答申第40号

掲載日:2017年12月1日

答申第40号

                          平成8年3月27日

 神奈川県知事 岡崎 洋 殿

               神奈川県公文書公開審査会 会長 原 寿雄

  公文書の閲覧等の請求拒否処分に関する異議申立てについて(答申)

 平成6年2月23日付けで諮問された村岡・深沢地域整備計画策定調査報告
書等一部非公開の件(諮問第42号)について、次のとおり答申します。

1 審査会の結論
  村岡・深沢地域整備計画策定調査報告書等は、別表に掲げる部分を除いて
 公開すべきである。

2 異議申立人の主張要旨
(1)異議申立ての趣旨
   異議申立ての趣旨は、「村岡・深沢地域整備計画策定調査報告書(平成
  3年3月)」(以下「平成2年度報告書」という。)、「村岡・深沢地域
  整備計画策定調査報告書(平成4年3月)」(以下「平成3年度報告書」
  という。)及び「湘南地区都市拠点総合整備事業総合整備計画策定調査報
  告書(平成5年3月)」(以下「平成4年度報告書」という。)(以下、
  これらを総称して「本件報告書」という。)のうち、事業の区域に関する
  こと、具体的な整備方針及び計画に関すること、土地利用計画に関するこ
  と、公園等の都市施設及び機能導入計画の位置又は具体的内容が把握でき
  る部分並びに鉄道事業者の内部情報が記載されている部分(以下「本件非
  公開部分」という。)を神奈川県知事が平成6年1月31日付けで非公開
  とした処分の取消しを求める、というものである。
(2)異議申立ての理由
   異議申立人の主張を総合すると、神奈川県知事が「本件非公開部分は、
  公開すると、(1)当該法人に明らかに不利益を与える部分があること、(2)当
  該審議、検討、調査研究等に著しい支障が生ずるおそれがあること」から、
  神奈川県の機関の公文書の公開に関する条例(以下「条例」という。)第
  5条第1項第2号又は第4号に該当するとした一部非公開の決定は、次に
  掲げる理由から、条例の解釈及び運用を誤っている、というものである。
  ア 藤沢市は、平成5年6月、湘南貨物駅跡地利用についての説明会を開
   催した。それによると、湘南貨物駅跡地に旅客駅をつくり東海道本線を
   停車させ、土地区画整理事業により、駅前広場、幹線道路、公園、商業
   地区等を整備したいということであった。
    異議申立人は、当該説明会において配布された資料及び藤沢市議会の
   議事録を基に、広い道路の必要性、整備区域の中に平成4年度に土地区
   画整理事業が終了した地域が含まれている理由、新旅客駅から至近距離
   にある工場地帯が整備区域から除かれ、住宅地のみを整備し、必要な公
   共用地を提供させる理由、保留地減歩率の見込み等の質問をしたが、同
   市からは何一つ明確な回答が得られなかった。
  イ 実施機関は、本件報告書は関係住民に提案、説明するための案を作成
   する際の基礎資料として使用されると説明している。本件報告書の公開
   された部分の中には、一部に誤った記載が見受けられる。地区の将来像
   や構想を立案するための基礎資料についても同様な誤りがあるならば、
   それを基にしての意思決定は、公平かつ適正な事業執行を妨げ、行政の
   中立性は保たれないと考える。
  ウ 神奈川県(以下「県」という。)及び藤沢市は、今後、本件報告書と
   同様な調査報告書を作成する予定はないとしている。そうであるならば、
   住民が必要な情報を得られず、計画づくりに参加できず、協議も理解も
   ないまま、藤沢市が地元住民に示したとおりの基本計画、実施計画の策
   定と進んでいくことになる。
    地元住民が、将来何ができて、どのような影響を受けるかについて、
   全く知ることができないということは、都市計画行政としていかがなも
   のか。地元に知らせないで整備計画を進めることはおかしいと考える。
  エ 条例第5条第1項第2号該当の点について
  (ア)藤沢市の部長は、市議会常任委員会において、新旅客駅の設置に関
    連する都市基盤整備は、多くの公共用地を必要とし、住民の生活に大
    きな影響を与えるものであり、地権者の協力が必要である旨説明して
    いる。このような地元住民の生活に直接大きく関わる公共性の高い鉄
    道事業者の情報は、一般の法人の情報と同一視すべきではないと考え
    る。
  (イ)湘南貨物駅は、日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)の強い要望
    により、地元住民の犠牲の下に設置したが、わずか16年で廃止され
    た。この責任もとらぬまま、再度、住民に犠牲を強いる計画を立て、
    法人内部の情報であることを理由として情報を公開しないことは理解
    に苦しむ。
  (ウ)条件次第では、住宅密集地に住む地元住民は、転居せざるを得なく
    なるが、鉄道事業者は、新駅設置の条件をどのように考えているので
    あろうか。
  オ 条例第5条第1項第4号該当の点について
  (ア)藤沢市が示した計画は、新旅客駅を中心とした整備計画であるにも
    かかわらず、駅前広場、道路、公園等の用地を住宅地に住む地元住民
    のみに負担させ、新旅客駅から至近距離にあり、多大な利益を得ると
    思われる工場地帯が整備地区から除かれている。その理由を専門家が
    調査、検討した基礎資料である本件報告書を公開して明らかにしたい。
  (イ)実施機関は、本件報告書は、現段階では意思決定がされていない行
    政における内部的な審議、検討過程の情報であり、未成熟なものであ
    ると説明している。しかし、住民に不正確な理解や誤解を与えないた
    めにも、意思決定される前に本件報告書のすべてを情報提供し、住民
    とともに協議、検討を重ねて計画を策定することが重要である。
  (ウ)本件報告書の公開された部分の中には、地区内の関係者に対して事
    業の必要性や計画の内容、進め方等について説明して理解を得るよう
    にとの記載がある。しかし、公開された文書では非公開の部分が多す
    ぎ、計画の内容が理解できない。
  (エ)実施機関は、個人の財産、利害に密接に関係するものであることか
    ら、本件報告書を行政内部で計画内容を検討している段階で公開する
    と、県民に不正確な理解や誤解を与えるおそれがあると説明している
    が、公開することによって、特定個人の利害得失を招くということは、
    本件報告書が公平に記されていないか、又は間違って記されているか
    である。地元住民に十分正しい情報を与えたならば、不正確な理解や
    誤解を与えるはずがないと考える。

3 実施機関の職員(都市部都市計画課長)の説明要旨
(1)本件報告書について
  ア 本件報告書は、藤沢市にある湘南貨物駅跡地等を活用し、湘南地区に
   おける新しい都市拠点を形成していくための構想及び計画(以下「本件
   整備計画」という。)について検討することを目的に行った調査の報告
   書である。
  イ 平成2年度報告書及び平成3年度報告書は、長期的な展望の下で地域
   開発整備のあり方を探り、都市基盤施設や拠点地区の整備に関わる具体
   的な課題を中心に掘り下げることなどを目的に県、藤沢市、鎌倉市及び
   日本国有鉄道清算事業団(以下「清算事業団」という。)の間で共同調
   査した際の報告書である。
  ウ 平成4年度報告書は、平成2年度及び平成3年度の調査結果を踏まえ、
   県が都市拠点総合整備事業として実施したもので、湘南地区における将
   来像、整備課題、整備方針、公共施設等の土地利用に関すること、都市
   機能の導入に関すること、高次都市基盤施設の整備などの広範な内容が
   記載されている。
  エ 本件報告書は、地元市が都市拠点総合整備計画として関係住民に提案、
   説明等を行うための案を作成する際の基礎資料として使用されるもので
   ある。
(2)条例第5条第1項第2号該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号は、法人等に関する情報であって、公開する
   ことにより、当該法人等に明らかに不利益を与えると認められるものに
   ついては、公開を拒むことができるとされている。
  イ 条例第5条第1項第2号に該当すると判断した部分は、専ら鉄道事業
   者の内部情報であるにもかかわらず、当該法人に調査の趣旨を理解して
   もらい、情報提供を受け、当該法人の土地につき検討を加えたものであ
   る。また、当該法人自身においても自己所有地の土地利用を検討してい
   る段階であるので、これを公開すると、当該土地利用が確定したように
   理解され、法人の事業活動に支障を与えると認められる。
  ウ したがって、当該部分は、条例第5条第1項第2号に該当する。
(3)条例第5条第1項第4号該当性について
  ア 条例第5条第1項第4号は、県の機関内部若しくは機関相互又は県の
   機関と国等との機関との間における審議、検討、調査研究等に関する情
   報であって、公開することにより、当該審議、検討、調査研究等に著し
   い支障が生ずるおそれがあるものについては、公開を拒むことができる
   とされている。
  イ 条例第5条第1項第4号に該当すると判断した部分は、整備計画の具
   体的な内容が把握できる部分、例えば、事業の区域に関する部分、道路
   構想網、個別の道路計画等の整備方針や計画に関する部分、土地利用計
   画に関する部分並びに公園等の都市施設と機能導入計画の位置及び内容
   が分かる部分等である。
  ウ これらの部分は、現段階では意思決定がなされていない行政における
   内部的な審議、検討過程の情報であって、今後の審議、検討等により変
   更があり得る未成熟なものである。
    また、個人の財産、利害に密接に関係するものでもあることから、行
   政内部で計画内容を検討している段階で公開すると、あたかも既に決定
   されたかのような誤解や不正確な理解を与えるおそれがある。
    そして、投機的な土地取引や土地利用の変更等、それぞれ個別の思惑
   に基づく行動が予想され、関係住民等にも大きな混乱をもたらすおそれ
   がある。
    さらに、思惑に基づく投機的行為の影響を受け、行政の中立性が損な
   われたり、自由な審議、検討等が妨げられるおそれがある。
  エ 以上のことから、当該部分は、条例第5条第1項第4号に該当する。

4 審査会の判断理由
(1)本件報告書の公開・非公開の判断及び本件整備計画について
  ア 本件報告書は、藤沢市村岡地域にある湘南貨物駅跡地及び鎌倉市深沢
   地域にある東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)大
   船工場隣接地を活用して、湘南地区における新たな都市拠点整備を行う
   ために実施した調査の報告書であり、同貨物駅跡地に新旅客駅を設置す
   ることを本件整備計画の前提としているものである。
  イ 整備対象地区を管轄する藤沢市及び鎌倉市は、都市計画の原案を作成
   する基礎的自治体という立場から、本件報告書を基礎資料として作成し
   た整備計画案を関係住民に説明したり、市民参加を得てまちづくりにつ
   いて議論をするなど、本件整備計画の市案作成のための審議、検討等を
   行っていることが認められる。
    これに対し、県は、本件整備計画に関する両市間の計画内容の調整等
   の事務を中心として、広域的観点からの総合整備計画策定のための審議、
   検討等を行っていると認められる。
    また、県、藤沢市、鎌倉市、清算事業団、住宅・都市整備公団及びJ
   R東日本は、平成6年2月に湘南地区都市拠点総合整備事業推進協議会
   を設置し、本件整備計画に係る事業推進のための計画内容の調整等を行
   っていると認められる。
  ウ 本件整備計画は、200ヘクタールを超える大規模な地域を開発整備
   し、都市の拠点を形成するというものであり、地域の住民に多大な影響
   を与えるものである。このような地域住民に多大な影響を与えるまちづ
   くり、都市計画等における計画段階からの情報の公開等については様々
   な意見のあるところであるが、できる限り地元住民に情報を提供し、そ
   の意向を十分に尊重した上で計画案の策定がなされるべきものであるこ
   とについては異論のないところである。
    本件報告書の公開・非公開の判断に当たっても、条例が県民等に保障
   した公文書の公開を求める権利が十分に尊重されるように解釈しなけれ
   ばならない。
  エ 閲覧等の請求に係る諾否の決定に関する異議申立てについて、実施機
   関が当審査会に諮問する趣旨は、条例第5条で規定する適用除外事項等
   の該当性等を実施機関が改めて判断する際の意見を求めているものと解
   される。したがって、当該諾否の決定後に新たな事実状態等の変動があ
   ったときには、処分時の事実状態等によって判断しなければならない特
   段の事情が存在しない限り、当審査会は新たな事実状態等の変動をも考
   慮して、審査、判断できるものと考える。
  オ 本件報告書の公開・非公開の判断に当たっては、処分時の事実状態等
   によって判断しなければならない特段の事情が存在するとは認められな
   いことから、前記イ及びウで述べた事情等をも考慮して検討した結果、
   次のとおり判断する。
(2)条例第5条第1項第2号該当性について
  ア 条例第5条第1項第2号本文は、法人その他の団体(国及び地方公共
   団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報であって、公開す
   ることにより、当該法人等に明らかに不利益を与えると認められるもの
   は、非公開とすることができると規定している。
    この規定は、法人等に不利益を与えることを防止する観点から定めら
   れたものであり、公開することにより、法人等に不利益を与えるかどう
   かについての判断は、請求の対象となった情報のほか、当該法人等の性
   格、規模、事業活動における当該情報の位置づけ等も考慮した上で行う
   べきでものであると解される。
  イ 実施機関が条例第5条第1項第2号本文に該当するとして非公開とし
   た部分は、湘南貨物駅跡地に新旅客駅を設置するに当たってその考え方
   を記載した部分の一部であり、具体的には、国鉄改革時において、清算
   事業団、JR東日本及び日本貨物鉄道株式会社(以下「JR貨物」とい
   う。)が国鉄の土地を承継した際の経緯等であると認められる。
  ウ JR東日本及びJR貨物は、日本国有鉄道改革法に定める国鉄改革の
   実施に伴い、公共の福祉の増進を目的として設立された国鉄の事業等を
   引き継ぎ、権利及び義務を承継した法人であって、旅客鉄道株式会社及
   び日本貨物鉄道株式会社に関する法律に基づき設立されたものである。
    また、清算事業団は、日本国有鉄道清算事業団法に基づき、旅客鉄道
   株式会社等の事業等の引継ぎ等があった後における国鉄の債務の償還、
   資産の処分等を目的として設立された法人である。
  エ これらの法人の設立経緯及びその公共性を踏まえて判断すれば、実施
