答申第24号

掲載日:2017年12月1日

答申第24号

                          平成5年1月26日

   神奈川県知事 長洲 一二 殿

                   神奈川県公文書公開審査会 会長  原 寿雄

  公文書の閲覧等の請求拒否処分に関する異議申立てについて(答申)

 平成3年11月18日付けで諮問された神奈川東部方面線調査報告書(平成
元年12月作成)非公開(諮問第28号)の件について、次のとおり答申しま
す。

1 審査会の結論
  神奈川東部方面線調査報告書(平成元年12月作成)は、別表1及び別表
 2に掲げる部分を除いて公開すべきである。

2 異議申立人の主張要旨
(1)異議申立ての趣旨
   異議申立ての趣旨は、神奈川東部方面線調査報告書(平成元年12月作
  成)(以下「本件報告書」という。)を神奈川県知事が平成3年10月1
  8日付けで非公開とした処分の取消しを求める、というものである。
(2)異議申立ての理由
   異議申立人の主張を総合すると、本件報告書のうち、「神奈川東部方面
  線調査委員会委員名簿」中の委員、事務局及びコンサルタントに係る職名
  及び氏名、「委員会経緯」中の出席者氏名並びに「はじめに」中の氏名(
  以下「本件委員名等」という。)は、神奈川県の機関の公文書の公開に関
  する条例(以下「条例」という。)第5条第1項第1号に該当し、また、
  本件報告書は全体的に第2号及び第4号に該当するとした非公開の決定は、
  次に掲げる理由から、条例の解釈及び運用を誤っている、というものであ
  る。
  ア 条例第5条第1項第1号該当性について
  (ア)実施機関は、本件委員名等は条例第5条第1項第1号に該当する旨
    主張する。しかしながら、公共事業の計画について発言し、かつ、そ
    の決定に関与する個人については進んで名前を公表し、その言説につ
    いて政治的、社会的責任を持たせるべきである。
  (イ)本件報告書は、神奈川東部方面線の計画案策定のために作成された
    はずであり、いずれ、素案及び都市計画案に生かされるものであるこ
    とから、公表することを目的として作成されたものではないという実
    施機関の主張を認めることはできない。したがって、本件委員名等は
    条例第5条第1項第1号ただし書イに該当し、公開されるべきである。
  イ 条例第5条第1項第2号該当性について
  (ア)実施機関は、条例第5条第1項第2号に該当する理由として、本件
    報告書は、全体的に、公開することによって本件報告書を作成した財
    団法人運輸経済研究センター(以下「センター」という。)に不利益
    を与えるノウハウ情報が存在する旨主張するが、公共事業においては、
    検討手順、調査方法、分析方法、分析結果等は県民の前に公開すべき
    ものであり、当該主張は納得できない。
  (イ)実施機関は、条例第5条第1項第2号に該当する理由として、本件
    報告書には調査先から研究目的にのみ使用することを前提にセンター
    に提供された資料を基に加工したデータがあり、それを公開すると信
    用上不利益を与える旨主張するが、研究活動であるならば、検討手順、
    調査方法、分析方法、分析結果等は公表しなければならず、第三者が
    検証・追試ができるよう条件を提示することが鉄則であるから、実施
    機関が主張するようなことはあり得ない。
  (ウ)仮に、本件報告書に記載された情報が条例第5条第1項第2号本文
    に該当するとしても、(1)羽田アクセス事業の進展に伴い、用地取得と
    いうことになれば、そこに住む人に対し立ち退きを迫らざるを得ない
    こと、(2)神奈川東部方面線が高架を採用することになれば、騒音、振
    動等を増大させることは必至であること、(3)神奈川東部方面線のルー
    トが新横浜駅一帯の軟弱地盤の地域をルー卜とするならば、地盤沈下
    を起こす確率が高いこと等から、本件報告書に記載された情報は、生
    活環境の破壊等に関する情報であり、同号ただし書ウに該当し、公開
    されるべきである。
  ウ 条例第5条第1項第4号該当性について
  (ア)行政は、事前に情報を公開し、事前・事後の対策も明確にした上で、
    住民に接するべきである。
  (イ)実施機関は、条例第5条第1項第4号に該当する理由として、羽田
    アクセス事業に係る基本的な整備計画は現段階では羽田アクセス協議
    会で合意に至っていないことを挙げているが、このことが条例第5条
    第1項第4号に該当するとしたことの妥当性を示すものではない。現
    に、川崎市長は川崎市議会で川崎市としての神奈川東部方面線に関す
    る方針を明らかにしているが、このことによって、混乱は起こってい
    ない。
  (ウ)実施機関は、本件報告書の調査データの解釈等も、その後の急激な
    経済環境の変動で変化する等未成熟な情報であると主張しているが、
    このようなものは未成熟とは言わない。
  (エ)実施機関は、本件報告書に記載された情報は未成熟憎報であると主
    張しているだけで、なぜ条例第5条第1項第4号に該当するのか、説
    明していない。
  (オ)以上のことから、本件報告書に記載された情報は、条例第5条第1
    項第4号には該当しない。

3 実施機関の職員(都市部都市政策課長)の説明要旨
  実施機関の職員の説明を総合すると、本件報告書を非公開とした理由は、
 次のとおりである。
(1)本件報告書について
   本件報告書は、神奈川県、横浜市、川崎市の三団体(以下「三団体」と
  いう。)により設置された羽田アクセス協議会がセンターに委託した新設
  鉄道整備に係る専門調査についてセンターがまとめたものである。
(2)条例第5条第1項第1号本文該当性について
   本件委員名等は、個人に関する情報であり、かつ、特定の個人が識別さ
  れるものであることから、条例第5条第1項第1号本文に該当する。
(3)条例第5条第1項第1号ただし書ア及びウ該当性について
   本件委員名等は、同号ただし書ア及びウで規定されている情報とは明ら
  かに異なることから、同号ただし書ア及びウには該当しない。
(4)条例第5条第1項第1号ただし書イ該当性について
   神奈川東部方面線調査委員会は、センターが各委員に就任を依頼し、設
  置したものであるが、各委員については、個人的見解を有する委員として、
  法人等の立場を離れて自由かつ率直な意見を陳述することを前提に参加を
  求めたものである。また、本件報告書は、行政の検討材料の一部であり、
  公表することを目的として作成されたものではない。
   したがって、本件委員名等は、条例第5条第1項第1号ただし書イには
  該当しない。
(5)条例第5条第1項第2号本文該当性について
  ア ノウハウに関する情報について
    センターは、羽田アクセス協議会の内部資料であることを前提に、当
   該協議会側の理解を容易にするため、検討手順、調査方法、分析方法、
   分析結果等を記述した本件報告書を作成したのであって、本件報告書は、
   センターが有する鉄道事業に関する固有の知識、経験、技術等により作
   り上げられた全体的にノウハウがあるものといえる。
    したがって、受託者の利益を侵害しないことが肝要であり、本件報告
   書を公開すると、今後、同種の調査において、他の事業者に利用される
   等、センターに不利益を与える。
    よって、本件報告書は、全体的に条例第5条第1項第2号に該当する。
  イ 信用上不利益を与える情報について
    本件報告書には、他の鉄道事業に関する調査事例が掲載されている部
   分が存在するが、これらの事例は、センターが、それぞれの調査先から
   研究目的にのみ使用することを前提に提供された資料を基に加工したデ
   ータである。したがって、これを公表した場合、セン夕-の今後の研究
   活動に支障を来たす等、センターに信用上不利益を与える。よって、他
   の鉄道事業に関する調査事例が掲載されている部分は、信用上不利益を
   与えるということからも、条例第5条第1項第2号に該当する。
(6)条例第5条第1項第2号ただし書該当性について
   本件報告書に記載されている情報は、その内容から、条例第5条第1項
  第2号ただし書のいずれにも該当しない。
(7)条例第5条第1項第4号該当性について
  ア 羽田アクセス事業については、種々の整備効果が生ずるものであり、
   その実現のためには、情報提供等について可能な限り公平性が求められ
   る。
  イ 市街化の進んだ地域にあるので、建設費及び用地取得費の増嵩等の課
   題を克服していくため、様々な工夫が必要である。そのため、羽田アク
   セス協議会では、神奈川東部方面線の基本的な整備計画を策定するため
   に、鉄道事業に精通した調査機関に委託する等して、現在もなお、資料
   収集、調査検討を継続している状況であって、本件報告書もこの過程に
   おいて策定された検討資料という性格を有している。
  ウ この基本的な整備計画は、今後三団体の事業化の決定、関係機関との
   調整等に際し、基本となるものであるため、本件報告書のデー夕及び分
   析結果等を基に協議会の合意後三団体で決定されるものであるが、現段
   階では羽田アクセス協議会で合意に至っていない。
  エ 本件報告書の調査データの解釈等も、その後の急激な経済環境の変動
   で変化する等、未成熟な情報である。
  オ 意思形成過程のこれらの未成熟な情報(未成熟データや未確定事項)
   を公開すると、県民に不正確な理解や誤解を与え、住民等の経済的混乱、
   土地の異常な高騰、無用の反対運動・誘致運動及び鉄道事業者と住民と
   の間の無用の混乱を招くおそれがある。
  力 羽田アクセス事業には関連する鉄道事業者が存在し、本格的にこれら
   の鉄道事業者との調整を開始する上で、これらの未成熟な情報を事前に
   公表することは、不正確な理解や誤解を与え、今後、円滑な事業化がで
   きなくなるおそれがある。
  キ 以上のことから、本件報告書は、全体的に条例第5条第1項第4号に
   該当する。
(8)条例第5条第2項該当性について
   本件報告書には、公表されているデータや官公庁等で容易に入手できる
  もの等も存在するが、その部分のみを公表したとしても、本件報告書の内
  容からはずれて、いたずらな推測や不信感を生み、かえって混乱を招くこ
  とから、公文書の閲覧又は公文書の写しを求める趣旨を失わない程度に合
  理的に分離できないので、本件報告書全体を非公開とするものである。

4 審査会の判断理由
(1)本件報告書について
   三団体が要綱により設置した羽田アクセス協議会は、神奈川東部方面線
  の整備方針を主として経営計画の面から検討するために、当該整備方針に
  係る調査研究をセンターに委託したが、本件報告書は、当該調査研究の成
  果品としてセンターが平成元年12月に作成したものである。
(2)条例第5条第1項第1号本文該当性について
  ア 条例第5条第1項第1号は、個人を尊重する観点から、知る権利の保
   障という要請と個人に関する情報の保護という要請の二つの異なった側
   面からの要請を調整しながら、個人に関する情報を原則的に非公開とす
   ることを規定している。そして、同号本文は、個人に関する情報であっ
   て、特定の個人が識別され、又は識別され得る情報(以下「個人情報」
   という。)を非公開とすることができるとしている。
  イ 本件委員名等は、個人に関する情報であって、特定の個人が識別され
   るものであることから、条例第5条第1項第1号本文に該当する情報で
   あることは明らかである。
(3)条例第5条第1項第1号ただし書該当性について
  ア 条例第5条第1項第1号ただし書は、個人情報であっても、例外的に
   公開できる情報を規定している。
  イ 本件委員名等が、同号ただし書ア及びウに該当しないことについては、
   異議申立人と実施機関との間で争いはなく、当審査会としても同号ただ
   し書ア及びウには該当しないものと判断する。
  ウ 条例第5条第1項第1号ただし書イ該当性について
  (ア)条例第5条第1項第1号ただし書イは、公表することを目的として
    作成し、又は取得した情報については公開することを規定している。
     ここでいう「公表することを目的として作成し、又は取得した情報」
    には、広報紙等を通じ広く県民に積極的に周知する情報だけではなく、
    条例第2条が「公文書の閲覧及び公文書の写しの交付を求める権利が
    十分に尊重されるようにこの条例を解釈し、運用するものとする」と
    規定している趣旨から考えると、事務事業の執行上又は行政の責務と
    して県民の要望に応じて提供することが予定されている情報も含まれ
    るものと解される。
     神奈川県の一般職、特別職(知事、副知事、出納長、議会の議員、
    行政委員会の委員、附属機関の委員等)及び知事等が委嘱した、要綱、
    要領等に基づく委員会の委員等に係る個人情報のうち、職名、氏名等
    の職務に関するものがこれに該当すると認められる。
     また、知事等が委嘱した、要綱、要領等に基づく委員会の委員等で
    なくても、神奈川県の行う事務事業に関する事項について調査審議を
    する委員会等については、行政の意思形成と密接なかかわりを持っも
    のであることから、当該委員会等の委員等の個人情報のうち職名、氏
    名等の職務に関する情報は、ただし書イに該当するものとして、公開
    すべきであると解することが相当である。
  (イ)当審査会が調査したところによると、(1)三団体は、羽田アクセス計
    画の推進に向けて調査、研究等を行うために、要綱により羽田アクセ
    ス協議会を設置したこと、(2)当該協議会は、神奈川東部方面線の整備
    方針を検討するために、事業採算性等に関する調査研究をセンターに
    委託したこと、(3)センターは、委託に基づき、神奈川東部方面線調査
    委員会を設置し調査研究を行ったことが認められる。
     これらの事実から判断すると、神奈川東部方面線調査委員会は、セ
    ンターが設置したものとはいえ、神奈川東部方面線の整備方針の策定
    という神奈川県の行う事務事業に関する事項について調査研究を行っ
    たものであり、当該整備方針に係る意思形成と密接なかかわりを持っ
    ているものと認められる。
  (ウ)したがって、前記(ア)及び(イ)を総合すると、本件委員名等は、
    羽田アクセス事業の執行上又は行政の責務として県民の要望に応じて
    情報を提供することが予定されているものと認められるので、条例第
    5条第1項第1号ただし書イに該当し、公開すべきであると判断する。
(4)条例第5条第1項第2号本文該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号は、法人その他の団体(国及び地方公共団体
   は除く。以下「法人等」という。)に関する情報であって、公開するこ
   とにより当該法人等に明らかに不利益を与えるものは非公開とすること
   ができるとしている。
  イ 実施機関は、条例第5条第1項第2号本文に該当する理由として、(1)
   本件報告書については、全体的に、公開することによってセンターに不
   利益を与えるノウハウ情報が存在すること、(2)本件報告書には、部分的
   に、公開することによってセンターに信用上不利益を与える情報が存在
   すること、の二点を挙げており、また、この二点について、異議申立人
   との間において争いがあることから、以下、それぞれについて判断して
   いくこととする。
  ウ 実施機関の「本件報告書には全体的にノウハウ情報が存在する」との
   説明について
  (ア)条例第5条第1項第2号は、公開することにより、法人等に明らか
    に不利益を与えると認められるものについて規定している。
     同号に該当するノウハウであるためには、公開することにより、法
    人等に明らかに不利益を与える技術上、営業上等の有用な情報である
    ことが必要であると認められる。
  (イ)当審査会で調査したところによると、本件報告書は、委託契約に基
    づく成果品として、センターから羽田アクセス協議会に30部納入され
    ている。また、本件報告書は、その表紙に「取扱注意」と表示されて
    はいるが、このことは、センターの秘密情報であると認識できるよう
    な措置とは認められず、羽田アクセス協議会の職員等に対してセンタ
    ーから使用制限義務や守秘義務を課す等の措置がなされているとは認
    められない。これらを総合して判断すると、センターが、本件報告書
    に記載された情報が外部に漏洩することを防止しているとは認め難い。
     また、本件報告書は、神奈川東部方面線の整備方針を適切に検討す
    るために、羽田アクセス協議会が特定の調査をセンターに委託し、セ
    ンターが特定の調査を行いその調査結果をまとめたものと認められる。
     このような状況及び本件報告書の性格からすると、「本件報告書に
    は全体的にノウハウ情報が存在する」という実施機関の説明は採用す
    ることができない。
  (ウ)当審査会が、前記(ア)及び(イ)の判断を踏まえながら、本件報
    告書について精査したところ、本件報告書においては、センター固有
    のノウハウというべき知識、技術等は、公開することによって、セン
    ターが明らかに不利益を受ける程度に表現されているとは認められな
    い。
  エ 実施機関の「信用上不利益を与える情報が存在する」との説明につい
   て
  (ア)実施機関は、本件報告書のうちの他の鉄道事業に関する調査事例が
    掲載されている部分(以下「調査事例部分」という。)について、調
    査事例部分の基となった各資料は、センターが各調査先から調査・研
    究目的のみに使用することを前提に提供されたものであり、調査事例
    部分を公開した場合、センターの今後の研究活動に支障を来す等、セ
    ンターに信用上不利益を与える旨説明している。
     センターのような調査研究機関に調査先から提供された情報の中に
    は、それが公開された場合、内容によっては、今後、調査先から必要
    な資料が得られなくなる等、調査研究機関の今後の調査・研究活動に
    支障を来し、調査研究機関に明らかに不利益を与えるものがあると判
    断する。しかしながら、調査先から提供された情報を公表することに
    より、調査先の事業活動等に支障がないと認められる場合等は、公開
    することによって、調査研究機関に明らかに不利益を与えることにな
    るとは認められない。
  (イ)当審査会において調査事例部分を精査したところ、別表1に掲げた
    部分は、公表されることにより、調査先の事業活動等に支障があると
    認められ、当該部分は、公開することによってセンターに明らかに信
    用上の不利益を与える情報と認められる。
     しかし、調査事例部分のうち、別表1に掲げた部分以外の情報は、
    自治体の歳出予算に計上されて議会審議の対象となる情報、あるいは
    普通地方公共団体の長が議会に提出しなければならない書類に係るも
    のであることから、県民等に公表されてしかるべきものであると認め
    られる。また、当該部分の一部は、既にセンターが作成し発行してい
    る出版物により公表されている情報と同じものである。したがって、
    当該部分は、公表しても調査先の事業活動等に支障がないものと認め
    られる。
  オ 以上のことから、本件報告書のうち、別表1に掲げた部分は、条例第
   5条第1項第2号本文に該当するものと認められるが、しかし、当該部
   分以外の情報は、同号本文には該当しないものと判断する。
(5)条例第5条第1項第2号ただし書該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号本文に該当する情報であっても、同号ただし
   書ア、イ及びウに該当するものは、公開することとされている。
  イ 本件報告書に記載された情報が、同号ただし書ア及びイに該当しない
   ことについては、異議申立人と実施機関との間において争いはなく、当
   審査会としても、前記(4)において、条例第5条第1項第2号本文に
   当たると認定した部分は、同号ただし書ア及びイには該当しないものと
   判断する。
  ウ 同号ただし書ウは、ア又はイに掲げる情報に準ずる情報であって、公
   開することが公益上必要と認められるものと規定している。ここでいう
   「ア又はイに掲げる情報に準ずる情報」とは、ア又はイには直接該当し
   ないが、それらと同様の趣旨でであり、情報の内容も類似しているもの
   をいい、生活環境、自然環境の破壊等に関する情報が含まれるものと解
   される。
  エ 本件報告書のうち、前記(4)において、条例第5条第1項第2号本
   文に該当すると認定した別表1記載の部分が、同号ただし書ウに該当す
   るか否かについてみると、当該部分には、異議申立人が主張するような
   生活環境の破壊等に関する情報等、ア又はイに掲げる情報に準ずる情報
   に該当する情報は存在しないものと認められることから、当該部分は同
   号ただし書ウには該当しないものと判断する。
(6)条例第5条第1項第4号該当性について
  ア 条例第5条第1項第4号は、県の機関内部若しくは機関相互又は県の
   機関と国又は他の地方公共団体との間における審議、検討、調査研究等
   に関する情報であって、公開することにより、当該審議、検討、調査研
   究等に著しい支障が生ずるおそれのあるものは、非公開とすることがで
   きるとしている。
    この規定の趣旨は、特定の行政課題に対する意思形成のための内部的
   な審議、検討、調査研究等を行う場合に、当該審議、検討、調査研究等
   に関する情報を公開することにより、著しい支障が生じないようにする
   ことを目的としているものと考えられる。
  イ まず、同号前段の該当性についてみると、本件報告書は、3団体によ
   って設置された羽田アクセス協議会が、神奈川東部方面線の整備方針を
   検討するために、事業採算性等に関する調査研究をセンターに委託し、
   センターがそれらの調査研究を行いその結果をまとめたものであり、
   そこに記載されている情報は、同号前段でいう「県の機関内部<中略>に
   おける審議、検討、調査研究等に関する情報」に該当するものと認めら
   れる。
  ウ 次に、同号後段の該当性、すなわち、本件報告書に記載された情報を
   公開することによって、神奈川東部方面線の整備方針の内部的な検討に
   著しい支障が生ずるおそれがあるか否かについて判断する。
  (ア)鉄道事業の推進に当たっては、路線の設定、巨額となる事業費、広
    範囲にわたる用地取得、事業採算性の確保、関連鉄道事業者や地元住
    民との調整等を必要とし、困難を伴う場合が少なくないと認められる。
     神奈川東部方面線の整備方針については、羽田アクセス協議会が調
    査機関に調査研究を委託する等して、現在もなお検討している段階で
    あり、行政としての整備方針はいまだ策定されてなく、本件報告書に
    記載されている情報の中には、当該整備方針に係る、内部的な意思形
    成過程の情報があると認められる。
     これら内部的な意思形成過程の情報のうち、今後、内部的に審議、
    検討する際の重要な資料となるルート、駅、需要予測、事業費等に係
    る情報については、現時点で公開すると、前記のような鉄道事業の性
    格からして、当該整備方針の内部的な検討に著しい支障が生ずるおそ
    れがあると判断する。
  (イ)しかし、本件報告書のうち、客観的な事実、経過、一般的に認識さ
    れている内容等、当該整備方針に係る内部的な意思決定に重要なかか
    わりを持つものとは認められない情報及び既に公表されている情報に
    ついては、公開することにより、当該整備方針の検討に著しい支障が
    生ずるおそれはないものと判断する。
  エ そこで、前記イ及びウの判断を踏まえながら、当審査会において本件
   報告書の内容について精査したところ、本件報告書のうち別表2に掲げ
   た部分は、条例第5条第1項第4号に該当するものと認められるが、し
   かし、当該部分以外の情報は、同号には該当しないものと判断する。
(7)条例第5条第2項該当性について
  ア 条例第5条第2項は、閲覧等の請求に係る公文書に、部分的に公開す
   ることのできない情報が記録されている場合であっても、容易に、かつ、
   公文書の閲覧等を求める趣旨を失わない程度に合理的に分離できるとき
   は、実施機関に部分公開を義務付けているものである。
  イ そこで、本件報告書を部分公開することができるか否かについてみる
   と、当審査会が前記(4)から(6)により非公開とすることが相当と
   認めた部分以外の部分を公開したとしても、本件報告書の構成からして、
   容易に、かつ、公文書の閲覧等を求める趣旨を失わない程度に合理的に
   分離できる場合に該当するものと判断する。

5 審査会の処理経過
  当審査会の処理経過は別紙のとおりである。

 

別表1

本件報告書のうち条例第5条第1項第2号に該当する部分

頁等

行等

68頁

右下から4行目以下全部

69頁

全部

70頁

左上1行目から16行目まで

 

 

別表2

本件報告書のうち条例第5条第1項第4号に該当する部分

頁等

行等

はじめに

右上から12行目の6文字目から8文字目まで

3頁

左から2番目、上から3番目の枠のうち、(2)の2行目の1文字目から3行目の11文字目まで、5行目4文字目から9文字目まで(3)の2行目の1文字目から5文字目まで

左から3番目、上から3番目の枠のうち、(1)の3行目の5文字目から10文字目まで、6行目の10文字目から7行目の1文字目まで

左から4番目、上から3番目の枠のうち、(2)の全部(「(2)」を除く。)

左から5番目、上から3番目の枠のうち、(1)の5行目の8文字目から12文字目まで、(2)の9行目の7文字目から12文字目まで

左から6番目、上から3番目の枠のうち、(2)の7行目の8文字目から13文字目まで

4頁

左上から7行目の4文字目から7文字目まで

図0-1の全部

7頁

左から2番目、上から2番目の枠のうち、13行目から15行目まで

8頁

左から3番目、上から2番目の枠のうち、17行目以下全部

11頁

全部

12頁

全部

13頁

表1-2の左から2番目、上から2番目の枠のうち、1行目の16文字目から2行目の3文字目まで

図1ー4の全部

14頁

左上から10行目の13文字目から26文字目まで

図1-5の全部

15頁

表1-5(注を含む。)と表1-6の間の部分の、1行目の13文字目から26文字目まで

右上から4行目の28文字目から5行目の16文字目まで、5行目の33文字目から6行目の2文字目まで

右下から4行目の32文字目から右下から3行目の7文字目まで

16頁

図1-6の全部

17頁

図1-7の全部

18頁

図1-8の全部

19頁

表1-12の左から2番目の欄のうち、上から4番目、5番目、6番目、7番目、8番目の枠内全部

表1-12の左から3番目の欄のうち、上から4番目、5番目、6番目、7番目、8番目の枠内全部

図1-9の全部

20頁

図1-10の全部

表1-14の上から5番目の枠のうち、1行目の罫線の右部分の5文字目から7文字目まで

21頁

表1-16のうち区分等の項目欄を除いた部分の、右から5番目の欄中、上から6番目、10番目、11番目の枠内の上段部分

表1-16のうち区分等の項目欄を除いた部分の、右から4番目の欄中、上から7番目、10番目、11番目の枠内の上段部分

表1-16のうち区分等の項目欄を除いた部分の、右から3番目の欄中、上から6番目、10番目、11番目の枠内の上段部分

22頁

左上から8行目の11文字目から33文字目まで、9行目の12文字目から25文字目まで、13行目の18文字目から20文字目まで

左下の表のうち、左から2番目、上から1番目の枠内全部

左下の表のうち、左から3番目、上から1番目の枠内全部

右上から1行目の16文字目から18文字目まで

右上の表のうち、左から2番目、上から1番目の枠内全部

右上の表のうち、左から3番目、上から1番目の枠内全部

右上の表と右下の表の間の部分の、上から1行目の10文字目から21文字目まで、1行目の32文字目から33文字目まで、2行目の9文字目から10文字目まで

右下の表のうち、左から2番目、上から1番目の枠内全部

右下の表のうち、左から3番目、上から1番目の枠内全部

右下の表のうち、左から2番目、上から2番目の枠内全部

右下の表のうち、左から3番目、上から2番目の枠内全部

23頁

左上から1行目の16文字目から21文字目まで、1行目の30文字目から31文字目まで

 

左上の表のうち、左から2番目、上から1番目の枠内全部

左上の表のうち、左から3番目、上から1番目の枠内全部

左上の表のうち、左から2番目、上から2番目の枠内全部

左上の表のうち、左から3番目、上から2番目の枠内全部

左上の表と左下の表の間の部分の、1行目の17文字目から22文字目まで

左下の表のうち、左から2番目、上から1番目の枠内全部

左下の表のうち、左から3番目、上から1番目の枠内全部

左下の表のうち、左から2番目、上から2番目の枠内全部

左下の表のうち、左から3番目、上から2番目の枠内全部

左下の表のうち、左から2番目、上から3番目の枠内全部

左下の表のうち、左から3番目、上から3番目の枠内全部

24頁

左上から6行目から11行目まで

右上から2行目の14文字目から19文字目まで、3行目の25文字目から32文字目まで

表1-17の全部((注)を含む。)

図1-11の全部

26頁

左上から5行目から21行目まで

右上から1行目以下全部

29頁

全部

30頁

全部

31頁

全部

32頁

全部

33頁

全部

34頁

全部

35頁

全部

36頁

全部

37頁

全部

38頁

全部

39頁

全部

40頁

全部

41頁

全部

42頁

全部

43頁

全部

44頁

全部

45頁

全部

46頁

全部

47頁

全部

48頁

全部

49頁

全部

51頁

左上から5行目から22行目まで

右上から1行目以下全部

52頁

全部

53頁

全部

54頁

全部

55頁

全部

56頁

全部

57頁

全部

58頁

左上から4行目の30文字目から5行目の22文字目まで、左上から10行目から22行目まで

右上から1行目以下全部

59頁

全部

60頁

全部

64頁

左上から11行目から22行目まで

右上から1行目から8行目まで

65頁

右上から4行目の27文字目から29文字目まで、6行目6文字目から11文字目まで、7行目の1文字目から4文字目まで、9行目の22文字目から24文字目まで

66頁

右下から3行目の15文字目から右下から2行目の1文字目まで

67頁

左上から6行目の8文字目から12文字目まで

73頁

右上から21行目の30文字目から32文字目まで

74頁

左上から1行目の13文字目から16文字目まで、1行目の29文字目から32文字目まで、2行目の左から4文字目から7文字目まで、6行目の11文字目から13文字目まで、12行目の13文字目から27文字目まで、20行目から22行目まで

右上から1行目から7行目まで

75頁

左上から11行目から22行目まで

右上から1行目以下全部

76頁

全部

77頁

全部

78頁

左上から3行目の10文字目から16文字目まで、8行目から11行目まで、13行目から16行目まで、18行目から19行目まで

右上から6行目から13行目まで

79頁

左上から1行目の30文字目から2行目の13文字目まで、5行目の17文字目から6行目の18文字目まで、8行目の29文字目から9行目の4文字目まで

左下から3行目から左下から1行目まで

右上から2行目以下全部

81頁

左上から12行目の27文字目から31文字目まで、14行目から22行目まで

右上から2行目の27文字目から32文字目まで、10行目の24文字目から28文字目まで、11行目の1文字目から4文字目まで、13行目の8文字目から11文字目まで、14行目の16文字目から18文字目まで

82頁

右上から19行目以下全部

83頁

左上から6行目の26文字目から10行目まで

右上から15行目の21文字目から23文字目まで、19行目の25文字目から27文字目まで、20行目の16文字目から20文字目まで、22行目の12文字目から14文字目まで

85頁

左上から22行目の1文字目から6文字目まで

右上から16行目の35文字目から17行目の15文字目まで、20行目の21文字目から21行目まで

86頁

左上から6行目から9行目まで、22行目の34文字目から35文字目まで

右上から1行目の1文字目から2文字目まで、17行目の18文字目から21文字目まで

88頁

右上から9行目から16行目まで、18行目以下全部

89頁

左上から1行目から2行目まで、4行目から7行目まで

90頁

左上から8行目の20文字目から21文字目まで、12行目から18行目まで

右上から3行目から7行目まで、10行目の16文字目から19文字目まで

91頁

左上から5行目から7行目まで、9行目の29文字目から33文字目まで

右上から3行目の全部

92頁

右上から1行目の7文字目から2行目まで、13行目の5文字目から14行目まで

93頁

左上から12行目から15行目まで

右上から6行目から7行目まで、13行目から17行目まで、21行目以下全部

95頁

右上から3行目から5行目まで、9行目から10行目まで、13行目以下全部

96頁

左上から10行目から16行目まで

 

右上から7行目以下全部

 備考 句読点、かっこ等の符号も1文字として数えた。

 

別紙

                          審査会の処理経過

年月日

処理内容

 平成3.11.18

○諮問

   3.11.20

○実施機関の職員(都市部都市政策課長)に非公開理由説明書の提出要求

   3.12.10

○非公開理由説明書の受理

   3.12.16

○異議申立人に非公開理由説明書の送付

   4.1.13

○異議申立人から非公開理由説明書に対する意見書の受理
○実施機関に非公開理由説明書に対する意見書を送付

   4.1.18
  (第80回審査会)

○審議

   4.2.29
  (第81回審査会)

○異議申立人から意見の聴取
○実施機関の職員(都市部都市政策課長ほか)から非公開理由説明の聴取
○審議

   4.4.18
  (第82回審査会)

○審議

   4.5.23
  (第83回審査会)

○審議

   4.6.27
  (第84回審査会)

○審議

   4.7.18
  (第85回審査会)

○審議

   4.8.8
  (第86回審査会)

○審議

   4.9.5
  (第87回審査会)

○審議

   4.10. 3
  (第88回審査会)

○審議

   4.11.26
  (第89回審査会)

○実施機関の職員(都市部都市政策課長ほか)から非公開理由説明の聴取
○審議

   4.12.17
  (第90回審査会)

○審議

   5.1.21
  (第91回審査会)

○審議

 

 

 

                     神奈川県公文書公開審査会委員名簿

                                                 (平成3年4月1日委嘱)

氏名

現職

備考

川島 志保

弁護士(横浜弁護士会所属)

平成4.3.11委嘱

黒羽 亮一

学位授与機構教授

 

原 寿雄

(株)共同通信社相談役

会長

堀部 政男

一橋大学教授

会長職務代理者

若杉 明

横浜国立大学教授

 

                                         (平成5年1月26日現在) (五十音順)

目次にもどる

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa