第10回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

掲載日:2018年4月20日

概要

第10回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」写真

テーマ 里地里山の潜在力を考えよう -かながわの里地里山の魅力とは-
日時 平成25年11月13日(水曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 117 名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。





実施結果(テキスト版)

司会

みなさんこんばんは。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。

ただいまから、第10回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」を開催いたします。

対話の広場Live神奈川では、Twitterによる会場外からの意見も受け付けます。寄せられたTwitterについては、意見交換の中で随時御紹介させていただく予定です。

なお、本日は意見交換の前に、知事から神奈川県の施策の一つである、「スマートエネルギー計画」の骨子案について、御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

続きまして、本日のゲストを紹介いたします。本日は3名の方にゲストコメンテーターとして御出席いただいています。

まず、NPO法人よこはま里山研究所NORA(ノラ)主任研究員の吉武美保子(よしたけみほこ)さん。

吉武さんは、よこはま里山研究所NORAで、「里山とかかわる暮らしを」というキャッチフレーズを掲げ、都市に生活する側の視点を持って、農地管理や、神奈川野菜を食べる食事会など、人と自然の関わりを繋ぐ取組をされています。

次に、小田急電鉄株式会社CSR・広報部部長の黒川泰弘(くろかわやすひろ)さん。

黒川さんがお勤めの小田急電鉄では、企業の社会的責任、いわゆるCSRを果たすための活動として、「環境に配慮した取り組みの推進」を重点分野の一つに掲げ、自然環境活動を行っていらっしゃいます。

次に、その小田急電鉄が広報する菜の花まつりを開催していらっしゃる、金次郎のふる里を守る会の黒柳昭平(くろやなぎしょうへい)さん。

黒柳さんは「金次郎のふる里を守る会」の名のとおり、二宮金次郎の教えに基づき、地域貢献の作業奉仕をするとともに、里地里山保全事業として、東栢山地区の自然環境を守る活動をされていらっしゃいます。

黒柳さんには意見交換に入る前に、御自身の活動について事例発表を行っていただきます。

本日はこの3名に、皆様との意見交換の際に御参加いただきます。

さらに、今回は県立舞岡高校生徒の皆さんに、舞岡高校が実施する環境教育について発表を行ってもらいます。

皆様、本日はよろしくお願いいたします。

ここからは、知事に御挨拶と進行をお願いします。

知事

ようこそ、神奈川県庁へいらっしゃいました。ありがとうございます。

こういう夕方の貴重なお時間に県庁までお越しいただきまして、誠にありがとうございます。

私も、県民の皆さんと直接対話をしながら、行政を進めていきたいという思いで、就任以来ずっとこの対話の広場というものをやっております。

対話の広場にもいろいろな種類があるんですけども、この県庁でのLive神奈川というのは、インターネットで生中継されております。

全世界で見られる。日本以外で見ている人はあまりいないと思いますけどね。全世界で一応見られるんですね。

そして、Twitterでも御意見を寄せていただきますから、皆さんとつながっていると、そんな感じの中で進めていきたいと思っているところです。

あと、対話の広場というのは、それぞれの地域をずっと回っていって、その地域の課題というものを議論している場もあるんです。またそういう場も、今後も継続していきますから、お越しいただきたいと思います。

本日のテーマは、「里地里山の潜在力を考えよう -かながわの里地里山の魅力とは-」と、こういうテーマで、お話をしていきたい。

今非常になんというか、そそるテーマだなと私は思っているところなんですけどね。

しかし、このテーマに入る前に、先ほど司会の方からもありましたけども、皆さんにちょっと御理解いただいておきたい県の施策について、若干の御時間いただきまして、御説明させていただきたいと思います。(資料:かながわスマートエネルギー計画(骨子案)-独立型電力システムの実現に向けて-[PDFファイル/304KB]

これはエネルギーの話です。「かながわスマートエネルギー計画」の骨子案というものをまとめました。

これを皆様に今、御提示しながら、いろいろ御意見をいただいているところです。

最近、小泉元総理が、原発ゼロにするんだとおっしゃっていますけどね、原発ゼロかどうかということは別にして、今までのエネルギー体系というのはどういうエネルギー体系だったかな。集中型電源と分散型電源

我々はこれを変えていこうと思っています。

それはどういうことか。

今までのエネルギー体系というのは、集中型電源ということでした。

つまり、大きな原子力発電所をつくる、大きな火力発電所をつくる、集中的にエネルギーをつくって、それを長い送電線で各家庭までお送りするという、こういうスタイルでした。

皆さんびっくりしたんじゃないですかね。3.11のとき、私もそうでしたけれども、我々のこの電気というものが、あの福島の、あんなに離れた所でつくっている電気をここまで送ってきていたんだということ、改めて実感されて、驚かれたんじゃないでしょうかね。

あの長い送電線を電気が通っていく間に、どんどんどんどん失われていきます。ロスがいっぱいあります。

どんどんロスしたらどうするか。

どんどん原発をつくって、どんどんつくればいいじゃないかというのがこれまでのエネルギーの体系、集中型電源でありました。

これを我々は変えていく。分散型電源ということですね。

例えば太陽光発電。自分の家に設置すると、すぐにそこで電気が生まれます。

自分の家で発電するんですね。

風力発電。これなども、あまり大きな風力発電というよりも、わりと自分の住んでいるそばで電力をつくっていくという、こういう形ですね。エネルギーのいわゆる地産地消とも言っていいでしょうね。ガスコージェネレーション

ガスコージェネレーション。これも非常に有望な分散型電源なのですが、これはどういうものか、ちょっと御説明しておきたいと思います。

ガスです。皆さんの家にガスは来ていますかね。ガスは火を燃やすというものに使っているというのがほとんどだと思いますけれども、今、燃料電池というものがありまして、これがエネファームなんていう商品名で出ていますね。

ガスを使って発電するんですね。自宅で発電する、ガスを使って。これは電気として使えます。

それとともに、そこで出た排熱を利用して、お湯を沸かしたりするという、非常に効率的なエネルギー機器。御自宅で発電しますから、完全な分散型ですね。

これまで太陽光発電の普及に全力を注いでまいりました。2010年度までには13万キロワット、神奈川県で。これが今、どんどんどんどん劇的に増えています。太陽光発電の普及拡大

当初計画をした、スマートエネルギー構想では、2014年度までに195万キロワットまでいこうと思っていました。しかし、残念ながら、そこまではどうもいかない。125万キロワットにとどまってしまう。

このことを受けて、黒岩はなんかエネルギー革命だとかって、太陽光発電をどんどんやるんだと言っていた割には、なんか失速したんじゃないかって思われているかもしれない。

そうじゃないんだっていうことを言いたくて、こういうお話をしているんです。

というのは、これ正直申し上げますが、若干の誤算がありました。

何故かというと、太陽光発電がどんと普及していく中で、我々非常に有望だと思ったのは、「屋根貸し」というシステムなんですね。

これは神奈川が考えた。発電事業者が屋根をお借りするんですね、工場とか倉庫の屋根をね。そこで発電した電力を売電して、その中から賃料をお支払いするという、こういうビジネスモデルなんですね。

工場側からすれば、屋根を貸すだけで、賃料が入ってくるというモデルだから、どんどん普及していくだろうと思った。

京浜臨海部のあの工場地帯がありますね。あそこにはいっぱい屋根がありますよ。あの屋根を全部太陽光発電で埋めたら、これはすごいことになるなと思った。

実際にその工場に行って話を聞きました。

そうしたら、非常にありがたい話だと言われました。屋根は別にお金を生まないですよね。屋根を貸すだけで、お金が入る。

それだけじゃなくて、こんなこと言われましたよ。

工場の屋根にソーラーパネルをつけると、断熱効果もあっていいんだ、大歓迎だって言われたので、これはいいなと思って、それで打ち出して、それを計算に入れて数字をつくったのですが、設置が全然されなかったんですね。

どうしてですかって聞いたらば、よく調べてみたら、今の太陽光発電は重いって言われたんですよ。重いんだったら先に言ってくれと思ったんですけどもね、もう遅いですね。

だから、その分ちょっと誤算が生じました。

しかし、私はこの2年半で、神奈川からエネルギー革命を起こすんだと言ってきましたけど、エネルギー革命は着実に起きています。もう今、2年半前と全然状況が違います。

だから、今、新たな計画をつくっているんですね。今はこうだけども、この後ぐんと伸びていきます。

その革命というのを皆さんの目の前でお見せしたいと思います。持ってきてください。

ソーラーパネルは重いと言われたけど、新しいタイプはフィルムです。

これソーラーパネルですよ。ぐにゃぐにゃでしょう。軽いですよこれ。これが今どんどん開発が進んでいるんです。

もう市販されているんですよこれ。市販されていて、今、その発電効率がどんどん上がろうとしていて、これがあとちょっとしたら、値段がぐんと下がってきます、普及してまいります。

これになったらどうなるか。もう家丸ごと、ビル丸ごと包み込むことだってできるだろうと。こういうものが出てまいります。

これが出てきたら、あの工場の屋根にもずっと敷いていける、ということになるわけですね。だから、これが一般化してくることを見込んで、太陽光発電はどんと伸びていくと。2030年度には815万キロワット、245万世帯分のソーラーパネルができるということなんですね。

ここはちょっと落ちたけども、ここからいくぞということです。

ここでね、劇的に伸びていく、しかも神奈川がどこよりも先に伸びていくということを御説明したいと思います。グリッドパリティ1

グリッドパリティって、なかなか聞き慣れない言葉がありますけども、これは太陽光パネルの全国平均、値段ですね。

どんどんどんどん値段が下がっている。質がよくなって、どんどん値段が下がっている。これまさに革命が進行している証拠ですね。

これ2009年には、1キロワット当たり、だいたい家庭の平均で3.3キロワットぐらいですけれどね、1キロワット当たりで見ますと、60万円を超えていました。

それがどんどんどんどんどんどん下がってきて、今は41万円ぐらいになっています。

ところが、神奈川の場合には34.6万円です。

かながわソーラーバンクシステムというものをつくりました。県が前面に出て、ソーラーパネル、御希望の方には設置プランを紹介しますと。

そのことによって、神奈川の値段は安いんです。緑色の部分がそうです。

ぐっと、どんどんどんどん下がっていく。

さあ、このソーラーバンクのシステムによって、ソーラーパネルはどこよりも安い、どんどん、またさらに安くなってくるだろうという中で、この買取価格、ソーラーパネルでつくった電気は買い取ってもらえるのですね、電力会社に。その買取の価格ですね。グリッドパリティ2

これ最初1キロワットアワー当たり42円と、非常に高い価格が設定されました。

これはこの設置費用に合わせてだんだん推移してくるんですね。設置費用がだんだん下がってくると、買取価格はぐんと下がってきちゃうわけですね。

こういうことをよく言われます。電気代、電気料金、ソーラーパネルがどんどん普及すれば、どんどん買い取る量が増えるから、だから電気料金は高くなっていくだろう、こう言われています。

ちょっと高くなっていきますね。買取価格は下がってきますね。

ここはクロスします。クロスした所をグリッドパリティと呼びます。買取価格が電気料金よりも低くなる。買取価格の方が、ここから先は、電気料金よりも低くなる。

ということはどういうことかというと、買い取ってもらうよりも、全部自分の家で使おうということになります。全部自分の家で使う、これが実現してくるのがここ。これが始まると、もう売らなくなります。

全部自分の所で使うということになるとどうなるかというと、独立型の電源になるということですね。

電線とつながっていなくてもやっていけるというのが、20XX年と書いてありますけど、我々の見込みでは、2020年にはそこまで到達する。

神奈川はどこよりも早く来るということなんですね。2030年度の電力需要

2030年度、どういう電力状況になるかといいますと、電力消費量の15パーセントぐらいを皆さんで頑張って削減をして、そして、このうちの45パーセント、これをさっき言った分散型電源で賄っていこうと。半分近く、そこまでいこうと。

そんな中で、再生可能エネルギー、そしてガスコージェネレーションがこれぐらいの割合ですね。

太陽光発電が245万世帯分になるということであります。

もう一つ、我々がエネルギー革命と言っているのはこれです。水素エネルギー。

水素エネルギーというのは、理科の授業で昔、習ったことがあると思うんですけどね、水の電気分解って、高校生の皆さんわかりますよね。

水を電気分解すると、H2Oを電気分解すると、H2とO2になる。なんとなくこんなこと習ったことあるなという記憶、あるんじゃないでしょうかね。水素エネルギー

水を電気分解すると、水素と酸素になります。この逆をやります。

水素と酸素を反応させると、電気が出てきて、水が出ます。

つまり、水素をタンクに入れて持っていって、酸素と反応させると、電気が出てくる。発電ですね。これを燃料電池と言いまして、これを使った車がもう2年後には一般発売されます、燃料電池自動車というのが。

これ水素のタンクですね、水素のタンクを積んだ自動車が一般発売される。これを聞いたら、水素ガスなんか積んでいたら危ないじゃないかって、爆発するんじゃないかと思うでしょう。交通事故でクラッシュしたら、水素爆発でも起こしたらどうするんだって、普通思いますよね。

ところが、今の技術、もうすごいですね。

だって、一般の車が発売されるぐらい、安全性は高まっているということなんですね。だから、これが出てくると。すごい車ですよこれ。

この燃料電池自動車というのは、ガソリンを一滴も使いません。そして、排気ガスは出ません。出てくるのは水だけです。

こういう燃料電池自動車がもう2年後に一般発売されると、ここまできている。

この水素ガスというのは、車に積むだけじゃなくて、いろんな所で電力の源になってまいります。つまり分散型ですね、これも。どうなってくるか。スマートハウス

これだからね、独立型の家がもうでき上がってくるんですね。

自分の家の屋根に太陽光発電を設置して電気を作り出します。売らない。自分のとこで全部使ってしまう。これを蓄電池に貯めます。昼間でき上がった電気は、蓄電池に貯めておくことによって、夜も使えます。そして、さっき言った家庭用燃料電池、エネファームですね、ガスを使って家庭の中でまた電気をつくる。ということを全部HEMS(ヘムス)で管理する。

HEMSというのは、コンピュータの力で全体をバランスよくエネルギーを保って、使っていくという形。

この家は電線とつながっていません。

エネルギー独立型の家、これがどんどんできてくるということですね。

これは家だけではないです。これはありとあらゆるものが分散型電源で、こうやってつながってまいります。全体をまたエネルギー管理センターというもので地域をコントロールしていきます、コンピュータの力で。スマートコミュニティ

これがスマートコミュニティということでいくんですね。これがどんどんどんどん進んでいく。

そして、さっきから言っているように、神奈川はどこよりも早くこれが進んでいくということで、それを徹底的に目指していこうというのが、かながわスマートエネルギー計画ということでありまして、決して後ろ向きになってないということを是非、御理解をいただきたいと思ってるところであります。

このことにつきまして、皆様の御意見等々ありましたら、今日はこのテーマがメインじゃないのでね、皆様の御意見を募集しているところですから、何か書いて、我々の方に随時いただきたいと思います。

それでは今日のメインのテーマに入りたいと思います。

農地保全課職員

それでは、今日のテーマについて、御説明をさせていただきます。

農地保全課の近藤でございます。里地里山とは

それでは、神奈川県の里地里山の取組について、御紹介させていただきます。(資料:かながわの里地里山の取組[PDFファイル/3.2MB]

まず、里地里山とは、人が住み生活をしている集落、里、田んぼや畑といった農地、雑木林、竹林といった山、これらが一体となった地域のことをいいます。

では、皆さんにとって里山とはどのような所でしょうか。

例えば、都市住民の皆さんにとっては、ふれあうことのできる自然であったり、残された貴重な自然であったり、あるいは昔懐かしい場所であったかもしれません。

一方、里地里山に住む地域住民の皆さんにとっては、農・林業の場であったり、生活文化の伝承の場であったり、生活の場であったりします。

そして、里地里山には、美しい風景や、いろいろな生き物など、様々な機能があります。これを多面的機能と呼んでいます。里地里山のもたらす恵み

里地里山は、こうした恵みを多くの県民の皆さんに与えてくれる所です。そして、里地里山は、長い時間をかけて、人が手を入れ、維持・管理されてきたのです。

では、現在、里地里山はどうなっているのでしょうか。

昔は燃料や肥料にするために、木や落ち葉が使われていましたが、だんだん利用されなくなりました。

また、農家の減少や、高齢化、後継者不足、農業集落コミュニティの弱体化が進み、農地や雑木林の手入がされなくなったり、伝統的な行事や生活文化が引き継がれなくなるなど、大切な里地里山の多面的機能が失われつつあります。

そこで、現在、神奈川の里地里山で暮らす地域の人たちが主体となって、失われつつある、里地里山の多面的機能の保全活動に取り組んでいます。

地域の多様な取組の中から、いくつか事例を御紹介いたします。

まず、荒れた里地里山の再生です。耕作されなくなって、ツタや竹が密集した水田を活動団体の方々が刈り取り、畑の農作物に被害を与えるイノシシなどの獣の住処となっている藪を刈ったり、このような地道な活動を行い、里地里山を保全しています。

次に都市住民の方々の参加です。企業の社員研修の一貫として、下草刈りに参加したり、また田植えなどの作業も行ったりしています。

初めて田植えに参加した子どもたちは、田んぼの泥は温かくて気持ちがいいとか、ソバの実を初めて見たとか、様々な発見があったようです。

そして、里地里山は、都会の子どもたちの遊び場、学習の場としても活用されています。

子どもたちは、普段できない貴重な遊びができ、竹馬を持って帰り、御友達に自慢した子もいたようです。神奈川県里地里山の保全、再生及び活用の促進に関する条例

里地里山の資源を活用した、地域活性化の取組です。

ざる菊を新たな地域資源としたり、菜の花祭りをしたり、ホタルの鑑賞会を行ったりしています。

県では、こうした里地里山の多面的機能の発揮と、次世代に引き継ぐことを目的に、条例を制定し、平成20年4月1日から施行しました。

この条例により、里地里山の保全、再生、活用を進めるため、土地所有者や、地域住民を主体とすることや、県民の皆さん、県、市町村も一緒に協力することなどを基本理念として定め、里地里山の活動団体への支援や、県民の皆さんの理解や参加の促進を図っています。現在、条例により活動を支援する地域は、15地域に増えました。

一方で、いろいろな問題が明らかになってきました。

まず、活動団体の高齢化や、活動資金の不足。里地里山保全等における問題

一方、都市住民の参加者が少ない、関わり方がわからない、里地里山のことをよく知らない、という問題もあります。

その反面、里地里山の保全は必要である、という意見が多いこともわかりました。

里地里山の多面的機能を発揮させ、次の世代に引き継ぐためには、保全等の活動を継続的に実施することが必要です。

そして、県民の皆様の協力が不可欠です。

本日は、人を引きつける里地里山の潜在力と、今私たちに何ができるのかを考えていきたいと思います。

御清聴ありがとうございました。

神奈川県立舞岡高校生徒

皆さんこんにちは、舞岡高校1年、松田喜美です。

これから、里山保全事業を中心に、本校の環境教育の取組について、説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

私たちが通う舞岡高校は、戸塚区の高台にあり、冬の天気のいい日には、雪を頂いた富士山を望むことができます。

また、本校のすぐそばには、横浜市が管理する舞岡公園があり、緑豊かで自然に恵まれた環境にあります。下草刈り

そんな本校では、学校目標に特色ある教育活動の推進を掲げ、その具体の一つとして、環境教育の充実を挙げています。

環境教育の具体的な取組としては、大きく分けて、二つあります。

一つ目が下草刈りで、二つ目が植樹整備です。

まず、一つ目の下草刈りとは、先ほど紹介した、本校近くにある舞岡公園の里山保全事業のことです。8年前、本校の30周年に合わせて、舞岡公園田園・小谷戸の里管理運営委員会と、横浜市南部公園緑地事務所との協力で、本校の生徒が、舞岡公園の斜面に、クヌギや、コナラの苗を植えました。その苗が独り立ちできる木に育つまで、下草、雑草を取り除いて、木を守っています。

毎年、夏休みに入った7月下旬の三日間、1年生が下草刈りに取り組んでいます。作業はなかなか難しく、鋭利な刃物を使うので、公園の職員の方々や先生に教わりながら、丁寧に草を刈っていきます。8年前←現在

そうした取組によって、先輩方が植えた木々が順調に育ち、8年前の殺風景な景色から、このような状態までくることができました。2枚の写真を見比べると、よくおわかりになると思います。本校生徒の、8年に渡る努力が、実った成果だと思います。

二つ目が植樹整備です。毎年5月と10月に、本校の有志の生徒と、保土ケ谷養護学校分教室の方々、近隣の南舞岡小学校の児童の皆さん、そして地域の方々にも御協力いただいて、学校周辺や、小川アメニティの植樹整備に取り組んでいます。

小川アメニティとは、地下鉄舞岡駅から舞岡公園につながる小道のことで、地域の方々が日常的に利用されている道路です。本校前にあるバス停の周りをはじめ、校地の斜面の雑草を刈った後、シバザクラやチューリップを植栽しています。

また、小川アメニティには、菜の花やストロベリートーチ、コスモスなどを植栽しました。植樹整備

この取組は、小学校の方々や地域の方々と、たくさんふれあうこともできるので、とても楽しい取組です。

作業が終了したときには、茶道部がお茶とお菓子を用意してくれているので、それをいただいて終わります。

大変な作業ですが、一人一人が楽しんで取り組んでいる姿が見られます。また、自分たちの努力が成果として表れるので、自然環境について考えるきっかけとして、貴重な経験となっています。

本校ではこのほかに、公民科の現代社会、総合的な学習の時間や修学旅行などで、環境について学習しています。

どの取組、学習でも、私たちの周りの環境を、自分たちでどこまで改善し、過ごしやすくできるか、一人一人が一生懸命に考えています。

これからも、環境活動に積極的に、そして継続的に取り組んでいきたいと思います。

御清聴ありがとうございました。

知事

すばらしいですね。ちょっと聞かせてください。

さっきの8年前と現在の写真、出してくれますか。これすごいですね。同じ場所ですか。

ちょっとわかりやすく、環境教育について教えてほしいんですが、下草を刈ったら、これがこうなるというのは、どうしてなんでしょうか。

神奈川県立舞岡高校生徒

下草を刈ることで、地面の養分が、植えた木々の苗木に均等にいくことができるので、順調に成長すると、そういうことだと思っています。

知事

どこの下草を刈ったの?上の丘の茶色くなっているとこありますよね。どこの下草を刈ったらこうなったの?

神奈川県立舞岡高校生徒

今、私たちは1年生で、もう最後の方になってきて、私たちは斜面の上の方の下草刈りを行って。

でも、以前はおそらく、その下の斜面の方で。最初の方はまだ下の方もたくさん雑草とか下草があったと思うので、そういう面の所も。

知事

皆さん8年前はいないものね。先生、教えてください。

どうしたらこれがこうなるのか。

神奈川県立舞岡高校教諭

毎年、雑草がどんどん生えてきます。今はかなりもう木が大きくなってきているので、さほどしなくてもいいのかもしれないのですが、最初に植えたころはまだ苗木が小さいので、雑草が妨げになって成長しない。

私も8年目で、ちょうど来たときに始まった事業なんですけれども、毎年夏になると、雑草がまんべんなく、写真だと茶色っぽく見えるんですけど、あれがもう草ぼうぼうのような状態になります。それを毎年刈っていくということ。全体にまんべんなく雑草が伸びてしまうんですね。

ここはかなりの斜面で、生徒も気を付けないと、転倒してしまったりするようなこともあります。

知事

木も植えたんですか?

神奈川県立舞岡高校教諭

その斜面に先ほどの600本ですか、いろんな木を植えたんですね。

何もない所に苗木を植えて、それが当初は生徒たちが植えた木が、10年20年経って、大人になって舞岡公園にまた訪れたときに、私たちがこれを植えたんだなという、そういう思いを持てるんじゃないか、そういうのがあったというふうに聞いているんですけれども。

それを毎年新入生が、先輩がやったのを十分に育っていくようにということで、下草を刈っているというのが下草刈りです。

知事

なるほど、よくわかりました。

植えて、その下草を刈っていったと。

皆さんがこういう山をこんなふうにしたら、なんかこれを見ただけで見に行きたくなりますよね。この目で確認したいなと思って。

すごい。まさに皆さんの事業そのものがここに残ってくるというのはね、すばらしいことですね。

どうもありがとうございました。

高校生が、この場で、こういうプレゼンテーションしてくれるっていうのは、対話の広場の歴史上、初めてなんですよ。よく来てはくれるんですけどね。来てくれて、発言もしてくれるんですけど、発表してくれたのは初めてのことでね、やっぱりなんかいいですよね。

黒柳昭平氏(金次郎のふる里を守る会事務局長)

皆さん、こんばんは。

先ほども紹介いただきました、「金次郎のふる里を守る会」から、代表ということで、私黒柳ですが、報告させていただきます。

5分間ということですので、端折って、お話をさせていただきます。

里地里山の活動をしている団体は県下で、私たち以外に15団体になります。その中で、我々のこの会が事例発表ということで、大変光栄に思っている次第でございます。

金次郎のふる里といいますと、初めてお聞きした方は、「金次郎って何だ?」ということでしょうけども、先ほどもちょっとお話がありましたね。少年のときに薪を背負って本を読む向学心の強い二宮金次郎さん、その生誕地ですね。

小田原市栢山でございますが、そこが私たちの活動の場という所でございます。

我々の所は、田んぼの稲作中心の所でございますけれども、これは今、農村地帯はどこでも同じように高齢化が進みまして、そうして担い手がいない、荒廃地が多くなってくる。そうした中で、私たちは、これからの農業をどうやっていけばいいだろうかというようなことを、みんなで協議をしています。

そうした中で、これからはやはり一人で農業をやっていくような状態ではだめだと、みんなで助け合って、譲り合って、学び合って、いわゆる切磋琢磨して、そうして農業をみんなで手をつないでやっていこうじゃないかということで、イモコジという、里芋を洗うイモコジを、二宮金次郎さんの教えの一つということで、名前をつけてみたわけでございます。尊徳の教えと考え 菜の花祭り(3月)

私たちは、その中で、二宮金次郎さんの息づく地域ということで、金次郎の教えというものを大切にやっていこうではないかということでございます。

今ここに尊徳(そんとく)の教えとありますが、これは二宮金次郎さんが武士になったときに、諱(いみな)として、二宮尊徳(たかのり)、通称、尊徳(そんとく)というんですが、その名前を使ってあるわけですね。

尊徳(そんとく)先生と通常言うわけです。

その教えの基本は、「至誠(しせい)」、「勤労(きんろう)」、「分度(ぶんど)」、「推譲(すいじょう)」と、この4つが大きな教えでございますが、この「推譲」というのは、世のため人のために尽すということで、私たちはこの奉仕の心を持って、地域のために尽そうじゃないかということで、活動をスタートしたわけでございます。

そこで、我々の活動を大きく見てみますと、最初に3月に菜の花祭りというのをやっております。

菜の花祭りをするには、3月に花が咲くわけですが、前年の秋に種蒔きをしなければならないですね。昨年はこういう形で蒔いたわけですね。

今年は11月の1日、2日と、こういう形で種蒔きをいたしました。種蒔きが終わりますと、来年の3月の20日前後に花が咲き出します。

この写真は、先ほど種を蒔いた酒匂川の方面の場所なんですが、ここで主に菜の花祭りというものを開催をしている所でございます。

菜の花と電車これは地域の皆さんとの交流ですとか、あるいは景観、癒しの効果、それから水田の活性化ということで、こういうふうな形で。

これは菜の花、食用菜花ですから、積み取って食べていただいたり、そしてみんなでここでゲームをしたり、お餅つきをしたり、いろんなことをしながら、過ごすわけでございます。

もう一カ所ございます。

これは、我々としては、菜の花をこれからの財産とする場合に、景観だけではなく、小田急線のロマンスカーと菜の花、それから菜の花と富士山、これを一つの財産として取り入れたらどうかということで、水田に菜の花を蒔き、こうした晴れたときは、菜の花を見ながら富士山が見える。

先ほどの、見えたように、菜の花を見ながら、小田急線のVSEのロマンスカー、そうだ、箱根へ行こうという、あれのコマーシャルですね、それに出てくる。菜の花と富士山

これにつきまして、今年の秋から、私たちがこういう活動をしていることに対して、今日は小田急電鉄の黒川部長さん来てらっしゃいますが、小田急電鉄の方で一口これから協力しましょうということで、今年は一緒に種を蒔きに来ていただいたり、資金提供をしていただいたりする形の中で、あるいはチラシ等も小田急さんで配付していただいたり、こうした御援助をいただきながら、今、菜の花、昨年約1ヘクタールこの辺蒔いたんですが、今年は1.8ヘクタール蒔きました。

是非来年皆さん、3月には来ていただきたいと思います。

次に、6月にいきますと、田植え体験ということで、やっぱり水面の多面的機能ということで、都市の人たちに水田の田植え体験をしていただこうということで、計画をしているわけですが、この田植え体験には、箱根のプリンスのホテル、四つあるんですが、その一つ、ホテル大箱根さんが、宿泊プランの中にこの田植え体験を入れてくださっております。

田植え体験(6月)それだけではもったいないということで、とうとう市民の人、県民の人に、一緒にやっていただいていいですよという、ホテルさんの御協力もありまして、募集をしましたところ、今年は80名の人が田んぼに来ております。

ここは休耕地で、荒れてしまうのを私たちが借りて、餅の苗を植えているんですね。

それで、周りに七夕の笹があります。

これは皆さんの願い事を、これに書いて、短冊に書いて張ってくださいと。いろんなことが書かれてきます。

これを、田植えが終わりましたら、一旦しまっておきまして、7月7日に必ずもう一回田んぼのそばに出して、これもいわゆる文化といいますか、そういうことで子どもたちの一つの楽しみということで、七夕も飾ってやっているわけでございます。

このほかに、ザリガニを川から取ってきて遊ばせたり、あるいは御飯を食べさせたり、いろいろなことをしているわけです。生き物調査(7月)

それから、7月になりますと生き物調査ということで、川に農業用水で魚を取ることをやっているわけですが、この日は7月25日ということで決めてあります。

といいますのは、水田はこの7月25日が土用の時期に中干しと言って、田んぼを干すんですね。そうして稲に栄養を与えるということで、そのときに川の、農業用水の水を落とすということで、こういうふうに浅くなるわけですね。

そうして、ここで生き物を取っていただくということですね。

今、栢山の中、ここではドジョウ、それからタモロコ、オイカワ、フナ、ナマズの子、それからコイの子、こういうのがいっぱいいます。

今年はコイが5匹ぐらい捕まえたですね。この小川にいたんですが、子どもさんがこういうふうに喜んで捕まえていました。

このコイは、食べてしまうわけじゃなくて、このまますぐ隣に大きい川があります。そこに放流しに行っているわけですが、そうした生き物を捕まえて、そこで観察ということで、たまたま私たちの仲間には小学校の先生がいまして、非常に生き物に詳しい人がこうして指導をして、皆さんに生き物のことを勉強させていると。稲刈り体験(10月)1

夏休みの貴重な研究資料とか、そういうものになっているところでございます。

それから、10月に、先ほど田植えをいたしました稲を刈るわけですが、事前に上の写真で周りを準備して刈っているところですね。

そして、下の写真で、大勢集まった人に、稲の刈り方を準備して教えて、そしていよいよ稲刈りということで。

こういうように、大勢の人たちが、今年も約72名の方がしまして、みんなで稲刈りをいたしました。

そのほかに、本来はこういうことはいけないんですが、私がそばについて、コンバインに少し乗せたり、あるいは昔の千歯扱きですね、それから足踏脱穀機、そうした作業も体験をさせています。

そして、その後に、こうした生き物、オダワラメダカですとか、ザリガニですとか、そういうものを皆さんで観察しています。稲刈り体験(10月)2

子どもは一番右側ですけど、ザリガニ釣り、ここへ行くともうちょっと動かなくなっちゃうんです、みんな子どもがね。

そういうふうに、地域に、里地にあるザリガニも大きな子どもたちの遊べる財産ということになります。

そして、農道補修ということでやっておりますけども、私たちは地域の人たちのために奉仕事業ということで、川の清掃や、道路清掃、そうした地域貢献というものを一生懸命やって、村の人たちが、里地里山を通じて、村がよくなるように、村のために働こうということで、やっているところでございます。

以上、かいつまんで、ほんとに急いでお知らせをいたしました。

最後にちょっと一つだけ。我々のところに二宮金次郎さんという、立派な本がございます。今日、皆さんのところに100冊ばかりもらってきました。

資料ありますので、見ていただきたい。そして、二宮金次郎さんの教えを勉強していただければと思いますので、よろしくお願いします。

どうも御清聴ありがとうございました。

知事

ここから皆さんと対話の広場が始まります。皆さんから質問でもいいですし、意見でもいいですし、私はこんなことやっているんだというアピールでもいいです。何でも結構です。

皆様からの発言があって、つながっていきますからね、是非、積極的にお話をいただきたいと思いますが、先ほどの菜の花と小田急電鉄の写真、見せてくれますか。

実は私も今日この対話の広場に備えて、先日、見に行ってきました、ここを。黒柳さんに案内していただいて、現場を見てきました。すごいきれい、今、花は咲いてないんですけどもね。

行ってみて、あっ、こういうことかって、なんかわかりましたね。なんか懐かしいふるさとの光景がここにあるなっていう、そんな感じがしました。

今はああいう特別に魚を獲る、そういうイベントをやっているわけじゃないですけれども、子どもたちが何かを獲っていましたね。網ですくっていたらば、ちっちゃい魚ですけども、獲れていたし、こんなちっちゃなエビもいましたね。

そこに行くと、ほんとになんか心が安らぐというか。

今、一年中見せていただいたら、いろんな方が参加して、そして実際に体験して、そして農業というものをなんか体感していくというね、そういう試みだったなということを改めてわかりました。

実は、正直言うと、私、現場へ行くまで間違っていたんだ。「金次郎のふる里」を「金太郎のふる里」だと思っていたんです。金太郎さんだと思ったら全然違うんだ、金次郎さんだったということもありましたけど。

ここに小田急電鉄から、CSR・広報部部長の黒川さんに来ていただいていますけども、ちょっと私から聞いていいですかね。

黒川さんはこれに関わってらっしゃるということですか。

黒川泰弘氏(小田急電鉄株式会社CSR・広報部部長)

そうでございます。

まず、小田急線沿線には、箱根、江ノ島といった日本を代表するような自然から里山まで、いろいろな自然がございます。

私たちはこの自然を保全する一方で、その良さというものを沿線の皆様方と共に味わい、豊かな暮らしの実現につなげていこうという、「自然との共生」といった考え方の自然環境活動を行っております。(資料:小田急電鉄株式会社の自然環境活動(ゲスト黒川氏配布資料)[PDFファイル/178KB]小田急沿線自然ふれあい歩道小田原駅コース(ゲスト黒川氏配布資料)[PDFファイル/3.87MB]

これまでの活動は私たち単独で行って参りましたが、神奈川県さんの御紹介で、黒柳さんが中心となって活動されていらっしゃいる「金次郎のふる里を守る会」という団体があるので、何か一緒にやりませんかというお話を頂戴いたしまして、それでは私たちの強み、それからこのような自然を保護する活動をされている方々が持っている強み、両方を生かして、地域の活性化、自然の保全、そして地域の方々とのコミュニケーションを作っていく。こういう里山活動を強みとして、小田急線沿線に、また新たな魅力をつくりたいということで、参加させていただいております。

知事

こういう発想って、新しいですよね。

沿線のいわゆる景観でしょう、これ。景観を一緒につくっていこうってことですよね。

これ、写真で見ると、一生懸命黒柳さんもお話をなさっていたんだけど。

黒川泰弘氏(小田急電鉄株式会社CSR・広報部部長)

今日は小田急のことを御紹介いただきまして、ありがとうございます。

知事

あそこでロマンスカーが通る、あれを撮るのがいいんですよとおっしゃっていて。

我々も記念写真撮りました。ロマンスカーが来た瞬間に、早く撮れって、ぱっと撮りましたけど、ちゃんと撮れていましたね。

今後こういうのは何か活用していくんですか、広報戦略として。

黒川泰弘氏(小田急電鉄株式会社CSR・広報部部長)

はい。実際、会社が作る来年のするカレンダーの3月は、栢山の菜の花畑を背景に電車が走っている風景を使わせていただいております。

知事

なるほどね、よく覚えておいてください、これは。

これ、小田急線に乗ると、あの中からまた見えるわけですね、菜の花がぱっとね。

黒川泰弘氏(小田急電鉄株式会社CSR・広報部部長)

そうですね。

ですから、将来は電車の中から菜の花が楽しんでいただけることも考えていきたいと思いますし、これで栢山エリアの新たな魅力作りができたらいいな。

そして、できるだけ多くの皆様に電車に乗って、菜の花を見に来ていたただければ、私たちも嬉しいなと思っている次第でございます。

知事

ありがとうございます。

こうやって、行政がお金使わなくても、民間がこういう形でやってくださるという、これが一番いいところですよね。

黒川泰弘氏(小田急電鉄株式会社CSR・広報部部長)

ただ、知事にお願いで恐縮ですが、企業としては、これからも地元の方々と連携した自然環境活動をやりたいですけれども、やはり私たちが一般の方々と行動するときには、どうしても公平性ですとか、いろいろお願いされることによって、活動が制限されてしまうこともございます。

そこで今回、県のご担当の方から「金次郎のふる里を守る会」を御紹介をいただいたように、信頼のある、そして実際に両者を客観的に仕分けていただける、県の方が間にいてくださると、このような活動がもっともっと盛んになるかなというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いします。

知事

わかりました。うちの幹部みんな聞いていますからね、早速反映させていただきます。

ありがとうございました。

もう一つ、折角、吉武さんに前へ来ていただきました。

NPO法人よこはま里山研究所 NORA 主任研究員ということですけどもね。

私、何か気になっていたのは、この「里地里山」という言葉ですね。これ、そんな昔にはなかったですよね、こういう言葉。いつごろから使うようになった言葉なんですか、これは。

吉武美保子氏(NPO法人よこはま里山研究所NORA主任研究員)

県では「里地里山」という形で使っていますが、最近はマスコミとか、特にNHKでは「里山」っていう言葉を前面に出して、PRをしています。 「里山」というのは、本来、狭い意味では、雑木林ですとか、薪や炭を採るような林のことを指していたんですね。ほんと裏山みたいな感じで。

だけど、さっきの金次郎さんの所では「里地」、いわゆる平地ですので、そこは山ではないんです。

なので、「里地」という言葉は、最近、環境省の方で、「里山」に対して、平地の所も含めて、伝統的農業が育まれていた地域全体のことを指すのを「里地」と言おうというふうにつくったんですね。

ただ、残念ながら、やっぱりその「里地」という言葉があまり広がらなくて、今ではそういった言葉全体のことを「里山」というふうに言われるようになっています。

そのため、どっちでも使えるように「里地里山」というふうに今くっつけて、行政関係ではよくPRはされています。

知事

吉武さん御自身はどんな活動をされているんですか。

吉武美保子氏(NPO法人よこはま里山研究所NORA主任研究員)

私は、NPOを二つ掛け持ちしておりまして、NORAでは、里山に関わる暮らしをしていく、作っていくということをキーワードにやっております。(資料:NPO法人よこはま里山研究所NORAパンフレット(ゲスト吉武氏配布資料)[PDFファイル/2.65MB]

身近な、ほんとに里山のかけらになっているような、都市に残された緑地の手入れをしたりとか、あと農に関わるということで、市民の目から農を見て、地産地消の活動をしたりという形もしているんですね。

もう一つは、都市に残された緑地において、ボランティアコーディネートなどの取組をしております。

知事

そうですか、ありがとうございました。また後ほど、御意見をいろいろ伺いたいと思いますが。

さあ、皆さんの番です。どうぞ。

参加者1

神奈川の環境問題という授業があり、私たちは毎月1回、横浜にある舞岡公園でお米をつくりに行っています。

参加者2

作業はすべて手作業で行っています。

手作業では、手間や時間がかかり、大変なんですが、農薬や機械を使わないことによって、田んぼにメダカやカエルなどの生き物が棲むことができているのだと思います。

参加者3

私たちは、神奈川県立大師高等学校です。

舞岡公園には、幅広い年齢層の方がいるので、今まで聞いたことのない話がたくさん聞けます。子どもたちと遊ぶことができるので、いろいろな方とコミュニケーションが取れて、とても楽しくて、ためになると思いました。

参加者1

この授業を取って、私が嬉しかったと思うことがありました。

一緒に田んぼに入る女の子は、「高校生のお姉ちゃん!」と、にこにこしながら近寄ってきてくれるんですけど、男の子は恥ずかしがって、あまり近寄ってきてくれなくて少し寂しかったです。