   機関が同号本文に該当するとした部分は、前記イで明らかにした内容か
   らして、公開することにより、当該法人に明らかに不利益を与えるもの
   ではないと考えられる。
  オ したがって、当該非公開部分は、条例第5条第1項第2号には該当し
   ないと判断する。
(3)条例第5条第1項第4号該当性について
  ア 条例第5条第1項第4号は、県の機関内部若しくは機関相互又は県の
   機関と国又は他の地方公共団体の機関との間における審議、検討、調査
   研究等に関する情報であって、公開することにより、当該審議、検討、
   調査研究等に著しい支障が生ずるおそれのあるものは、非公開とするこ
   とができるとしている。
    この規定は、行政内部の審議、検討、調査研究等が円滑に行われるこ
   とを確保する観点から定められたものであり、一般的には、審議、検討、
   調査研究等に基づき一定の結論が得られているものについては、公開す
   ることにより、行政内部の審議、検討、調査研究等に著しい支障が生ず
   るとは認められないと解される。したがって、行政が一定の意思決定に
   基づき公にした情報と同程度と認められる情報については、本号を理由
   として非公開とすることはできないものと考える。
    また、公にした情報と同程度と認められない情報であっても、当該審
   議、検討、調査研究等の性質、状況等から判断して、公開することによ
   る支障が著しいとまで判断されないものについては、同様に非公開とす
   ることはできないものと考える。
  イ 本件報告書は、前記(1)で認定したとおり、藤沢市村岡地域及び鎌
   倉市深沢地域に新たな都市の拠点をつくるために作成した、行政内部に
   おける意思形成のための参考資料という性質を有するものである。
    現在、本件報告書を基礎資料として、藤沢市及び鎌倉市は、市案を策
   定するための審議、検討等を行っている段階であり、県は、広域的観点
   からの総合整備計画策定のための審議、検討等を行っていることから、
   本件報告書は、条例第5条第1項第4号前段で規定する審議、検討、調
   査研究等に関する情報に該当すると認められる。
    そこで、以下、同号後段で規定する、公開することにより、当該審議、
   検討、調査研究等に著しい支障が生ずるおそれがあるかどうかについて
   判断する。
  ウ 当審査会が調査したところでは、次の事実が認められる。
  (ア)神奈川県知事は、平成3年2月21日に開かれた県議会本会議にお
    いて、本件整備計画として、湘南貨物駅跡地に新旅客駅及び駅前広場
    を設置し、計画区域内に高度情報センター、複合交通センター、多目
    的広場等の拠点施設を整備し、併せて、必要な道路網の整備を行う旨
    述べている。
  (イ)藤沢市は、本件報告書を基礎資料として、同市内部で審議、検討等
    を行った結果である開発構想案を市民に説明するため、本件整備計画
    地区内の住民等を対象に、平成5年5月から同年6月の間、8回にわ
    たり「湘南貨物駅跡地利用に関する説明会」を開催している。そして、
    同市は、村岡地域を土地区画整理事業により基盤整備し、新旅客駅駅
    前に拠点地区を形成したいとして、特定の土地の利用計画や道路の付
    け替え等の位置が明らかになる詳細な開発構想図等を提示し、住民の
    意見を聴いている。
  (ウ)しかし、本件整備計画区域内の新旅客駅南側の住民は、同市の提案
    に対し、土地区画整理事業による開発には反対である旨の陳情を市長
    に対して行うなどの運動をしている。そこで、同市は、本件整備計画
    の原点というべき新旅客駅の設置という基本的事項をも含めた話合い
    を住民と行いたいとして、平成7年7月に意見交換会の開催をするな
    どしたが、話合いは進展していない状況にある。
  (エ)鎌倉市は、学識経験者等から構成される鎌倉市深沢地域まちづくり
    市民懇話会を設置し、平成6年11月に同懇話会からの提言を受けて
    いる。この提言に示されたまちづくりの方針、考え方等を関係住民や
    市議会議員等に説明した上、平成7年5月広報総合計画臨時号におい
    て深沢地域国鉄跡地周辺総合整備構想として全市民に周知した。
  (オ)そして、平成7年3月には、同懇話会の提言を踏まえ、基本計画素
    案を作成するため、公募により選ばれた市民、商業者、関係機関等の
    代表者が参画した深沢地域まちづくり会議を設置した。
     同会議は、土地利用・都市骨格の方針、中心地区の開発の方針等を
    広く公開の場で議論し、平成8年1月に市長に報告書を提出したが、
    ここでは、深沢地域の将来イメージをパイロットプランとして整理し、
    中心地区から段階的に整備する旨の方針がうたわれている。しかし、
    特定の土地の権利に直接かかわる詳細な道路や公共施設等の計画等に
    ついてまでは触れられていない。これらの問題は、今後、同市内部で
    更に検討されるものである。
  エ 都市計画の原案は、各々の市町村が策定するものであり、地方自治と
   いう観点から判断すると、計画策定における住民参加のあり方、整備計
   画案の策定方法、進行状況、内容の公表等に関し、両市間で差異が生ず
   ることは想定できる。本件報告書における前提条件は新旅客駅の設置で
   あり、その前提条件を踏まえると、新旅客駅周辺の整備計画案を明確に
   してJR東日本等と調整を行わなければならない藤沢市と、藤沢市の新
   旅客駅設置構想に対応して清算事業団跡地を中心とした整備計画を検討
   している鎌倉市とでは、住民に対しての説明の方法等に差異が生ずるの
   も当然のことと考える。
    しかしながら、本件整備計画は、藤沢市域と鎌倉市域が一体となって
   整備するものである以上、広域的観点から、藤沢市域と鎌倉市域の間で
   一定の整合性をもって公表等をしなければならない情報もあると考える。
  オ 以上の事実等に照らして判断すると、本件非公開部分には、開発整備
   の方針、土地利用の考え方、幹線道路の整備のあり方等の既に行政が公
   にした情報又はそれと同程度と認められる情報のほか、住民等から説明
   を求められれば公にすべきと認められる情報、単なる例示・アイデアの
   提供に過ぎないと認められる情報等、公開することにより、本件整備計
   画等の策定に係る審議、検討、調査研究等に著しい支障が生ずるおそれ
   があるとは判断できない情報が相当程度含まれていると認められる。
    しかしながら、本件整備計画等における検討状況等から判断して、次
   に掲げる情報は、公開することにより、本件整備計画等の策定に係る審
   議、検討、調査研究等に著しい支障が生ずるおそれがあると判断する。
  (ア)特定の道路、公園等の位置等が明らかになる部分(既に公表された
    ものと同程度又は住民等から説明を求められれば公にすべきと判断さ
    れる部分を除く。)
  (イ)特定の道路の幅員等が明らかになる部分
  (ウ)鎌倉市における具体的な土地利用計画のうち詳細な位置が分かる部
    分
  (エ)鎌倉市の拠点地区における施設等の位置及び面積並びに詳細な計画
    内容が分かる部分
  (オ)整備区域、道路等の具体的な位置及び面積等が明らかになる図面並
    びに拠点地区及び公園の整備イメージ図
  (カ)鎌倉市域における開発整備の手法について記載された部分
  (キ)開発整備の実施に当たって考慮される事項であって、特定の土地の
    権利に直接かかわる部分
  (ク)新旅客駅設置に伴い再編を余儀なくされるバス路線についてバス事
    業者の意向を確認しないで作成された将来の路線図等
  (ケ)事業スケジュールに関する部分
  (コ)本件整備計画策定後の課題等について触れられた部分
  カ また、本件報告書には、藤沢市村岡地域及び鎌倉市深沢地域という整
   備対象地域を含むより広域的な道路網整備構想に関する図面が描かれて
   いる。
    これらの構想図のうち、現在、行政内部における検討段階にあり、か
   つ、具体的な路線案が未公表である自動車専用道路等の路線案が明らか
   になる図面については、当該自動車専用道路等に係る現在の検討状況等
   から判断すると、公開することにより、当該審議、検討、調査研究等に
   著しい支障が生ずるおそれがあると判断する。
  キ 上記の判断に従い本件非公開部分について精査したところ、別表に掲
   げた部分は条例第5条第1項第4号に該当するが、その余の部分は同号
   に該当しないと判断する。
(4)条例第5条第2項該当性について
  ア 条例第5条第2項は、閲覧等の請求に係る公文書に、部分的に公開す
   ることのできない情報が記録されている場合であっても、それらを容易
   に、かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める趣旨を失わない程度に
   合理的に分離できる場合には、部分公開をしなければならないと規定し
   ている。
  イ 当審査会は、本件非公開部分について、個別、具体的に部分公開でき
   るかどうかについて検討したが、当審査会が前記(2)及び(3)により非公
   開とすることが妥当と認めた部分以外の部分を公開したとしても、容易
   に、かつ、公文書の閲覧又は写しの交付を求める趣旨を失わない程度に
   合理的に分離できる場合に該当すると判断する。

5 審査会の処理経過
  当審査会の処理経過は、別紙のとおりである。

別表

1 平成2年度報告書

該当頁

該当行等

33

全部

41

全部

45

左側5行目20文字目から32文字目まで

48

左側7行目30文字目から8行目1文字目まで、同10行目4文字目から8文字目まで、同13行目8文字目から12文字目まで

49

全部

52

表3-2の注2)で描かれている開発地区の範囲図

53

右側18行目16文字目から33文字目まで

54

全部

55

全部

57

左側7行目16文字目から20文字目まで、右側7行目から9行目まで

59

図3-5のうち、左上に描かれている平面図

60

左側17行目13文字目から15文字目まで、同18行目9文字目から19行目19文字目まで、同25行目8文字目から10文字目まで、右側1行目、同4行目12文字目から19文字目まで、同7行目20文字目から24文字目まで、同8行目22文字目から23文字目まで、同10行目8文字目から19文字目まで、同15行目14文字目から18文字目まで、同15行目28文字目から29文字目まで、同16行目3文字目から17行目まで、同19行目14文字目から18文字目まで、同19行目28文字目から29文字目まで、同20行目3文字目から33文字目まで、同25行目26文字目から27文字目まで

61

全部

63

左側1行目21文字目から22文字目まで、同4行目24文字目から25文字目まで、同26行目21文字目から22文字目まで、右側1行目31文字目から2行目9文字目まで、同2行目25文字目から26文字目まで、同5行目1文字目から10文字目まで、同6行目から9行目まで、同12行目4文字目から5文字目まで、同18行目7文字目から25文字目まで、同20行目から23行目まで

64

左側1行目15文字目から29文字目まで、同3行目から6行目まで、同8行目から12行目まで、右側5行目から7行目まで

65

図3-11(図の題名は除く。以下同じ。)、右側3行目16文字目から26文字目まで、同5行目から11行目まで

66

左側9行目22文字目から10行目3文字目まで、同14行目16文字目から26文字目まで

67

左側17行目1文字目から30文字目まで、同19行目21文字目から26文字目まで、同21行目、同22行目15文字目から23行目11文字目まで

70

左側14行目14文字目から15行目12文字目まで

71

右側4行目21文字目から6行目2文字目まで

72

図4-1

75

左側13行目2文字目から27文字目まで、右側2行目7文字目から3行目16文字目まで、同15行目5文字目から16行目9文字目まで、同16行目29文字目から17行目9文字目まで、同19行目以下全部

76

図4-2

2 平成3年度報告書

該当頁

該当行等

右側19行目32文字目から20行目6文字目まで

11

左側11行目14文字目から13行目まで、右側1行目30文字目から2行目14文字目まで

12

図1-2

13

全部

14

右側21行目14文字目から19文字目まで

15

全部

16

左側4行目7文字目から20文字目まで、同6行目16文字目から8行目12文字目まで、同15行目から21行目まで、同23行目から右側10行目まで、右側13行目21文字目から14行目32文字目まで、同17行目18文字目以下全部

17

図1-5、右側1行目から4行目まで、同14行目21文字目から23文字目まで、同21行目5文字目から7文字目まで

18

全部

19

全部

20

左側2行目1文字目から5文字目まで、同10行目から15行目まで、同19行目から22行目、図1-8

21

左側3行目から右側3行目まで、右側5行目から10行目まで

22

全部

23

全部

25

全部

28

右側19行目以下全部

29

左側全部、右側9行目以下全部

30

図1-11、右側1行目から11行目まで

31

左側18行目8文字目から22文字目まで

33

全部

35

図1-13

37

図1-14

48

右側9行目9文字目から13文字目まで

49

全部

50

右側10行目16文字目から25文字目まで、同15行目9文字目以下全部

51

全部

53

左側1行目から2行目まで、同9行目8文字目から12行目まで、同14行目以下左側全部、右側4行目15文字目から5行目5文字目まで、同12行目から17行目まで、同19行目以下全部

54

左側1行目、表2-1(表の題名は除く。以下同じ。)、同4行目から13行目まで、同15行目、右側2行目以下全部

55

左側1行目から5行目まで

58

左側14行目23文字目から24文字目まで、同20行目から22行目まで、同23行目17文字目から18文字目まで、右側4行目16文字目から17文字目まで、同14行目17文字目から18文字目まで、同21行目23文字目から24文字目まで

60

左側10行目4文字目から11行目21文字目まで、同17行目から19行目まで、同24行目から右側1行目まで、右側14行目以下全部

61

全部

65

全部

67

左側1行目、同2行目13文字目から14文字目まで、同10行目2文字目から6文字目まで、同13行目4文字目から11文字目まで、同15行目7文字目から19文字目まで、同18行目18文字目から25文字目まで、同20行目以下左側全部、右側1行目2文字目から6文字目まで、同2行目31文字目から3行目2文字目まで、同3行目13文字目から14文字目まで、同4行目3文字目から7文字目まで、同5行目から10行目まで、同11行目2文字目から6文字目まで、同14行目21文字目から24文字目まで、同16行目2文字目から6文字目まで、同18行目16文字目から23文字目まで、同20行目から23行目まで、同24行目2文字目から6文字目まで、同25行目29文字目以下全部

68

左側1行目1文字目から2文字目まで、同2行目29文字目から3行目21文字目まで、同5行目31文字目から6行目1文字目まで、同6行目16文字目から19文字目まで、同7行目8文字目から8行目17文字目まで、同10行目2文字目から11文字目まで、同20行目9文字目から14文字目まで、同21行目から右側1行目まで、右側3行目以下全部

69

左側1行目から5行目まで、同17行目1文字目から2文字目まで、右側3行目26文字目から27文字目まで、同5行目15文字目から26文字目まで、同12行目12文字目から13行目まで

71

全部

73

右側6行目15文字目から7行目5文字目まで、同7行目33文字目から8行目5文字目まで

74

全部

75

左側8行目から右側20行目まで

76

全部

77

右側21行目以下全部

78

全部

79

左側1行目から2行目まで、同9行目から12行目まで、同14行目目以下左側全部、右側2行目から6行目まで、同12行目から14行目まで、同16行目から23行目まで、同25行目

80

全部

81

左側1行目、右側14行目14文字目から22文字目

82

左側6行目11文字目から7行目9文字目まで、同20行目29文字目から21行目5文字目まで

85

右側12行目19文字目から14行目9文字目まで、同23行目14文字目から28文字目まで、同24行目13文字目以下全部

86

左側1行目1文字目から5文字目まで、同6行目以下左側全部、図3-3

87

全部

90

全部

92

左側17行目16文字目から31文字目まで、右側1行目2文字目から7文字目まで

3 平成4年度報告書

該当頁

該当行等

35

全部

39

全部

42

左側6行目19文字目から21文字目まで、同11行目9文字目から13文字目まで、同15行目13文字目から21文字目まで、同18行目20文字目から24文字目まで、同22行目14文字目から18文字目まで、同24行目14文字目から18文字目まで、同24行目25文字目から右側1行目まで、右側5行目29文字目から33文字目まで、同9行目19文字目から23文字目まで、同13行目4文字目から8文字目まで、同17行目20文字目から24文字目まで、同20行目31文字目から21行目2文字目まで

45

全部

47

全部

49

左側19行目32文字目から20行目8文字目まで、同20行目12文字目から24文字目まで

50

全部

53

全部

60

左側14行目から16行目まで

63

右側8行目12文字目から9行目30文字目まで

65

左側7行目33文字目から8行目1文字目まで

66

表4-2、右側5行目17文字目から25文字目まで

67

右側8行目以下全部

68

左側11行目から5行目まで

69

全部

71

全部

73

全部

75

全部

備考1 行数は、文字(図表の題名は含むが、図表そのもの及び図表中の注意書き等は含
   まないものとする。)が記載された行を上から数えたものである。

備考2 文字数は、当該行の記載のある文字について左から数えたものである。句読点及
   び「○」、「・」、「-」、「(」、「m」、「ha」等の標記は一文字とし、数字
   は、桁数にかかわらず一文字と数えたものである。

備考3 本件報告書は、両面刷りとなっているが、多色刷りの頁の裏面は白紙であり、当
   該部分は、頁の表示を含め、一切の情報が記載されていない。

    多色刷りの頁の裏面に相当する頁は次のとおりである。

平成2年度報告書

2,4,14,16,18,24,26,32,34,40,42,50,62

平成3年度報告書

2,4,10,24,26,32,34,36,52,62,64,66,72

平成4年度報告書

2,4,6,8,14,16,24,26,28,40,44,46,48,54,70,72,74

別紙

                  審査会の処理経過

年月日

処理内容

平成6.2.23

○諮問

   6.3.3

○実施機関に非公開理由説明書の提出要求

   6.3.30

○非公開理由説明書の受理

   6.4.11

○異議申立人に非公開理由説明書の送付

   6.5.6

○異議申立人から非公開理由説明書に対する意見書の受理

   6.5.16

○実施機関に非公開理由説明書に対する意見書を送付

   6.10.6
 (第117回審査会)

○審議

   6.11.24
 (第118回審査会)

○異議申立人からの意見の聴取
○実施機関の職員(都市部都市計画課長ほか)から非公開理由説明の聴取
○審議

   7.5.18
 (第126回審査会)

〇審議

   7.7.27
 (第129回審査会)

〇審議

   7.8.10
 (第130回審査会)

〇審議

   7.10.19
 (第132回審査会)

〇審議

   8.1.18
 (第135回審査会)

〇審議

   8.2.15
 (第136回審査会)

〇審議

   8. 3. 4
 (第137回審査会)

〇審議

                神奈川県公文書公開審査会委員名簿

                               (平成7年4月1日委嘱)

氏名

現職

備考

川島 志保

弁護士(横浜弁護士会所属)

 

小林 重敬

横浜国立大学教授

 

原 寿雄

ジャーナリスト

会長

堀部 政男

一橋大学教授

会長職務代理者

若杉 明

高千穂商科大学教授

 

                         (平成8年3月27日現在) (五十音順)

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本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
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  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa