第4回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

掲載日:2018年4月20日

概要

第4回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」の会場の様子

 

テーマ 学校を考える-厳しい財政状況の中で-
日時 平成24年3月22日(木曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 91名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。





実施結果(テキスト版)

知事

こんばんは、神奈川県知事の黒岩祐治です。対話の広場Live神奈川に、ようこそいらっしゃいました。今日は「学校を考える~厳しい財政状況の中で~」ということで、お話をしていきたいと思っています。

この対話の広場は、定期的にここで行っているのですけれども、やはり県民の皆さんと直接お話をしながら、県政を運営していきたい。そしてできるだけ透明性を確保して、みんなでその議論に参加して、みんなで神奈川をつくっていきたい、すばらしい神奈川をつくっていきたいという思いから、こういう形を取っています。

ここにわざわざ来てくださった方、本当にありがとうございます。それとともに、今日の模様はネット中継されていますから、全世界で見られるということになっておりまして、見てらっしゃる方はどんどんツイッターでご意見をください。ここに来られなかった方も参加できるということであります。

まず、このテーマをどうして選んだのかということであります。今日は3月22日ですね。実は1年前の3月24日から、神奈川県知事選挙が始まりました。

私も、知事になって、もうすぐ1年になるんだなというところまで来たわけですけれども、これまで、予算の編成作業というのをやっていました。この予算の編成作業をずっと続けている中で、私が驚いたのは、この神奈川の財政状況の厳しさでありました。話には聞いてはいましたけれど実際にその中をじっくり見てみると、こんなに大変なのかと、もう身の毛がよだつような思いでありました。

皆さん、夕張という市が財政的に破綻したという、そんなニュース、まだ記憶に新しいところと思いますけれども、神奈川も、こんなに豊かで大きなこの神奈川も、下手をすれば夕張みたいになってしまうという、それぐらいの危機的な状況にあるということなんですね。

どうしてそうなっているのか。様々な要因はあるのですけれども、やはり超高齢社会が“ドン”とすごい勢いでやってくるということですね。しかも少子化。そのために、今例えば介護だとか医療のためのお金、これはどんどん伸びているんですね。この7年間で2倍になりました。

でも、私はそういうことはある程度想定はしていました。医療の問題について、福祉の問題について、そのためにはこうしなきゃいけないなという、いろんなアイデアは持っておりました。

ところが、私がぶつかった大きなテーマというのが教育の問題でした。

後で詳しくご説明しますけれども、予算の何と3割が教育に使われているということであります。そして、県税収入の半分以上が、教職員の給料に流れているということなんですね。これが県の財政を非常に圧迫しています。今、県全体の予算でいいますと、義務的経費と言いますけれど、これが8割を超えているんですね。政策的に、あんなことやりたいな、こんなことやりたいなという、そういう政策に使えるお金が2割を切っているという、これは危機的な状況なんですね。

それで、この教育の問題、何とかしなければいけないという、私の問題意識は、財政的にこの神奈川を救わなければいけないという問題からスタートしています。

でも、どうでしょうか。財政的にそれだけ厳しいのだったら、先生の給料がそれだけ大変だったら減らせばいいじゃないか、先生の数を減らせばいいじゃないかって言えるでしょうか。そう簡単に言える問題じゃないでしょうね。

じゃあ、どうすればいいのかなというところ。実は、今日の対話の広場は、皆さんからいろんな声を聞きたいんです。いろんなアイデアを出してほしいんです。

こういう対話の広場を何回も積み重ねてきましたが、私はこういうふうにやろうと思うんです。

例えばエネルギー政策。「かながわスマートエネルギー構想というのをこんなふうに考えました。これをやっていきたいんです。これを是非皆さんご理解ください。疑問があったら。全部私が答えます」こういうこともやっていました。「被災地から瓦礫を受け入れたいんです。皆さんどう思いますか」ということでも、議論をしてみた。

それはすべて、私たちの方がこんなふうにしたいんですという案を提示してきました。それについてご質問を受けたり、ご意見を受けたりしてきました。

でも、今日の対話の広場は違います。今のところ、私の中に全く答えはありません。私が皆さんにお話をしたいと思っているのは、問題意識を共有してほしいんです。今こんな状態になっているんだと。その状態の中で、どうすればいいんだということの、皆さんの生の声が欲しい。そして、皆さんと一緒に、いい解決策を探していきたいと思っています。もしかしたら、その中には、神奈川県が頑張れば何とかできる話もたくさんあると思います。それとも、これは構造的な問題であって、神奈川だけでは解決できない問題かもしれない。それは国のシステムの問題であるかもしれない。どこをどう変えればいいのか。神奈川で見えている問題は日本全体の問題であるかもしれない。

ということで、どういうふうに展開するかわかりませんけれど、まずは皆さんの率直なご意見をどんどん出してほしいと思っています。

今までだったら、皆さんからご意見をいただいたらすぐ私が答えていたんですけれども、今日はそうじゃなくて、皆さんの意見をどんどん私にぶつけてください。

そして時々私たちからお答えしていきたい。お答えじゃなくて、私もこう考えますけれど、どうでしょうか、と皆さんに逆に聞いたりするかもしれません。

今日はそんな対話の広場にしたいと思っているところであります。是非お付き合いください。よろしくお願いします。

教育局企画調整課長

星崎と申します。よろしくお願いします。

お手元の左上に本日のテーマ「学校を考える~厳しい財政状況の中で~」 [PDFファイル/535KB]と書いてある大きいA3の資料をご覧ください。

はじめに、左上の、神奈川の公立学校の状況でございます。県教育委員会では、平成19年に、神奈川の教育の指針となる、かながわ教育ビジョンを作成し、心ふれあうしなやかな人づくりを提唱し、学校や家庭、地域などが協働・連携して、人づくりを進めております。

また、国が定める学習指導要領に基づき、生きる力を育むために、確かな学力の育成をはじめとしまして、小、中、高、特別支援学校、それぞれの校種ごとに、絵にございますように、様々な教育に取り組んでいるところでございます。

その下に、県費負担教職員とありますけれども、市町村立の小・中学校や特別支援学校の教職員は、身分は市町村で、人件費は県が負担しているということから、県費負担教職員と呼ばれてございます。こういう教職員の皆様のご努力によって、学校を運営しているという状況でございます。

次に、その下の、教育職員人件費の現状の円グラフをご覧ください。

県の来年度の予算は、円の真ん中にありますように、1兆7,730億円でございます。教育職員の人件費は、円の右上にあります、5,098億円で、予算総額の28.8パーセントとなってございます。また、その右の人件費の内訳のとおり、小・中学校の人件費は、全体の約7割、その中でも政令市の小・中学校の人件費は全体の約4割を占めてございます。横浜、川崎、相模原、三つの政令市の教員の採用ですとか人事は、政令市がそれぞれ行っておりますけれども、給与は県が負担してございます。また、高校の人件費は全体の約2割、特別支援学校は約1割となってございます。その下の、その他の教育費ですけれども、894億円でございます。県立高校の耐震化などのほか、私立学校へも614億円の補助などを行ってございまして、その右、教育費合計で5,992億円となってございます。

次に、その下に、神奈川県の職員定数の推移の表を示しました。

平成9年度と24年度を比較しますと、教員は3,451人の増加、行政職員は反対に7,137人の減少となってございます。

教員の数は、法律により、概ね決まってございます。生徒数やクラス数などが増えることにより、増加しているという状況でございます。

次に、資料右上の、学校種別の児童生徒数、教職員数、人件費の推移でございます。こちらは、県が人件費を負担している学校の状況でございます。非常に細かくて恐縮でございますが、10年前の13年度、5年前の18年度、23年度の状況、そして24年度から26年度までの推計をお示ししてございます。24年度以降、教職員数は、小・中学校では横ばい、高校と特別支援学校では増加傾向にございます。一方、人件費は、総額で、24年度、25年度と上昇しますが、26年度は若干減少する見込みでございます。

その下は、学校種別児童生徒数の推移でございます。こちらのグラフは、子どもたちがどこで学んでいるかを表してございます。私立や市立の学校も含ませていただいてございます。このグラフの、高等学校の23年度の状況を表したものが、一番下の、高等学校の状況の表でございます。在籍者数は、県内の私立高校83校に、3学年合計で約7万人、市立高校15校で1万4,000人、県立高校143校で12万4,000人在籍しており、241校合計で20万8,000人の生徒が学んでございます。

その右は、県立高校全日制の設置状況でございます。これまで、県立高校改革を進める中で、生徒の学習ニーズに応えるため、普通科、総合学科、専門学科という、学ぶ内容と学年制、単位制という学びの仕組を組み合わせて、様々なタイプの県立高校としてまいりました。なお、欄外にございますように、学校数のピークは166校でしたが、高校改革と合わせた再編統合により、現在は141校となってございます。

説明は以上でございますが、ご参考に、「財政の現状について」[PDFファイル/386KB]というA4の資料をお手元に配ってございますので、合わせてご覧ください。以上でございます。

参加者

金沢区に住んでおります、タカウラと申します。知事に直接お願いすることができるこういう機会を本当に感謝しております。ありがとうございます。

私の長男が県立高校に入ったときには本当に安心したものです。私はこの20年間、神奈川でいろんな教育運動をやってきたのですけれど、やっぱり今のお話を聞いて、私、知事よりも少しは知っているんじゃないかと思うんですけれど、本当に神奈川は教育予算が過去、90年代、ずっと削られてきたんです。

それで、神奈川の県立高校のぼろぼろ校舎というのが、本当に恥ずかしい、その実態が国会の衆議院の予算委員会で明らかにされたというようなことを覚えております。

それで、神奈川県は経済企画庁の調査で、子どもの育てにくさ日本一と。本当にみんな、私たちは親としてとんでもない県だと。どんなに財政が厳しくても、絶対に教育予算だけはカットしちゃいけない県なんです、神奈川というところは。これまでも削りに削って、もうぼろぼろになってきて、校舎も教育予算がつぎ込まれてこなかったという実態があるからだと思います、私の考えなんですけれど。

それで、2001年に実は山形県知事が全国ではじめて30人学級を決断されて、これがテレビ、新聞にものすごい反響を呼んだんです。もちろん、どこの県も厳しいと思います。でも、この県知事が言われたことは、橋の一つや二つ造らなくても、まず子どもに30人学級をということで、雇用が2,000人もそこで実現したんです。だから、こと神奈川に関しては、絶対に教育予算、しかも先生方の予算を削ったらいけない。子どもが悲鳴を上げます。今暴力事件全国一です、暴力の件数は。そういう実態を私たちや、教育関係の方はもちろんご存知だと思います。私たち親は一番知っています。そういう県には、これ以上予算を削るということは絶対にやっちゃいけない。

黒岩知事はそれこそ告示の1週間前に立候補されて、私たちもすごい期待をしました。

それで、やっぱり、是非神奈川がどんなに教育にお金をかけてない県かということをよく考えていただいて、教育はコストではない、子どもに予算を注ぐということがどんなに大事か。若い先生たちがどんどん辞めていく実態を私は知っています。

それから、県立高校に行った息子に、昨年子どもができました。この孫たちに、神奈川で生まれて本当によかったと思えるような、そういう教育をしていただきたいと思います。

削るところはほかにあると思います。私、インベスト神奈川という言葉をこの間の知事選ではじめて勉強したんですけれど、そういうところこそ削ればいいわけですよ。

子どもにかけるお金を削るなんていうのは、私たち神奈川県民として、親として絶対に困りますので、どうか、キャスターもされた、本当にすばらしい知事に、それを期待するものです。よろしくお願いします。

参加者

鎌倉から来ました、ワカバヤシと申します。仏つくって魂入れずという日本のことわざがありますけれども、神奈川県の学校の耐震構造、着々とされていると思いますけれども、箱物だけではなくて、教育は中身が大切です。

ですから、21世紀の神奈川県を背負って立つ子どもたちに、黒岩知事はどう教育していったらいいかという、教育についての提言が必要じゃないかと思います。

それで、四つの点について、指摘したいと思いますので、読み上げます。

一つは、新しい教育基本法が平成18年の12月22日に公布されて制定されました。21世紀の子どもたちにどう教育していったらいいかという神奈川県の目標が、教育振興基本計画を策定するということになっていたんですけれども、今日のここにもありますように、神奈川の教育ビジョンというのが、これは占領軍が、GHQが日本を統治していたときの教育基本法に基づいた、GHQ版教育基本法に基づいてつくられた教育ビジョンです。旧バージョンです。是非この教育ビジョンを見直してほしい。

教育基本法ができて6年経ってるんですけれども、今日ここに教育委員会の委員の方、および事務局の方はいらっしゃると思いますけれども、これは県民から見たら不作為です。私は民間企業の出身ですけれども、これは民間企業では職務怠慢と言います。

二つ目は、来年平成24年度の全国学力テストは、来月4月17日に実施されます。それで、全国47都道府県のうち21県が、県内の小学校、中学校全校、100パーセント受験するんです。21県ですよ。ところが、我が神奈川県は37.8パーセント、ワースト1の愛知県が27.8パーセントで、ワースト2です。

これは、神奈川県は不登校が一番多いとか、中途退学者が一番多いという意味では、ワースト1というふうに言われております。ここに何か相通じるとこがあるのだと思いますね。黒岩知事は、太陽光発電には大変エネルギーを費やされていると思いますけれども、教育行政について、もっと熱意を県民に知らしめていただきたい。そういうことから、各県内の市町村教育委員会は、さっと引いちゃったんじゃないかと思います。来年は間に合いませんけれども、平成25年は100パーセントを目指して、リーダーシップを発揮していただきたい。

それから三つ目ですけれども、卒業式、入学式では、国旗、日の丸の掲揚と、国歌、君が代は起立して斉唱するということが日本国民のマナーです。

ところが、県立高等学校140いくつの中に、一部教職員がこれに従わないという人がいるということに私はびっくりしているんですけれども、地方公務員は服務規程に従ってください。いやなら、職業の自由があるんですから、教職員を辞めてください。

子どもの数も減るんですから、教職員も減らしていいんだろうと思います。私は民間企業出身ですから、民間企業では就業規則3回違反をすると、大概クビになります。

東京都の石原知事だとか、元大阪府知事、今の大阪市長の橋下市長さんは、厳格にこの点については対処されておりますので、我が神奈川県におきましても、黒岩知事は厳格に対処してください。

最後の四つ目。朝鮮学校への補助金の交付は何故か神奈川県だけが続いているようですけれども、お隣の東京都、千葉県、埼玉県、および大阪府は、朝鮮総連との関係が清算されてないということで、来年度、および今年度も、予算計上しておりません。凍結中です。この財政難に、神奈川県がこんなところに補助金を出すことは、県民感情から言っても、全くおかしなことですから、是非中断していただきたい。

この四つの点を指摘しまして、県民税を払ってる住民として、是非黒岩知事に、教育の中身について、もっともっと積極的にリーダーシップを発揮していただきたいと思いまして、お願いしたいと思います。以上です。

知事

まさに教育のお金を切るべきじゃないと。それは確かに一つのお考えだと私も思いますけれどね。そういうふうに思っている方はたくさんいらっしゃる。じゃあどうすればいいかということなんですね。

インベスト神奈川、要するに企業を誘致するためにお金を出すんですけれど、いろんな仕組みを今つくっていますけれど、じゃあそれを削っていいのかといったら、産業が活性化していかないと、経済が活性化していかないと、もっと税収も減ってきて、もっとしぼんでいくわけですね。それで果たして大丈夫なのかということもある。確かに無駄もどこかあるでしょう。どこか消さなきゃいけないこともあるでしょう。けれども、それが果たしてどうすればいいのかという辺り、これは次なる課題としてやっぱりあると思うんですよね。

それで、今、様々な教育の内容についてもご提言がありました。そういうお考えは私もよくわかります。しかし、その中身については、ちょっと今日のメインのテーマじゃありませんので、その点は別の機会に改めていろいろとお話をしてみたいと思っておりますけれども、教育委員会は怠慢だというふうに言われたことについては、委員長、やっぱりちょっと何かお答えしなきゃいかんでしょうね。いかがでしょうか。

平出 彦仁氏(教育委員会委員長・横浜国立大学名誉教授)

大変厳しい言葉をいただきまして、どのようにお答えしたらいいか、戸惑っておりますけれども、神奈川県教育委員会は、よその教育委員会に比べまして、怠慢だとは決して思っておりません。ご指摘されましたいくつかの点、それはかなり的確に対処してきております。

教育基本法に関することもそうですし、国歌、国旗等、諸問題についてもそうですし、ご心配してくださるのは大変ありがたく思っておりますし、その叱責めいたご指摘は、今後私どもに「がんばれ」ということだと思いますので、これからも心して取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。

参加者

やっぱりこれ、それでお茶を濁しちゃいけませんよ。新しい教育基本法の精神をこの中でうたってください。

そうしないと、21世紀の神奈川を背負って立つ子どもたちが成人になって世界に飛躍して檜舞台で活躍するときに、日本男児として活躍するときに、ちょっと引け目を感じるんじゃないですか。やっぱりこれは早急に見直していただきたいと思います。

平出 彦仁氏(教育委員会委員長・横浜国立大学名誉教授)

