第3回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

掲載日:2018年4月20日

概要

第3回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」の会場の様子

 

テーマ 再発見かながわの旅-国内外(くにないがい)から多くの人を引きつける神奈川の魅力について-
日時 平成23年12月21日(水曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 105 名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。





実施結果(テキスト版)

知事

こんばんは。神奈川県知事の黒岩祐治です。年末のお忙しい中、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます。

今日の対話の広場は、知恵袋会議と連動した形でやっております。知恵袋会議といいますのは、私のブレーンであります。各界の超一流の皆様にお集まりいただきまして、県政に対していろいろなアドバイスを頂いております。

その知恵袋会議の中で浮び上がってきたテーマを、この対話の広場に持ち込みまして、皆様と共に議論していこうということであります。この中で出てきた新しいアイデアで実現できるものは、すぐに実現いたします。

第1回目は「自殺」をテーマに議論したのですが、その時にも、「『こころの電話相談』が有料だ。有料というのは、自殺まで追い込まれる人にとってはハードルが高いんだ」という話がありました。この話を受けて、すぐに無料化ということを実現した次第であります。

このように、ここから出たアイデアで、生かせるものはすぐに生かしていきたい。そういう県政の運営をしていきたいと思っておりますので、今日も皆様、どんどん積極的に議論に参加してください。この対話の広場では、私は半分キャスターに戻り、進行し、お答えしてまいります。

今日はお2人のプレゼンテーターにプレゼンテーションしていただきまして、それを基にしながら、議論を進めたいと思っているところでありますが、今回は観光というテーマで議論しようと。なぜ、知恵袋会議から観光というのが出てきたかといいますと、神奈川を元気にしていくためには、観光ということについて、やはり本格的にもっと力を入れていくべきだろうと。観光の資源となるようなものはたくさんあるけれども、もっと力が出るはずだと、こういう話がありました。

「長期滞在型のエリアがあったら、もっといいのではないか」とか、「外国から来られる皆さんにとって、まさに外国の方から『行ってみたい』と心から思えるような神奈川にしたい。そのためにはどういうことがいいのか。こういうことを、やはり真剣にみんなで考えるべきじゃないか」ということが知恵袋会議で出ましたので、それを今日は議題にしたいと思っています。

ただ、今回のこの会に関しては、ちょっと特別に考えたいと思います。昨日、私は本会議で、被災地のがれきの受入れという方向性を表明いたしました。これに対して、県民の皆様、それから地元の皆様にしっかりご説明をしたいと思っております。そして、来年早々にはこの対話の広場を最終処分場があります横須賀等で開催し、直接お話をしようと考えております。

ただ、昨日の今日でありまして、この中にも既にがれきの話を聞いてみたいという方がいらっしゃると聞いておりますので、その件については後の方の時間を使わせていただいて、今回は10分ないし15分ぐらいしか時間を取れなくて申し訳ないですが、その中でご質問がある場合にはお受けしたいと思っているところであります。そういう感じでよろしいでしょうかね。それでは、まず事務局からお願いします。

観光課長

それでは、私の方から本日のテーマについて、ご説明いたします。お手元に、A3版の「再発見かながわの旅」 [PDFファイル/357KB]という資料をお配りしておりますので、この内容に沿って、神奈川県の観光の現状と県としての取組みについて、簡単にご説明いたします。

まず資料の左上ですが、神奈川県の現状を記載しています。一番左端のグラフをご覧いただきますと、これは過去5年間の観光客の推移を表しています。昨年は史上2番目となる、のべ約1億7,400万人の観光客の方が本県を訪れています。観光客の内訳は、首都圏からの日帰りの方が全体の9割以上という現状となっています。

その右手の中央のグラフは、本県を訪れた外国人旅行者の方の数の推移です。昨年は年間で、過去最高の153万人の外国人の方が訪れています。外国人旅行者の方の内訳は、中国、韓国、台湾など東アジアからの来訪者で全体の6割以上となっています。

一番右端の囲みは、東日本大震災による影響についてです。震災以降、落ち込んでいた観光客は徐々に回復し、昨年並みに近い水準になっています。しかし、外国人観光客数は依然として回復が遅れているという状況です。

二段目の左の囲みですが、観光振興を進めるに当たっての課題を幾つか記載しています。一つ目の課題としては、宿泊滞在型観光の促進です。先ほど説明しましたように、本県への来訪者は日帰りが中心です。観光の振興による経済的な効果をより高めていくには、宿泊を伴う滞在型観光を増加させる必要があります。

課題の二つ目は、外国人旅行者の回復に向けた取組みについてです。東日本大震災以降、外国人旅行者は激減しており、本年1月から11月までに我が国を訪れた外国人旅行者数は、累計で前年に比べて約30パーセントのマイナスとなっていまして、今後成長が期待されている、海外からの来訪者の回復に向けた取組みが重要となっています。

その他の課題としては、多くの人を引き付けるためには、地域自らが主体的に、地域の個性ある魅力を生かした取組みや、体験学習・交流型へと多様化している観光ニーズの変化への対応、さらには観光客の受入体制の整備や、観光分野での人材育成などの課題があります。

中央の段右上をご覧いただきたいと思います。このような現状や課題を踏まえて、県では昨年、観光を通じて県の活力を高める観光立県神奈川の実現を目指して、神奈川県観光振興条例を施行しました。囲みの中に書いてある五つの内容は、この観光振興条例で定められた施策の柱と、具体的な取組み例です。観光は非常に裾野が広く、取り組む範囲も広範囲に渡るため、まさにオール神奈川での様々な取組みが重要となっています。

左側の上から3番目の囲みです。これは神奈川県の観光魅力の例示です。県内は自然、歴史、文化をはじめ、多くの魅力ある観光資源に恵まれています。これらの従来からの観光資源に加えて、最近では工場見学やアニメなども新しい観光資源として注目されており、神奈川はまさに観光資源の宝庫とも言えます。これらの多彩な魅力をさらに磨き上げるとともに、新しい、多くの人を引きつける魅力の創出が求められています。

中央の段右下の囲みをご覧いただきたいと思います。こちらは、外国人から見た神奈川の魅力についての資料です。昨年県が実施した、県内を訪れた外国人旅行者へのアンケート調査の結果です。「1訪問地」を見ると、箱根・湯河原地区が1位で、一番多い状況です。続いて横浜、鎌倉の順となっています。「2訪問目的」を見ると、1番がやはり温泉・リラックス、続いて自然景勝地の見学となっており、買物や日本食を目的とすることは、他の目的と比べて低くなっています。その隣の満足度については総じて高く、不満を感じた点としては、ごくわずかですが、資料にあるような内容となっています。

最後に一番下の囲みですが、重点的な取組みについてです。魅力ある観光地の形成に向けた取組みとして、観光資源開発やまちづくりの促進、広域連携による観光の推進などに取り組んでいます。また、地域経済の活性化に向けては、観光産業の振興や人材の育成、観光プロモーションなどに取り組んでいます。外国人旅行者の増加に向けては、海外での観光プロモーションの実施や、外国人旅行者の受入体制の充実などに取り組んでいます。

このような取組みを通じて、国内外から多くの人を引きつける神奈川の実現を目指してまいります。説明は以上です。

知事

事務局から神奈川の観光の現状を説明させていただきましたが、それではプレゼンテーションに入りたいと思います。

最初は、富士箱根ゲストハウス代表、VISIT JAPAN(ビジット ジャパン)大使の高橋正美さんであります。外国人観光について実際に取り組んでいらっしゃるんですけれども、その内容をパワーポイントを使用して説明していただきたいと思います。それではよろしくお願いします。

高橋正美氏(富士箱根ゲストハウス代表・VISIT JAPAN 大使)

皆さん、こんばんは。富士箱根ゲストハウスの高橋正美と申します。時間が限られていますので、さっそく自己紹介から始めさせていただきたいと思います。

当館は、ススキで有名な箱根仙石原にあります。建物の外観はこういう形です。客室数は14部屋で、露天風呂と内風呂が四つほどあります。当館のサービスの特徴は、夕食は提供せず、朝食は希望者のみに提供し、そして全館禁煙でございます。

当館はオープン以来、26年間、世界75カ国から11万人を超える外国人客を受け入れました。現在、先ほどもお話がありましたが、原発事故の問題で大きく落ち込んでいますけれども、これは昨年1年間の数字でございます。ご参考にということでお示しします。

客層は個人旅行客が中心です。団体客ではありません。全体の9割が外国人で、欧米系が6割、アジア系が4割です。昨年は59カ国から約1万人が宿泊しまして、国別宿泊数のリストはトップがオーストラリア、続いてフランス、アメリカ、イギリス、ドイツといった感じでございます。

当館のおもてなしは、「出会い」「ふれあい」「学び合い」で、それを支えているのが「国際交流」「文化交流」「教育交流」の三つの理念です。とは言いましても、別に難しいことをやっているわけではありません。外国のお客様が喜ぶことをして、ついでに私たちも一緒に楽しませてもらっているといった感じで、毎日楽しくやっております。

当館の様子を写真でご覧いただきます。「国際交流」の写真ですが、これは外国人客とお酒をくみ交わしながら、歌ったり踊ったり、楽しいひとときを過ごすということもあるということです。

それから「文化交流」ですが、お習字、折り紙、剣道など、日本の文化を紹介します。一方で外国人客の方も、自国の歌を歌っていただくなど、双方向の交流をしています。

次が「教育交流」。希望があれば、外国人を地元の学校に連れて行きまして、こういう形で生徒たちと交流をしていただいています。

当館は、アメリカのコーネル大学が実施したアジアにおけるホスピタリティ産業調査で、ベスト・プラクティス・チャンピオンに選ばれております。また、一昨年、私は国土交通大臣から、観光立国政策を担うVISIT JAPAN(ビジット ジャパン)大使の任命を受けております。自己紹介は以上です。

それでは、私が箱根という国際観光地において、26年間にわたって外国人客たちを受け入れてきた中で、いろいろ学んできたこと、そして私自身が考えてきたこと、あるいは実際に行ってきたことなどをお聞きいただいて、最後に幾つか具体的な提案をさせていただきたいと思っています。

それでは先に、外国人が感動する箱根の魅力について、ご紹介いたします。温泉に入って富士山を見て、そして感激するというのは、これは外国人も日本人も同じです。ここでは、外国人が感動する意外な場所について、二つほどご紹介したいと思います。

一つはススキの草原です。ここは今でこそ観光名所となっているんですけれども、以前、私たち地元の住民たちは、ここは何もない原っぱにすぎない場所だと考えていました。しかし、約15年前、当館に泊まりました外国人観光客が、ここをある雑誌で紹介したことがきっかけとなり、大ブレイクしました。

二つ目が、地元の寺の五百羅漢と墓地でございます。「外国人にお墓を見せるなんて」と思う人が多いかと思うんですけれども、実はここに外国人を連れて行きますと、彼らは口々に「住民の心を感じるところだ」「京都のお寺よりもピースフルだ」と、こういった言葉で感動される方が多いんですね。地元のお墓が観光スポットになるんだということを、私は外国人から教わりました。

次に、外国人がよく私とふれあいながら口にする、新しい観光の魅力について、ちょっと紹介させていただきたいと思うんですけれども、外国人は皆さん一様に「箱物はつくるな。究極の観光資源は人だ」とおっしゃいます。「学校教育の中に観光教育というものを導入して、住民の意識改革を促すべきである」「この異国の地で親切にされたという体験は、生涯忘れないものになる」。こういうふうにおっしゃっている方が多いんですね。それで、観光資源となる人を育てるにはどうしたらいいか、私が独自に取り組んできた事例をちょっと紹介させていただきたいと思います。

一つは、小・中・高校生を対象とした観光教育を、私ども富士箱根ゲストハウスにおいて行うと同時に、学校の方にも出かけていき、いろいろな現状を子どもたちに語って聞かせております。

次に、大学生・社会人向けのセミナーを行っています。そして大学生のインターンシップですね。最近、このインターンシップの希望者がどんどん増えております。今までは大きなホテルにインターンシップに行っていた大学が、うちのようなところに学生を送るようになってきています。

ホスピタリティを身につけた人材を育てることが、何よりも地域の魅力をアップする、マグネットパワーを高めるということにつながるということで、その要領について二つまとめたのでご紹介します。

まずは問題発見。つまり、外国人たちが何に困っているのか。あるいは、何を欲しているのかということを、知るということですね。県も努力されているわけです。アンケート調査などを行って、いろいろと把握に努めていらっしゃるんですけれども、なかなかアンケート調査だけでは十分ではないというところがあります。とにかく、分かった問題は即刻解決するということが大事であるということです。

そしてもう1点。地域のマグネットパワーを高めるためには、発想の転換と意識の改革が必要なんだということ。ちょっとこれだけ頭の隅に置いておいていただきまして、では現実に地域においてどんな問題があるのか。

外国人観光客の声の一端をご紹介させていただきますが、1番目は行政の問題。道路案内標識が分かりにくいとか、観光マップが分かりにくい。こういった声が多いです。

それから、次に多いのが交通の問題です。バス路線が分かりにくいとか、乗り降り、乗り換え、あるいは荷物を置いたり、料金の仕払い方が分かりにくいという点。

次が金融の問題ですね。これも多いです。地方銀行では、日本円への両替ができません。箱根にも幾つか地方銀行があるんですが、両替まではしてくれません。それと、レストランや土産物店で、クレジットカードが使えないという問題があります。

そして4番目は、住民の意識に壁があるということです。神奈川県内では、受入体制の整備に向けて様々な取組みを行っていただいております。おかげさまで、いろいろ改善されてきております。箱根のバス路線にアルファベット記号が付けられました。これによって、行き先が大変分かりやすくなりました。それからセブンイレブンのATMから現金が引き出せるようになりました。クレジットカードを入れると現金が引き出せる。それから、小田原駅の構内に観光案内所がオープンしました。これらは改善されたわけでございますけれども、実はこれでもなお、まだ外国人観光客が求めるものとずれがあります。

バスにアルファベットが付いたのはいいんですけれども、バス停の名前がわかりにくいということです。アナウンスがあっても聞き取りにくいということ。それから、セブンイレブンのATMから現金が引き出せるのはいいんですけれども、クレジットカードそのものを使えるお店がまだ少ないということ。それから、観光案内所がオープンしたけれども、午後4時半ごろになると閉まってしまい、それ以降は助けにならないということです。その次が、四つ目の住民の問題なんですけれども、観光から戻ってきた外国人が私に、どうも私たちは地域の人たちから歓迎されていないんじゃないかとつぶやくことが時々あるんですよ。それは、やはり住民の意識の問題ではないかと思っています。

それは、外国人の来訪を歓迎する心が育まれていないということであり、それから外国人のニーズ、本音というものを理解できていないという理由からです。その問題解決、つまり住民の意識の壁を取り除くにはどうしたらいいかということですけれども、私は出会い、ふれあい、学び合いという体験を通して、外国人の来訪を歓迎する心を醸成する、育むということが大事である。そして、先ほども言いましたけれども、学校教育の中に観光教育を導入して、小・中・高校レベルで外国人観光客の来訪を歓迎する心を育むことが大事であると考えています。

意識の壁をなくすということについて、よく皆さんは、まず外国語の習得が大事だとお考えになる方が多いと思うんですが、私は言葉の学習よりも先に、ふれあいを体験していただいて、外国人を歓迎する心を育むことの方が大事だと思っています。そういう感動体験を通して外国語を学んでいただく方が、はるかに学習効果が上がるということを申し上げたいと思います。地域の魅力を高める発想転換、ここに四つばかり挙げました。質から量へ、内から外へ、ハードからソフトへ、サービスからホスピタリティへ。これはそれぞれ理由があるんですが、時間の関係で、一応この四つを挙げるというだけにとどめさせていただきます。

