相談事例 -名簿業者の販売する名簿がセールスに利用されています。名簿の販売は個人情報保護法に違反するのではないのでしょうか?また販売をやめさせることは可能でしょうか?
相談内容1
先日、セールスの電話をかけてきた販売業者に自分の情報の入手先を聞いたら、名簿業者から名簿を購入したと言われました。名簿の販売は個人情報保護法に違反するのではないのでしょうか?
回答1
名簿業者が個人情報取扱事業者に該当する場合、個人情報保護法で定める手続きをとっていない場合は、違法になると考えられます。また、手続きをとっていたとしても、本来公表されていない情報を取得している場合は違法の可能性があります。
個人情報保護法では、個人情報の利用目的を公表(又は本人へ通知)していれば、本人以外の者から個人情報を取得することを認めています(法18条1項)。
また、個人情報を第三者に提供する場合には原則として本人の同意が必要になりますが、同意に代わる措置(*)をとっていれば、同意がなくても第三者に提供することを認めています。
逆に言えば、名簿業者が利用目的の公表(又は本人への通知)、同意に代わる措置をとっていない場合は違法になると考えられますので、手続きがとられているか確認してみてはどうでしょうか。
さらに、個人情報保護法では、偽りその他不正な手段により個人情報を取得してはならない(法17条)としています。
したがって、特定の契約内容や負債の情報など、本来公表されていない情報を取得している場合には、これらの手続きがとられていたとしても違法になる場合があります。
同意に代わる措置とは、
の5点について、あらかじめ、本人に通知(郵便、電話、電子メールなど)するか、名簿業者の店舗への掲示、名簿業者ホームページへの掲載などの方法によって、本人が容易に知ることができる状態にすることをいいます。 |
相談内容2
名簿業者に自分の氏名・住所等が掲載された名簿の販売をやめさせたいのですが、どうすればよいのでしょうか?
回答内容2
電話をかけてきた販売業者に問い合わせ、名簿業者を特定します。その上で、名簿業者に自分の氏名・住所等の保有個人データの販売(第三者への提供)をやめるよう求めます。
まずは、名簿業者を特定する必要がありますので、電話をかけてきた販売業者に、購入した名簿業者を問い合わせてみます。販売業者が応じてくれない場合には、適正な手段で個人情報を取得したか(法第17条)ということについて説明を求め、その中で入手元や入手方法を確認するという方法も考えられます。
名簿の入手元の特定ができたときには、その名簿業者がとっている同意に代わる措置(*)に基づいて自分の氏名・住所等の保有個人データの販売(第三者への提供)をやめるよう求めます。また、その名簿業者が同意に代わる措置をとっていなかった場合は、法に基づき自分の保有個人データの販売(第三者への提供)をやめるよう求めることができます(法30条2項)。さらに、その名簿業者が偽りその他不正な手段で名簿を入手していた場合は、法に基づき自分の保有個人データの利用の停止又は消去を求めることができます(法30条1項)。