。で、その子がですね、やはりちょっとコツをつかむのが苦手なんです。図工にしても体育にしても。140名が同じようにコツを教わった場合、たぶんその子は同じようにはコツをなかなか発揮しにくい、そういうタイプです。

その子にキャラバン隊の方が丁寧に教えてくださるんですね。教わった結果、小さな作文に書いていたのが、「僕はすごくこれが苦手だったけれども、キャラバン隊の人が僕と一緒に走って励まし続けてくれました。それがとてもうれしかったです」。彼はできたことよりは、一緒に励まして、励まし続けて走ってくれた、そのことが一番記憶に残ったようです。キャラバン隊の方は、当日私たち教員にも、「先生たち、一緒に走ってください」と。シャトルランといって、けっこう長い距離を走るのがあるんですけれども、「子どもたちを励まし続けて一緒に走ってください」。子どもたちにとってはそれがものすごく意欲づけになったみたいです。

このように、やはり私たちは、できる子にしたいことだけをさせていくのではなくて、小学校教員である以上、小さな遊びの中で育ってきた36の基本動作だけではなくて、いろいろ彼らが持っている技とか能力をもっともっと出していけるように、言葉がけを丁寧に、一緒に動いていかないといけないんだなと思わされました。

知事

ありがとうございました。

県のキャラバン隊について、こんなふうに言っていただくと嬉しいですよね。何とかして子どもの未病対策をするのに、どうすれば良いか。キャラバン隊がずっと回って行って、体力テストを乗り越えるコツを教えているということなんだけれども、そういうふうに受け止めてくださったら、とてもありがたい。やっぱりきめ細かくいろいろなことにみんなで配慮しながら、「頑張れ」と声をかけるだけでも違ってくるものがあるんでしょうね。

さあ、そろそろ時間も押し迫ってまいりましたけれども。

参加者14

横浜市から参りました希望ケ丘高校2年のヨシダナルミです。本日は貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。

私は夏に行われた「かながわハイスクール議会」で、健康委員長として知事に、若い高校生のうちから未病対策をする大切さとその対策として運動イベントの実施などを提言させていただきました。そして今回は子どもの体力向上を目的とした未病対策がテーマとされています。

確かに体力を向上させる運動をすることは、健康に必要なことだと思います。しかし、私たち高校生は忙しさや体形維持のため、欠食している人が多いのが現状です。その中で体力向上を目的とした運動を行ったとしても、効率のいい結果は得られないと考えました。そこで体力をつけていくためには、食生活から改善しなければならないと思います。学校の先生に聞いたところ、「食育」という言葉は知っていても内容を知らない生徒が多く、食に関する授業が少ないことが分かりました。現在の日本はコンビニやファーストフード店などで気軽に食べ物が手に入る時代です。しかし、それに伴い若者の食への関心が乏しくなったように感じます。多くの子どもたちの食に関する教育が終わるのが高校です。つまり食についての最後の砦になると思います。知事は高校での食育についてどうお考えですか。お願いします。

知事

もう神奈川の高校生はただ者じゃないですね。ハイスクール議会というのは毎年夏にやっていまして、高校生が本会議場を使ってずっと討論をして、いろいろな委員会に分かれて、最後は本会議場で私に質問してくるんですけどね、今年その中であったのを僕は覚えてますよ。「高校生から未病対策が必要だ」と言って、われわれが子どもからと思っていたその時にバシっと来ましたからね。その通りだと思って。

食。まさにその通りですね。未病を治すには3点セット(食、運動、社会参加)ですね。食というのを本当に重大視しなければいけないなと。特に女性。子どもから未病対策という今の話を突き詰めて考えると、実はもっとさかのぼる。子どもが生まれる前の話というところになってくるんですよ。特に女性の場合。お母さんがそれなりの食生活を持っていなくて、妊娠して。お母さんにきちんとした食習慣がないと、偏食とかいうことになると、もう母体から胎児が影響を受ける。子どもは生まれる前から食ということについて、かなり問題のある形で生まれてきてしまったということになりかねない。そこからいくら食習慣がどうだと言っても、なかなかこれは厳しいですよね。そうするとやっぱりその前から入ってくるとなると、本当にもう全世代で当たっていかなければならない大きなテーマですね。こういうのを繰り返しながらみんなで考えていくという流れを、ぜひ作っていきたいと思うのでありますが。

参加者15

神奈川総合高校から来ました相模原市民のシイナといいます。

プレゼンテーションの中でも、体力低下の原因になっているのが、運動ができる人はできるけど、できない人が平均を下げている。だから底上げが重要だというお話がいくつかあったと思うんですけど、そういう中で私が思ったのは、私も小さい時から運動が苦手で、例えば小学校の時の休み時間に、冬の時期になるとマラソン月間ですとか、縄跳び月間ですとかいって、休み時間に半強制的に出されて、運動しないといけないみたいなものがあって、小さい時から苦手意識があるとやっぱりそういうのも達成感云々の前に、なんで動かないといけないんだみたいな、そういう苦手な人ってその時点で尻込みしてしまうところがあるかなと思うんですけど、県で政策とかプロジェクトとかを考えている人が、運動が元々好きな人が多いのではないかなと思って、元々運動が苦手だとか嫌いだという人の意見も取り入れて、ぜひ考えてほしいと思いました。

知事

いやあ、すごいね。今、県の偉い人みんないますから。ちゃんと聞いてますからね。それほど運動が得意そうには見えないけどね、みんなね(笑)。

確かにそうで、キャラバン隊というのはまさにそうですよね。さっき言ったように、運動が苦手でいやだと思っている子に、ちょっと走ってみようよと言って、頑張れと言われたら、その子は言われたことだけでも頑張ろうという気持ちになったという話がありましたからね。そういうきめ細かなことをやっていくということが、やっぱり必要なんでしょうね。

いろいろと議論してまいりましたけどね、あっという間に時間が過ぎてしまいましたよ。

工藤先生どうですか、皆さんのいろいろな、多世代にわたるさまざまな議論を聞いていらして、どんなことを感じられましたか。

工藤 保子 氏(笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 副主任研究員)

今日は40名ほどの高校生が来ていらっしゃるということに、私はびっくりしました。こういう会は、大体ブラックスーツの男性を前に、女性の私が1人でしゃべっているという状況が多いんですけれども、こんなに若い目がこっちを見ながら、それも女性も多くて、このようないろいろな人がいる中で、体力のことを語れる環境がある神奈川が素晴らしいなというのが、千葉県民である私の感想であり、すごくうらやましい状況だなとも思いました。

体力のそもそもは、やはり生活習慣なんですよね。食べることも寝ることも大切で、体を休めることも大切。だけどそういうのがエネルギーになるからこそ、体を動かそうという気持ちにもなる。本当にバランスなので、まずは自分自身の体で試していただいて、良い方法を広めていっていただければなと思います。

今日は本当に貴重な機会をありがとうございました。

知事

ありがとうございました。では、北村先生、いかがですか。

北村 亜弥 氏(秦野市立しぶさわ幼稚園 教頭)

普段は教育現場におりますので、先生たちからのお話というのはたくさんうかがえるんですが、今日はいろいろな方からお話をうかがえて、たいへん勉強になりました。やはり、食のお話もそうなんですが、まず幼児期にいっぱい体を動かしたらご飯が美味しかったとか、本当にそういう基礎的な経験をたくさんさせていきたいなと思ったことと、若い高校生がとてもいろいろな活発な意見を出してくださって、私たちも秦野市では保幼小中一貫教育ということで、保育園・幼稚園・小学校・中学校を通しての教育を進めています。その中で、幼稚園の子は小学校の子や中学校の子にあこがれを持ったりとかということで、例えばサッカーなんかを例にとると、私たちがドタドタ走るのとは違って、中学生のお兄さんが走るとやっぱりすごくあこがれて、あんなふうになってみたいなと思うようなところがあります。ぜひそういう若い力にこれから幼稚園の方で活躍してもらって、活用というか、言い方はあれなんですけれども、やっていけたらなというのをあらためて思いました。

今日はいろいろありがとうございました。

知事

はい、ありがとうございました。

本当に今日はね、高校生がたくさん来てくださって、そしてどんどん意見を言ってくださった。しかもまあシャープな、非常にズキっと来るような良い意見をどんどん言ってくれましたね。本当に私も刺激されましたよ。

今日のことは全部県の最高幹部たちがみんな聞いていますからね。

最後、はい、どうぞ。

参加者16

川崎のツチダと申します。

今まで皆さんのいろんなご意見を聞いていたんですが、今県としても「3033(サンマルサンサン)運動」(※1日30分、週3回、3ヶ月間継続して運動やスポーツを行う運動)とかラジオ体操、すごく力を入れていると思うんですよ。県としてですね、教育委員会で、学校で、基礎的なラジオ体操を取り組むっていう方向性を取るわけにはいかないんでしょうか。これをちょっとお訊きしたいと思います。

保健体育課長

保健体育課長の袴田です。

今のラジオ体操なんですけど、今保健体育課の方でやっております。できるだけ準備運動の中でラジオ体操を使ってくださいという形で、小学校を中心にお願いしているところです。カリキュラムが少し変わりまして、学習指導要領が変わった中で、集団行動とかラジオ体操というのが教える内容から少し変わってきてしまったので、ストレッチですとか他の体操、リズミカルな体操を取り入れるという形が進んでいるのが現状です。ただ、体全体を動かすたいへん良い体操がラジオ体操だと思っていますので、今は準備運動の中で使っていただくように推奨しているところです。

知事

ありがとうございます。

まさにね、ラジオ体操って一番入りやすい話だし、かつてラジオ体操運動みたいなことを国民運動として展開したということが、やっぱり戦後の日本の平均寿命がこれだけ伸びたということの基礎にもなっていたわけですからね、こういったあたりを今風に解釈して、また教育現場にどんなふうに持ち込むかということはね、せっかくの今日のご提案でもありましたから、ちょっと工夫したいですね。

それとともに、やはり場が大事だというのはね、これはちょっと我々もあらためてですね、そういう自由に遊べる場というのをどんなふうに確保できるかといったこと、これはやっぱり非常に重要な課題だなというふうに思いましたね。

それと「子ども☆キラキラプロジェクト」で行って、実際に具体的に皆さんと接してやった時に、体を動かすことの楽しさというか、それに気づいてもらえるということ、これはすごく大事なことですね。

考えてみれば、今日の北村先生の発表のタイトルには「運動するって楽しい!」と入っていましたからね。楽しさというのはやはり、教えてもらって楽しさを感じる。そうしたらそれが1つの動機づけになって自分の習慣になってくる。これをやんなきゃダメだ、やるべきだ、といってやる話は、なかなか習慣にはならないですよね。だからそういった意味でやはり、心を揺さぶるような、心を刺激するようなきめ細かい展開というものもしっかり考えていかなければいけないな、というふうに、今日はいろいろ大きな課題・ヒントをいただきました。本当にありがとうございました。これをしっかりと生かしていくように頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

本日はまことにありがとうございました。

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