それからもう一つ、意識改革についてですけども、地域づくりは人づくり、魅力づくりは幸せづくり、日本の常識は世界の非常識。もちろん逆もありますね。世界の常識は日本においては非常識になるということもありますが、幸せ立県神奈川を目指すということが、外国人客誘致には大変大事ではないかと考えております。

発想転換の一例ですが、ブータンの国王がいらっしゃったりしてこの間話題になりましたけれども、こういう世界幸福度ランキングが発表になっています。私は日本が90位という順位を、どうこう言おうと思ったわけではなく、この発想転換によって新しい誘客に一つの弾みがつくと思っているものですから、ちょっと出させていただきました。同時に、都道府県別の幸福度ランキングというものも、先般マスコミで発表されました。これも同じことです。ちょっと発想を変えることによって、がらりと地域の魅力が変わってくるということです。

最後に、地域のマグネットパワーを高める提案ということで、幾つか提案をさせていただきます。外国人観光客の声にもっと耳を傾ける。そして県民の幸せを世界に発信する。観光教育の指導者養成を図る。これは、以前の神奈川県立外語短大(※)を活用されたらどうかと思っています。

それから2番目ですが、バス停に通し番号を付ける。共通フリーパスを発行する。小・中・高校に観光教育を導入する。必要であれば、当館を実学の場として提供することも考えたいと思います。

出会い、ふれあい、学び合いを通して、県民の幸せを世界に発信し、地域のマグネットパワーを高めていきましょう。私のプレゼンを終わります。どうもご静聴ありがとうございました。

※ 現在の国際言語文化アカデミア

知事

高橋さん、どうもありがとうございました。それでは続きまして、株式会社浜野総合研究所代表取締役社長、浜野安宏さんにお願いいたします。浜野さんといいますと、建築家で、まちづくりもプロフェッショナル中のプロフェッショナルでありまして、みなとみらいもそうですし、新宿の西口開発にもいろいろな形で参画していらっしゃいます。そしてまた自然を愛し、世界中を飛び回っていると。日本になかなかいない人なんですけれどね。知恵袋会議のメンバーでもあります。それでは浜野さん、よろしくお願いいたします。

浜野安宏氏(株式会社浜野総合研究所代表取締役社長・知恵袋会議委員)

浜野です。私は主に何をして遊んでいるかというと、フライフィッシングという釣りを通じて、北はアイスランド、南はフエゴ島、赤道直下ではアマゾンと釣り歩いています。神奈川県では、昔、芦ノ湖で相当悪名をとどろかしたというか、私は何も悪いことはしていないんですけど、行ったらいつでも一番大きいものを釣ってしまうものですから、あいつは何者だということで、「フィッシング」という雑誌があった頃に表紙を飾る形で悪名を晴らしたわけなんですが。

私からすると、芦ノ湖の海賊船と白鳥の船はやめてもらいたいんです。なぜかというと、日本の観光地というのは、幼稚すぎるんじゃないかなと思うんですね。大広間宴会型の旅館も、今は全部駄目になっているわけですから、いい加減にギブアップして、違うことをやった方がいいと思うんですよ。

例えば、一例を申し上げますと、これはまだ問題もあるし決していい例ではないんですが、私も一所懸命これから協力して直そうと思うんですが、ニセコというきれいな自然がある北海道のまちがあります。現実にすごく人が多くなっているのは、ニセコの隣の比羅夫(ひらふ)というところ。比羅夫に行きますと、オーストラリア人ばかりで、挨拶の仕方も「ハウアーユー」ではなく「グッダイ」と言うんです。「グッデイ」がなまって「グッダイ」になります。「ホワットユアネーム」は「ホワットユアナイム」になりますし、日本人がそういった英語をちょっと聞き取れないのか、なかなかうまく交わらないんですが。

その人たちが、今やペンションやマンション、コンドミニアムを建てて、自分たちで長期間借りる、買う、貸し別荘、その他も増えてきまして、それが非常に無政府的に行われているので、少し問題ではないかと私は思っているわけですが。

しかし、日本の方々はそうやって初めて、そこで一週間、スキー場であんなふうに楽しめるのだと。それまではどちらかというと、スキー場のそばにホテルをつくって、ユーミンの歌が流れて、「私をスキーに連れてって」というスキー場が中心で、だいたい一泊か日帰りで激しく滑って帰るんですね。

ところが、今、ニセコで外国人が始めたライフスタイルは何かというと、程よいマンションやコンドミニアムを一週間くらい借りて、おいしいものをどこかで買ってきて、作って食べると。家族で楽しむんですよね。また、今日は中華料理食べに行こうかとか、今日は韓国料理食べに行こうかとか、今日は刺身がいいな、寿司がいいなとか、選べるじゃないですか。ところがパック旅行だと全部プレートで、三日間も食わされたらたまったもんじゃないですよね。旅館でも二日泊まったら、もうどうしようもないじゃないですか。だから、やはりそういうふうに長くいられるようにしてあげなければ駄目なんですよね。また、そういうビジネスモデルにしていかなければならない。

それから、横浜や神奈川の都市、大きなまちも、まちぐるみで楽しめるまちにする。まちに滞在して、周辺の自然を旅行する、釣りに行くという楽しみ方もあると。私はこれを都市滞在型のリゾートと言っているのですが、今、比羅夫や倶知安ではなくて、ニセコ町の方をそうしようと思って、町長といろいろ話をしているところなんです。これからですよ、日本は。

例えば、日光の中禅寺湖。齋藤善蔵さんが日光市長の時代、私は2回ほど市議会で演説をさせていただいて、「中禅寺湖か華厳の滝かの選択」という、割と象徴的な話だった。要するに、華厳の滝は観光のシンボル、中禅寺湖はリゾートのシンボルだと。中禅寺湖周辺には、国際的な社交界がありました。外国の知事さんや外交官たちが別荘を構えて、釣りをやったりして長く滞在して楽しんだ。あそこは和船による水球まで行われていたんですね。そういったことが全部なくなって、観光バス中心で華厳の滝へ行って、「こっちで飯食え」と呼び込みがうるさい。そういう下世話な所になっていったわけです。

それで、今度はどういうことをしたか。神奈川の人に中禅寺湖の話で申し訳ないんだけど、この県にも同じ例がいっぱいあります。分かりやすいから申し上げているんですが、中禅寺湖の水を華厳の滝に安定供給するために、夏、高水位のまま保ったんですね。それでダムを造った。自然のまま流しておけばいいのにダムを造って、周辺の湖岸の木をみんな枯れさせて、せっかくあった遊歩道を水没させたのです。その結果、確かに華厳の滝は1年間安定して流れるけれど、湖岸を歩く人はいなくなった。

観光を取るか、リゾートを取るか。これからはリゾートの時代だ。国際リゾート都市日光ということを私は宣言させていただいて、そのためには湯ノ湖の汚染を食い止めろとか、いろいろなうるさいことも言いました。

もっと極端なこともやりました。私はバリ島の全島で、建物を木より低くする法律の元になる草案を作りました。そのきっかけになるヌサドゥア地区のリゾート計画で、ホテルでも何でも、3階建てぐらいの高さのヤシの木以上のものを建ててはいけないという法律を作ったら、2回殺されそうになったがついにやり通した。その結果、全島がこれに倣おうということになり、今ではバリの生活は木の下にあり、伝統も生き続けています。

このきっかけになった、沖縄の本部半島の先端の備瀬という所があります。私もそこへ別荘を建てさせていただいて、村民の一人にさせていただいた。私が行ったことで、ついに村の景観条例が最終的に決まりました。要するにその木を切ってはいけない。これを最重点地域に設定して、そこに何か家を建てるときでも何でも、完全に何重にも申請がいるというふうになりまして、私もこれで少しいい仕事をしたかなと思っています。

それで、海の側から撮ると、備瀬の写真とヌサドゥアのバリの写真が同じように写る。元々は海洋博の委員になったときに、備瀬に行って感動した風景をバリ島につくりたくて。バリ島はそうしないと文化が守れない。ハワイのように天気が良くないから、文化を守らないとバリ島はやっていけないんですよ。あの文化を殺したらバリは終わりです。だから高層ホテルを建てるべきではないと。そういうことを申し上げてきたのです。

それで、神奈川県を見ますと、やはり水ですね。一番大事なのは、海も、淡水も塩水も含めて素晴らしい水があるということを、もっと真剣に、かつ、かなりこだわってやってほしい。フライフィッシングをやる人間から申し上げますと、ゲームフィッシングをやれる管理釣場が、東京にこんなに近いにもかかわらず21カ所ある。芦ノ湖も含めて。芦ノ湖は管理釣場ですから、自由に釣ってはいけません。遊漁料を払っていただきます。そして、釣れたものは何匹までという制限で遊んでいただくわけですね。ゲームフィッシングの素晴らしい場所が、神奈川県にはたくさんある。

それから、私から見ると、三浦半島は全くまだ手付かずのままだと思っています。要するに、世界の人が楽しめるようなものになっていないと思います。だから、やることは非常に多いと思いますよね。

それから丹沢。丹沢にはたくさんの水、渓流があります。ダムで大分海と川は切断されましたけども、海と川がつながっている重要さというのは、北海道には幾つかそういう川があるんですけれども、私は今年、78センチのイワナを源流域で釣りました。作家の開高健さんいわく、「釣り師が釣りの話をするときは両手を縛っておけ」と言うんですが、本当にこんな大きいのを釣ったんですよ。そういう大きな魚が源流にいるということは何かというと、川と海がつながっている証拠なんですね。海に魚が下って大きくなって、川に上ってくる。だから、サケも上る。イワナも、卵を追っかけて上る。それが本当の自然なんですね。

ところが、日本は一括採捕採卵放流というスタイルで、あらゆる日本の河川はプロの漁民によって管理された。内水面漁業といいまして、それは主に遊漁として管理釣場化していったんですね。その結果として非常にダムが多くできて、それで水が富栄養化したにもかかわらず、そこで繁殖させたブラックバスを害魚と断定してしまった。そういう水にしたのは誰だと言いたいのですけど、本当にもう少し、真剣に水のことを考えていただきたい。よく理解していただきたい。

だから、役所にもいつも言うんですが、あまりにも魚のことを知らなさすぎる。私はこれ以上話をしづらくなるんですが、例えばサケを釣りに私はアラスカへ行く。この2月の初めにはニュージーランドに10日間、マスを釣りに行くんですが、何でそんな外国まで釣りに行くかというと、ニュージーランドへ行ったら夏が買えるじゃないですか。格安の。飛行機で行ったら、真夏が10日間楽しめるわけですね。また、オーストラリアの人は日本にいい季節を買いに来ているわけですね。だから、そのように世界は動けばいくらでも面白い。そういうことで、ぜひ神奈川に来てもらうように、水を最大限利用して世界に売りたいと僕も思いますね。

あまり事例になってないかもしれませんけれども、私の話は始まると終わりがなくなるので、この辺にしておきますが。決して特別な場所をつくろうというのではなく、本当に楽しいまちをつくって、そこで滞在しながら、周辺に非常に魅力的な所をつくっていくという、都市と自然の両方をうまく兼ね備えたこの神奈川だからこそ、できることがあるのではないか。そういうことを主張しまして、終わります。

知事

どうもありがとうございました。それでは、ここから皆さんと対話を始めたいと思いますが、まずゲストをご紹介したいと思います。

先ほど言いました知恵袋会議のメンバーが、浜野さんも入れて今日は3人来てくださっています。ご紹介します。社団法人神奈川県経営者協会会長、高橋忠夫さんです。それから、日本青年会議所元副会頭、竹村光史さんです。それと、先ほどの高橋正美さんと浜野安宏さんに加わっていただきまして、皆さんとともに議論したいと思います。

観光ということで考えると、神奈川というのはまだまだ潜在力がすごくあるという感じがします。しかし、例えば外国人を受け入れるということでも、まだ十分ではないところもあるし、今、長期滞在型の観光というのも、確かに神奈川にはあまりそういう所はないなというか、先ほども事務局のプレゼンテーションにありましたけれども、日帰り観光が90パーセントを超えるという状況でありまして、観光によって産業を力強くするというのは非常に重要なことだと思いますので、そういった視点で、今のお二人のプレゼンテーションを踏まえながら、皆さんと共に議論したいと思います。

例えば、こんなところに目を付けたらいいんじゃないかとか、今の話はこんなところが面白かったとか、何かちょっと言ってみたいという方がいらっしゃったらどうぞ。

参加者

松陰大学から来ましたヤマグチリョウと申します。よろしくお願いします。

僕は、県央地区の観光ルート調査ということで、相模原を回ってきました。そこで、「和田の里」「青根草木館」など、原地の素材を使った体験型の学習ができる場所がありました。ここでは僕たちも体験しましたが、非常に素晴らしい体験ができました。特に外国人は、お箸づくりとか恐らく興味があるのではないかと感じました。

そして、いい景色もありました。大自然の中でドライブをするというのも非常に素晴らしいことだと思いました。そして、大自然をドライブしていて、もっと立ち寄り場所が欲しいと感じました。

特に、山梨県から来る「道志みち」というルートがあるんですけれども、そこから神奈川県に入ってきますと、立ち寄る場所がありません。そこに、景色が見られる立ち寄り場所とか、道の駅などをつくってほしいと僕は感じました。以上です。

知事

ありがとうございます。立ち寄り場所というのは、例えば道の駅みたいなことですか。

参加者

そうです。あと、自然を眺めて心を落ち着かせるような、そのような感じのものでいいので欲しいと思いました。

知事

そうですね。体験型というのは今、いろいろな形の魅力づくりの非常に重要なポイントですよね。

参加者

藤沢市から参りましたヤマモトと申します。湘南台地域で、大学の先生と一緒にまちづくりをサロン風にやっている者でございます。

今日のお話の中でご提案したいのは、究極の観光資源は人であるという、すごく大事なことですけれども、一番難しいテーマだと思うんですけれども。それで、ちょっとご提案は後にしまして、亡くなられた作家の吉村さんは、全国を回って一番心が和んで、温かく迎えてもらったのは長崎だと。その次が大阪だと。

長崎には外国人とか他県の人を受け入れるという歴史的な伝統があって、おじいちゃん、おばあちゃんが子どもたちに、よそから来たお客さんを優しく大事にしてあげなさいという教育をしているというんですね。

ということで考えますと、一番問題なのは、戦前生まれの65歳以上の高齢者でございまして、戦前教育で特に、言葉は悪いんですけれども、鬼畜米英とか、東南アジアを蔑視するような教育がどこか頭の中に残っているわけでございます。したがって、この人たちが外国人に優しく、他県の人にも優しくもてなすということが、残念ながら潜在的にできないんですね。

ですから、人という問題は、むしろ若者より戦前体験を持つ老人の方々が。もう観光というのは日本の重要な優良資源なんだから。観光上必要なんだけれども、あんまり心から歓迎してないというのは顔に出ちゃうんだと思うんですね。だから、長崎のように、子どもの頃からおじいちゃん、おばあちゃんが教育をするという環境にお年寄りを持っていくには、どういうことが大事かというのは難しいんですが、そういうことをご老人の方々に話す、体験的にやるようなことがあるといいなということでございます。

知事

わかりました。65歳以上の人にみんな責任を押しつけるのはちょっと申し訳ないような気もしますけど、やはり言葉の問題があるかもしれないですね。ちょっと引いちゃうというか。そういう意味では、この神奈川も、本来ならば国際性豊かな、ここから日本の近代化が始まったわけで、多文化共生と言っているんだから、そういうところは一番得意であっていいと思うんですけどね。

参加者

今回、3回目だということは初めて聞きました。日本のチベット、秦野市からまいりましたマツムラです。やっとCATVが引かれまして、BSもちゃんと映るようになりました。

今、知事がおっしゃったように、神奈川再発見の私の一番のテーマは、まず横浜港そのものを歴史の舞台に入れたいと思いました。新聞記事なんですけれども、横浜港の大さん橋は、アメリカの18代大統領グラントが賠償金を返してくれて着工したんですね。それから、横浜ことば。「メリケン」とかありますけれども、「ツーポッポカムカム」は「2匹の犬が来たよ」とか、横浜ことばが3,000種くらいあるんだそうです。そういうものを歴史の中で、横浜そのものを文明開化と、明治維新と、こういうことでやってみたらどうかということで、この話を聞いて1カ月、企画書を作ってまいりました。

まず、横浜駅から桜木町までSLを走らせていただきたいと。現物の走っていたものが、愛知県犬山市の博物館明治村で現役で走っているんですね。今は修理中だということで、やっていませんが。これを横浜駅から桜木町へ走らせると。

桜木町というと、文明開化の発祥の横浜が消えちゃっております。桜木町の駅に、昔の駅の形のやぐらのようなものだけが残って、これがその駅ですよと。やはり日本の近代化、明治維新から始まったのは、横浜そのものですよね。ペリーが来て開国し、あるいは最初に浦賀へ来て、中島三郎助がハリスと「How do you do?」をやった場所ですね。そして、久里浜に上陸した。

等々で、ぜひひとつ、横浜そのものをいろいろな意味で直していただいて。例えば伊勢神宮の左脇に「おかげ横丁」というのがあるのはご存じですね。横浜振興のまちづくりということで、ああいう非常に文明開化を感じるものを是非つくっていただきたい。

それからSLと、ハリスが乗ってきたポータン号ですね。これも原寸でしっかり残っているんですね。こういうものを「箱物」と言いますけれど、今まではいらない高速道路とか、誰も行かない山の道を造ったりする「箱物」ですけど、観光で箱物を造って失敗したところは、まだ私は聞いていないんですよね。是非、びっくりするようなものを造ろうじゃないですか。例えば、最近シンガポールで50階建てくらいのツインタワーのホテルがオープンしました。その上に50メートル四方のやぐらを乗せて、その屋上がプールなんですよ。

もちろん、まちづくりにはいろいろあるでしょうけど、やはりハードもないといけない。神奈川の出発は文明開化、日本の出発、横浜をもうちょっとやってみたらどうかと。先般、港を一日歩いてみまして、だだっ広くて寒くて、申し訳ないけど来たいという気はしなかった。そんなような感じです。

知事

ありがとうございます。確かに、横浜にはそういう歴史を感じさせるところはあるんですよね。皆さん、ここの部屋にもそういうものをちょっと感じませんか。 県庁のこの部屋は、昔の県議会の本会議場だったんですね。何か趣きがあるでしょう。こういうのが残っているというのは、やはり横浜の一つの魅力でもありますからね。ですから、今の「汽笛一声新橋を」というSLを走らせるのは、一つのアイデアですよね。まだまだいろいろなものがある、そういうものを、復刻できるものは復刻していくというのも、一つの重要なアイデアかもしれませんね。

参加者

横浜市から来ましたオノマサコです。「神奈川SGGクラブ」という善意通訳者のボランティアの会で、外国人の案内をしている会の創立メンバーの一人です。

ちょうど今のお話と関係することで、私は神奈川の歴史博物館の総合案内の翻訳をやっておりまして、あの博物館には、まさに今おっしゃったような横浜の歴史のいろいろなものがあるのに、意外と皆さんがいらっしゃらない。多分、先ほどの教育の問題ともかかわると思うんですが、小学校の生徒さんとか、そういった方々にも行っていただく。そして、外国の人たちにもぜひアピールして、ああいう素晴らしい歴史博物館があるということをもっと知っていただくように、県の方でもアピールしていただけないかというのが一つ。

それから、2点ほど簡単に申し上げますが、私の同僚のアメリカ人の友人の大学教員が大山に行ったんですけど、高尾山はすごく有名なんですが、なぜか大山がそれほど有名ではなくて、どうしてかなと。あそこは阿夫利神社とか、いいところがあるのにと思っていました。

それからもう1点は、これは神奈川SGGクラブで私が提唱していることなんですが、川崎と横浜と鎌倉という北から南に行く一直線を、三都市物語という形でガイドをしていこうと考えております。ですから、いろいろな市あるいは県が連携し、私たちのようなボランティアの通訳の団体などもお手伝いする形で、観光に寄与できたらいいなと思っております。以上です。

知事

ありがとうございます。いろいろな点をつないでいくという、そういう発想はとても大事ですよね。

参加者

JTBのヨシムラと申します。業界からお話するのは恐縮ですが、せっかくの機会ですので、一つ、二つご提案で。

一つは神奈川のブランディングという部分ですけれども、私は外国人の仕事を専門にしているのですが、日本政府観光局による外国人が日本に来る場合の訪問する都道府県の訪問率ですと、神奈川は2009年も2010年も4位なんですね。アメリカとかイギリスとか中国とかが、3位とか上位に入っているんですけれど、彼らは圧倒的に箱根、やはり富士山を見たいというので行くんですが。

神奈川は箱根の非常に素晴らしい自然、鎌倉のような歴史とか文化、それから横浜のような都市とか、日本の良さが神奈川という一つの県ですべて凝縮されている。こういう素晴らしい県は、日本の中にもなかなかないと思うんですけれど、残念ながら神奈川というブランドではほとんど認知されていない。

やはり、せっかくですから神奈川ブランドをつくっていただいて、そこで日本のいろいろな魅力がすべて凝縮されている県だということを発信することを、ぜひご提案したいと。

もう一つはコンベンションの誘致ですけれども、パシフィコ横浜は素晴らしいコンベンション施設ですが。国際会議ですと、今アジアの中でシンガポールとか香港とか上海とか、かなりコンベンションの誘致合戦をやっていますけれども。コンベンションに来られる方というのは、来るという必然性で来るんですが、素晴らしかったら、帰ってからこんなにいい所だったとご家族に話すわけです。

そういうのが口コミで広まるという部分と、やはりそこでコンベンションをやったということで、神奈川や横浜という名前が世界に発信されるという部分で、各国もしのぎを削っていますので、助成金とか含めて、ぜひコンベンションの誘致をお考えいただければと思います。

知事

ありがとうございます。この前もトップセールスといって、アメリカのメリーランドとマレーシアのペナン州に行ってきたんですけどね。観光について、私は神奈川をどういうふうにセールスしているかというと、神奈川は日本の縮図のようなところですと言っている。横浜みたいな大都市もあれば、侍の都、古都鎌倉もあれば箱根のような大温泉地もありますと。様々な魅力がある。これが神奈川の魅力ですと言ったんですが。これだけ神奈川にあっても、何か足りないというか、まだ足りないなという気がしてならなかったですね。このルートしか言えなかったという自分が、何か違うということを感じたんですけどね。そういう意味では、やはり神奈川ブランドとしてもう一つ何かあると、ぐっとくるんじゃないかと思いますけどね。

参加者

相模原から来たタナカと申します。

再発見かながわの旅、神奈川の観光、国内外から人を引きつける神奈川の魅力についてというお話で、私も3年前に韓国に旅行に行ったんですけれども、その時に「横浜から来ました」と言うと、「あ、横浜なら行ったことがある」と誰もが言うんですね。東京はもちろん知っているけれど、本当に多くの韓国の人が横浜というところに愛着を感じて、言葉は通じないけれど、それでも通じ合えるということだったんですけれども。

初めのテーマ説明の中で、平成21年に開国博が行われて、国内の観光客数は増えたけれども、外国人旅行数は減っていますよね。この理由として、リーマンショックもあるんですけれども、鳥インフルの影響等が大きかったと思います。

その中で、東日本大震災による影響ということもそこに書かれていて、国内の観光客については回復してきているけれども、外国人旅行者は前年並みには至ってないということ。それはやはり、放射能汚染の問題は絶対避けて通れないのではないかと思います。横浜に住んでいても、海外に移住した人もいますし、西日本に住んでいる方ですら、放射能汚染が怖いといって海外に移住しています。

一人目のプレゼンテーションの方も、神奈川に人を呼び込むために地域のマグネットパワーを高めるという中に、世界に発信する県民の幸せということと、2番目にお話の方も、神奈川の水ということを言われていたと思うんですよね。そういう中で、本当に神奈川の水が安全なのか。神奈川の自然がどれほど放射能汚染の中で安全なのかということを、神奈川県民自身、私も相模原に住んでいて、麻溝公園で結構高い放射線レベルが出たという話を聞くと、本当にここに住んでいていいのかと思うんですよ。

がれきの話は最後にされるということなので、その時でも構わないんですけれども、今ですら放射能に汚染されている上にがれきを受け入れて、危険かもしれないものを受け入れるということが本当にプラスになるのか。私たち自身もとても不安に感じていることなので、その辺をお聞かせいただけたらと思います。

知事

今がいいですか、後でいいですか。

参加者

どちらでも構わないです。できれば今聞きたいと思います。

知事

そっちへ行ったら、多分そっちに全部話が行っちゃうと思いますから、後にしましょうね。後で必ずそれはお話ししますからね。

参加者

神奈川SGGクラブ、善意通訳者のシノミヤといいます。

私は外国へ行ったり来たりの生活で、やはり観光が好きで、日本人が行かないようなところへ行ってきました。それで、外国人はどういうものが今でも好きかと考えますと、やはり神奈川は、京都みたいに大きくはないですけれど、本当にいろいろなものが立派に備わっているのです。それで、外国人はとても自然が好きだと思うんです。すごいレジャーランドを造るということではなく、今までに神奈川県で備わっているものをPRしていけば十分だと思います。

私たちもよく連れて行きますけれど、鎌倉ですと、日本ではやはりここだということで禅宗、座禅にすごく興味を持ちます。

知事

普段、外国の方を案内していらっしゃるんですか。

参加者

はい。外国人ばかりを案内するグループです。

知事

皆さんが一番、外国人がどういうことを好んでいるかよく分かっている。どういうところを外国の皆さんは好きなんですか。

参加者

鎌倉では、京都とか長崎にはないような禅宗の座禅です。座禅の体験がすごく好まれて、最近は洋上大学とかの生徒が多数、二日間に分けて座禅体験と抹茶をいただくと。

知事

いわゆる日本的なものに直接ふれるということですね。

参加者

はい。それで、三浦半島だとまぐろが有名で、三崎港の市場とかをPRして、周辺のお魚の料理を食べられる所とか。島巡りもできますし。

知事

分かりました。せっかく外国の方もいらっしゃいますから、神奈川にはどういう魅力があるか、ここはもっとこうした方がいいんじゃないかとか、どうですかね。

参加者

米国国務省日本語研修長のジョン・マーハーでございます。よろしくお願いします。

実は私は3年以上、横浜市に住んだことがあります。いろいろな所を見に行きました。他のアメリカ人、外国人にとっては、とても住みやすくていいところです。もちろん鎌倉の歴史も、横浜の近代的なまちもありますが、アメリカ人の日本のイメージは東京、京都で、神奈川の名前はあまり知られていないです。鎌倉、横浜の名前も、そんなに知られていないです。でも、ここに来ると大好きです。アメリカやどこかで友達に伝えます。

今、アメリカ人にとって一番大きい問題はコストです。円高で、何でも高いです。遠いから、飛行機の切符も高い。そして、ホテルは日本では部屋当たりの料金ではなく、普通に人当たりの料金。うちの場合は、例えばヨーロッパで、部屋はとてもけちにして小さな部屋でみんなで泊まって、そのお金でもっと長い旅行にして、食事、お土産などに使って。日本では、一人当たりの値段だから、あまりできない。高橋正美さんが説明した、食事が入ってない場合は、部屋当たりのコストが変わってきますから、それは少なくとも西洋人にとってはいい点だと思います。

知事

さっき、最大の観光資源は人だという話がありましたけど、どうですか。そのあたり、もてなしの心とか、そういうのを感じることはありますか。どうですか。

参加者

横浜は長い港町の歴史がありますから、とても外国人として歓迎されている気持ちがあります。

知事

そういう感じはしますか、良かったですね。それがないと言われたら、どうしようかと思いましたけどね。ありがとうございました。

参加者

こんばんは。横浜商科大学から来た留学生のエソダと申します。ネパールから来ています。

私は本日、県よりも地域の県民の方から少し考えたいと思います。神奈川県はどうしても人々から歓迎されている気持ちがあまり見えないという意見を聞いたんですけれども、それに対して、まず県民に神奈川ってこんな素晴らしい所だという魅力を伝えるようなプログラムを実施し、また、観光客訪問によって県にいろいろな問題、たとえばゴミ問題とか、外国の文化が入ってきてその地域の文化が変わってしまうこともあるので、まず訪問客によるそういう問題と、観光客のバランスを取りながら、何かできるようなプログラムを実施するのはどうかと思いました。まず、県民と訪問客がかかわるような政策づくりとか。

知事

ネパールから来られて何年ぐらいになりますか。

参加者

私は5年ぐらいです。

知事

先ほど、外国から来られた方に対して、あまり良くないんじゃないかという、本当に歓迎されてないんじゃないかって、そんなこと感じたことありましたか。

参加者

特にそういうふうには。私は日本の方はすごく優しいと思いますし、ホスピタリティの面では、行った観光地ではとても歓迎されているように感じます。

知事

そういう方が増えてくると嬉しいですけどね。

参加者

松蔭大学観光文化学部3年のイガラシです。県央地域で、七つの観光コースを県央地域県政総合センターとつくっています。その中で宮ヶ瀬をやっているのですが、黒岩知事は自然エネルギーを進めているみたいですが、ぜひ宮ヶ瀬ダムを、黒岩知事が率先して観光PRをしてほしいんですが、どうですか。

知事

実はつい数日前に、宮ヶ瀬のイルミネーションに行ったんですよ。すごくきれいだということで行ってみたら、本当にきれいですね。びっくりしました。公園に巨大なクリスマスツリーがつくってあって、350メートルある橋を全部イルミネーションで飾って、そこをずっと渡って行きましたけど、あれはまちの人がみんな一所懸命に苦労して頑張ってやっていたと。あれは光の総合プロデューサーか何かがつくったのかと思ったら、そうではなく、まちの電気屋さんが全部つくったという話を聞いて、こういうのはいいなと思って。私が行ったのはかなり遅い時間だったけど、人がいっぱいだったんですよ。あんな山の中で、夜なのに人がいっぱいいる。なんで人が来ているのか。たかが電飾ですよね。明るくライトがついているというだけで、たくさん人が来るという。これこそ、まさにマグネットだなという感じはしましたけどね。ちょうど宮ヶ瀬はみんなに訴えたいと思っていたところでした。

参加者

観光文化学部2年、コジマタカオです。先ほどの水の話で関係があるのですが、観光文化学部で座間市の現地視察に行ったんですよ。現地視察に行った理由なんですが、座間市にある観光資源を若者の視点から見て、本当にこれは観光資源になるのかを調査してみました。現地調査を行う上で、座間市の観光課の人に案内してもらいました。

今回現地調査で行った場所なんですけど、谷戸山公園と、お寺と、座間市が力を入れているひまわり畑に案内してもらいました。特に印象的だったのは鈴鹿長宿という場所で、昔ながらの風景があり、水がとてもきれいで、小さい水車があるんですよ。めったに見られないホタルなどがすんでいて、ホタルがすむ水はきれいな水だと聞いたので、神奈川県は水でアピールするということで、近場でホタルが見られるという場所はめったにないので、ここをアピールしたいと思っております。

知事

分かりました。ありがとうございます。座間には「ざまみず」というのがあって、職員がなかなか素敵なボトルまで開発して。私は来年「水のさと かながわ」を推していこうと思うんです。今年は「太陽の神奈川」で行きましたから。来年は「水のさと かながわ」で推していこうと思っていますが。

さあ、いろいろなご意見も出ましたが、せっかく知恵袋会議のメンバーに来ていただいています。竹村さん、これまで聞かれて、どんな感じでしたか。いろいろなご意見、アイデアも出ましたけどね。

竹村光史委員

本当に様々な意見が出ているんですけれども、日本人の意識の壁があるというところに、私はある意味危惧をしたところなんですけど。

日本人というのは、おもてなしの心ですとか、ホスピタリティの心は宿っている、もともとあるものだと思っているのです。ただ日本人は、過剰なホスピタリティ、おもてなしをしようというあまりに、何もできなくなるというパターンが、よくあるパターンなのかなと思っています。

今の外国人の方々のコミュニケーションツールというのは、そんなに過剰なことではなく、本当にいろいろな例題が出ていますけれども、分かりにくい標識だったり、お金のエクスチェンジができなかったりという、本当に簡単なところなんですね。外国人の方も、分厚いパンフレットを持って観光するわけではなくて、外国人同士のコミュニケーションツールは今、ほとんどFacebookだったり、ツイッターだったりという、外国人同士のコミュニケーションで日本の観光地を回るというのが結構多いと聞いております。

ですので、そういうところに手が届くようなことを考えていく。外国人が本当に、もともと外国人は日本という、もちろん神奈川ですけども、安心して回れる国、安心して回れる地域というのは持っているので、それに手が届くようなホスピタリティだったり、おもてなしだったり、利便性を何か簡単なものから手を加えていくだけでも、大分外国人の方の魅力はさらにアップするのではないかと思いました。

知事

ありがとうございます。高橋さん、どうですか。

高橋忠生委員

私は一応、経済界、産業界の代表で出ているんですけれども、そういう目から見ても、観光事業というのは、今後、皆さんのイメージよりもものすごく重要な産業になっていくと考えています。

ご存じのように、いよいよ来年から団塊の世代は65歳以上になりますし、働く人口はどんどん減るというときに、ものづくり立国オンリーではおそらく日本は維持していけない。そういうときに非常に重要なのは、やはり外国人の観光客を呼び寄せるということですけれども、今日出なかった話で、一つ、留学生の問題を取り上げたいんです。

経営者協会を私はやっていますけれども、留学生、インターシップとかいろいろ活動しているのですが、これは一つの神奈川の魅力のバロメーターではないかと考えています。

今、神奈川には4,700人の留学生がいます。ただ、これは日本で8位です。埼玉、千葉でさえ、6,000人の方々がいる。東京にいたっては、2万人から3万人くらいいます。しかも、人口1,000人当たりでどれぐらいの留学生がいるかという順位で見ると、大分県は1,000人当たり3人ぐらいの留学生が、神奈川はひどいもので、900万人いて1,000人当たり0.5人です。千葉、埼玉も1,000人当たり1人はいます。

留学生の存在というのは、考えてみれば、最も長期滞在型の外国人となるわけです。しかも、その発信力たるやすごいものです。横浜から個人的な体験でいろいろな景勝地を見て、それをユーチューブで中国や台湾に流すという活動は、ある印刷会社さんがある意味ボランティアでやっていますけれども、そういったことをできる人材がいるので、ぜひ留学生を増やし、活用するということ。これは県の大課題としてやることです。

今や口コミの時代ではないですね。外国人の方はみんなインターネットで、ユーチューブを見たりしていろいろとやっている。これは世界に発信できる最高の材料ですね。しかも、留学生が自分たちの言葉でどんどん発信してくれたら、素晴らしいものになると思います。こういうことを、我々経営者協会は後押ししてやっていきたいと思います。

あと1点だけ、神奈川の魅力はたくさんありますけれども、抱えている基本的な欠陥もあると思います。特に外国人の方へは。まず、いいところはたくさんあるんですけれども、非常に点々としていると。これは大きなネックですね。

外国人が何を日本に求めるかというと、食事やショッピング、景観だとか、いろいろ言いますけど、本音を聞いていくと、これは旅行業者からいろいろ聞いたのですが、とにかく安心、安全、確実なんですね。要するに、日本に来れば「MADE IN JAPAN」と書いてあれば日本製だし、レストランの値段はきちんとしているし、チップはいらない。

ただ、そうやって点々としていると、確実な分野をいかに回れるかというアクセスの問題は、非常に神奈川にとって大きな課題だと思います。急に道路は造れませんから、あとは知恵でカバーするしかないと。鎌倉などは止まれないですから、典型ですね。例えば、ある時間帯は観光優先の信号システムに切り替えて、そういうところは優先的に流すとか、いろいろなやり方がたくさんあると思うんですね。

こういうことを考えないと、周遊型が増えている今の時代、なかなか多くは増やせないんじゃないかと思っております。以上でございます。

知事

ありがとうございました。ツイッターでもいろいろとご意見を頂いていますが、そろそろお約束の時間になってまいりました。

こういうのもいただいています。「がれき受入れに反対です。故郷を壊さないでください。受け入れれば、観光業、農業、水産業に大きなダメージを与えます。特に外国人観光客は激減すると思います。」ということであります。

先ほどのデータにもありましたけれども、福島第一原発の事故があり、放射能の問題があって、それによって外国人観光客が激減しているという。これは確かに事実であります。だんだんと少しずつ戻ってきてはいますが、このがれき受入問題というものと、この問題をリンクさせるということについて、私はきちんとご説明をしたいと思っているんですね。何かやはり全然伝わっていないという思いがすごくあります。

実は、被災地のがれきを県が受け入れるということについて、正直言ってなかなか私も踏み出せませんでした。というのは、国が1キログラム当たり8,000ベクレル以下という基準値を提示して、8,000ベクレル以下は大丈夫だから、埋め立てとかに使ってくださいということを言ったんですけれども、今、国が言ってもみんな信用しないんですね。国の基準に合っていますという灰を持って行っても、地元の方が「冗談じゃない」と言って拒否されるということが続いておりました。

今、汚泥焼却灰というのがずっとたまっている状態なんですね。これをどうするかという大問題が一つあります。それはそれとしながら、被災地のがれきもどんどん山積みになっているわけですね。現場ではうまく、かなり綿密に仕分けして、いろいろな形で運び出せる状態にはなっていて、国も全国に向けて「受け入れてください」と言っているんですが、しかし「はいどうぞ」と言っているところはなかなかない。検討しているところは幾つかありますけどね。

そんな中で、神奈川県として何かできないのかなと。というのは、汚泥焼却灰ですら受け入れることができないときに、被災地のがれきを受け入れたら、皆さんが「はい、どうぞ」ととても言えないだろうと思ったので、ずっと悩んでおりました。

そんなときに、こういう話に気がついたんです。今、「原子炉等規制法」というのがあります。この法律の中の基準では、1キログラム当たり100ベクレル以下は、放射性物質に汚染されていないという基準なのです。この法律は、今回の福島第一原発の事故が起きてからできた法律ではないんです。もともとあったんです。

「8,000ベクレル」というのは、今回の福島第一原発の事故があって、政府が突然「8,000ベクレル」と言ったんですね。この「100ベクレル」は全然意味が違うんです。「100ベクレル以下」のがれきなら、向こうでちゃんと調べて、持って来た時にまたちゃんと調べて、となったら、これはいわゆる放射性物質に汚染されていないがれきということなんですね。放射性物質って言ったら、普通にこの空中にもあるわけですよ。原子力発電所の事故がなくても、普通に自然界に存在しているし、普通に我々が食べている食品の中にもあるわけです。

「100ベクレル」ってどういう数字かというと、今度、国がまた新しく厳しい基準を出しました。その中で、食品の安全基準として提示したのが、厳しくして「100ベクレル」なんです。「100ベクレル以下」の食品は放射性物質に汚染されていないという基準を設けたんです。この間、放射性物質がミルクに入っていたという話がありましたね。これにはお母さんたちも大変な衝撃を受けた。そのミルクは、「50ベクレル以下」にしようと。普通の食品は、「100ベクレル以下」にしようと。そういう数字なんです。

「100ベクレル以下」なら食べても大丈夫と言っているので、「100ベクレル以下」のがれきだったら、これは放射能に汚染されたがれきではありません。それならば、受け入れられるのではないでしょうか。

ということで、私はこれを昨日の県議会で報告したんですね。というのは、実は昨日で第3回定例会は終わりだったんです。だから、私も何とかしてこの議会の間に、もし言えるものなら言いたいと思いまして。議会が終わった後に言うと、何で議会の時に言わなかったんだとなって、また話がややこしくなったりしますから、議会の中で言いたいと思って。最後の最後で、じゃあちょっと踏み込もうと思って、お話をしたのであります。

それで、県には実は横須賀市の芦名という所に最終処分場があるんですね。これは実によくできた最終処分場で、谷になっています。谷に埋めていくんですけれども、実にしっかりとやっているんですよ。私は、最終処分場といったら、ダンプカーががれきを持って行って埋めるという、そんな感じかなと思っていた。東京の夢の島のように、ゴミを埋めているみたいな。あんなものだと思ったら、全然違うんです。すごくきれいにして、その谷を全部防水シートで完ぺきに覆ってあるんです。それで、もしちょっとでも漏れたら、センサーですぐに分かるようになっています。そういう防水シートを敷いた上に、がれきの焼却灰、今度の場合、受入れを行う場合には焼却灰になりますけれども、その焼却灰をきちんと袋に入れて置いていくんですね。

今度、そのがれきを受け入れた場合にどうするかというと、燃やせないものは持って来ませんけれども、焼却できるものをがれきのまま持ってきて、そしてこの区域に焼却灰を集中的に埋めますということなんです。そこで万が一何かあったら、どこから出たということがすぐ分かるように、他のものと混ぜない。それをやるということなんですね。

「100ベクレル以下」のものだったならば、それは何とかきちんとご説明すれば、私はご理解いただけるのではないのかと思ったんです。それが、何で放射能に汚染されたがれきを持って来るんだという話になってしまうのですけれども、放射能に汚染されてないがれきだとお考えいただきたいということです。

でも、そうは思っても、これはやはり人間の気持ちですから、きちんとお話をしていかなければいけないし、そしてそれをきちんと調べるということ。ちゃんと調べていきますよ。その情報はちゃんとオープンにしますよと。皆さんの不安は分かっているから、それを徹底的にオープンにしていきますよと。

そんな中で、そこまでやるから、やはり東日本大震災が起きた後のあれだけのがれきを撤去しなければ、東北地方の復興はないんですから。この神奈川だって明日は我が身ですからね。大地震の切迫性だって言われているわけですよ。我々がああいうふうになったときに、どうするかと。その時のことを思えば、やはりこの際、一番ぎりぎりのところならば、何とか受け入れることができるのではないかと思って、お願いをしているということであります。

今日はここで、観光につながったテーマでも、まさにご指摘のとおり、確かにそうですよね。放射能に汚染された神奈川に来てくださいと言って、誰が来ますかということになるから、まさにこれが風評被害というものですから、今回受け入れるがれきは放射能に汚染されていないということをきちんとご説明して、受け入れようと思っています。

参加者

ヤノと言います。今、知事がお話いただいた趣旨はわかります。一つだけ、ご認識が多分違うのではないかと思うんですが。「100ベクレル以下」は汚染されていないということではなくて、食品の基準でもそうですが、汚染されているけれども、今は核戦争の後みたいなものですから、暫定的に食品もその数値でいきましょうという話で。

ECRRとかICRPとかご存じだと思いますけれども、いろいろな勧告や勧めがある中で、ドイツ放射線防護協会では、がれきを拡散すること自体が国際的な合意に反しているという指摘も先日ありました。何もドイツがいいわけではなくて、我が国は我が国の方法でやればいいのですが、食べ物は「8ベクレル」、子どもは「4ベクレル」という数字がドイツにもあるわけで、汚染を拡大しないと、内部被爆もどうするんだということはあると思いますので、「100ベクレル」で良いか悪いかというのは、議論のあるところだと思います。

来年、またこの対話集会でそのお話をされるということですので、だいたいいつごろになるのか、予定があればお聞かせ願いたいと。

知事

ありがとうございます。1月の半ばで日程調整をしているところです。

では、次が最後の質問にさせてください。

参加者

横浜に住んでいて、国策としての高濃度汚染地域の人々を避難させることと、完全に補償することを訴えているモトハシと申します。

知事の今日のやり方で、まず観光の話をする上で、今この現状で放射能の問題を先に語らないやり方では、話しても全く意味がないと思います。

先ほど「100ベクレル」の件、これは原発事故の前でいう「100ベクレル」。これは自然放射線、天然で由来するカリウムなどの、天然で存在する元素たちの100ベクレルを含めた「100ベクレル以下」です。現状は、原発が爆発して、放出されたセシウム、ストロンチウム、ウラン、その他31種類の核種のすべてを検査しない上で、「100ベクレル以内は放射性廃棄物ではない」と。その考え方では多分、国民、神奈川県民のことを守ることはできないと思います。

なぜ今、私たちが反対をするか。今、止めておかないと、拡散した後の放射性物質を回収することは誰にもできません。しかし、今、皆さんで話し合って、これを止めた上で、すべてを検査して、知事のおっしゃるとおり、汚染されていない状態にまで持っていけるもの、確認が取れたものであれば、私は埋めていただいても一向に構わないと思います。被災地の支援にもつながると思います。

ただ、それをちゃんと検査もしない状態で、しかも議会の日にちが迫っているから言ったという、その順番をやるから国民は政府を信じられなくなるんです。先にすべてを開示して、これだけのことをしました、こういう状態になったものですと、それをしないから誰も信じなくなってしまうんです。

私も4歳の娘を持っています。国を信じて、県を信じて、行政の方々を信じて、安心して生きていきたいですよ。それができないから、今ここに来ているんです。まず、すべてのことをちゃんと見て、今起きている状況をちゃんと考えて、人のことを考えた対策をしないと、もう二度と今の場所には戻れなくなります。今なんです。僕はそう思っています。是非お願いします。

知事

議会のことを優先したというわけではなくて。要するに、私は「受入れを決めた」と言っていないですよ。「その方向でやりたい」と。その方が、スムーズに話は進むんです。大前提は、地元の皆さんのご理解を得ることですから。こういうふうにやりたいんだと、方針だけ言いました。

でも、大前提としては地元のご理解を得ることは大事ですから、私が直接行って、私が話をしますから。逃げも隠れもいたしません。それをやりましょうと。1月の半ばで日程調整をしております。私がどんなご批判でも受けます。それは言ってください。しかし、この国を救うためには、この神奈川も救いの手を差し伸べなければいけないと、私はそう思います。徹底的にご理解いただけるように、私がお願いしてまいります。

「100ベクレル以下」は放射能がないというのは間違いだろうと、それはそのとおりです。ただ、放射能に汚染されたがれきを受け入れると言われると、それは違うんですと。そういうふうに言ったら何でもそうですから、地面から何から全部自然の放射能があるんですから。だから、そこのところのご理解を得るために、この「100ベクレル」という極めて低い、しかも震災前からある法律の中で規定された基準、これならば、何とか受け入れさせてくださいと、私は皆さんのご理解を得られるまで徹底的にお願いしてまいります。

今日まだご満足できなかったならば、今度は横須賀で対話の広場を開催いたしますから、是非そこに来て、思いの丈をぶつけてください。逃げも隠れもせず、全部受けて立ちます。

ということで、今日は観光をテーマにやってきたつもりなんですけれども。でも、確かに観光の中で、放射能の問題も関連する話でありました。しかし、この神奈川にある観光資源というものを、やはり我々はもっと生かすように考えていくべきだろうということであります。

そんな中でも、今日、神奈川という一つのブランド力はまだ足りないんじゃないかと言われました。これは神奈川県知事としては非常に重い課題だと思います。それを何とかして、神奈川ブランドというものを確立していく。そして、外から来られた方には、まさに最大の観光資源は人なんだ、ホスピタリティなんだということを、前面に掲げてやっていく。そして、長期滞在もできるような新しい神奈川の観光地、魅力づくりというものに対しても、全力を尽くして頑張っていきたいと思います。今日は長い時間どうもありがとうございました。

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本文ここまで
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