実は、それができあがるとき、私、中央教育審議会の委員をやっておりまして、教育基本法の改正についても意見を述べて、あの審議に参加している者であります。

そういう立場から、あのビジョンをつくりあげておりまして、ストレートに反映していないとするならば、今後若干見直しもしてみたいと思います。

参加者

川崎の公立中学に勤めてます、オオマエといいます。最初に黒岩知事が、今何かトップダウンの方がテレビや新聞をよく賑わしてますけれど、そうではなくて、こうやって県民とともに語り合いながら、一緒に考えていきたいと。しかも問題意識を共有しながら、教育のあり方について考えていきたいという、こういう姿勢を持っていらっしゃること、すごく私は高く評価したいと思います。

その上で、現状について問題意識を共有するということで、二点ちょっと私の意見を言いたいのです。

一つは、私中学校に勤めて39年になります。教員になったのは1970年代で、当時、子どもたちの高校進学ということが非常に深刻な状況でした。そういう中で、神奈川県は、県債を発行しながら、私たちもそれに協力したんですけれど、15の春を泣かせないということで、県立高校を建てていきました。それは本当に県民と行政と、力を合わせて進めてきたことだったと思うんです。

しかし、2002年から始まった公立高校の再編計画、25校の高校が対象になり、11の高校が削られました。そういう中で、今、神奈川の現状はどうなってるでしょうか。私は、大変残念なんですが、全国で15の春を最も泣かしている残念な県になってしまっているんじゃないかと。このときも、県立高校を維持していくことの財政的な負担ということがテーマとして挙げられ、そういう中で、子どもたちの数は減っていくのだから、それに応じて高校は削りましょうと、そういうことが言われました。

結果として、今どうなっているかというと、中学を卒業した子どもたちの全日制高校への進学率は、87.9パーセントという、全国最低の水準にまでなっています。

私は、この39年間、いろんな子どもたちを持ってきましたが、中学生にとって、高校進学というのは本当に切実な願いです。県教育委員会の調査によっても、50パーセントを超える子どもたち、今の悩みの第1は何ですかというふうに問いかけたところ、それに対する答えは、将来のことが不安だと、これが今の神奈川の子どもたちの声です。

私は不登校の子どもを担任したことがあるんですけれど、その子が、2年生のときに学校に行けなかったんですが、私に、10年前ですけれど、言った言葉が忘れられません。

今、私は不登校をしているけれど、こうやって先生と個人的に勉強したり、学校には通えてないけれど、高校に行くことができれば私は変われるはずだと、高校に進学できるかどうかは自分の人生がかかってるんだと、だから絶対に私は高校には進学したいと、中学時代は不登校だったけれど、高校ではがんばれたんだと。

やっぱり子どもたちに、もうがんばっても遅いとか、今からじゃだめだとか、そういう言葉を吐かせるような県政ではだめなんじゃないかなと思います。

昨日の選抜野球の高校生の発言がありましたが、いろんな厳しい状況の中でも、子どもたちが、将来に希望を持って、元気にがんばっているという、これが私たちにとって未来そのものだと思います。

そういう点で二点。一つは、教育を、ちょっと今日はそういうテーマだからかもしれませんが、財政という立場から問題提起されたということは、前の松沢知事、それからその前の知事さんの姿をつい重ねてしまうので、そうではなくて、やっぱり次の時代の神奈川を担う子どもたちが希望を持って生きていくようにするためにはどうすればいいのかと、そのことについて県民からの意見を是非聞いてほしいと思います。

二点目は、知事も、この神奈川県が、全国で全日制高校の進学率が最も低いという、この現状は変えなきゃいけないということに意見を述べてらっしゃったということ、私も伝え聞いております。中学校現場の教員は、そのことに非常に励まされておりますし、希望を持っています。

是非、県民と学校関係者、また保護者が、子ども自身が何よりも望んでいると思うんですけれど、かつては93パーセントを超える全日制進学率だった、そこから高校を11減らし、定員を公立、私立6対4に配分するなどという、定員を抑えてきたこれまでの政策、それを転換して、がんばれば高校に進学できると、やっていけばそこで自分は成長していけるんだと、そういうことが実感できる神奈川にするために、是非知事さんと力を合わせてやっていきたいと思います。

財政に関しては、国との関係、義務教育費国庫負担制度が改悪され、3分の2を県が出さざるを得ないという問題、三つの政令市を抱えてるという問題、ここら辺についてやっぱり見直していくということが必要だと思います。終わります。

参加者

神奈川県立神奈川工業高等学校から、生徒会長としてまいりました、電気科2年、タカダ シュンと申します。よろしくお願いします。

私は自分で工業高校に進学することを選択し、電気の勉強をしています。とても楽しい学校生活を送っています。

工業高校をはじめ、専門高校生は、読んで字のごとく、普通高校とは異なり、専門の勉強をしていますが、知事は専門高校の存在意義をどのようにお考えでしょうか。

また、専門学校で学ぶ高校生に一言お願いします、と言われたら、どのようなエールを送ってもらえるのでしょうか。

続いて神奈川ソーラーバンクシステムについて質問させてください。このシステムは、できるだけ安価に、かつ安心して太陽光発電システムを設置してもらえるようにするのが最大の目的と聞きました。

さて、私が高校を卒業しても、このシステムが継続しているかどうかが心配です。また、そうであるのならば、私が家庭を持って、自宅購入時には、県民の多くの人が太陽光発電装置を設置しているのかどうかということの考えを聞きたいです。

以上についてお考えを聞かせてください。よろしくお願いします。

参加者

こんばんは。横浜市青葉区から来ました、セキと申します。よろしくお願いします。

私は小学生と2歳の子どもがいるんですけれども、小学校に子どもを通わせるに当たって、今日、学校がテーマということで、いろいろ黒岩知事にお聞きしたいことがあって、参加させていただきました。

小学校では給食が毎日出されていると思うんですけれども、福島第一原発の事故以来、子どもにとって今までいいと思われていたことや、ありとあらゆることが、この放射能のこと抜きには考えられなくなってきています。それで、子どもの給食のことについてもそうです。今、給食の規制値はすごく高くて、政府の言う500ベクレルから、今度は4月から改定されて50ベクレルというふうに下がるということなんですけれども、世界の基準から考えると、まだまだとても高いです。

ドイツの放射線防護協会の数字だと、子ども4ベクレルまで、大人10ベクレルまで、WHOは10ベクレルまでという数字になってます。下げてもまだまだ、世界の基準から言ったら、全然高いです。このような給食の実態の中で、親に、いろんなお母さんたちに話を聞きますと、みんな家では気をつけてる、産地に気をつけたり、水もミネラルウォーターを使ってる、けれども学校には言えない、給食のことは言えないっていうお母さん方がとても多いんですね。それが何かとても私はおかしいなと思って、子どもにとって、食べて体に入れる、健康に関することで一番重要なことなのに、健康を害してしまったら、教育も何もないのに、一番大事なところを何で言えない雰囲気なのかということがすごくおかしいなと思っています。

それで、今財政難ということなんですけれども、各小学校、給食なので、ほとんどが、1台ずつその検査の機械を導入する。

そして、今公立の小学校では、検査結果が公表されていたり、産地が一部公表されたりしていますが、公表されていても、子どもたちが食べてしまっては何の意味もないので、公表されたその結果を見て、親が食べさせるか、食べさせないかを決めることができる、そういうシステムをつくっていかなきゃいけないと思うんですね。

私立に関しては全く公表されていません。子どもは、公立の子だけが子どもではないので、私立の子も含めて、公立も私立も、すべての小学校の給食をもっとちゃんと毎日毎日検査して、本当に安全なものだけを子どもが食べるように。

子どもは給食を食べないという選択はできません、出されたら必ず食べてしまいます。なので、どうか財政難の中でも、検査機械を導入したり、検査をもっと厳しくしてほしいということが一点と、もう一点。

今日は教育委員会の方も来ていらっしゃるので、是非黒岩知事と教育委員会の方にお聞きして、是非意見を両方の方から聞きたいと思っています。

修学旅行、今神奈川県のほとんどの小学校の修学旅行が栃木県の日光です。日光は放射線量がとても高いです。ここに比べてもかなり高いです。

政府の除染対象、空間放射線量0.23マイクロシーベルトより高いところがたくさんあります。なのに何故子どもたちをその、放射線量がここよりも高い日光に連れて行かなければならないのか。

司会

たくさんの方が手を上げていらっしゃるので、早目に切り上げてください。

参加者

このような空気がとてもよくないと思うんですね。何故このような放射能の問題を話した途端に、急に打ち切られるようなことになってしまうのか。財政難の中でも、私は学校の給食のことをもっと、お金がかかってももっとちゃんと検査してほしいということ。それから、修学旅行の行き先を変えてほしいということ。

子どもの健康を害しては、教育は成り立たないと思います。

なので、このテーマからずれていると私は考えていません。今日は教育委員会の方と黒岩知事に是非お聞きしたいし、私は頼みに来ました。どうか日光から行き先を変えてください。日光は放射線量が高いです。子どもが被ばくします。たとえ2泊3泊の間でも、地の物を食べてしまいます。そのようなことを考えると、取り返しのつかないことになります。結果が出るのは数年後、十数年後かもしれない。でも、確実に被ばくします。なので、どうか修学旅行の行き先を変えてください。日光以外にも、すばらしいところが日本にはたくさんあります。たくさんのお母さんたちがこういう願いを心に持っていて、いろんなところで活動したり、言えない方もみんな含めて、たくさんいるんです。でも、学校側に言うと、それは本当に打ち消されてしまう。是非お答えください。

参加者

横浜市旭区から来ましたフジイと申します。瀬谷養護学校のPTA会長を23年度、6年間のPTA活動の会長を務めさせていただきました。12月13日、相模原養護学校への知事のご訪問、ありがとうございます。お礼申し上げます。

また、私の子どもは、小学校1年のときに、夏休み、急性脳症で重度の知的障害を負いまして、13年度、小学校2年のときに瀬谷養護学校に転入しました。

そのときの瀬谷養護学校の生徒数150人、教職員の数が90人、今は324名の生徒数、それから教職員が180名と、倍々になってる状況なんです。その人件費は上がるのは当然のことだと思います。

それに、そういう環境の中で、知事はFMヨコハマ等で、養護学校から個別支援学級に移った方がいいんじゃないかというような発言をなさっているようですけれど、一つはその真意をお聞きしたい。個別支援学級も、一生懸命やっている先生がおられますけれども、保護者から見ますと、すぐに移れるような環境じゃないです。まだまだ、養護学校に比べまして、環境整備が整っていないということですので、その辺の真意をお聞かせいただきたいということ。

それから、前向きな発言というようなこと、どうしたらいいかということの発言がほしいということですけれども、3月16日に参議院の予算委員会で、公明党の山本議員が、発達障害の児童生徒が増えていると、その対応策はどうかということで、質問なさっています。厚労省、それから文科省でも、支援を増強するとか、いろいろな対策を取っていくというふうに言っておられます。

それから、野田総理大臣も、予算等の手当を十分果たしていきますというような回答をしております。ですから、そういう発言が、今発達障害の子どもが増えているということに対しての政府の回答があるわけですから、知事もがれきの問題で総理に面談を申し込んでおられましたけれども、こういうような教育費の面は、県でもまかないきれない現状になっています。そういう国会の質問があるわけですから、是非国の予算の獲得ということをやっていただけたらありがたいと思います。

それから、一つだけ最後に質問をしますけれども、4月2日、知事、何の日かご存知でございますか。これは、私の方から答えを申し上げます。国連の「世界自閉症啓発デー」及び「発達障害啓発週間」なんです。

山本議員が野田総理に質問しましたら、野田総理は質問事項に入ってたので、国連の「世界自閉症啓発デー」ということを答えることができましたというふうに言われておりました。

この国連の「世界自閉症啓発デー」及び「発達障害啓発週間」というようなことを大切にして、障害を持っている子どもたちによりよい教育の環境をつくっていただきたいと思います。

以上です。ありがとうございます。

知事

いろんなご意見があるのは当然でありまして、だから、教育の問題、財政だけで語ることはできないと、それは当然だと思いますね。

今いろんなものが出てまいりましたけれど、15の春を泣かせるなという名言があって、それでそのときの状況に合わせてたくさん高校を造ったということがありました。

その後、人口の形態が変わってきたということがあって、この人口の形態の変化というのは、非常に大きな要素になるわけですね。これを見据えながら、私は、この問題について思うのは、神奈川県の人口はいまだに増えているんですよね。ところが、今、全国を見渡すと増えているところってそんなにないんですよね。神奈川県ももうすぐ減ってくるんですよね。人口が増えたり減ったりする。

でも、学校って、一回造ってしまったらば、それをその度に造ったり、壊したり、もう一回造ったりということは、なかなかできないですよね。だから、この辺りみんなで知恵絞りましょうって、実は言っているんですね。そう簡単に機械的に、こうなったから、じゃあ、こうやりましょうって、なかなか言えないじゃないですか。

だからこの辺をどうするかというときに、やっぱりお互いの共通理解の下に、どういうふうなことをするかということを考えなきゃいけないなと。だから非常に難しい問題。だから率直に全部語り合いたいと思っているところなんですね。

それから、現役の高校生がこうやって発言してくれるというのは非常に嬉しいですよね。わざわざこういうところに来てくれてね。

工業高校に通っていると。専門学校・高校の存在をどう思うかというね。私は、教育はとっても多様であった方がいいなと実は思っているんです。

私自身が、教育問題について、全然熱心じゃないんじゃないかと、言われましたけれど、私は、教育に関する本を書いているんですね。「恩師の条件」という本を、かつて書いたんです。それは私の中学、高校の先生のことを書いた本なんですけれど、その先生は今や大変な有名人になっておられましてね。

私は神戸の灘中学、灘高校で、そこの教頭だった橋本武先生、大変ユニークな国語の教育をする先生のことを書いた。その先生の教育というのは、要するに「自由」なんですね。先生自身が自分で教材をつくる。6年間それをずっとやってこられて、「銀の匙」という、岩波文庫の本を3年間かけて読み解くという、非常にユニークな授業をやった。そしてそこで教わったものが今自分のベースになっているということ、そのことを書いたんですけれど、先生のことを書いたその本がきっかけとなって、最近その先生のことで、いろいろな新しい本も出たりして、今注目をまた浴びているんです。

その記憶があるから、僕は教育はなるべく自由というのがいいのかなと。押さえつけて、こうだ、こうだって管理的にやっていくよりも、もっともっと皆さんの自由というものを伸ばしていく教育がいいのかなと思っている。

あなたは自分でおっしゃったね。「僕は工業高校を選んだんだ」。そういう選択肢があるというのは、これはすばらしいと思いますよね。

自由というのは、勝手気ままということじゃないんだ。何をやってもいいというわけじゃないんだ。

その先生は、自由ということは非常に重要視するけれども、例えば規律であるとか、礼儀とか、挨拶とか、そういうことにはものすごくうるさい先生だった。

そういうルールはしっかり守るという状況の中で、自由というものがいいんじゃないのかなということを教わったので、僕はもっともっと多様な学校があっていいなと、実は思っているくらいです。

かながわソーラーバンクシステムの話は、これはちょっと置いておきましょうかね。今日はテーマじゃないですからね。

それから、給食の放射能のことが心配だとか、修学旅行で日光に行くのは心配だと。お気持ちは十分受け止めます。

そのためにまた検査機械を導入しろと。気持ちはわかります。ただ、これはどこまで行くんでしょうかね。

私は、日光に修学旅行に行くなと言われたときに、日光の人がどういう思いで聞くかなということを考えちゃいますね。お気持ちはわかるけれども、何か日光はもう放射能の汚染地域だからって、私はなかなか言い切る自信はないですね、それは。皆さん、そこで生活もしてらっしゃるわけですからね。そういう思いということも含めながら、我々は考えていかなきゃいけないんじゃないのかな。

気持ちはわかりますよ、それは。

そこのところは非常に難しい問題だなと思いますね。給食の問題も、放射能といって、それを徹底的に調べていかなきゃいけないっていう気持ちはわかります。

でも、そこで検査機械を導入して、検査、検査、検査。国がどんな基準を定めても、そんなもん信じられないんだというふうな。そういうことで果してどこまで行くのかな。それはどこまで行けば皆さんが安心できるのかなと、どこまで行くのかなという不安を、やっぱり覚えてしまいますね。日本の基準は日本の基準として、やはり変えるんだったら変えるような動きをみんなでしていかなきゃいけないでしょうからね。

でも、一旦決めたんだったら、やっぱりこの国に住んでいるんですから、国の決めたことに従って生きていくというのは、原則じゃないかなと思いますよ。おかしなことは変えていこうという、その挑戦は大事だと思いますよ。でも、ルールがあっても、この国が信じられないから、このルールを私は守らないんだっていうのは違う。だから、変えようという動きを、そういう声を届け続けるということは大事だと思いますけれどね。

それから特別支援学校を拝見させていただきました。やっぱりこういう非常に大変な教育の現場で、あれだけの先生たちががんばってらっしゃる姿に、大変だなと本当に思いましたよね。

本当に皆さんが、障害のある子どもを一人一人きめ細かく見ながら教育していくことの大変さ、そこでがんばっている先生に対しては本当に心から敬意を表したいと思った次第ですね。

現実問題で、先ほどそういう話をしっかりプレゼンテーションできていませんでしたけれども、教育費が伸びていく、人件費が伸びていくという中で、特別支援学校に手厚く教員を配置しているという状況があって、そして実はこの特別支援学校に入ってくる生徒さんがどんどん増えているという、こういうことですね。

この一点を見ても、社会のある種、何というか、縮図というか、ある種最も弱い部分がこの教育の現場に出てくるのかななんて思いますよね。

障害というのはいろんな背景もあるでしょうけれどもね。

そういう最も弱い人たちにしわ寄せが来るという状況、そこをまた支えなきゃいけない。

そこでそこはしっかり手厚く見ようとすると、どんどんまた、実は私もそうなんだ、私もそうなんだって増えてくるという状況があって、それもどこまで行くのかなというところですよね。そんな中で、この特別支援学校をどんどん増やしていくということが本当にいいことなのか、できる限り、みんなと一緒に勉強できるんだったら、勉強できる子は一緒にやった方がいいのか、それをみんなと一緒に議論していかなきゃいけないんじゃないのかなと思った次第ですね。

今お話をお伺いして、気持ちはわかりますけれど、今の話というのは全部、さらに負担を増やさなきゃいけない話ばっかりなんですね。

だから僕も悩ましい。だから直接話をしてみたいと思った次第なんですね。

倉橋さん、どうですか、ここまで聞かれて。

倉橋 泰氏(教育委員会委員・株式会社ぱど代表取締役社長)

倉橋でございます。私は教育の専門家じゃなくて、企業を経営しております。

だから、経営者の立場で、教育委員会に対してものを言えるということで、任命されたのかなと。そんな中で見ていると、やっぱりこれ黒岩さんも大変だなと思うんですね。というのは、実際に1兆7000億円の予算があるところで、借金、県債発行しているのは3兆5500億円なんですね。だから、年間に使うお金、企業で言うと、年間の稼ぎの倍の借金をしているわけですね。

本当だったら、例えば僕が社長をやっていて、できの悪い会社があるときに、「おまえちょっと立て直しに行け」と言われて、それを見たら絶対ようしません。

何でかというと、責任を取らなあかんから。僕、歴代の知事さん、責任取ってないなと思うんですね。どうしてかというと、企業だと、収入がなかったら払えないんですよ。それを、平成4年からプライマリーバランス、これ企業で言うと収支のことなんですけれど、赤字を20年間続けているんですよ。

今年も公債の返済として2,000億円ほど返さなあかんいうけれども、今年は3,800億円借りようとしているでしょう。この数年は、年間千数百億円ずつ借金が増えていっているんです。

1兆7,000億円のうち、千何百億円借金が増えていくような社長、僕はようしませんよ。絶対避けて通れないのは、これ以上もう借金しちゃだめなんですよ。例えば3兆5,000億円の借金をしたら、1パーセントの金利、県だと安く借りられるから、1パーセントの金利だとしても、355億円、利子だけ払わないといけないんですよ。

もっと言うと、国は本当だったら地方交付税であげるんだけれど、金ないから立て替えとけというのが1兆6,000億円あるわけですね。国がお金を払ってくれないのが累積していって、十何年間。企業で言いますと、売上はあるけれど、現金くれてないわけですね。そうしたらこれは、売上で立ててもいいけれど、不良債権として落としなさいっていうことになるわけですね。そうすると、今年もし1兆6,000億円国がくれないとする。監査法人というところがあるんですけれど、ちょっと高校生の人には難しいかもしれないけれど、審査するところがあって、この会社の1兆6,000億円は絶対回収不能だというわけですね。

だって、そうでしょう。十何年間返してくれなくて、どんどんどんどん毎年増えていくわけですよ。そうすると、今年の決算は1兆6,000億円落としなさいということになると、県の今年の赤字は1兆6,000億円なんですよ。この年の予算が1兆7,000億円なんでしょう。一気に1兆6,000億円だめ。その上にプライマリーバランスは800億円弱の計画なんです。まだお金のもらえないやつが二千何百億円あって、プライマリーバランスが800億円赤字なんですよ。これは誰が考えてもおかしいですよ。

僕たち教育委員会は子どもたちのことを考えて一生懸命やってます。だけれど、一生懸命やっていても、借金を子どもたちに残して、それが本当に子どもたちのためなんですか。

今の小学校2年生はいいですよ、40人学級が35人になったから。その親御さんも嬉しいし、小学生は嬉しいですよ。でも、10年後の小学校2年生はどうなんですか。

自分たちがつくったわけでもない借金を返さないといけないんですよ。ありえない、そんなこと。

僕はもう59歳だから、会社で言うと来年定年ですよね。今はたくさん給料をもらって、たくさん退職金をもらいたいですよ。でも、それを取った後、次の社長はどうするの。会社は、大きな金を持っていったら、大変ですよね。

皆さん、子どもたちのためにと言ってるけれど、実は自分の子どもたちのためにじゃないかなと。

すいません、言い方悪いかもしれません。ちょっと嫌われることを平気で言っちゃいますけれど、経営の立場から言うと、経営ってゴーイング・コンサーンといって、続けていくことなんですよ。つぶれたら全員職を失ってしまうんですよ。一応人件費も、実は調べていくと、2008年で、公務員の平均給与1,001万円です。民間が462万円です。実は倍以上の給与があるんですね。

たぶん人事院がやってるのは最高級のクラス、一部上場の商社とか銀行さんと比べてると思います。うちも上場企業です。うちの平均給与は500万円強です。肌感覚から言って、1,000万円以上払ってるのは、うちで言うと部長クラス以上です、十数名だけですね。

私のもらった資料だと、教職員の平均給与は860万です。退職金が35年勤めると2,800万円です。僕らの企業なんていうのは、いつでも首になるから、勤続年数も短いんです。ほとんどの企業は、退職金制度をやっているとつぶれちゃうから、なくなっているところが多いんですね。これ以上言うと怒られますけれど。

ただ、経営ということを、県は経営じゃないが、知事さんで責任取らなあかんと思ったら、この借金を子どもに預けてはだめなんで、それはどうするんですかということですね。長くなって申し訳ないです。

参加者

こんばんは、横浜清陵総合高校のカトウと申します。

財政ということなんですけれど、高校生もお金を目にすることはありまして、僕は生徒会の方で会計の次年度の予算の組立をやったりしているんですけれど、まだ着手したばかりで。例えば部活動でかご一つ買うのに500円、それも削らなきゃいけないとか言われて、それで結構いざこざが起きたりとかするんです。例えばどこを削ればいいのかなって思ったときに、昨日、県全部の生徒会が集まる会に行ってきたんですけれど、そのときに交通費として図書カード1,500円分を配付してもらったんです。最初はなんだ1,500円かって思ったんですけれど、実際その会に行ってみて、1,500円以上のものを得られたんですね。そうすると、交通費なんかよりは、そこで得たものの方が大きかったので、交通費はまあいいかなって思ったんです。そういう自分である程度まかなえるとこだったら、交通費ぐらいなら削っても、県の方からもらわなくてもいいのかなって思ったりします。

あと、その図書カードがまた普通の市販のじゃなくて、ちゃんとその会のための印刷がしてありました。そういう細かいところから削れば、もっとほかのところにいくんじゃないかなって僕は思います。以上です。

参加者

カトウ君と同じく、県立横浜清陵総合高校所属のコバヤシといいます。

もらった参考資料の県財政の現状についてという資料をずっと読んでいて、自分なりに考えをまとめていました。歳出の面で、介護とか、医療関係費が増えるのは、高齢化している日本の中では仕方なくて、県税収入の半分を超えて、予算全体の3割を占める教職員の人件費、これもほかの方が言っているように、削ってしまうとやっぱり教育の質が落ちてしまうという考えからすれば、これを削るべきではないと思いますし、公債費が増えてしまうのも、ほかのやはりいろいろなことにお金を使わなければいけないので、増えるのは仕方ないと思います。

そうすると、やはり改善すべきは資料の「歳入面」の、(2)番の「不十分な地方財政措置」というのを、県だけでどうにかなる問題ではなくて、国がどうにかしてくれないといけないという問題なのはわかっているんですが、(1)番の「県税収入等の伸び悩み」というのがありまして、「リーマンショック後ほぼ横ばい」と。

これはリーマンショックによって、企業の利益等が減ってしまって、納税額が落ち込んでしまうというのも、やっぱり経済の流れとしては仕方ないと考えているんですが、二個目の個人県民税とかを見て、ふと思い出したことがありまして。マスコミ等で時折やっているんですが、納税をしていない税金の未納者に対する体制が、神奈川県はどうなのかなと個人的には思ったので、ちょっとお聞きしたいと思います。

マスコミの情報を丸呑みにしてしまうのはよくないと思うんですが、得られる情報がないので、それを元にしますが、どこの市町村かまでは記憶していないんですが、とある市町村ではその赤字、未納額をすべて納税していただくことによって、財政が回復するという見込みまで立てられているという情報がありました。やはり神奈川県がどのぐらい未納者がいて、どのぐらいの額が未納なのかというのは、自分はまだよくわかりませんが、それをすべて回収することができれば、県財政を少しでも回復させて、教育にも多少のお金を回すことができるんじゃないかと思いました。

以上です。

参加者

私は秦野市からまいりましたナカジンと申しますが。

知事が以前のことをよくご承知でないということをおっしゃっていましたけれども、つまり前の知事さんたちのとき。これは1997年に、やっぱり行革で、県財政を健全化しようじゃないかということで、そういう推進本部ができ上がっているんですね。

そのときにもう県の借金が2兆8,000億円。だから、先ほど倉橋さんがおっしゃったような、それから1兆円が増えているんですね。

ところが、いろいろけちけち運動みたいな中で、実は県立高校の再編計画というのは2000年から10年計画で行われましたけれども、このときに、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、教育を受ける権利というか、そういうものがやっぱりかなり狭められた。財政的には、結局どれだけ県財政に貢献したかというと、私の試算では870億円です。

それから、このときに25校減らしたんですけれども、これは倉橋さんのような方によく聞いてもらいたいと思うんですけれども、県財政の県の所有地、学校の、それの売却値段がいくらだと思います、実勢価格が。4割で売却しているんですよ。つまり、ここから浮いた金が112億円です、112億円安く五つの学校を売っちゃっているんです。112億円と簡単に言いますけれども、こういう形がやっぱり財政を危機に陥らせている一つの原因じゃないかと。

それで、教育予算についてちょっと曖昧な言い方があって、とても人件費が大変だ、大変だっておっしゃいますけれども、実は10カ年計画の前の1998年度の一般会計は約1兆7,000億円です。教育予算の占める割合は、そのうちの35.4パーセントです。

ところが、昨年度の2011年度の予算は、1兆7,700億円です。つまり、420億円増えているんですね、一般会計が。しかし、教育予算は174億円減っています、1998年から見ると。率にしてマイナス1.8パーセントです。

ですから、教育予算は重しになっているというよりも、教育予算はずいぶん貢献しているんですよ。

貢献した結果が神奈川の全国最下位の全日制高校進学率。そういうところを公平に私は見ていただきたい。そして、本当に将来を語るときは、教育を縮めるような話では、将来は語れないんですね。

参加者

時間がないので、早口でしゃべります。黒岩知事は以前テレビでよく見ておりまして、政治家ともはっきりと、厳しい質問をされていましたので、大変期待しておりました。

3月3日の新聞に、教職員人件費の財政圧迫、10日の新聞に、有識者会議で教職員人件費削減を検討とありました。それを読みまして私は愕然としました。今、それが私の心に突き刺さっております。今日はこういう機会を設けられたことを嬉しく思っております。まずこの国の為政者、行政に携わる人たちが、現場の実態を全くわかっていないということです。私も以前わかっておりませんでした。

身近な者が教員になって10年を経ておりますが、今は一番過酷な厳しい職業であると、日々実感しております。

時間が限られますので、具体的に質問を含めて話をさせていただきます。

まず教員給与が一般公務員より高く設定されているとのことですが、教員には時間外手当がありません。皆さんご存知ですか。教員特別手当が月額で7,000円から、1年ごとに300円か400円ずつプラスとなっていますが、これが何時間分に相当するか、計算してみてください。勤め始めて、その月から、月100時間以上の時間外はざらにしていますが、それだけです。

時間外の部活動、朝、夕、土曜日、祝日、時には日曜もイベントや試合の引率、資料作成、授業の準備、採点、入試対策、校区内の見回り、生活指導、保護者の相談や要望を受け、報告書類の作成、諸行事の準備等々、昼休みもありません。

一般公務員には時間外手当が支払われるが、教員には払われず、サービス残業が当然のようになっています。不思議に思っていますが、世間ではサービス残業は新聞沙汰になるのに、学校だけは労働基準法を遵守しなくてもよいということになっているのでしょうか。

有給休暇も12年間全然取っていないと言っていいほどのことですが、これも労働基準法違反とはならないのでしょうか。教員は土曜日も出勤となっており、夏休みも、昔は40日間あったようですが、今はお盆に土日を入れて1週間のみです。

ちなみに勤続年数12年で、給料を申し上げます、手取りで今年の1月が26万8,881円、2月が27万2,541円、3月が27万1,361円。多過ぎますか、払い過ぎでしょうか。

我が国の教育予算は、国内総予算費で、先進国中最低レベルです。日本では1人の教員が担い期待される任務が、先にも言いましたように多様です。

多くの先進国では既に10人から20人台クラスが当たり前。小学校1クラス当たり児童数、日本は3番目に多い28人、中学校は3番目に多い33人。これも過疎地を含めての平均ですから、神奈川県は40人が当たり前です。

長野県などはとっくに30人となっています。10年ほど前、神奈川県議会がこれを見送っているのです。

議員には二つ目の給料袋と言われる、税金のかからない政務調査費、ずっと1人当たり月53万支払われ続けているのです。年間6億円を超えているのです。

小・中・高で暴力行為6万件超、年々増加しています。家庭で1人、2人、3人ぐらいの今時の思春期、反抗期の子どもたちが学校に送り込まれ、中学では教員が教室を移動するわけですから、毎日何百人の未来を担うべき生徒を育てるべく、使命感で働いているのです。

モンスターペアレントのことで、ある校長に、親は40人、足す40ですよねと言いましたら、40足す80ですよと言われました。

学力が落ちれば、全部教師の責任となるのです。教員の鬱も増加しています。

最後に、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が、白熱教室で富の分配ということで、アナウンサーの年収が平均2,000万円、教員の年収が平均400万円をどう思うかと東大生に問いかけておりました。

是非現実を認識していただきたいと思います。

参加者

横浜市からまいりました。子どもを1人育てています。私が思うには、教育の分野というのは、税収がアップするというような、そういう分野ではないのではないかと思います。いわば未来への投資ですから、むしろお金がかかって当然の分野だと思います。

財政難で、教育費がすごくかかっている、教育費の割合が大きいというのはわかりましたが、だから教育の分野で財政を云々するというのは少し違うのかなと私は今日感じました。もちろん、無駄があれば省くべきとは思うのですが、やはり教育の分野というのは、財政で切り詰めるというような分野ではないんじゃないかと思いました。

先ほど最初の知事のお話で、財政難の原因が超高齢化で少子化だから、財政難になっている一因になっているというお話があったと思うのですが、私もそう思います。

それで、インベスト神奈川と合わせて、働く世代の世帯、子育て世帯が安心して住める神奈川県である必要があると思います。

また、ちょっと変な話ですが、富裕層が住みたくなるような神奈川県であるべきだと思います。例えば、私はちょっと渋谷区にも関係があるんですが、渋谷区では大山公園という公園をユニクロの社長に売却して、そこにユニクロの社長が住んでおります。それで入ってくる税収というのはものすごい、住んでいるだけで年間何十億円というふうに入ってくるんですね。

富裕層が住むというのは、やはり財政上もとてもプラスなのかなと思うんですが、黒岩知事にお聞きしたいんですが、ベネッセコーポレーションの会長がニュージーランドに移住したという話はご存知でしょうか。やはり富裕層が安心して住みたくなる神奈川県、子育て世帯が安心して住める神奈川県である必要があると私は思っています。

じゃあ、先ほどの黒岩知事の話で、どこまで行けば安心できるのかというお話があったかと思うんですが、黒岩知事は政府の基準があると、社会の構成員である以上、政府の基準があるんだとおっしゃったと思うんですが、私、先日小佐古敏荘さんという東京大学大学院の工学系の教授で、原発事故を受けて政府の委員にも選任されたような方なんですが、その方の講演を先日聞いてまいりまして、基準を定める際には、ステイクホルダーが意思決定にかかわっている必要があると。

ステイクホルダーというのは利害関係人ですが、そのステイクホルダーが基準をつくる意思決定にかかわってこそ、基準は正当化できるんだと、基準が正当であると言うためには、ステイクホルダーが意思決定にかかわっている必要があるんだというお話をされていました。

これは『原子力文化』という雑誌の今年の2月号の10ページにも掲載されている小佐古先生のお話なんですが。

それで、先ほどの方が学校給食の基準の話だとか、もうちょっと検査をしてほしいとか、日光が不安だという話があったと思うんですが、私もとてもそれを不安に思っています。

小佐古先生が考えるようなステイクホルダーが意思決定にかかわることができているのかというと、今現状ではかかわることができていないと思います。

こういう機会にステイクホルダーとして意見を言って、知事に思いを伝えるというのは必要な、意思決定にかかわるとまではいきませんが、貴重な機会だと思いましたので、発言させていただきました。

参加者

都筑区に住んでいるハセガワといいます。県内の桐蔭学園で教員をしております。

知事は先ほど、教育は多様性が大事だというふうにおっしゃったことを、私学教育の現場にいる者として、教育の多様性を創造している私学教育に携わっている者として、非常に励まされました。ありがとうございます。

非常に知事が子どもの発達というものを考えられているんだなということがわかったわけなんですが。

最初のお話に戻るんですけれども、政策的経費が2割なんだと、これが危機的だというお話だったんですが、実はそこの理由が説明されてないので、何故2割じゃいけないのかな、1割じゃいけないのかな、逆に何割だったらいいのかなというところを是非ちょっとお答えしていただきたい。

例えば、東京都は潤沢ですけれども、他の道府県が政策経費がいったいどのぐらいで必要なのかと。また、地方自治を進めていく上で、何で2割が危機的なのか、どれぐらい必要なのかというところが、僕は論立てとして大事かなというふうに思いました。

そうしたときに、私立学校に勤める立場から言いますと、政権が交代しまして、教育の分野では、あなたの学びは社会が支えますということで、学費の無償化に舵が切られていきました。

ところが、私立学校にかかわって言えば、無償にはなっていなくて、就学支援金という形での国での措置ということになっています。ですから、県立高校に通う生徒と、私立学校に通う生徒は、ある意味無限大の学費格差を感じていることになるわけです。

そうしたときに、神奈川県も学費補助を年々上げていただいて、今年も上げていただいて、本当に嬉しい限りなんですけれども、実は政策的に年収500万円以下の生徒の家庭を実質無償化にするには、金額的には15億円で済むという試算を学事振興課からお伺いしています。

そういうことを考えると、先ほどの1,800億円が実は今年の政策的経費になっているかと思うんですが、その中に教育を政策的課題として入れるということはできないんだろうかというふうに、私は逆に提案したいというふうに思います。

この神奈川から、この日本でまだ不十分な、公・私立を含めた学費の無償化を実現していく、そのことが子育てしやすい神奈川、そして高校生が学んでよかったと思える神奈川、神奈川に誇りを持てて、やがて神奈川で起業していこうというふうな子どもたちを育てていくことにつながっていくんではないでしょうか。

そういった意味で、学費の無償化といったものを進めていく、そのことを政策的経費の中に入れていくということで考えられたらどうか、ということです。

もう一つ、私学にかかわって言えば、先ほど国の決めたルールは守ることという話がありましたけれども、実は神奈川県の、国から出されている経常費助成というのは、国基準というものを下回ってかなり久しいわけなんです。

高校生1人当たりにすると約1万4,000円、小学生、中学生にすると、1人当たり9万円で、国基準との差があるということになっています。

ここのところを是非実現していくということを、知事の政策的な判断として、政策的経費の中で実現していくということで、こういった問題を解決されていったらどうでしょうか。

以上が私の意見です。

司会

それでは、最初にもご紹介いたしましたけれども、たくさんツイッターによるご意見も来ておりますので、ここで二件だけご紹介します。

「異なる世代、立場からの幅広い意見が必要だと思います。」

それからもう一件。

「進学率に関して、将来を考えるにあたって、様々な選択肢があることが重要ではないか。不登校などの問題が生じたとしても、普通・定時・通信制等の選択肢を示し、将来を考えられるようにできればよいかと。」

という、このような意見、多数届いております。ありがとうございます。

知事 

いろいろいただいたので、最初生徒会の、部の予算を使うのも大変だという話でしたね。まさにそのとおりですね。

ですから、まさに同じような苦しみというか、我々がやっていることもね、やっぱり一つひとつのことを、どれを使うのか、使わないのかということ。そんな中で交通費ぐらい削ってもいいじゃないかという話がありましたね。

じゃあ、県の中で、じゃあこれはもういいよって、どこの部分がそれなのかということを探しているところだと私は思っているんですけれどね。

それから、また高校生のお話で、国が地方に回すお金、財政措置が不十分になっているということ、これ非常に大きな問題なんです、実はね。

だから、冒頭で申し上げたように、神奈川県だけで済む問題なのかといったことも大きな一つのポイントなんですね。地方交付税というのが国から地方に来るんですけれども、実は前は地方交付税って全部お金で来ていたんです。今は国も非常に財政的に厳しいんですね。それで、地方交付税のかなり多くの部分を、臨時財政対策債という、借金で持ってくるんですよ。私もこれは驚いたんです。今日そこまで話しませんけれど、県は借金を減らそうと思って、努力しているんですね。今日は資料をちょっとお渡しできないけれども、県の通常の借金はどんどん減っているんです。ところが、借金の総額は減っていないんです。

何故かというと、地方交付税の代わりの借金をどんどん増やされちゃっているんですね。だから、どんなにもがいても、地方でどんなに削って頑張っても、借金地獄から抜け出せないという構図になっているんですね。この問題は神奈川だけで済む問題じゃないということ。でも、これは非常に重要なポイントだと私は思っていますね。

税金の未納者を徹底的に洗い出して対応すべきじゃないかということ。例えば、今、国の方でも議論になっている番号制度というか、みんなに番号を振りましょうという。そうすると、おそらくものすごく透明性が確保されてくると思いますね。そのことによって社会保障のあり方とか、今までよりもっともっと明確になってくると私は思っていますけれども。

しかし、これはまさに今、国民的議論を起こしているところですね。

だから、番号制度が導入されていって、もっと個人個人の所得もしっかりと捕捉されるようになってくると、黙って税金を払ってない人がいたら、それはもっと浮き彫りになってくるとは思うんですけれど。

しかし、この番号制度をつくるということについて、プライバシーが全部透明化されてしまって、国に全部管理されてしまうという、そういう不信感を持つ人もいますから。だから、それもやっぱりみんなで今、議論をしているという、そういうところだと思いますけれどもね。

それから、教育の予算はずいぶん減らしてきたんだと、ずいぶん減らしてきていて、教育の予算が全体を圧迫しているというわけじゃなくて、教育の部分で頑張って抑えたから、むしろ貢献しているんだと。

私はその指摘はある意味正しいと思っているんですよ。見てみると、そうなんですよ。だから悩ましいんですよ。

例えば、教職員の人件費の問題を言いましたけれど、教職員の人件費がどんどん上がっていて、それで「何だ、あの人たち何やってんだ」という状況ならば、そこにメスを入れましょうって、言いやすいですよね。

そうじゃないんですよ。学校の先生たちも一生懸命我慢して、そこを抑えて抑えてやっているんですよ。それだけの努力をされているんですよ。放っといたら、どんどん、もっと増えていますよ。そこを抑える努力をしている。

しかし、現実問題として、例えば30人学級がいいですっておっしゃった。いいですよ、その方が。絶対その方がいいですよね。でも、30人学級になったら、先生の数が増えるんですよね、これが。当然のごとく増えるんですね。そこまでどんどん増やしていったら、またそれがせっかく一人ひとりが頑張ってやっているにもかかわらず、また増えてきちゃうというところ。だから、これをどうするかという、非常に悩ましい問題なんですね。

それからちょっと訂正させていただきたいんです。訂正じゃなくて、はっきりと申し上げたいんですが、どの記事をご覧になったか知りませんけれども、調査会を設けるに当たり、私が教師の人件費を削るということを依頼したという記事があったという、それは違いますからね。私はそんなことは言っていません。

聖域なく、全部抜本的にみんな見直してくださいと、考えてくださいということは言っていますよ。例えば今日も言ったでしょう。じゃあ教師の人件費を削減すればいいんですかって。そういうことも含めて議論しましょうよって言っているだけですよ、それは。そういう意味での削減であって、削減をみんなでしましょうよなんて言っていません、そんなことは。そのために調査会で検討してくださいなんていうことは申し上げていません。

さっき先生も時間外手当はない中で一生懸命やってらっしゃるということ、そうした中で頑張ってらっしゃるということを評価した上で、じゃあどうしますかと申し上げているんです。

実態を見ながら共有しながら、そこからスタートしましょうよということを言っているんですね。だから、私の中で結論があって、これで行きましょうと言って、どこかおかしいですかと言っているんじゃないんですよ。

でも、この問題の悩ましさって、皆さんだんだん分かってきていただけているんじゃないでしょうかね。私はメディア出身ですから、そこのところは何を書かれたってしょうがないですけれどね。

それから、教育というのは未来への投資なんだという話。まさにそのとおりだと思いましたね。富裕層が住みたくなる神奈川にしてください。まさにそうですよね。

だから私もマグネット神奈川と言っているんですね。マグネット神奈川、マグネット、引きつける力を持ちたい、どんどん引きつけていく、これが大事だ。だから、お金持ちもどんどんやってきてもらって、産業も工場もどんどんやってくる。世界からどんどんいろんなものが集まってくる。観光でもそうじゃないですか、どんどん集まってくる。

そういうものによって財政状況は好転していくという、そういうことを目指したいと、まさに思っている。だから、教育もそうですよね。学校はどうあるべきか。私もいろいろなところで言ってきたのは、マグネット学校、これを目指すべきじゃないでしょうか。引きつける力を持った学校。あの学校に入りたいな、行きたいなと。

あの学校はこんな個性があるから、あそこはこんなにおもしろいから。だから多様性っていうのが大事だなと思っているんだけれども。そういうことを目指していくべきだというふうに、基本的に思っています。

基準を定めるには、ステイクホルダーが意思決定にかかわる必要がある。基本的にそうですよ。だから、今日、皆さんからお話をお伺いしているわけです。こういう場というのも、そういう一つのプロセスだと私は思っている。今すぐは答えられないですよ。今、こうしましょうって私は言えませんよ。

しかし、要するに皆さん、まさにステイクホルダーですよね、ここにいらっしゃる方はね。その中で、いやこうなんですよ、こうなんですよという話があった中で、じゃあどうしますかということをみんなで考えていくという。そのためにこういう場をやっているというふうにご理解いただきたいと思います。

政策的経費が2割じゃなぜいけないのかということ。私は、財政が非常に厳しいという状況、これを解決する最大の方法は何かといったら、経済を活性化させることだと思っています。

どんどん経済が活性化して、それで県税収入もどんどん増えていったら、こういう問題は全部消えていくんですよ。だから、それをやろうとしているんです今。私が一番やろうとしているのはそれなんです。どんどん伸ばしていく。

そのためには、じゃあどうすればいいかというときに、例えば、産業を刺激するために、ある程度の投資的なお金というのは必要になってきますよね。

そういったものが使えなくなってくると、まさに手が打てなくなってくるというか、そこのところで私は問題だと思っているんですけれどね。これが2割以下。実は、私全国の状況を、今ここにデータを持ち合わせていませんけれど、この間、横浜市の市長がパーティーで「横浜市も財政がもう大変なんですよ」とおっしゃっていました。そして「政策的経費が4割しかないんですよ」とおっしゃっていました。私はこれを聞いていて、4割もあるのかと思ったぐらいですね。2割しか政策的経費、いろんなことを挑戦してやっていこうという金がないというのは、本当に手が縛られているという状態、その厳しさを皆さんに、理解してほしい。

そこから何をすべきなのか。

教育の質を落としたくないじゃないですか。教育はやっぱり社会の基本だと思います。でも、この現状です。

この現状の中で、どう知恵を絞るか、私一人で考えてもわからない。

だから皆さんの生の声を聞きたかった。だから、こういう会を設けてるというところであります。

渡辺先生、最後一言まとめていただけますか。

渡辺 慎介氏(知恵袋会議委員・学校法人関東学院常務理事)

私は、財政の面から教育をどういうふうにやったらいいかという知恵は持っておりません。

ただ、先ほどから皆さんもおっしゃっていますように、教育というのは、この国の将来を左右する、極めて重要な要素であると思っています。

それで、お金をかけないでと言えるかどうかわかりませんけれども、学校教育にもうちょっと、例えばリタイヤされた方、いろんな経験を持っている方に、もちろん教育そのものじゃなくて、例えば放課後の教育の一環にそういう方に参加していただいて、教育の質を変えるといいますか、そういうやり方も一つあるんではないかなという気はします。

定年退職した方が大量にいらっしゃるわけで、そういう方に、もちろん誰でもいいというわけじゃなくて、それなりの準備期間を設けた上で、学校教育の補助的なところに参加していただいて、結果的に教育の質を高めていくということは可能なんではないかなと思っております。

短いですけれども。

参加者

神奈川県の県立高校の教員で、オオワダと申します。37年間やっていまして、今年3月に退職です。

黒岩知事の発言を聞いて、本当に今日は元気が出ました。生徒のために何ができるのかなと振り返ってみて、やっぱり努力を見捨てないっていうことだと思っているんです。やはり今生徒の家庭状況は大変です。アルバイトをしなきゃやっていけない家庭もたくさんありますし、保護者も帰りが毎日夜10時11時です。

子どもたちをどう守っていくか、本当に苦労しました。

最後に一つだけ私が言いたかったのは、私は、以前でしたら毎日教育実践の記録をまとめていたんです。しかしこの10年、本当に忙しくて書けない。何故こうなってしまったのかって、本当に多忙化です。

生徒と一緒に向き合ってじっくり、私の専門は数学ですけれど、数学が分からない子を、以前だったらとことん時間をかけられたのが、もう会議とかいろんなのでできないんです。高校の現場は、今そうなっています。

やっぱりお金をかけなくとも、時間がほしいんです。お金はもちろんほしいですけどね。だけれども、もっと大事なのは今、時間だということを一つ。

生徒には貸与じゃなくて給付制の奨学金。これはお金がかかるんですが、生徒は大変な状況です。学校を続けられるかどうかということがありますので、それが2点目です。

それから最後に、どの学校も、在日の外国人の方や、いろんな方がいます。そのときに、国旗、国歌が強制じゃないかって実は生徒から出ています。そういう誤解が、今、実際に声が挙がっています。

改めて強制にならないように、どんな子でも思想、良心の自由を含めて、大事にする。要するに日本人じゃなくても、外国人の生徒も、みんな一緒に平等にしていくという、平等の教育をということで、私自身やってきたつもりですが、黒岩知事の言うように教育の自由、そういう創造的なものを、教師の意欲を大事にしていただきたいと。

人事評価や、給料のために私たち教師になったんじゃないんです、私個人はね。人事評価で評価が一方的につけられて給与に反映されているのが、現場の教員からすると、俺たちこんなためにやっているんじゃないって、生徒のためにやっているんだというプライドを持っています。

そこがちょっと教育委員会に耳が痛いかもしれませんが、お考えいただきたいということも含めて、最後にみんなで力合わせていい教育をしていくためには、今日のような黒岩知事のこういう集会をもっといろんな形でお願いしたいなと思います。

今日は本当にどうもありがとうございました。

知事

ありがとうございました。

先ほどちょっとあった、公務員が平均給与1,000万円超えてるという話がありましたけれど、そんなにもらっているのかなと思って、今ちょっと調べてもらったら、656万円でありました。ちょっとそのデータは違うと思います。そんなにたくさんもらってないですよね、と私は思いましたけれど。その部分は、また次のテーマということにしたいと思います。

今日は、本当に、高校生の皆さんも含めて、率直にどんどん意見を出してくださって、あらゆる世代の、あらゆる立場の方とこうやって教育の問題について議論できたということ、これがとってもよかったなと思っています。

とにかく、私の一番の思いは、この状況を認識してほしいということです。それで、皆さんの教育に対する思い、わざわざ教育のことでここに来て話をしたい、それだけ熱い思いを持ってらっしゃるということ、これがすばらしいんですよね。

教育は、国の基本です。大事にしたいですよ。人材がちゃんと育たなければ、この国の先はないですよ。そこには、本当ならどんどんお金もかけていきたいですよ。でも、それができないという現状というものを見た上で、それをしっかり把握した上で、じゃあどうすればいいのかって、ここはみんなで知恵を絞らざるを得ないんじゃないのかなと思うんですね。

今日、皆さんが一つひとつのことでお話をいただいた中で、さっきもちょっと言いましたけれど、基本的には財政負担をもっと増やさなきゃいけない話というのが当然多くなってきちゃうんですね。しょうがないんですね、それは。

でも、神奈川県の状況、それから日本国の状況、そうした現状の中で、どうやって限られたお金を有効に使っていくのか、お金じゃない部分で、もっともっとできることがあるんじゃないのかということを、一緒に共通の認識のもとで、どんどん積み重ねながら、新しい政治を見出していきたいと思っています。それで今日も出てきた、国のこの制度がおかしいぞといったことを、神奈川で、みんなでまとまって国と闘っていこうじゃないかというような、そんな形に持っていきたいです。「神奈川の教育はすごいよな」、「あそこから立ち直ったよな」、そんなところをゴールとして、そこを目指して、ともに頑張っていきたいと思います。

今日は、そのスタートということで、よろしくお願いします。

どうもありがとうございました。

(中途退学者については東京都、大阪府、愛知県に次いで4番目。(平成22年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」より))

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