でも、田んぼの中でカマキリを見つけたときに、無邪気に笑って近寄ってきてくれることがあって、とても嬉しいと思いました。

授業名が、神奈川の環境問題というタイトルなので、こんなに子どもと関われる授業だと思っていなかったので、いろんな人との関わりは大事だと思いました。

舞岡公園に行くと、ふるさとじゃないんですけど、なんかどっか懐しい感じとか、舞岡公園で何か作業しているときに流れる時間とか、よく言っている意味がわからないんですけど、好きなんですよ。

知事

よく伝わってきますよ。

参加者1

この授業を取ってなかったら、土曜日に行くんですけど、朝とかもゆっくり寝てて、ぐうたらしてると思うので、この授業を取ったからこその体験をできるので、この授業を取ってよかったです。

知事

すばらしいね。

皆さん横浜市ですよね。

参加者1

川崎市です。

知事

でも、基本的に、こんなこと言うと変だけど、都会の子でしょう。

参加者1

そうですね。

知事

最初、田んぼとか入って泥とかグニャっとなったとき、どんな感じだった。

なんか嫌だとかいうのはなかったですか。

参加者2

私、入ったとき、ほんとになんか足が安定しなくて、足がつったりとかして、「あー」みたいな感じだったんですけど。

でも、なんかやっていると慣れてきて、けっこう気持ちよかったっていうか、なんかそういう。

知事

虫とかああいうの見たら、嫌だと思わなかった?

参加者2

私、虫嫌いなんで。

知事

慣れちゃった?

参加者2

もうほんと最悪なんですけど。

でも、作業に夢中になって、なんかもう虫は関係ないや、みたいになってきました。

知事

どうでした?抵抗感なかった?入っていく中で。

泥でしょう。泥で汚れて、「うわ!汚いわ」とかなんかね。なんか変な虫がいるんじゃないかとか、「カエルだ!」とかなんか言わなかった?

参加者3

最初は気持ち悪かったんですけど、なんか楽しかったです。

知事

これがやっぱり里地里山の魅力なんでしょうかね。

どうもありがとう。すばらしいな、本当に。

都会の子はやっぱり、そんな土の中に入っていくと虫だとか何とか、嫌だって感じがあるかもしれないけど、いつの間にかなじんでいて楽しいと思えるようになるという、そこに何かすごく大きな発見があるんじゃないのかなということ、今の発表ですごく伝わってきましたね。

参加者4

私、平塚市から来ましたハラといいます。土屋という所で、土屋里地里山再生グループという市民活動の中で里山の活動をやっております。

そういう中で、事例発表も含めて非常に里山のいい部分が発表されております。

しかしながら、我々の活動場所も非常に農道がない。谷戸の中で、水もいろいろなとこから湧き出ていましてね、なかなか水路も機能していないというふうな所を再生活動で入りました。

そういう中で、どうしてもそういうものをやっていく上では、自主財源を求めないと、どうにもならない、ということがありまして。今日ここにお持ちしたんですが、イベントのときにね、このようなものを売っているんですね。

エミューの羽とエミューの卵でつくったお守りですね。裏に見えているのが、ポストカードをつくりました。

それで、この石鹸は、お土産にということで考えて持ってきたんですが、今我々がこれを平塚市との協働事業でブルーベリーを植樹しました。そのブルーベリーを元にした、ブルーベリー石鹸というものを今考案して作っております。

これが試作品で、ほぼ完成の状態になりまして、来春には販売可能かなという状況にまできました。

そういう中で、やはり今後我々も団塊世代の真っ只中でありまして、あと5年もするとどうなっちゃうのかなという心配事もあるんですけれどもね。若い人たちに、いかにこういう活動を続けていただくかということで、やはり自主財源の確保というものを私たちは非常に考えながら進めてはいるんですね。

そういう中で、農道のない所をどうするんだと、平塚市との協働事業で木道もつくりました。

結果的にそれをイベントで非常に使いやすい木道になりましたもんですから、今年もホタルの鑑賞会、桟敷席を設置しまして、有料でやりました。

4,000円の入場料を取ったんですが、これけっこうお客さんありましてね。4,000円の入場で、2,000円のホタル弁当を用意して、野菜を500円程度、お土産にということでね、やらせていただいたんですが。一般入場も含めて1,000円、そしてやはりお土産を、野菜をつけるということでやったんですね。これを2日間やりまして、平塚の市長もお越しいただいたんですけども、160名を越える人たちに参加をしていただきました。

こういうことをやはり続けていく上で、自主財源になるかというと、やはりイベントはイベントなんですね。どうしても、大きな意味での自主財源になり切れないということで、この石鹸を非常に期待はしているんですけども、これだけでは心許ない状況がありますのでね。今、私たちは、先ほど知事からもお話があったような太陽光発電、これを里山に設置できないかということで、今いろいろ動いています。まだ県の方には正式に、そういうことを含めてね、申し入れはしてないんですが、やはり市町村の中では、農地に太陽光発電をやるということに対して、まだけっこうばらけている関係があるんですね。

我々としては3月31日の農政局の通達、4月1日の通達を読ませていただくと、農地でできないことはないというふうに考えているんですけども、なかなかその辺は、農業委員会等含めて、非常に細かい部分で、どうも抵抗があるみたいな状況がありまして。

できる限り我々も活動エリアを、地主さん等含めて、行政を含めた三者協定できてるわけですね。

だから、その辺を含めて、是非それをやらせていただきたい。

知事の応援のお言葉をいただけるとありがたいなと思いましてね、今日は発言させていただきました。

知事

ありがとうございました。

本当に様々な工夫をされてね、やってらっしゃるという、すばらしいことですよね。

この話の流れの中で、きっと県補助金出してくださいっていう話が来るのかなと思って、びくびくしていたんですけど、そうじゃなくて、工夫をされてやっているという。

農地法ってすごい厳しいんですよね、規制がね。岩盤規制と言われているところでありますからね。この辺り、国にずっと要望し続けているんですけどね。

いろんなこういう自主的な活動がどんどん広がっていくように、我々も大いに支援をしていきたいと思います。

ありがとうございました。

参加者5

ドングリゲンサンと申します。よろしくお願いいたします。

私、横浜の天神町、昔は区政がなくて、いきなり天神町だったんですね。その町名もあるかないかわかりませんけれど、そこで昭和4年に生まれました。現在84歳になります。

ずっとドングリのことをやっておりますもんですから、知事のおっしゃる未病という考え方、これに私大賛成なんですね。

私は健康が自然で、病気は不自然であるという考え方でずっと来ておりまして、まさに知事のおっしゃる未病ということをそれを進めていくということ、これは大変な大事なことだと思うんですね。

しかも、方法として自然物を使うという。これがまたね、すばらしいと思うんです。現在はどうしても化学合成的なものでいろいろ、添加物やら何やら使われて、それがマイナスの貯金という形で、やはり体の中に蓄積して、どうしてもそれがいろんな病気発生になる。

日本は長寿国と言われながらも、寝たきり老人が多いんですね。長寿でありながらも、ベッドで寝ていたんでは、あまりどうも生きている甲斐もないというふうなことで、やはり生産性を伴って人間というのはあるべきだろうというふうに思うんですね。

そんなことで、是非是非この未病という考え方を。

知事

これは何ですか。

参加者5

ドングリなんですね。それを粉にした状態と、クッキーにした状態。

知事

ドングリのクッキーですか。これ、この間の“対話の広場”でもアピールありましたよ。

参加者5

そんなことで、ここにたまたまもう一つ持ってきたんですけど、縄文クッキーを作ろうというのがありまして、これおもしろいんですね。

ドングリと、知事がおっしゃっている長芋を練って、さらに当時、昔は狩猟と採取のことで、農耕とか牧畜はなかったんですけれど、それで狩猟であれしたものをクッキーにしたと。

昔のあれを模倣するではありませんけど、そういうことで作っていきたい。

漢方的な要素が自然物の中にはたくさんあることが、いろんなことからわかります。

例えばドングリでこの前、飴をつくってみました。それで舐めてみますと、しつこい痰なんかが切れちゃうんですね。

ですから、これは研究の余地は多分にあると思いますけど、健康要素というのはまだまだ掘り起こせるし、是非是非これからも知事の未病という考え方を広めていっていただきたい、そんなふうに思います。

知事

ありがとうございます。

未病この里地里山という考え方と、私がいつも言っている未病という考え方と、けっこう近いと思うんですね。まさに反応してくださったけど。

未病って、ちょっと御紹介しますけど、こういう図で説明しているんですね。

病気ですか、健康ですかという、こういう対立概念ですかって。

未病という考え方があります。未病って何だっていうと、健康からだんだんだんだんグラデーションで病気になっていくという、こっちの方が実感でしょう。病気ですか、健康ですかと言って。

でも、世の中のシステムというのは、病気か、健康かになっているんですね。だから、病院というのは病気の人が行く所でしょう。

未病を治すという、これが漢方の考え方ですね。

未病を治す。どうやって治すんだと言ったら、医食同源。食には非常に大きな力がある。食によって健康に戻していくということですね。

未病を治す、これはどんどん広げていこう。超高齢社会、神奈川はどこよりも早く進んでいきますからね。これを乗り越えていかなきゃいけないときに、病気の人に薬ばかり使っていても、とてもとても間に合わない。

未病から治していく、生活の現場、ライフスタイルから治していくという、こういう形ですね。

ライフスタイル、それはまさに地産地消ということでもあるし、こういう自分のそばで、生活のそばでつくった物を食べるということでもあるしという、そういうライフスタイルの先にあるのが里地里山と、つながってくるというふうに私は思っているわけですね。

ありがとうございました。

参加者6

伊勢原市から来ました、ヤマグチと申します。知った顔も何名かいらっしゃるんですが、NPO法人の伊勢原森林里山研究会、理事長をしております。

ということで、実は我々、今、伊勢原市の日向という所を活動地にしています。

先ほど来いろいろとお話、里地、平地という話もありましたけども、都市の緑というとこがすごく多いんですが、私どもも大山につながる、ほんとに圧倒的な緑の中で活動しています。

普通にその辺の地域の方々、たくさんいろいろお悩みがあるんですが、第一は獣害ですね。サル、イノシシ、シカ、これはもう我々も実際に畑、田んぼをやっていまして、当たり前のように被害に遭います。ほんとに大きな問題です。

と、当然のように高齢化が始まっていて、我々の団体も高齢化はしていますけれども、やはり地域の人たちも高齢化しています。担い手がいない。一緒にやろうということで、今地域の方々と一緒に、その辺の問題解決をしようという動きを今強めています。

先ほど小田急のCSRの部長さん、お話を伺いました。是非ともまたそういったところとも是非お付き合いをさせていただいて。ということで、県にお願いしたいなって思うのは、そういった情報をつなげる役割というのがまず一つ。

それから、どうしても何かやろうとすると、やはりまず地主の問題が出てくる。それから例えば測量しなきゃいけない。つまり境がはっきりしない。これまですると、我々の力ではどうしても難しい。お金を出せばできるのかもしれませんけれども、そういったアドバイスとか、そういった面をもう少し。何度も実は県の出先機関にも行ったことあるんですけど、なかなか難しいんですね。

つまり市民活動に対して、もう少し親切丁寧といいますかね、そういう対応をしていただいて、じゃあこの問題はここに行って、こうやれば解決できますよ、あるいはこんな方法がありますよというような、積極的なアドバイスができるようにしていただきたい。そういったことができてくると、もう少し活動がやりやすくなるな、ということがあります。

あとは、こういった情報、我々もいくつか持っていますけれども、いろんな団体さんが持っている情報をうまくつなげるような組織といいますかね。この辺はNORAさんにでもほんとは頭になってやっていただくしかないなとは思っていますけども、是非ともその辺もお願いできればと思います。

お願いばっかりで申し訳ないんですけれども。

知事

わかりました。

今ちょうど大山というのは、神奈川県の第4の観光の核の認定事業として認められた所ですね。

横浜、箱根、鎌倉に次ぐ第4の観光の核をつくろうということで、募集をしたんですね。

ただ、私は、本当の第4の観光の核になるためには、地元が一枚岩になって、真剣になってこなきゃ、とてもとてもできないと思っていたんで、コンペをやりました。で、選ばれたのが、3カ所選ばれています。

最初選ばれたのが城ヶ島・三崎地区ですね。それと大山。それから大磯。

今そこで競争が始まっています。本当の第4の観光の核を目指していくんだって、競争が始まっています。

だから、そこに対しては、本気度をずっと見ていますから、地元が本気だと思った所には県がどんと支援を差し伸べていこうと今、しているところですね。かなりみんな熱はこもってきました。

2020年、東京オリンピック・パラリンピックが決まった。世界中からお客さん来るぞ。じゃあ、神奈川の第4の観光の核に来てくださいっていう流れをつくろうと思って、加速しているところですね。

だから、今のお話のような感じの、大山らしさというものの中で、その里地里山の雰囲気というものも非常に重要なキーワードだと思いますから、それを積極的に地元の意向を総意でまとめていってほしいと思います。

そんな中で、行政に対して、例えばこんなことはちょっと相談したいんだということがあって、御相談来てくださったときには、絶対ぞんざいに扱うなということを徹底して言っています。

こういうことをやっているとね、対話の広場であちこち行くでしょう、地域版でもやるでしょう、行くとすごく話が出てくるんですよ。

「こういうことで県に行ったらね、それはうちの担当じゃないから、あっち行ってくれ、こっち行ってくれって回された」とかっていう話聞くから、もうそういうのは絶対やるなという話を今徹底していますから、もしそんなことがあったら、すぐ言ってきてください。二度とそういうことさせないようにしますからね。

だから、たとえ自分の担当じゃなくてもね、そういう思いを受けながら、じゃあどうすればいいのかということを一緒になって考えるという、そういうことで徹底していこうと思っていますから、またお越しください、いつでも。

参加者7

今日いろいろと楽しいのを見せていただきまして、私戸塚からまいりました、カネモトと申します。

実は、知事さんの前で申し訳ないですけども、横浜市の方から委託を受けております舞岡公園のNPO法人舞岡・やとひと未来の役員やっております。

今日ここに高校生が、来られるとは全く思ってなかったんです。

それで、そこで活動されている内容を若干御意見があれば発表しようかなと思ったんですけども、先にやられてしまいました。

それで、非常に、知事さんの方にこれちょっと申し上げたいのが、先ほど来、里地里山の保存という話がありましたけども、これ私も団塊の世代であれですけども、若い方が、非常に、入ってくると、周りが明るくなるんですね。

実は私どもの里山の方では、幼稚園、それから小学校、これ市立の小学校5校の田んぼをやったりとか、それから高校生、先ほど下草刈りもされてる、それから大師高校の、例えば大師高校の生徒さんたちは、川崎の方から往復で確か電車賃にすれば2,000いくらかかって来ているんじゃないかと思うんですけど、それをしながら来ているんですよね。

一年経てば、ものすごく変わります。

何を申し上げたいかといいますと、そういった教育という面で、やっぱり非常にいい環境の所がまだまだあると思います。私どもの所も、横浜市から受託はしておりますけども、教育として使っていただくには最高の所じゃないかと思っております。

実は今年の秋、それから春、高校生、大学生も来られていますけども、婚活というのをやっていましてね。婚活っていうのは、私は役員として反対したんですけども、実は里山における出会いの場が、昔は結婚の場というのは農作業しかなかったと。それやってみようじゃないかと若い方が発案されまして、大変今おもしろい、いいことになっておりまして。

知事

おもしろいですね、そこで生まれたカップルって、おもしろいですね。

参加者7

生まれております。これおそらく来年の5月にはもう結婚するというカップルいらっしゃいますけど。

知事

そうやって若い人が入ってくるといいですね、またそこが出会いの場になってね。

参加者7

だから、是非そういった意味での資金をどうのというふうなことは申し上げませんで、それよりもノウハウの方で、あそこはいいぞといった内容、それから教育に携わっている方々をもっともっとできるようなことをしてやっていただければ、私はありがたいなと思います。

知事

わかりました。

ありがとうございました。

参加者8

私、金次郎ではなくて金太郎の方なんですけども、実は南足柄市を中心として、金太郎のふるさとという形で、金太郎の赤い肌着を模しました赤そばを植える運動をしております。

赤そばとヒマワリと植えさせていただいて、非常に好評を博しておりまして、なんとか元気になればいいな、里山のいわゆる荒廃地を赤い花で埋められればいいなというような活動をさせていただいています。

また、食育にもつながるものですから、それで採れた物を様々に使って、おそばを作ったり、また食べていただくというようなこともしております。

味がいいよってことでお褒めをいただいて、信州に負けないな、なんても言われております。

ただ、悩みがたくさんありまして、一つは高齢化で、私たちも農作業が大変だ、それの期待に応えなくちゃならないという形で、毎年毎年規模も拡大しているんですが、それ以上にやはり、このレジュメの中にも書いてありますように、里山で既に立派に活動されている地域に、また新しいこういう里山の景観を保つための事業を起こすということは、そこの部分との軋轢ですとかなんかが非常にありまして、難しい点もあるものですから、なんとかうまく融合できて、やっていきたいなと思っております。

そういうことで、どういうふうな形でね、融合できるかと、私たちも一生懸命考えておりますので、またいい知恵がありましたら、是非教えていただきたいなと思っております。

以上です。

知事

ありがとうございました。

今、Twitterでね、御意見が入ってきました。ちょっと御紹介しましょうかね。

「黒岩知事との対話の広場、里山を守る方法として、シカ、イノシシをどんどん獲って食うというのが効果的ではないかと思いますが、あまり一般化されていません。課題、対策について、知事はどうお考えですか。」

先ほどね、その話もありました。

これ鳥獣被害というのは半端じゃないですね。私も現場を見に行っていますけど、今どんどん増えていて、シカとかイノシシとか、普通に農業やっていても、もう食べ放題っていう感じですね。

あれでは農業やる気もなくなっちゃう。

それで今、その対策をいろいろやっていますね。罠を仕掛けたりっていうのもあるし。

ところが、このハンターというのも、それこそ高齢化して、人も少なくなっているということがあって、今年は割と山に実がよくできているようで、あんまり下りてこない、クマもあんまり下りてきてないと言っていますけど、やっぱり増え過ぎちゃっているので、これは本当に真剣にやらなきゃいけない重大なテーマですね。

だから、畑をずっと電線で囲ったりだとかね、いろんなことやっています。柵で囲ったりとか。

その柵なんかももう、ものすごい広大なエリアを柵で囲うとかいうことまでやっていますけど、この問題は本当に重大な問題として、我々も真剣に取り組んでいかなきゃいけないと思っています。

この問題しかもね、神奈川県だけでやってもだめなんですね。山がつながっていますからね。神奈川でやっても、山梨のシカとかどんどん来ちゃいますからね。

だから、そういう意味で山梨、神奈川、静岡で、この三県で連携するそういう取組もやっているところです。

参加者9

私、秦野市から来ました。里山のことよりも、獣害のことをちょっとお話しさせていただきます。

私、神奈川県猟友会の秦野支部の支部長をやっております。現役で今シカ、イノシシもやっております。

先ほど知事さんが高年齢になったとおっしゃいましたけども、実はそうではなくて、実際にシカ、イノシシをやる場合には組猟というのやります。

鳥を撃つ場合は自分一人で行けます。

ところが、シカ、イノシシの場合には、何人かでグループをつくってやらなきゃ、できないんですね。

ところが、鉄砲を持つ、猟銃を持つときに、最初私もそうでした、持つときには、あの発射音が醍醐味なんですよ、どん、というあの発射音が。ただ持っていて歩いているだけではだめなんですね。

ところが、獣撃ちをやる場合には、10人でやれば10分の1発、10分の1しか撃てないんですよ。鳥の場合には、自分で行きますから、どんどん撃てます。

ところが今、鳥がいなくなってしまった。

それから、住宅が増えて銃猟禁止区域が多くなった。

そういう欠点もあるし、もう一つ大きな欠点は何かといいますと、日本は銃を持たせない国ですよね。公安委員会はそうですよね。

ところが農林水産省は獣を撃て撃てと言うんですが、そこが今縦割なんですよ。

だから、特措法を今度はつくっていただきましたよね。全然利用がありません。

そこをちょっと理解して、今日も部長、課長とも会いましたけども、そこいらをちょっともう少し。

これは県レベルではできませんので、もちろん鳥獣法という法律がありますが、国レベルじゃないとできませんので。

よく話を聞くと、年齢が高年齢になっちゃったんじゃなくて、猟のやり方が違うこと、それから法律が二つのやり方でやっているということなんです。そこをちょっと理解していただいて、こういうものをどっかで言うときには、是非勉強していただきたいなと、私は思います。

知事

ありがとうございました。

これ本当に重大な問題なんでね、ちょっと国ともしっかりと、訴えながらやっていきたいと思います。

最後に吉武さん、どうですか、今日の話を聞かれて、最後にこれは言っておきたいなみたいなことがありましたら。

吉武美保子氏(NPO法人よこはま里山研究所NORA主任研究員)

今日のテーマは里山の潜在力ということで、いろんなお話をうかがうことができました。

いいことも悪いことも実はあって、里山での悪いことの方が顕在化した結果、忘れられてしまったり、もういらないって言われてしまった時代があった。今でもその流れがまだあると思うんですね。

でも、今日若い人たちが参加してくださいましたし、教育というところでも非常に大事だということが、今日のお話でもあったかと思います。

その教育というのも、一つの里山の持つ潜在力だと思っています。

それはいわゆる生きる力を学ぶ場、学校ではなくて。

その生きる力っていうのは、学校で教えてくれないこと、泥の感触だとか、生き物と対峙することなど、いろいろあると思うんですね。

今日はこの場に、若い人たち、年齢的にはとっても上の方々が多くて。

でも、その人たちにとっても、懐かしい場を保全するだけじゃなく、自分たちの生きがいであったり、これから迎えるあと何年間かを、若い方々に対して、その教育の場として伝えていく義務も、みなさんは持ってらっしゃると思いますし、生きがいの場として、また福祉的といいますか、さっきの未病の話もございましたよね。

自分が病気にならずに健康に、その里山を舞台にして、今後もっともっと若い人たちが暮らしやすい、場づくりの一つとして里山を考えていっていただけるといいかなと思いました。

知事

ありがとうございました。

これまたTwitterで来た御意見を御紹介したいと思います。

 「里地里山は豊かな自然があってこそ、神奈川県に残る貴重な自然を守っていきたいです」。こういうふうな御意見も寄せられました。

まさにそのとおりですね。

私は、神奈川県というのは日本の縮図だとよく言っていますけどね。この横浜とか、川崎とかいう大都市もあればね、まさに里地里山のような風情のある所もたくさんあるわけですし、大自然の山、大きな立派な山もあれば、すばらしい湘南の海もあればね、それから古都鎌倉もあれば、大温泉地の箱根もあるという、日本のいい所が全部凝縮されたような、それが神奈川ですよね。

ただ、そのバランスがうまく保たれていくということが、やはり非常に大事なことかなと思いますね。

そんな中で、この里地里山というものは、やっぱりある種地元の皆さんがしっかりと守るぞという思いの中で守っていかないと、しかもそれを若い人たち、次の世代につないでいくぞということをやらないと、いつの間にかどこかおかしくなっちゃうということがある。

だから、先ほどの、山をちゃんと手入れをすれば山がよみがえった。里地里山、あれも放っておいたら、もうはげ山になっていた。それを高校生の皆さんがしっかりやったことによって、里地里山の空間が保たれただけじゃなくて、よみがえったっていうことですよね。

そういうことをどんどんやっていけば、この神奈川、もっともっと魅力的な所になっていくんじゃないのかなと思いました。

そのためには、やっぱりやらなきゃいけないことはいろいろありますね。

だから、鳥獣対策なんていうのはまさに行政がしっかりやんなきゃいけないことだと思います。

それとともに、こういう継承していくという流れですね。若い世代、次の世代へ継承していくということ、これもやっぱり真剣に取り組んでいきたいなと思いますね。

私は「いのち」という言葉を大事にしている、平仮名で書いた「いのち」。

「いのちの授業」、百万通りの「いのちの授業」を展開しようとずっと言っているんですけども、まさに皆様が、里山を守るような活動を一生懸命されている皆さんが、「いのちの授業」ということで学校の現場へ行ってほしいんですね。

小学生の子どもたちにも、中学生の子どもたちにも、里地里山でこんなことが体験できているんだよということを話してもらうのもいいし、みんなを連れて行ってもらうのもいいし、そんなことの「いのちの授業」という中で、こういった流れを絶やさずに、さらに逆に守るべきすばらしいものは大きく育てていくという神奈川にしていきたいと思っているところであります。

ちょうど時間となりました。

今日は長い時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa